ぴかろんの日常

ぴかろんの日常

リレー企画 117

素直な気持ち  ぴかろん

ギョンビンと話せてよかった…
とても心が落ち着いた

俺が求めているのはテジュンじゃなくて…ギョンジンなんだ…

だからあいつのところに戻ってきたんだ…


俺はタバコを買った
昔は吸ってたけど、今はあまり吸ってない

セーラムとマルボロ

どっちにしよう…
マルボロなら後でアイツにやれるな…



店の出入り口から少し離れた壁に凭れて、俺はタバコを吸った

ミントが口の中に広がる

これでもアイツ、貰ってくれるのかな…

俺はセーラムのパッケージを眺めながら、アイツの事を頭から決め付けようとしてた自分を省みた

俺もアイツも…似たところがあるんだろう…
自分の物差しだけが一番だと思い込んでる…
もっとちゃんと話を聞かなきゃ…
もっとちゃんと話さなきゃ…

タバコを咥えたまま、俺はBHCの裏の戸を開けて、中に入った

ギョンジンはどこだろう…
店に出てるのかな?


ちょっと店の中を覗いてみた

え?!
ギョンビンがストリッ○してる!
なんで?!

「ラブ、どこ行ってたのさ!君のかわりにギョンビンがアレやってんだぞ!」

目ざとく俺を見つけたドンジュンがプリプリ怒って叫んだ

「かっこいいじゃん、色っぽいし…」
「…まぁ…そうだけど…。でもギョンビンのお色気は『見せそうで見せない』ってお色気でぇ」
「ドンジュンと一緒なのね、こんなのは普通やんない。俺と違って」
「そ…あ…いや…」
「はいはい、どーせ俺は露出狂ですよ。…ところで俺を露出狂にしたおっさん、いない?」
「え?は?…どっちの?…あわわ、いや、ギョンジンさん…かな?へへっ」
「決まってんじゃん!テジュンはイナさんをキス魔にした人でしょ!」

あ…
余計な事言っちゃったな…

ドンジュンは気まずそうな顔をした


「ごめん…つい…」
「…ちょっとふっ切れた?」
「…え?」
「テジュンさんの事さ…」
「…」
「…ふーっ…まだか…。そりゃそうだよね…。本気だったんでしょ?」
「…」
「…ごめん…ベラベラ余計な事言っちゃった…」
「ううん…本との事だよ…」
「ラブ君…」
「…。はぁ…。ドンジュン…」
「なに?」
「君ともゆっくり話したいな…」
「…あ…うん…」
「もう少し落ち着いたら…ね…」
「…うん…」
「…で、そのスケベなおっさん、どこよ」
「さっき二人で控え室行ったんでしょ?」
「…店に…出てない?」
「うん…」
「そ、ありがと」


控え室にいるのかな…
俺は店と裏とを区切るドアを閉めて控え室に向かった

ギョンビンの言葉がふっと頭をよぎった


『兄さんは、大切な人を失うことにすごく敏感で臆病なんだ』


臆病…
臆病なんだ…アイツ…

『自信過剰男はお嫌いですか?』

んなこと言ったくせに…

『だって僕、凄いもん』

あんな事も言ったくせに…
ばかだな…
どうしてそれを俺に見せてくれないんだよ…


『人の心って態度や言葉や物でしか表せないでしょう
それでも難しい時がある。心を伝えるって』


あんたさぁ…なんで肝心な事、俺に伝えてくれないんだよ…
馬鹿だな…


控え室のドアを開けて中を見渡した
真っ暗だ…

電気を点けてみた


ゼニアのスーツとブルガリ・ブラックを身に纏った、臆病な優しい男がいる
ぼろぼろの姿で呆けている

俺のせいでこんな風になっちゃったの?


俺はアイツに近づいた

アイツは椅子に座って項垂れて…・・泣いていた

俺はアイツの頭を抱きかかえて背中を撫でてやった

「ラブ…」
「はぁ…。どうしようもない男だな、あんたって…」
「…ごめんラブ…ごめん…」
「すぐに謝る…」
「ごめん…」
「ギョンジン」
「…」
「今日さ、帰り、俺んちまで送ってくれる?あのジャガーで…」
「…え…」
「どこでも送るって言ったじゃんか」
「…」
「送ってくれる?」
「…ラ…」

返事の代わりにアイツは顔をくしゃくしゃにして俺にしがみついた
胸が痛くなった
震えて泣いている…

俺のこと、待っててくれたんだね…
俺が犯した過ちを、責めもせずに受け入れてくれたんだね…

そんな優しいアンタに当り散らして…

「ごめんね、ギョンジン」
「ラブ…ラブ…ラブ…」

余計な嫉妬させてしまった
肩に力を入れさせたのは俺だ…

俺の態度がギョンジンに鎧兜を着せてたんだ…

俺が素直になれば、ギョンジンだってほんとの自分を見せてくれる
馬鹿なのは俺だね
気取ってたのは俺だね…
高級品に縛られてたのも俺だ
ギョンジンじゃない…

「今夜さ、いっぱい話しよう…」
「…ラブ…僕…僕…」
「うちでゆっくり聞くから、涙拭いて。ね?仕事しようよ」
「…ぐすっぐすっ」


…かわいい…

こんなにかわいかったっけコイツ…

「ほら、仕事してる素敵な姿、俺に見せてよ、ね?」
「…ん…ぐすっ」
「あ…それとさ…」
「…」
「テジュンがね、四人で話し合わないかって」
「…え…」
「ちゃんと、話をしようって…。どこかへ行って…」

