ぴかろんの日常

ぴかろんの日常

リレー企画 115



替え歌 「愛さずにいられない」 by ギョンジン ロージーさん


だからもう彼のことなど言わないで
うつむいたままで暮らして何になる
愛してる すべてをかけて愛するよ
苦しんだ 過去も癒してあげるから
たとえ僕が 傷ついても
かまわないよ かまわないさ
強く抱きしめて 抱きしめて
ラブを愛さずに いられない

意地悪なことを何度も言うけれど
ほんとうは僕を愛しているんだろ
火のように 燃えたおまえは夢なのか
なぜそんな 暗い瞳をしているの
たとえどんな どんな過去も
乗り越えよう 僕と二人
強く抱きしめて 抱きしめて
ラブを愛さずに いられない

ラブを愛さずに いられない

ラブを愛さずに いられない

ラブを ラブを 愛さずに いられない


(野口五郎『愛さずにいられない』)



テプンとジュンホ 2 びょんきちさん

じゅんほです。いま、てぷんしゃんのなやみそうだんをしています。
おもにべっどてくにっくのことなんですが、それはおしえてあげません。
なぜなら、ぼくとそにょんさんのふたりだけのひみつだからです。

ぼくのまわりにはじぶんのえっちじまんをするひとがおおいんです。
でもぼくはしません。だってあれはふたりのひめごとだから。
そにょんさんと、あんなこと、こんなこと、ひえ~ そんなことまで~
なんてことおしえてあげないもん。えへへ、いひひ、うふふ、おほほ。

「おい、ジュンホ、さっきからなに一人でニヤニヤ笑ってるんだよ」
「俺の質問に答えてくれよ。具体的に何すればいいんだよ」

テプンしゃん、他力本願はダメですよ。
少しは、自分の頭で考える習慣をつけましょうね。

「な、なんだよ。急に漢字しゃべりするなよ」
「それに難しい漢字使うなよ。他力本願ってなんだよ」

たりきほんがんとは、たにんにたよってじぶんがどりょくしないことです。
てぷんしゃんは、みんみんごうかまんしょんをしんきょにするっていってましたよね。
あれもたりきほんがんです。だから、ちぇりむさんがおこったんです。わかりますか。

「ふ~ん、なるほど、そうなのか」
「ジュンホってすごいな。偉い坊さんの説教聞いてるみたいだ」

じゃあ、まずは、ぼくのけいけんだんからおはなしします。
ぼくはこじいんでそだちました。ずっとびんぼうでした。
がっこうでおかねがなくなると、まずぼくがうたがわれました。

「そりゃあ、ひでえ話だなあ」
「ジュンホが金盗むはずないじゃないか。うっうっ・・・」

てぷんしゃん、なかないでください。
びんぼうだからしかたがないんですよ。せけんとはそういうものです。
ぼくはおかねのためならなんでもしました。
ボクシングの八百長試合もしました。
ヤクザといっしょに借金の取り立てもしました。

「おまえ、本当に苦労したんだなあ」
「で、また漢字しゃべりになってきたぞ」

でも、ソニョンさんと出会って僕は変わりました。
家族のためにもちゃんとしようと思いました。
でも、だめでした。ソニョンさんと僕とはあまりにも違い過ぎます。

ソニョンさんは、きれいで、頭が良くて、お金持ちのお嬢さんで仕事もできます。
僕にはなんにもありません。なにもできません。みんなに迷惑かけるだけのお荷物です。
だから、離婚しようと思って離婚調停室に行きました。

「そんなことがあったんだ」
「おまえが離婚を考えてたなんて知らなかった」

でも、離婚調停室でソニョンさんが言ってくれたんです。
もっと迷惑かけてほしい。心配させてほしい。愛しているからと。

「ほんま、ええ話やなあ」
「それで、結論は?」

てぷんしゃん、あいとはそういうものです。
びんぼうとかかねもちとか、あたまいいとかわるいとかちょうえつしてるのです。
べっどてくにっくのよしあしなんてたいしたもんだいじゃありません。
まずはじぶんにじしんをもってちぇりむさんをあいしてください。
おとこは「自信」をもたなければだめです。でも「過信」や「慢心」はいけません。
わかりましたか。てぷんしゃん。

「う~ん、わかったような、わからないような」
「だから、具体的には何すればいいんだよ~ ジュンホ~」


出勤前  オリーさん

彼から電話が入った。
「すまないが、すぐ迎えにきてもらえないか。不測の事態が起こった。」
「もう、前に来てるよ。」
僕はそう言って電話を切った。
もちろん不測の事態のこともわかってる。
だって全部聞いてたから・・

彼が入口から出てきた。
「早いな。」
「近くで待ってたから。」
「悪いけど急いでマンションに戻りたい。ちょっとトラブルだ。」
「大変な事になったね。」
彼は僕の顔を振り返った。
「わかってるのか?」
僕は笑った。
「ごめん。」
そう言うと、彼のジャケットの襟の裏に手を伸ばした。
小さな黒いボタンもどき。

「これって・・」
「ごめん。つい気になっちゃって。」
僕は首をすくめた。
彼は顎を撫でながら僕の顔をしばらく見ていた。
「mayoさんに借りたの?」
「ううん、これは僕の備品。昔使ってたやつ。」
「なるほど。」
「ごめん。」
僕はもう一度謝った。
彼は左の眉をちょっと上げて苦笑いをした。
「説明する手間が省けた。出してくれ。」
僕はすぐにアクセルを踏み込んだ。

彼はそれから携帯をとり出した。
「どこに電話するの?」
「ちょっと昔の知り合いに。」
「弟さんの会社の事なら、調べてもらってるよ。」
「え?」
「昔のコネでちょっとね。資料をファックスしてくれるよう頼んだ。」
「すばやいな。」
「僕も仕事は早いんだ。知らなかった?」
「ありがとう。」
彼はちょっと笑ってからため息をついた。
「そんなわけで、話はあまり進展してない。すまない。」
「意思表示はちゃんとできたね。言葉が通じないにしては上出来だったよ。」
「おかげさまで。」
彼は僕の首ねっこを片手で掴んだ。