全てをさらけだして…

「…」
「イヤ?」


無言で首を横に振るギョンジン
まだ目に涙が溜まってる
少し尖らせた唇が可愛らしくてセクシーだ…


「ねぇ、ギョンビンが言ってたけどさ、あんたって『エロすぎるところもあるけど、カッコよかったからすごくもてた』んだって?」
「…え゛…」
「昔から『エロすぎた』んだぁ…」
「…そ…そんな…普通だと思うモン…」

いや!あれは普通じゃない!

「もうちょっと控え目にしてくれると嬉しいな」
「何が?」
「エロ」
「…。違うモンっ!あれはラブがっラブがっ…えっちだから…僕もつられてえっちになって…

絶対違うからな!

「その事も含めてゆっくり話そう!」
「その事も含める?…ぐしゅっ…でへっ…」

ギョンジンの顔が崩れた
ばか!

「えっちはしないからね!」
「えっ?!だって『その事も含めて』って…」
「仕事するよ!ほらっ!」
「え?あ…ああ…」

俺は崩れたかっこいいエロ男を椅子から引っぺがしてスーツの肩をパンパンと叩いた


ギョンジンの背中に凭れて息を吸った
頓珍漢な理由でつけてる香水が…いつもとは違う香水が香る

ゾクゾクする香りなのに…笑っちゃうよ…

「ラブ…」

いけない、エロモードに突入しそうだコイツ…

「あのさ、テジュン、こんな香りつけてなかったよ」
「え?!だってイナが!」
「ばか!イナさんの時は…なんでしょ?大体さあ、同じ香りつけて俺を抱くと思う?イナさんの事思い出しちゃうじゃんか!」

…ちょっと言い方が直接すぎた?

「そっかぁ…そうだよなぁ」

…ビクともしないか、そりゃ『えろみん』だもんな…

「でもでもぉ、いい香りだろ?クフン…なんか…『やります~』って宣言してるようなさクフン」
「言っとくけどぉ、もしも俺と寝る時に、この香水つけてたら、俺、やる気なくすからね」
「え…なんで…」
「吹き出しちゃうよ、アンタが頓珍漢だって事思い出してさぁ」
「…」


かわいい…
かわいい…
…好きだよギョンジン…

俺、もっとアンタを好きになれそうだ…


「…俺はぁ…いつものアンタの香りの方が…好き…」


アイツの耳元にそうカマして、唇にちゅっと軽くキス

そして先に店に飛び込んだ

「ラ~ブ、リクエストだ!タバコに火をつけたまま口の中を出し入れ、これ、セクシーバージョンでってよ」
「はいは~い」

後ろから心配そうな顔をしたギョンジンがついて来た

「アンタ、酒飲んでないよな?飲んじゃだめだよ!アンタの分、俺が飲んどいてやるから、ねっ」

唇をとんがらせて拗ねるアイツが、たまらなく可愛いと思えた

テジュン…

俺の好きな人はこの人だ…



とおいみち  ぴかろん

僕らは旅に出る
チーフに許可を貰って、僕とウシクは旅に出る

ウシクと駅で待ち合わせている
車で行くのだとばかり思っていた

僕は駅の構内に上がる階段でウシクを待っていた

遅いな…待ち合わせ時刻をとうに過ぎている
遅いな…

この感覚はなんだろう…

遠い昔に、僕はこんな事をしていたような気がする

ううん、気がするんじゃなくて確かに…人を待っていた…


彼女を…


僕は急に不安になった
約束の時間は過ぎている
ウシクはまだ来ない

一緒に家から出ようと言ったのに、お義父さんへの土産も用意しなきゃいけないとかなんとか言って、駅の入り口で待っていてくれと言われたんだ


どうしたんだろう…
僕の不安はどんどん募る
どうしたんだ…ウシク…

まさか事故に…

目の前が真っ暗になった
彼女は駅に来る途中、事故にあって死んでしまった…

まさかウシク…まさかウシク…


怖くてしゃがみこんだ
顔を覆って早く来てと祈った

その時明るい声が聞こえた


「せんせ~い…」

僕は顔をあげた

遠くから僕に向かって手を振り近づいてくるウシク
ほっとした…
その瞬間涙が溢れた


はあはあと息を切らしてウシクが僕のところにやって来た

「どしたの?先生。なんで泣いてるの?」
「…お前が…来ないから…」
「…ふっ…子供じゃあるまいし…何泣いてるのさ…」
「事故にでも遭ったのかと思って…」
「ま~さかぁ…」
「…怖かった…昔に戻ったみたいで…」
「…」

僕は、余計な一言を言ってしまった…

「…行こう、こっちに来て」
「…え?電車じゃないの?」
「車だよ」
「車?…じゃあなんでわざわざ駅で待ち合わせなんか…」
「…いいからこっち、来てよ」

ウシクは微笑んで僕の腕を引っ張った

これからウシクのお義父さんの家に行く
ウシクにとっては正念場だ

いや、ウシクだけでなく、僕にとっても正念場なんだ…
二人で生きていくための大きな壁を、僕達は乗り越えたくてこの旅に挑むのだから…


ウシクが連れてきたのは駅前のロータリー

「ここに座って」

ウシクが僕を太い車止めに座らせた
そして自分も隣に座り、僕を見た

「涙は止まった?」
「うん」
「なんで泣いたの?」
「お前が来ないから…心配になった」
「捨てられたとでも思った?」
「違うよ…。ほんとに…事故に遭ったんじゃないかと思って…」

彼女のように…

「それで、彼女は亡くなったんだっけ?」
「…そう…」
「…縁起でもないこと言わないでよ…」
「…ごめん…」

いつも僕に縋ってくるのに今日は随分強気だな…
きっとお義父さんに会うために、気分を昂揚させているのだろう

「泣いてたってどうにもならないだろ?涙が何かしてくれる?」
「…え?」
「彼女にここで会った時に僕はそう言ったんだ…」
「…彼女…」
「うん。いつだったかの旧正月にね、電車に乗れなかった人を田舎まで送る白タク、やったんだ。彼女はその時の客なんだ」

ああ…ウシクも彼女の事を思い出していたんだ…

「さ、車に乗って。出発しよう」
「あ…うん…」

僕は助手席に乗ろうとした
けれどウシクは後ろのドアを開けた

「…どうして?」
「…道筋を辿りたいんだ…初めてお義父さんに会った日の道筋を…」
「そうなの?」
「うん。協力してくれる?」
「勿論」

白タクの客だった彼女は、後部座席に乗っていたのだそうだ…
僕は後部座席に乗り込んだ

「テソンにお弁当貰ってくれた?」
「え?あ…これ?」

僕は布に包まれたものを見せた

「そうそう」

ウシクは嬉しそうな顔をした

「それ、先生のボストンバッグに詰めておいてね。じゃ、出発するよ」
「うん…」

お客は彼女一人だった…。そこで彼女の事情を知り、ウシクは十万ウォンでギヒョンになりすました…
そこから彼はギヒョンとしてのもう一つの人生をも、歩む事になった

車を走らせながら、いつもより明るく…というか…僕とこうなる前の明るさで、ウシクは説明してくれた


ちゃんとその話を聞くのは初めてだった
いつも涙ぐんで話ができなくなるんだもの、ウシクは…

それが今日は違う
ニコニコと微笑みながら僕にあれこれと教えてくれる

「ねぇ、お義父さんへのお土産は何にしたの?」
「靴」
「…靴?」
「冬の靴。温かそうなやつ」
「…ふうん…」
「お義父さんへの初めてのプレゼントが温かそうな靴だったんだ…だから…」

思い出を手繰り寄せて、明るい顔をしてお義父さんのところへ赴く
そして・・辛いことを告白しなければならないんだね、君は…

僕は少し黙って、窓の外を流れる景色を見つめていた





僕が事故に遭ったと思ったって?
僕が貴方の彼女のように?

まだ忘れてないんじゃん!
何が『全部流れ出たから心がスースーして』だよ、何が『もうお前を受け入れてる』だよ!
まだそこに彼女がいるんじゃないか!すっかり騙されてたよ…


まぁいいさ…僕だって…


僕だってお義父さんに会って、気持ちが変わるかもしれないんだし…


車を走らせた
確か最初の休憩の時、このあたりのドライブインでご飯を食べたんだ…



先生…罰だよ…

こんな事させるつもりはなかったんだけどな…
お義父さんに会うまで、彼女の代わりを務めてもらうよ…
気持ちを引き戻さなきゃお義父さんに会いになんて行けないから…




僕はおかしいのだと思う
祭で先生とああなってからこっち、ずっと不安でたまらなかった
何が起こるのだろうと不安でたまらなかった

いつ先生が愛想をつかすのかと、不安でたまらなかった…

先生はお客さんにまで、眼鏡姿を見せている
イヤだと言っているのに…

その顔は僕にしか見せちゃイヤだ!
先生は僕のものだ!



なのにまだ…先生の心には彼女が巣食ってたんだね…
先生は…僕のものなのに…


僕は後の座席にいる先生をルームミラーで確認した


外を見ながら、何を考えてるの?
彼女の事、思い出してるの?!
僕を不安にさせないでよ!



先生は僕の心の中で静かに燃えている蒼白い炎に気がつかない…



見覚えのあるドライブインに車を止めて、先生にテソンさんからの布包みを持たせた

「ここでお昼を食べたんだ…」
「ふうん」
「彼女がお弁当を持っててね、僕が汁物を奢った」
「そうなんだ…」
「冬だったからね、寒かった…」
「そう…」
「…そっけない返事。興味ないの?僕の事」

少し拗ねた顔でそういうと、先生はにっこり笑い、僕の頬に触った

「好きだよ、ウシク」

やめてよ、彼女はそんな事言わなかったよ!