マンションに戻ると、先輩に頼んだ資料はすでに届いていた。
メタルフレームのメガネをかけた彼はそれを持って、書斎に消えた。
僕はトレーニングルームに向かった。
しばらく使ってない筋肉がだいぶなまっているはず。
ストレッチで体をほぐしてから、
マシーンを順番に試しているうちに、体中の細胞が少しづつ息づいてくる。
そして眠っていた筋肉が徐々に目覚めていくのを感じた。
そうだ、ここで彼にも運動させよう。
筋肉に悲鳴を上げさせる手前で切り上げた。
ほどよい汗が心地よい。
軽い疲労感に包まれてシャワールームへ向かった。
これからは毎日ここで少しづつ汗を流そう。
もちろん彼も巻き込んでやる。
そう決めてシャワールームできれいさっぱり汗を流した。

バスローブを羽織ってシャワールームを出ると、
書斎の入口から彼がこちらを見ていた。
片手でドアノブを掴み、腰に手を当てている。
「運動したのか。」
「うん、このところ運動不足だからね。」
「そう。」
「これから一緒にやろうね。」
「・・・・」
「僕がメニュー作ってあげるから。」
「・・・・」
「返事しなくてもやるからね。」
彼はふふんと鼻で笑った。

「もう終わったの?」
「ああ。だいぶわかった。」
「でどう?」
「あまり見込みはないな。」
「そうなの。今日、店はどうするの?」
「行くよ。」
「じゃあ、そろそろ支度しないと。」
「そうだな。」
入れ違いに彼がシャワー室に消えた。

しばらくして僕らはゼニアのスーツに身を包んで店に出た。


La mia casa_8 妄想省家政婦mayoさん

闇夜は帰ってくると背中のリュックを肩から降ろし..はるみを抱き上げ
リュックの中から新聞紙に包んであるものを俺とテソン渡した..

「何だ?」「何?」

俺等がそれらをごそごそ開けると
俺の方はマリアーヌ・カンタンのバターの塊で
テソンの方は表面の黒いペックのパルミジャーノチーズの塊だった
どれもなかなか手に入らない食材だ...

「どうした...これ...」
「ど...どうしたの....これ...」

「って聞くまででもないな...テソン..」
「そうだね....」
「...^^;...」

はるみはスルスルと闇夜の胸から肩に移り..闇夜が手を洗った後..
またスルスルと闇夜の胸に降りていく...
イスに座った闇夜にテスがくりーむぱんを渡す...

「美味しいよ^o^...」
「ホント?」
「ぅん#^o^」
「どれどれ....」

闇夜はくりーむぱんをぱくぱく食べた....

「ぉん...いいじゃん..いけるいける...腕落ちてないじゃん...ちぇみ..」
「材料がいいんだ...」
「おほほほ....ご謙遜....」
「あのな#...ったぐ...」

闇夜は結局くりーむぱんを2個食べた....
で...その後...テスと闇夜は屋上に上がった...屋上から♪が聞こえてくる...

「テソン...覗いてみないか...」
「ぅん...OK...」

俺とテソンは屋上に続く階段で2人のダンスを覗いた....


テスと闇夜は両手を腰に手を当て...腰を上下しながらベリーダンス....
曲に合わせて前後に並んで踊り....向かい合って踊り....

「テス...すっごい..動き滑らかになってるよ...」
「ぉ...ぉぅ....」

2、3曲のベリーダンスで身体がほぐれたかに見えた時に♪が変わった....
向かい合って立つ2人は両手は胸の前で...小刻みにステップを踏む...

「テソン...あの曲は...確か...」
「そう....アップテンポの方だよ....」

No Me Amesはジャニファー・ロペスとマーク・アンソニーのデュエット曲だ....
でもって....私を愛さないで....という意だ...

  →http://www.jr.com/JRProductPage.process?Product=3895590
  Disc: 3_2.No Me Ames

2人は向かい合い...距離を取りながら同じステップで前後に移動する...
たまにテスが闇夜の手を取ってまた前後に移動だ....

でもって....その後...テスがだな#
片方の腕を闇夜の肩にだらんと置いてだな...もう片方は自分の腰だ...
肩を腰を揺らしながらだな...前後に移動だ#....

おいおい#

で...闇夜はだな...
片方の腕を空に上げてだな...その腕がしなやかに動くんだ...
でもってテスと同じように肩を腰を揺らしながらだな...前後に移動だ....

あのよぉ..#

「テソンよぉ~~~まいったな....」
「あはは.....ちぇみぃ~~~」

「なぁ..あいつ等毎日あんなん踊るのか?」
「ぅぅ~~~ん....どうだろう...でもさ..ちぇみ..」
「何だ...テソン...」
「あの2人....ヤらしい感じはないけど...」
「ぅぅん...まぁ...」
「覗いてる僕等のほうがヤらしいこと考えてるかもよ...」
「たはは...^^;;....」

ひとしきり踊ったテスと闇夜は洗濯物と取り込み降りてきた...
闇夜は2つの部屋のベットメイキングし...
テソンはテスに引っぱられてマシンでストレッチをさせられていた....

その後3人は俺とはるみを残し店に行った....



混濁   ぴかろん

店に出る前に俺は自分のマンションに戻った
テジュンの下宿から二十分ってとこかな・・
テジュンが送ってやると言ったけれど、俺は断った
一緒にいればいるほど・・・寂しくなるから・・

なんだか久しぶりに自分の部屋に入る・・
ドアを開けると空気が澱んでいた

まるで今の俺みたいだ・・

窓を開け放して空気を入れ替え、俺はシャワーを浴びた

もう何日もテジュンと触れ合っていない・・
でも、こんな気持ちで求められても・・俺はきっと応えられない

店に出たらラブもいるんだ・・
ラブも、ギョンジンもいるんだ・・

テジュンだけがいない・・

ラブと顔を合わせたらどうしよう
何を話せばいいんだろう

『お前、今日テジュンの下宿の前にいたろう?入ってくればよかったのに・・』

そんな事聞いてどうする
ラブの反応を見てまた心を澱ませるのか?