僕は微笑みを返し、彼の手を引いた
貴方は彼女の身代わりなんだから、ちゃんとそのように振舞ってよ…



確かに僕はおかしい
僕の不安に先生の思い出まで混ざってくる…
先生は僕の視線の毒に、まだ気づかない



「先生…」
「ん?」
「人前で眼鏡姿見せちゃいやだからね」


ふっと笑って僕を引き寄せてキスをする先生

やめてよ!彼女はそんな事しなかったんだから…


先生の柔らかい唇に包まれながら、僕の心は沸々とたぎっていた


替え歌 「傾いた道しるべ」 by イヌ ロージーさん

幸せをもとめ 歩くことを
罪と思っちゃ いけないよ
ゆらゆらとゆらめいて二人 旅人
光哀しく 煌く夏空

心の中の三叉路で 傾いた道しるべ
僕の愛が ささえてあげるよ


幸せはいつも 遠い路の
彼方から そっと呼んでる
蜃気楼ゆらめいて 夏の旅人
光まぶしく 二人を包んで

心の中の三叉路で 傾いた道しるべ
僕の愛が ささえてあげるよ

幸せをもとめ 歩くことを
罪と思っちゃ いけない

ああ 三叉路ばかりの
ああ 道しるべもない 二人の道を
君と歩いて いきたいんだよ

ああ 三叉路ばかりの
ああ 道しるべもない 二人の道を
君と歩いて いきたいんだよ


(布施明『傾いた道しるべ』)



ドンの憂鬱   足バンさん

僕はロッカールームでちょっとぼぅっとしていた

店じゃ落ち着かないし、ヘルプにとっつかまるし
控え室にはまだラブ君たちがいるだろうし
結局この狭いロッカー室に避難するすることにした

何でかって…ハリョンの手紙のこと考えたかったから
スヒョンは会いに行っておいでって言うんだけど…
もしもう一度やり直したいなんて話だったらどうしようなんてバカなこと考えると…

いや、その、もちろん僕にはスヒョンがいるわけだけど
実際に彼女を目の前にしたらどんな気分になるんだか…
あの時は何だかよくわからない別れだったから…

ああもうっ! ばんっ!
スヒョンのやつも”会っちゃやだ”くらい言ってくれりゃいいのにっ!

でも…止められたってちょっとは会ってみたいし…
はぁ…

突然ドアが開いて鼻歌のジホ監督が入ってきた

「おっ青少年、どうしたの?こんなところで」
「監督…忘れ物?」
「うん、ゴム切れちゃってね、これ経費で落ちるよね」
「落ちるんじゃない?…それってけっこうストレス発散できそうだね」
「やってみる?」
「いい…今そんな気分じゃないもん」
「おっ!とうとう人に言えない悩みでもできたかな?」
「そんなんじゃないよ」

監督は子供みたいな目で僕を覗き込んで
折りたたみ椅子を出して僕の前に座った

「わざわざ座らなくていいよ、もぉ!」
「ね、あの映画のオファーのこと気になってるの?」
「へ?」
「ほら、スヒョンさんの」
「ああ…ううん…そうじゃなくて僕の個人的なこと」
「なになに?昔の女のこととか?」
「…」
「あ?え?図星だった?」
「すごい…監督もひとの心読めるの?」
「まさか!青少年の憂いを帯びた瞳の影には恋の憂鬱はつきものでしょう」
「どうでもいいけどその青少年ってのやめてくれる?」
「それで?昔の女が”やっぱりあなたが忘れられないの”って?」
「そんなんじゃないって~ただ会いたいってだけだよ」
「同じようなことだろ、会っちゃえ会っちゃえ」
「軽いなぁ監督って」
「軽いんじゃない、ここでやめちゃストーリィ展開できないからだよ」
「映画じゃないんだから」
「同じだって!人生の一瞬一瞬はすべてドラマだよ!」

僕は思わず吹き出してしまった
目を輝かせて僕に訴えかけた監督は何だかかわいかった

「なんか…おかしかった?」
「そう言えば、スヒョンのオファーの話何で知ってるの?」
「あ、あの話が出た時僕もこの店に来ることに決まった時期で、ちょっと噛んでたから」
「ふーん」
「大人のいい男いないかって捜してたのよ」
「残念だね…断るって言ってたよ」
「やっぱダメかぁ…濡れ場多いしな」
「…」
「ん?」
「何が多いって?」
「濡れ場」
「それってスヒョン知ってるの?」
「もちろんそうだろ、シノプシスくらい行ってるはずだから」
「むっ!」
「何も聞いてないの?」
「ま、いいけどね、断るって言ってたから」
「そうかぁもったいないなぁ」
「もったいなくないっ!もぉっ!」
「でもあの監督諦めるかなぁ…気に入ってたからなぁ」

ダンッッッ!

「な、なに?もう行くの?」
「ほら監督も仕事!仕事!ほれ新しいゴム持って!」
「わかったよ行くって、せ…」
「青少年って言わないっ!」

僕は何だか楽しそうな監督の背を押して店の方に向かった

「ドンジュンさん”長身の弟に背伸びで腋の下突っ張ってハグ”ご指名でーす」
「はーい」

ふぅ…多忙かつ憂鬱…辛いなぁ青少年は



cucina_5  妄想省家政婦mayoさん

僕は握った包丁を置いて呆然としてテスを見た...

「そんな顔しないでよ....テソンさん....」
「だ....だって...テス...それ....見たのか?」
「中身は見ないよ...」
「何でわかったんだ....」
「ちょっとね..ちぇみのPC開いてみたんんだ...」
「そう...」

「ちぇみは今でもいろいろコンタクト取ってる...メールも来てるし」
「だから闇夜のサイドの調査にも手が届く...か...」
「ぅん...そう...で...メールのファイルが2つあってさ....1つが開けなかった..」
「テス...」
「機密文書かなぁっとも思った...でもピンと来ちゃった...たぶん間違いない」
「そう...」
「普通はさぁ..しつこく開こうと頑張るんだろうけどさ...」
「ぅ..ぅん.....」
「どうせ頑丈だろうし....特殊部隊とそれに匹敵する調査員の2人だもんねぇ...」
「ふっ..」
「PWだって僕にもテソンさんにも絶対わかんないと思う...ハッカーも無理だね...」
「ぉん.....」
「だからね...僕はすぐにPC閉じたんだ....」
「そう....テス...それわかったとき....哀しくなかった?」

テスは僕の問いに答えずに真っ直ぐ僕を見て僕に問うた....

「テソンさん...」
「ぅ....ぅん?」
「テソンさんは見たい?2人の会話...」
「テスは?」
「テソンさんに聞いてんの...」
「僕は.....見たくない...けど...見たい気もする....」
「怖いんだね...テソンさんは...見るのが....」
「ぉ....ぉん...」

「僕はね....見なくていい...と思ったんだ...嫌だからじゃないよ...」
「ぅん...」
「たまに2人きりで話させなきゃ...って思った...2人で話したいこともあると思った...」
「テス...」
「今だって2人だけで話す時がないんだ..僕やテソンさんに遠慮してる....」
「僕等...いつも一緒だからな.......」
「それに...ずいぶん前から知りあいっていうか...存在は知ってた節があるよ...」
「僕は白夜のスカウトの時と思ってたけど...違うのか?」
「違うみたい...もっと前みたい...ちぇみもそこんとこは詳しく僕に言わない..」
「そう...」

「そんな2人がさぁ話したっていいじゃんって思ってる...」
「どんな話してるんだろう...」
「ん...たぶん仕事の話とか...エロオヤジ談議...お互い気遣う感じ..なんじゃない?」
「らぶらぶはにはに..じゃなくて?」
「テソンさん面白いこと言うね...」
「...^^...」
「2人だけの”ノリ”ってのがあると思うんだ....違うかな...」
「そうかもしれない...闇夜はオヤジ入ってるからな...」
「ぷっ....ぅん...」

「テソンさんは2人が想いを再燃したらって心配?」
「僕は今でも不安になる...僕のこの手をスルッっと抜けてちゃうんじゃないかって...」
「だからって...あれも駄目~これも駄目~ってがんじがらめにしちゃ駄目....」
「ぅん...」
「そんことばっかしてたら..ほんと..あの2人...逃げちゃう...」
「怖いこと言うなよ...」
「一緒に逃げたらもう僕等のとこには戻ってこないよ...絶対#...」
「テス....」
「深く埋めた想いがさ...火山みたいに噴火したらどうなる?
 どろどろどろどろ燃えたぎる真っ赤な想いがぶわっ#ぶわっ#っと溢れ出てくるよ...
「ど...ろ..どろろろろろ...ね....ぅ..ぅん...真っ赤にどろろ...真っ赤っか...」
「もうー何っ...ぶつぶつ#」
「ご...ごめん...」

「僕さ...昼間mayoシと一緒に踊ってるじゃん...」
「ぅん...」
「で...ちょっと想像しちゃうときもあっちゃたりなんかして...」
「何を....」
「あの2人だったら.....たぶん....凄っいだろうなぁって...」
「ぁ...ぁのさぁ....そんなこと言ったら...僕ますます気になっちゃうじゃんか...」
「ごめんごめん....ちぇみって確かにすけべぇーだけどさ...」
「ぅん...」
「大事に思ってるおんなはとはさ..ひとつになろうとしないってとこあるよ..」
「そぉかぁ?」
「ぅん...変に純情オヤジになるんだ...可笑しくって...可愛いよね...えへへ...」


「それと...一緒に踊っててわかるんだ...頑張ってるんだ...mayoシ....
 テソンさんを幸せにして自分も幸せにならなくちゃって...思ってる...感じるんだ...」 
「テス....」
「ちぇみのこと気になってホントにひとつになれないでいるなんて..
 テソンさんに一生懸命なmayoのキモチ...どうなるのよ...」
「だって....」
「2人はもう覚悟して僕とテソンさんを選んでるよ....」
「わかってる.....僕は闇夜が辛いのかなとって思っちゃうんだ...」
「テソンさんは優し過ぎちゃうんだね..
 でもそれが相手にとって寂しい時もあるんじゃないの?」
「テス.....」

「テソンさんらしく優ぁ~しく深ぁ~く包んであげなよぉ...」
「ぅ....ぅん....」

「調査から帰ってこなかったらどーするぅ?知ぃーらないっと...」
「おい!....」
「えへへ...」

テスは僕をからかってオーダーの料理をフロアに運んで行った...
厨房を見渡すといつもの様に長い髪をくるくるまとめ..
ボールペンと鉛筆で器用に止めている闇夜の横顔が見えた..