テジュンは俺を選んでくれたけど、俺はまだ迷ってる
俺ではなく、ラブとこの先歩いていく方が、その方がずっと幸せなんじゃないのかって・・

どうして俺を選んだんだろう
ああ
ラブに会いたくない・・




汗を流したあと、着替えを済ませて俺は、スヒョンに返すシャツを持って店に向かった
借りたスーツはクリーニングに出した


開店時間ギリギリに行ったから、スヒョンもいた
後で聞いたら昨日ここに泊まったという・・

「いったん家に帰ったけどね」

悪いことをした

「ごめん、電話すりゃよかった・・」
「いや、連絡ないってことは順調にコトを進めてるって事だと思ってたからね」

スヒョンは優しい顔で微笑んだ
俺は紙袋をスヒョンに差し出した

「シャツ、破いちゃったから新しいの弁償する。いろいろありがとうな・・」
「いいのに・・。それよりうまくいったんだろ?」
「・・一応・・」
「そう、よかった・・」
「でも俺・・」
「ん?」
「まだラブと話する勇気出ないよスヒョン・・」
「・・イナ・・」
「今日さ・・『オールイン』に行っていいかな・・」
「・・イナ・・」
「店でみっともない真似したくない。俺、ラブに会ったらどうなるかわかんねぇから・・」
「・・」
「甘えてるよな・・」
「近いうちにちゃんと話し合え。ラブと。な?」
「・・うん・・」
「テジュンさんはお前を選んだんだろ?だったら、しっかりしろ。きっとテジュンさんだってお前を頼りにしてるんだ。お前が揺れ続けてたら・・」
「なぁスヒョン・・。ほんとに俺でいいんだろうか・・。ほんとはラブの方がいいんじゃないだろうか・・。ラブだってきっとテジュンの事を・・」
「でもラブはギョンジンのとこに戻った。テジュンさんはお前のところに来た。そして二人ともそこに留まってるんだろ?」
「・・昼間・・ラブ・・テジュンのとこに来たんだ」
「・・え・・」
「顔見にきただけかもしれないけど、テジュンの下宿の前に来てた・・」
「・・それで?」
「俺達が一緒にいるの見て帰ってったらしい・・」
「・・そんなことで揺れてるの?お前」
「・・そんなこと・・かな・・」
「テジュンさんは追いかけたりしなかったんだろ?」
「しなかったけど・・。テジュンの気持ち、俺、わかっちゃうから・・」
「・・。・・僕みたいだな・・」

スヒョンは俺に憐れむようなまなざしを向けた

人の心が読めちまうのって・・辛いことだったんだな、スヒョン・・

俺はスヒョンが抱え込んでいるみんなの心に思いを馳せた
スヒョンが俺の腕に触れて、俺を見つめて言った

「僕にはフグがいるからね」
「フグ?」

スヒョンは何も言わずに微笑んだ


「テジュンさ、追いかけてやればよかったのにな…。あいつ…あいつわざわざテジュンのとこまで来たのに…」
「イナ…」
「俺、かわいそうでさ…。あいつ…テジュンのことが…」

『好きなんだ』と言おうとした時、ギョンジンとラブが店に入ってきた

ラブと出くわしてしまった
ぎこちなく会釈するラブに、俺もぎこちなく会釈した
俺のそばをラブが通り過ぎた瞬間、俺はBHCの裏の戸から飛び出し、『オールイン』へ逃げ込んだ

スヒョンが俺を呼ぶ声がした
でも俺は立ち止まらなかった
立ち止まることができなかった

『オールイン』の中に入って後ろ手にドアを閉め、俺は目を閉じて深呼吸を繰り返した

あのからだをテジュンは愛した…
何度も、何度も何度も何度も…

俺の唇を吸ったテジュンの唇に、あの唇が絡み合った
数え切れないくらい・・

あいつとテジュンはひとつになった
心も体も・・

つらい
つらいつらいつらい
こんなにつらいのにどうして俺のところへ戻ってきたの?
テジュン
テジュン、テジュン、テジュン・・






イナさんは『オールイン』に行った
俺と顔を合わせたくないんだろう・・

ギョンジンに肩を押され、俺は店内へと歩きかけた

「イナとちゃんと話し合うんだよ」

スヒョンさんが俺に声をかけた

「・・はい・・」

小さく答えると、ギョンジンが俺の肩を掴んだ手に力を入れた



気持ちを切り替えて仕事をした
心を隠すのはわりと得意だ
いつものように接客する
ギョンジンが俺を心配そうに見つめている

うっとおしい
ほっといてよ
一人でやれるよ・・

ギョンジンの視線が俺をイライラさせる

客足が途切れたので裏の控え室に行った
ギョンジンもついてくる
イライラする

振り返って睨みつけると、困った顔で俯く
スーツの・・ゼニアのスーツの襟元をひっぱり、ギョンジンにキスをする
驚いた顔
睨みつけてやる


何がしたいんだろう俺・・
ギョンジンに当たったってなんにもならないのに・・

俺のキスに応えようとするギョンジンの唇を突き放し、控え室に行こうとしたとき、裏の扉のチャイムが鳴った
ギョンジンが戸惑いながらドアを開ける

「ギョンジン・・」
「テジュンさ・・」





テジュンさんがミネラルウォーターを運んできた
ヨンナムさんの代わりらしい
僕は視線を落として会釈した
震えていてちゃんとできたのかどうかわからない

テジュンさんは笑顔を見せながら、奥に進んでいく
ラブがいる・・
僕は振り返ってラブを見た
驚いた顔が凍りついている

テジュンさんは平然とラブの前を通り過ぎて、厨房のドアをノックし、中に入っていった

テジュンさんの姿が消えてすぐに、ラブはがたがたと震えだした

「ラブ・・」

僕はラブのそばにいき、ラブを抱きしめた

「テジュ・・テジュン・・」
「ラブ!」

僕らは抱き合ったまま、その場所から動けなかった


やがてテジュンさんは空のボトルを抱えて厨房から出てきた
僕らに目もくれず、出入り口に向かっている

ラブは僕の腕を振りほどいてテジュンさんを追いかけた

「テジュン!テジュン!」

振りほどかれた腕をもう一度伸ばしてラブを掴まえる

「放せよ!放せってば!」
「いやだっ!行かせない!行くな!ラブ行くな!」
「テジュン!テジュンテジュ・・」

僕らの喧騒なと耳に入らないかのように、テジュンさんはドアの向こうに消えた
僕の腕の中でもがいていたラブが、テジュン、と悲痛な声をあげて大人しくなった

いやだ・・行かせない・・行かせない・・


替え歌 「難破船」 by ギョンジン ロージーさん

そうさ過ぎたこと… 忘れればいい
泣きたいだけ 泣いたら 
目の前に 違う明日-asu-が
見えてくるかもしれないと

そんな強がりを 言ってみせるけど
出来ないとわかっている
淋しすぎて こわれそうだよ
二人は愛の難破船

折れた翼 広げたまま
おまえと二人 堕ちて行きたい
海の底へ沈んだなら
僕を愛してくれるかい…

ほかの誰かを 愛したのなら
追いかけては 行けない
惨めな恋 つづけるより
別れの苦しさ択ぶと

そんなひと言で ふりむきもせず
離れて行けたならね
そんなことは できはしない
死ぬほど愛しているから…

愚かだよと 笑われても
おまえを追いかけ 抱きしめたい
つむじ風に 身をまかせて
おまえを海に沈めたい



おまえがいないと この僕は
生きてはいかれないよ
こんなきもち 初めてだよ
どうかわかって お願いだ

取りもどせない 時間の中で
何もかもが 変わった
淋しすぎて こわれそうだよ

二人は 愛の 難破船


(中森明菜『難破船』)



替え歌 「ガラスの花」 by ラブ ロージーさん

あの部屋の窓を見上げ せつなさに震えたよ
幸せな貴方と彼 見つけただけだったけど
まちがいだと気づいてた
それはわかりすぎる程
時に愛は 悪-aku-を承知で燃え上がる それも愛

抱きしめてもう一度
明日はいらないから
一日でこわれてゆく ガラスの花でいい


幸せになりたいのに 自分で毀しかける
大切なものを無くすかもしれないけれど
まちがいだよ わかってる
自分が幼すぎると
時に愛は 悪を承知で燃え上がる これも愛

抱きしめてもう一度
明日はいらないから
一日でこわれてゆく ガラスの花でいい

まちがいだよわかってる
自分が幼すぎると
時に愛は 悪を承知で燃え上がる これも愛

抱きしめてくれたなら
貴方の指のすきまから
音もなく消えてゆくよ ガラスの花らしく


(高田みづえ『ガラスの花』)


出勤前の二人 れいんさん

僕とスヒョクは部屋に戻った
出勤時間までまだ間がある
ヨンナムさんはお子様二名を引き連れて仕事に行った
あいつら二人が役に立つのか邪魔になるのかわからないが
とにかく僕にとっては平和なひとときだ

「なあ、スヒョク。テジュンとイナ・・帰って来たな」
「はい、ソクさん。心配したけど二人一緒でよかったですね」
「さっきの二人・・どう思う?」
「そうですね。テジュンさんは思ってたより穏やかそうで、イナさんをいたわっている様にもみえました」
「うん。イナの方が今一つ、いつもの調子じゃなさそうだ」
「・・イナさんの事、心配ですか?」
「そりゃまあ・・昔さんざんキスした仲だし・・」


バチーーン☆


「痛っ!」

うっかり口を滑らせたらスヒョクの平手が飛んできた


「スヒョク・・もしかして妬いてるの?」
「ふん!知らない!」

へへへ、可愛い・・
僕はスヒョクの腕を掴み、乱暴に引き寄せた

「あ!やだ・・」
「いいじゃないか。ヨンナムさんもいない事だし」
「あ!待って。隣からなんか物音が聞こえましたよ」
「ん?何っ?テジュンの奴、ヨンナムさんの留守をいい事に・・」

ここは壁が薄いから隣の音は筒抜けになる
僕とスヒョクは壁にぴたりと耳を当て、隣の様子を伺った
時折、床が軋む音か聞こえる
音から察するにまだ大事には至っていない様だ

だけど、これから隣にテジュンがいるとなると、イナを連れ込んで・・
ああ、僕は煩悩地獄の日々を送る事になる
この乙女が手堅いからなあ・・

いや、待てよ。スヒョクだって度々アノ声を聞かされたら
ちっとは刺激を受けて、色っぽい展開になるって事も・・
僕はあれこれよからぬ想像を膨らませた
そして隣の気配に集中しているスヒョクを後ろから抱きすくめた

「あ!何するんですか」
「いいだろ?あんまり時間がないんだからさ」

僕は形だけ抵抗してみせるスヒョクの首筋に唇を這わせた

「・・まだ外は明るいのに・・」
「明るい方がどこもかしこもよく見える」
「や・・だ・・ソクさんの不精髭、チクチクする」
「そ?感じる?」
「あ・・ん・・ここで淫らな行為はダメだって、ヨンナムさんに・・」
「留守なんだからわかりゃしない」

僕がゆっくりと唇を這わせていく度、スヒョクが溜息を洩らす

「スヒョク・・もうたまらないよ。テジュン達だってきっとこんな風に・・」
「ソクさん、喋りながらそんな事したら・・僕・・」
「なあ、スヒョク。隣でアノ声聞かされたとしても、僕はずっとお預けかい?」

僕はスヒョクのシャツのボタンを外し、素早く手を滑り込ませた

「ああ・・ソクさん」

お!いい手応え
テジュン達がカンフル剤になってくれたかな
僕のブツも日の目を見る時がとうとう来たか?