閉店後  オリーさん

店がはねてから、僕は店の隅っこでドンジュンさんと話していた
「でね、彼女から手紙が来たのよ」
「祭って結構みんな見てたんですね」
「そうなんだ。でどうしよっかなあ、なんて思ってるわけ」
「どうしよっかなあって会わないんですか?」
「会った方がいい?」
「会いたいって言ってるんでしょ?」
「まあね」
「だったら、久しぶりに会って旧交を温めたら?」
「ギョンビン、古臭い言い方しないでよ。仮にも昔の彼女だよ」
「じゃ寝る?」
「ど、どーしてそう話が飛ぶかなあ」『キスしかしてないのに・・』
「だって彼女でしょ」
「ギョンビンだったらどうする?」
「僕、彼女みんな兄さんにとられちゃったからきれいサッパリいません」
「そっか。ほんとサッパリだね」
「おかげ様で。でスヒョンさんは何て?」
「それがさ、ああ、もう嫉妬で気が狂いそうだ、ってしれっと言ってくれちゃって
アッタマにきてるんだ」
「じゃあ、狂ってもらったら?案外本音かもしれませんよ」
「そ、そうかな。あー、でも濡れ場のある映画に誘われてるくらいだからね、あの人」
「濡れ場のある映画?何ですか、それ」
「どっかから映画出演の依頼があってさ、でも断わるって言ってた」
「さすがですね、あの人。ほんとオールラウンダーだな」
「僕としてはね、ほっんと、やりづらいわけよ。フグにでもならなきゃやってらんない」
「プッ!」
「笑うな!」
「でもフグは美味いでしょ」
「そう、そうだよ!高級食材だよ。ねっ!」
「そうそう」

「ギョンビン・・ちょっと」
「兄さん、何?」
「僕ちょっと今日これからラブを送っていくから」
「わかった」
「ケホン。もしかしたらそっちに帰らないかも」
「子供じゃないんだから、いちいち報告しなくてもいいよ」
「そっか。じゃ、そういうことで」
「兄さん・・」
「何?」

「力んじゃだめだよ。リラックスして」
「あ、ああ。わかってるよ」
「じゃね」

「何だか、お兄さん全然印象違うんだけど」
「ちょっと舞い上がってるっていうか、緊張してるっていうか。普通じゃない、かな」
「意外だよね、大丈夫かな」
「後は自力で何とかするでしょ」
「そうだね」

「ギョンビン・・」
「ウシクさん、何ですか?」
「チーフに伝えて欲しいんだけど」
「はい」
「僕とイヌ先生、明日から休みますって」
「わかりました。お義父さんのとこですね。気をつけて行ってきてくださいね」
「ありがとう。今日のストリップ、よかったよ」
「あ、ども」
「ウシクさん・・」
「何?ドンジュン」
「がんばってね。きっとうまくいくよ」
「ありがとう、君には随分世話になったよね」
「そんなんじゃなくて、とにかく大丈夫だから、みんなついてるから、ね!」
ウシクさんは笑って手を振った

「ふーっ、どっちもこっちも大変だなあ」
「そうですね」
「でそっちはどうよ。うまくいってる?」
「ちょっと別口でトラブっちゃって」
「別口?」
「彼の弟さん、会社クビになっちゃったって」
「あのレコード会社?クビって、だって社長だろ?」『あ、僕もやってた・・』
「あの奥さんが会社の株売っちゃって、たぶん乗っ取られた形だと思うんだけど」
「あちゃー!で弟さんどうするって?」
「何とかしてくれって、今日泣きつかれてた」
「わお!何とかしてくれって言われてもなあ」
「ですよね。ちょっと調べてたみたいだけど・・」
「ふうん。何だかなあ」
「ほんと、何だかですよね」

「で、ミンチョルさんどこ?」
「さっきまであのへんに。あれ、スヒョンさんは?」
「あれ・・さっきまであのへんに・・」

「だからね、ミンチョル・・」
「いや、それはね、スヒョン・・」

「そうは言ってもね、ミンチョル・・」
「確かにそうなんだけどね、スヒョン・・」
「そんなことないよ、ミンチョル・・」
「そうかな、スヒョン・・」
「そうだよ、ミンチョル・・」
「やっぱりね、スヒョン・・」

「「ケホン!!コホン!!」」

「あれ、ギョンビンとドンジュン、どうしたの?ふたりでフグ状態で」
「あのねっ!いちいち名前呼び合って会話しないでくれる?」
「名前呼び合うって?」
「だからねミンチョル、そうだねスヒョンって、どういうことですかっ!」