スヒョクは胸元を露わにした姿で僕の方に向き直った
潤んだ瞳をして唇が僅かに開いている
窓から射す光がキラキラとスヒョクに降り注ぎ、まるで美しい彫刻でも見ている様だ

ああ・・
どうしようもないくらい僕を惑わせる罪な奴・・
僕は引き寄せられる様にスヒョクの唇を吸った
スヒョクは僕の舌を招き入れる
絡まる舌の淫靡な音が僕をますます駆り立てる
スヒョクが僅かに唇を離して僕に言った

「ねえ、ソクさん。隣から度々アノ声が聞こえてくると、目の毒、いえ耳の毒ですよね」
「その通りだ。いくら紳士的な僕だってそりゃヘンな気持ちになるよ」
「だったら、やっぱり僕の秘密兵器が必要かな」
「え?秘密兵器?ヤらしい言い方だな・・いや、でも、やっとソノ気になってくれたのか?」
「僕の秘密兵器、欲しい?」
「うん!欲しいっ!」
「今すぐ?」
「うん!今すぐ!この場で!」
「もう、せっかちなんだから・・。じゃ、これ、ソクさんにあげます。これで安眠できますね」


スヒョクはそう言って僕の手に何かを握らせた
僕はゆっくりとその手を開いた
僕の手のひらで耳栓が二つ、ころりと虚しく転がった


そして僕は小悪魔なスヒョクと健全なひとときを過ごし、その後店へと出勤した


替え歌 「花」  ロージーさん

花は流れて どこどこ行くの
人も流れて どこまで行くの
そんな流れが つくころには
花として花として 咲かせてあげたい
泣きなさい 愛しなさい
いつの日か いつの日か
花を咲かそうよ

涙流れて どこどこ行くの
愛も流れて どこまで行くの
そんな流れを この胸で
花として花として うたってあげたい
泣きなさい 愛しなさい
いつの日か いつの日か
花を咲かそうよ

花は花として いのちを燃やす
人は人として 涙も流す
それが自然の うたなのさ
心の中に 心の中に 花を咲かそうよ
泣きなさい 愛しなさい
いついつの日か いついつの日か
花を咲かそうよ

泣きなさい 愛しなさい
いついつの日か いついつの日か
花を咲かそうよ


(石嶺聡子『花』)


混濁2    ぴかろん

驚いた
出くわすなんて思わなかった・・
しかもギョンジンと一緒だなんて・・

僕はBHCから外に出るとしばらくドアに凭れ掛かっていた

空のボトルをトラックに戻し、新しいボトルを持って『オールイン』に入っていく

ドアを開けると、今度はイナがそこにいた


「てじゅ・・」
「イナ!」

驚いて逃げようとするイナの腕を掴んで、僕はこのボトルをどこに置けばいいのかと聞いた

イナの目は泳いでいた
また不安になったの?

「ここ・・」

案内してくれたBHCの厨房で、ボトルの取替えをする
作業が終わって振り向くと、イナの姿はなかった
廊下に出てイナを探した
隅っこでぼんやりと蹲るイナをみつけた

僕は歩み寄り、そこにしゃがみこんだ

「イナ・・」
「・・ん・・あ。何?」

手で顔を覆って僕を見ない

「・・今夜、お前のうちに行く」
「・・え・・」

びっくりした顔を僕に向ける

「お前のマンションに行く」
「・・・」
「待っててくれ」
「だめ!・・だめだ!来ないで!」

また顔を背けてきっぱりと言う

「・・どうして!」
「・・・だめ・・」
「・・だめでも・・行く」
「・・テジュン・・」
「待ってて」

困惑した表情のイナに一方的な約束をして、僕は外に出た







「放してくれよ!」
「いやだ!いやだ!どうして?僕のところに戻ってきてくれたんじゃないのか?!」

ギョンジンが俺を抱きしめて叫んだ

「どうしてテジュンさんなのさ!どうして・・」

ギョンジンの体からいつもと違う香りがした

「これ・・何?この香り・・」
「お前、テジュンさんに抱かれたとき、こんな香りがしてたろ?!イナに聞いたんだ。テジュンさんがイナを抱くとき、この香水つけてるって。
この香り嗅ぐとおかしくなっちゃうって・・。お前もこの香りが好きなんだろ?!」

俺はギョンジンを睨みつけて怒鳴った

「・・そんなもので俺が惑わされると思ってるわけ?!」
「ラブ・・ラブ。お願いだから僕の方を見て!どうしてあの人のところへ行くの?あの人にはイナがいるんだ!」
「・・アンタが俺をしっかり掴まえててくれないからだろう?!服に時計に車に、こんどは香水?!・・なんでそんな物に頼るのさ!まだわかんないのかよ!」

ギョンジンは呆然とした顔で俺を見つめた
あいつの腕の力が抜けた

「・・ラ・・」
「アンタが俺を虜にしてくれたら、俺だってこんな・・こんなに・・」
「どこが・・どこがどういけないんだ・・教えてくれ、ねぇ、教えてよラブ!」

ギョンジンは泣き出した
俺はその胸を強く押してからだを離した

ギョンジンの腕が宙を舞う
俺はその腕から逃れて外に出た
でもテジュンの姿はなかった

裏通りに出て、ミネラルウォーターを積んだトラックを探した
近づいてみたけど誰も乗っていない

まだ『オールイン』にいるの?
イナさんと・・一緒にいるの?


その場にへたり込んで俺は泣いた
俺、どうしたらいいの?
ギョンジンにどう接したらいいの?
教えてよテジュン
どうしてテジュンとならできたことが、あいつとはできないんだろう
どうして素直になれないんだろう・・


声を殺して泣いていた時、俺は肩をつかまれあっという間に抱きすくめられた



テジュン・・
テジュンの腕のなかにいる・・
俺の全てを受け止めて、優しく包んでくれるその腕のなかに・・




「僕はイナを選んだんだよ、ラブ」
「知ってる・・わかってる・・」
「君はギョンジンを選んだんだろう?」
「・・ん・・」
「だったらもう、僕のところへ来ちゃいけない・・」
「・・わかってるけど・・あなたのことばかり思い出しちゃう・・」
「ラブ・・」
「・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・」
「昼間も来てただろ?僕の下宿に・・」
「・・・」
「二度と・・するな・・」
「・・・」
「これが最後だ・・二度と来るな・・」
「テジュ・・」


テジュンが俺の唇を塞いだ
苦しげな表情で俺の唇を吸う
ごめんなさい・・

唇を離して、ため息をついたテジュンが、苦しそうに言う

「僕が・・これから一緒に生きて行きたいのは・・イナなんだ・・」
「・・わかってるよ・・」
「お前だって、ギョンジンと歩いていきたいんだろう?」
「・・ん・・。でも・・あいつ・・上辺ばっかり追っかけてて・・俺の本心わかってくれないんだもん・・」
「ちゃんと話してるのか?」
「・・そのつもりだよ・・でも・・届かないんだもん・・」
「僕は・・僕の気持ちの何もかもを伝えてる・・。イナを傷つけて、苦しめてるとわかっていながら・・。今日お前を見たときに思ったことも伝えた。それは、僕をわかって欲しいからだ・・。お前、ギョンジンに対して、お前の気持ち全てを見せてるか?」

俺は首を横に振った



混濁 3  ぴかろん

テジュンはもう一度俺をそっと抱きしめた

「わかって欲しけりゃ伝えなきゃ・・辛くても・・。ギョンジンだって戸惑うだろう?違うか?」
「・・・」
「僕達の事は、時が経てばきっと薄れていく・・。お前が向き合う人はギョンジンだ。そうだろ?」
「だって・・イライラするんだ!俺に付き纏って・・やることなすこと全て的外れで・・。察してくれないんだ、あなたのようには・・」
「だから・・伝えなきゃわからないだろう? 本人にそう言えばいい」
「あなたは、俺の気持ちを察してくれた・・」
「僕とくらべるな! 彼は僕とは違う人間なんだ!お前はギョンジンの事が好きなんだろ?」
「・・・」

好きだよ・・
あいつも・・あなたも・・


テジュンが俺の体を押して、店へ戻れと言った


「今度一人で僕のところに来たら・・僕はお前を傷つける・・。きっとお前に酷い事をすると思う・・。僕に・・・そんな事させないでくれ・・。
僕は自分を嫌いになりたくない・・」
「・・・それでも・・それでも会いたくなっちゃったらどうしたらいいのさ!俺、テジュンの事、やっぱり好きだもん!やっぱり忘れられないもん!あれで終わりだなんて思えないも・・」

俺が泣き喚いていると、テジュンは俺をトラックの助手席に押し込んだ
座席に俺を押さえつけて上から睨みつけている
テジュンのからだが小刻みに震えている

怒ってるんだ・・
我儘な俺を怒ってる・・

そんな風に・・叱って欲しいんだ・・あいつにも・・
俺・・我儘だから・・


俺はテジュンから顔を背けた
テジュンは俺の顔を自分の方に向けさせる
抵抗する俺を悲しそうに見つめている

深い瞳
長い睫毛
もう俺に溺れてくれないんだね・・






「ラブ。引き戻さないでくれ。僕はこれ以上イナに辛い思いをさせたくない・・。
昨日二人で話したとき、イナは別れようって僕に言ったんだ・・。僕を自由にしようとしたんだあいつ・・。
僕が仕事を辞めてここに来たのは・・イナがいたからだ・・。どれほどイナの事が好きか、別れをきりだされた時よくわかった。
僕はイナと一緒にいたい・・ずっと一緒に生きていきたい!お前じゃない!イナなんだ!」
「・・・俺を・・好きじゃない?」
「・・・」
「だったら嫌いだって言って・・・」
「・・・ラブ・・」
「もう嫌いになったって言ってよ!」


涙に濡れているその顔を愛おしいと思った
僕の下で揺らめいていたラブを、僕は忘れてはいない・・
気持ちが簡単に切り替わらないことだってわかってる
でも

「僕は前に進みたい・・。こんなことしてちゃだめだ・・」
「進めばいいじゃない!俺のことなんかほっといて進めばいいじゃない!俺は俺で勝手に貴方を・・」

歪んだラブの顔を掴んで見つめた
その唇を塞ぎたい気持ちと、離れたい気持ちとがせめぎあって、僕の唇は躊躇っていた

「貴方をずっと・・思い続けるもん・・消せないんだもん・・」
「僕だって・・消せないんだ!」

二人して海の底に沈んだ時を思い出す
あの楽園は美しかったね
僕は忘れない
忘れられない

「けど僕らは浮き上がってきたんだろ?」
「・・・」
「生きるために帰ってきたんだろ?」
「・・・」
「・・・お前が好きだ・・・」
「・・テジュ・・」






キスをした
苦しかった
イナをまた苦しめる
泣きながらラブにキスをした
唇を離してラブの胸で声をあげて泣いた
ラブが僕の髪を優しく撫でた

「・・・ごめんなさい・・俺・・最低だ・・」

暫くしてラブは起き上がり、涙を拭いて笑顔を見せた

「ごめんなさい・・。俺も貴方が好きです。もう・・我儘言わない・・。貴方に嫌われたくないもん・・。ずっと好きでいたいし、ずっと好きでいてほしい・・。
少し離れたところでお互いの幸せ祈ってくって・・あの時そう思ったのに・・・。こんなことして貴方を・・貴方を苦しめてる・・最低だ・・」

ラブの胸に突っ伏したまま、僕は言った

「・・四人で・・話ししないか?・・」
「・・四人で?」
「・・ん・・、休み取ってどこかへ行って・・」
「・・・そうだね・・そのほうがいいかもしれない・・」

僕はラブから離れて、落ち着いたその顔を見つめた

「ギョンジンにそう言っておいて」
「・・・うん・・・」
「・・じゃあ・・行くよ」
「・・うん・・」


ラブを車から降ろし、僕は残りの配達へと向かう
イナ、イナ・・そばにいて欲しい・・
僕を捕まえていて欲しい・・イナ・・

ギョンジン・・きっとラブもそう思ってるんだよ・・


替え歌 「そばにいて笑って」 by ギョンジン ロージーさん

僕は ポツンと残されて
悲しみが からだを包む
みんな何処かへ 消えてしまえばいい
それともこの僕が 消えればいいのか

知らぬ間に 涙流したよ
おまえの嫌いな 僕になってゆく
どうしたらいいの どうすればいいのか
なにがおまえには たえられないのか

お願いだ Baby
そばにいて 笑って
その顔を見たくて 僕はボロボロになる


どうしたらいいの どうすればいいのか
なにがおまえには たえられないのか


時は僕を 毀してゆく
おまえと僕の愛も 毀す
時間はまるで 飢えたナイフのようだね
淋しさの中じゃ 僕も弱くなる

お願いだ Baby
そばにいて 笑って
その顔を見たくて 僕はボロボロになる


(THE MODS『バラッドをお前に』)