「「いけない?」」
「「いけない!」」

「おー、こわ。じゃそろそろ帰ろうか、ミンチョル」
「そうだね、スヒョン」
「「こらっ!」」

この二人は最近確信犯の匂いがする

「可愛いフグのドンジュン、待ってよお。一緒に帰らないのかあ?」
スヒョンさんはぷりぷりして出て行ったドンジュンさんを大げさに騒いで追いかけて行った
「あいつも大変だな」
彼は額に掌をあてながら、笑って見送っている
人ごとじゃないでしょう
あなたもこれから大変です
僕はゆっくりと目を吊り上げた
僕の方を振り返った彼が、小さくあっと声にならない声を上げ固まった
やっと気がついたね
さて、僕たちも帰りましょうか

車の中でも僕は目を吊り上げたままだった
「ミン、ミンってば、怒ってる?」
「怒ってませんよ」
「だよね、ちょっと話してただけだもんね」
「名前呼び合って、すごく密着してね」
「話す時は近づくだろ」
「そうですね、額寄せ合ってね」
「やっぱり怒ってる、絶対怒ってる」
「怒ってません。ただ話してただけでしょ?」
「言葉遣い丁寧になったもん。それって怒ってるしるしだもん。ミン、ミンってば・・」
「怒ってませんから。とにかく帰ります。いいですね」
「・・あい」

ふふん、さてと、今日はどういうお仕置きにしようかな・・


うちにかえろう  ぴかろん

僕はラブに返す服とラブへのプレゼントと、それからテファさんの描いたあの絵などを入れた紙袋をぶら下げて、控え室の外に突っ立っていた

「あれ?兄さん、まだこんなとこにいたの?」
「・・ん・・。ラブ待ってるんだ・・」
「出待ちってやつね」
「ん?」
「アイドルとか芸能人とかが出てくるの待ってるファンみたい・・よくプレゼントとか渡すんだよね、そーゆー時・・」

そう言ってギョンビンは僕のぶら下げている紙袋を見た
僕は何となく恥ずかしくなって、その紙袋を後ろに隠した

「お待たせ~・・ん?・・兄弟でお話?」
「いや。ラブ君、兄さんのこと、よろしくね」

ギョンビンがにっこり笑ってラブに言った
ラブもにっこり笑ってギョンビンに応えている

ギョンビンが僕の事をラブにいろいろと吹き込んだらしい・・

いい情報も、いらない情報も・・

「兄さん」
「は、はいっ?」
「ぼーっとしてるとラブ君歩いて帰っちゃうよ、ほら、もう外に行っちゃってる・・」
「あ・・」
「頑張ってね」
「うん・・」

僕はラブを追いかけて外に出た

いない!え?どこ?!どこ行ったの?
『送って』って言ったの、ウソ?!

慌ててそこら辺を目で探した
いない・・いない・・

「ギョンジ~ン、何やってんのさ!」

・・ラブの声がした・・
よかったぁ・・

僕の車の前にいた・・

「なんだ、こんなとこにいたのか・・びっくりした・・いなくなったのかと思って・・」
「早く座らせてよ、疲れちゃったよ」
「そうだね、あの後のリクエスト、凄かったもんな」
「マニアックだったよね、『素手でアタッシュケースを殴る』『ステーキ一口で食べる』『寝そべりながらアタッシュケース蹴って開ける』『腹を押えて震える』・・」
「あとなんだっけ・・」
「『オーマイフレンド』って言ってハグ・・」
「あーあのハグ、お客さん全員が並んだよね・・」
「どーでもいいから早くドアのロック開けてよ!」
「・・ごめん・・」

どうしてこう調子が狂ってるんだろう・・
昔はスマートな会話しながらスマートに先を読んで行動できたのに・・
ラブが相手だと一瞬一瞬気を抜いちゃいけないと思ってしまう・・

ラブはさっさと助手席に乗り込み、シートを倒した

「早く乗れば?」
「あ・・うん・・」

そんな・・寝そべってるとつい・・覆い被さりたくなっちゃうじゃん・・嫌がるからしないけど・・

僕は大人しく運転席に座った

「道、わかんないんだけど、寝ないでよね。ちゃんとナビし・・」

ラブが僕の首に巻きついて深く口付ける

・・抱きしめてもいいのかな・・

躊躇してると唇を離してクスっと笑う

「どうしちゃったのさ。ほんとに『えろみん?』」
「・・えろみんはイヤなんだろ?」
「・・キスはいい・・」
「・・ん。わかった・・」

えろみんの本領発揮・・とまではいかないけど、ラブにちょっとスゴいキスをしてやった・・

うう・・手が・・手が・・震えるっ・・

「ぷふっ」

ラブが吹き出した

「・・なによ・・このキス・・ダメ?」
「くふふ、香りが・・。ダメだ。笑っちゃう・・」
「・・」

そんな。これでも真剣につけた香水なんだぞ・・。いい香りなのに・・。

「車出してよ・・」
「あ・・うん・・」

僕は気を取り直して車を発進させた

ラブのナビで知らない道を走らせる
とても新鮮な気持ちだ
夜の街の灯りがきれい・・

「そこ降りてって。駐車場」

ラブの指示に従って、マンションの地下の駐車場に車を止める

エンジンを停止させた途端、またラブが僕に巻きついてキスをする・・

ああ・・。ラブ・・。このままここでヤっちゃいたいっ!