僕の先輩3 妄想省家政婦mayoさん


僕が店に来て厨房の2F=スパイ小屋にいるとまもなく先輩が来た...
厨房の裏口から入り..テソンさんとヌナに軽く手を挙げてから2Fに上がってきた

「ぉ...来てたのか...」
「ぅん...」

先輩はお気に入りのウォシュがかかったデニムという昼間と同じ恰好で店に来た
先輩がスーツで出勤したのは初日だけで..次の日から私服で出勤することにしたみたいだ..
店に来てから”通称スパイ小屋”でスーツに着替える..

 『ダークスーツは仕事の時だけでいい...
  それに何時監督に引き回されるかわからないだろ?僕だけスーツじゃね....』
 『いいんじゃないッスか...』
 『そ?』
 『だってさ...先輩..スーツ着っと笑いが引きつるじゃないッスか....』
 『ぷっ....』
 『俺...笑ってる先輩好きッス..ぁ...渋いのも好きッスけど...』

  僕がそう言った時先輩は僕の頭を引き寄せてむちゃくちゃ引っ掻き回した...

先輩はあの戦争が終わったとき僕に大学の編入を勧めた...
僕が将来映画の仕事に就きたいのを知っていた先輩は
『これからは映画を撮るだけじゃなくて広告媒体も幅広く学んだ方がいい...』
そう言って今の広告情報科のカリキュラムを捜してきてくれた...
窮屈なスケジュールじゃないのが気に入って僕は祭の前から通っていた..
大学まで送ってくれた先輩にちょっと後ろめたさもちょっとあった...

「先輩....」
「...何....」

僕に背中を向けてネクタイを締めている先輩が右にちょっとだけ振り返った...
先輩の右目は鋭くて...笑う様になった最近でも僕はこの右目が苦手...冷静に事の推移を見通す....

「ぁのさ....ぁの....」
「ふっ#....何よ...ミンギ...」
「ぁの...今日....俺さ....」

スーツのジャケットを着て襟を整えたながら先輩は僕に振り返った..
締めたネクタイを軽くつまんで首を軽く回しながらふふっ#っと笑った...

「さぼっちゃったか...ん?」
「ぉ...ぉん...」
「何かあったのか?」
「ぅん...ちょっと..らぶちゃんに会ってた...」
「そっか...」
「ぅん...ぁの...」

僕が何か言おうした先輩は僕の肩に手を置いた...

「ミンギに会いに来たのか?」
「ぅん...」
「ならいいよ...いちいち言わなくても...」
「先輩....」
「怒られると思った?」
「ぅん...」
「正直に言ったから許す#....」
「ぁぉん...」
「友達は大事にしたほうがいい...僕みたいにならないように..」
「先輩....」

先輩の左目が優しく笑ったとき...厨房の入り口に僕等に手を振る監督が見えた..

「僕等のお友達のお出ましだ...ミンギ...」
「お友達つーか....遊び相手...」
「ミンギぃ~...」
「す...すんません...>_<....」

僕と先輩が降りていくと監督はヌナとゴムの引っ張り合いをしていた...

「ね...ね...まよ君...今度はいい感じの伸び~引き~になるよね...どうよ...」
「そうですね...ん~~こんな風に....引いて~伸びて...ですかっ#...」

ヌナはぐっ#っと引っぱったゴムをいきなり手から離した...
監督が両手をぐるぐる回して倒れそうになったのを先輩と僕が支えた...

「もぉー....まよ君#...」
「....^^;;....」
「ぁ...何ならさ....まよ君#..そのゴムで僕をぶっていいよ#...」


ペッチン☆ペッチン★


「ぁぉん...痛いな...毎度ソヌ君は....今日はデコペチン?」
「懲りないからですっ#」

監督はアヒルの口で自分で自分のデコを撫でている...
テソンさんはヌナの隣で笑いを堪えていた....





ドンヒの想い  びょんきちさん

ヨンナム家の朝は早い。
乾布摩擦、雑巾がけ、庭の掃除などはもちろんのこと。
夏休みに入ってからは、ラジオ体操も加わった。

この地域では、町内会、子供会、老人会が合同でラジオ体操をする。
なぜだか良くわかんないんだけど、ソクさんとスヒョクさんは老人会の人気者だ。
ラジオ体操も、お年寄り達が迎えにくるのでシブシブ行ってるみたい。
んでもって、ホンピョも行きたいって言うんで一緒に行ってみた。

ホンピョは、子供達に混じって大真面目に体操をしている。
子供達は、体操に行く度にカードにスタンプを押してもらう。
最終日には景品がもらえるらしい。それが楽しみで行く子も多い。

ホンピョが、カードがほしい。景品が欲しいとダダをこねた。
「あれ、ほしいのによ。俺にはくれないんだぜ」
「あれは小学生だけがもらえるんだよ。お前は大人だろ」
「だってさ、結構いいもんもらえるらしいぜ」
「馬鹿言うなよ。今日はこれからヨンナムさんの配達の手伝いに行くんだぞ」
「ちぇっ、つまんねえの」
「ほらっ、行くぞ!」

あいつ可愛いよな。なんて天真爛漫なんだろう。
だから、ついほっとけなくって面倒見ちゃうんだよな。
最近、ホンピョに振り回されるのがなんだか嬉しい。俺って変かな?


俺、ホンピョのこと最初は嫌いだったんだ。
汚いし、臭いし、下品だし、無礼だし、クソガキだし。
生まれたまま、なんの愛情も受けず、野獣みたいに育っちゃったあいつ。
人間じゃないよな。動物に近いよな。よく、なつくしさ。

そういえば、ヨンナムさんのことも、兄貴とか言って慕ってるし。
コンシェルジェのトンプソンさんとかいう人とも親しいみたいだし。
ぬいぐるみのミソチョルとも仲良しみたいなんだよな。

あいつが人なっつっこいのは、寂しいからだけじゃないと思う。
本能的に、自分を愛してくれる人を見つけだす能力があるんだ。
それが唯一、彼が生きていくための知恵だったのかも知れない。

「ドンヒ、なにブツブツ言ってるんだよ。兄貴が呼んでるぜ」
「わかった、すぐ行く」

俺達は、ヨンナムさんのトラックに乗り込んだ。
これから、ミネラルウォーターの配達の手伝いだ。
ミネラルウォーターの配送センターに行くと、テジュンさんがいた。
黙々と仕事をしている彼に黙礼し、奥の部屋に入った。

俺達に与えられた仕事は、ミネラルウォーターの仕分け作業。
配達する商品を、伝票と照らし合わせながら仕分けして配達員に渡す。
単純作業だがミスは許されない。配達に間に合う迅速さも必要だ。
ミネラルウォーターは重く、両腕はすぐに筋肉痛になった。

「今日はここまででいいよ。どうもありがとう」
そう言われて、やっと仕事から開放された。


「疲れたね。これからどうする?」
「うち帰りたい」
「じゃあ、そうしようか」

BHCの出勤時間まで、まだまだ余裕がある。
肉体労働のあとの疲れが心地よい眠りを誘う。
かなり早起きしていることもあり、眠気はピークに達していた。
僕達は、部屋についたとたんにゴロンと横になってしまった。

「ホンピョ、店に出るまでちょっと昼寝しようか」
「おまえの部屋行ってもいいか。子守唄歌ってくれるか」
「わかったよ。俺が添い寝してやるから、こっち来いよ」

いつものように、トントンして子守唄を歌った。
あいつはすぐにスースーと寝息を立て始めた。
俺もうとうとしながら、いつの間にか眠ってしまったようだ。
どれくらいの時間経ったのだろう。
俺は、胸のあたりに妙な気配を感じて目を覚ました。

目を覚まして驚いた。ホンピョが俺の乳を吸ってる。
あっ、正確に言うと乳じゃない。乳首を吸ってるんだ。
俺のランニングシャツは、はだけて乳首があらわになってる。

「おい、ホンピョ、何してるんだよ」
「お母ちゃん、お母ちゃん、ちゅうちゅう」

ホンピョが、うっすらと目を覚ました。
「ひぃいいい~~」
「ひいじゃないよ。離れろよ」
「母ちゃんの夢見てたんだよ」
「だからって、俺の乳首を吸うなよ」

「ひぃいいい~~」
「なんなんだよ」
「店に遅刻する。寝過ぎたぁ~」
「ひええ~ ホントだ。急げ!」

俺達2人は慌てて服を着替えてBHCに向かった。
俺は、乳首にかすかな余韻を感じながら
微笑んだ。



cucina_3  妄想省家政婦mayoさん

「ヌナ...これ..旨いッス..」
「そ?」
「ぅん...いける...」
「何...ミンギ.....ぁ..僕も...」

ミンギが厨房に持ってきたくりーむぱんを2つに割って食べた...
ソヌがミンギの片手にあるくりーむぱんを取った....
すかさずミンギはソヌから自分のクリームパンを取り返した...

「先輩~...自分だって取られたらむっ#っとした顔するじゃないッスかぁ...」
「...^^;;....」

ソヌは覗きに来たジホと1個のくりーむぱんを半分こにして食べた...
『つまみぐいおやじ』の2人は満足そうに鼻の穴を広げてフロアに戻っていった...

隣でクスクス笑っていた闇夜が僕に言った...

「テソン...」
「ん?何....」
「明日から2.3日留守にするから...」
「えっ?....」

「留守って...夜もいないの?」
「ぅん...」
「何処行くの...」
「...江原道まで...」
「江原道って.....遠いな...例の調査?」
「ぅん...」
「ソウルだけじゃなかったの?」
「スカ対のいる現場が江原道なんだ...」
「そう...大体解ったの?」
「ぅん...もう全部観たから...」 
「ぷっ...早いね...いつの間に観たんだ...僕寝てる時?」
「そんなとこかな...」

「で....どんな感じ?今度の2人...」
「ん...御曹司ソグも..元医大生ビョンウも...一途ってとこかなぁ..」
「それって...同じ人をってこと?」
「ぅん...」
「時期も同じに?」
「ぃゃ...時期はずれてる...」
「ふ~~ん....」

「オーナー...気に入るかな....コノ2人...」

「変なの?この...双子みたいなの...」
「ぃゃ..まともだね...実にまとも...」
「それってさ...裏読むと..つまんないってこと?」
「いぢわるな言い方するじゃん...テソン....」
「ぁ...ほら..最近の新人...強烈なのばっかりだからさ...」
「それは言える......ソグはいいよ...御曹司で性格もいい...」
「ふ~ん...御曹司って癖あるもんだけどな...」
「テソン~~..^^;;....」

「ビョンウは?」
「ぅ~む.....眼鏡がイタイ#..か...でも2人とも若くていい感じ..」

「そういえば...ジョンドゥ...どうなったんだ?」
「^^;;...ぁ..ほら..ジョンドゥは今取調中だから...」
「取調?連行されたのか...」
「ぅん...そのうち保釈されるでしょ...」
「そっか....」


「ね...mayo....」
「ん?」

「江原道..ひとりで行くの?誰かと一緒なの?」
「スカ対調査はいつもひとりでやってきた...」
「ぁ...ぅん...」
「変なこと言わないで...」
「ぉん...ごめん...」
「・・・」

闇夜がちょっと無言の行に入った...
僕の言い方がまずかったからだった...











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