べちん☆

「てっ」
「すけべ!変なこと考えるな!」

プリプリ怒って車からさっさと降りるラブ・・
もう・・
ホントに調子狂うよ・・

ラブの後を追って、紙袋をぶら下げた僕はエレベーターに向かう

僕がそこまで辿り着いた時、ラブは箱の中から意地悪な微笑みを見せて扉を閉めた

「ちょっとぉっ!ちょっと・・。え?送るって・・ここまで?」

エレベーターはどんどん上に登ってってる!うそ!ホントにここまでで『ご苦労さん』なわけ?!

僕は必死でエレベーターの止まる階を眺めた

5階・・5階だな・・
とりあえず5階で降りて・・

戻ってきた箱に飛び乗り5階を押して階を示すランプを見上げる

早く早く早く早く!
でも・・5階に着いたら・・どうしたらいいんだろう・・
大体何号室かもわかんないじゃん・・

チーン

という音とともに箱が開いた
降りようとしたら押し戻され、壁に押し付けられて唇を奪われた・・

ずるい・・酷い・・えっちだ・・ラブ・・

やがて箱の蓋が閉まり、僕達は密室に二人きりになる

ラブのキスは段々深く濃くなっている・・
ヤバイよ・・
我慢できなくなっちゃう・・

「ぶははっ・・だめだやっぱし!」

ラブはまた吹き出して、動いていない箱の扉を開ける

「降りて」
「・・ひどいよラブ・・」
「くはははっ」


La mia casa_9  妄想省家政婦mayoさん


「はるみ~...お前は普通の猫よりいいもん食ってるよな..」
「みゃん#みゃん#(^o^)」

はるみは隣のイスに乗り..デスクに置いた魚のグリルをモグモグ食べている...
テス達が店に出てる間に焼いたハーブパンを小さくちぎって口元に持っていくと
パックンっと口を開けモグモグ食べる...

食事の終わったはるみは俺の腿に乗ってデスクに前足を揃えた....
はるみは片方の前足でPCの側の俺の眼鏡を引き寄せ..両足で挟み俺によこした....

「ぷっ....サンキュ...」
「みゃん#(^o^)」
「はるみ...お礼にち◎うしてやる....ん~」

パコン☆....

「はるみのけち...」
「ぎゃおん#..(>_<)」

俺はPCを開いた....

『・・・?!』

ディスプレイの画面を見てマウスを握っている俺の手が止まった...
画面のメールフォルダのアイコンの位置が微妙に..ズレている..

『....テスか....』

俺はプログラムの画面に切り替え..軌跡を追った...ビンゴ#
俺がPCを操作していない時間に★☆メールを一度だけ操作したようだ..


『開けやしないが....んでも...わかっちまった...か....』


画面を戻しPCに闇夜が捜してきたRay, Goodman & Brown のCDをセットした


一曲目 ♪Inside Of You を聞いたところで
メールフォルダを開き2個のメールファイルを開いた....

ノーマルメールに何件かのメールが来ていた...
闇夜のスカ対ジョンドゥに関するメールが一件その中にあった...来たか#
俺が闇夜に頼まれて警察関係者にかなり粘って手に入れた資料だ...
ジョンドゥは実刑なしの執行猶予がついた...
『豆腐は食わん..ってことか....』


★☆メールを開いた...2つのメールが来ていた

1つ目は飲んだくれた昨日のメールだ...

☆単車の手配サンキュー(^_^)v
 明日設計事務所で打ち合わせだから早速乗る#
 薬飲んで寝る...追加の薬を頼むね...

   『はいはい..ちぇみ薬局...ご注文承りました....
    つーことは...昨日の夜はバタンキューか....^^;;....すまん..テソン
    いぢわるちぇみ...ちょっと...反省#...m_m』


2つ目は今日の昼間設計事務所から送ったようだ...

☆内装工事の件
 工事は明日から..工程表その他は別ファイルで転送...

☆おいしい仕事
 一件ちょいとおいしい仕事が舞い込んだ...マージンがデカイんだ(^o^)
 その分ちょいと面倒なのでご協力お願いしますぅ(^_^)v
 資料別ファイル~

   『今度は..動産か...あいつ..今回は親父のルートを使うな...
    つーことは俺のルートにも繋がるってことか...』


PCから流れる曲が ♪Special Lady に変わった....

☆明日から江原道に行ってくる..
 最終日は朝イチでソウルに戻って新対象→キム・ジュノ調査

   『また増えるのか?BHCに...おいおい....何人目だ...』

 留守中..はるみはテソンとおねんねさせてね...  
 そうそう....テスシ...声が大きいそうで.....このっ#すけべぇー#...

   『ぉ....おい#な...何で知ってる!..って.....は..はるみか?』

「はるみ....やっぱ喋れるんだろう...ん?」はるみは前をむいたまま首を横に振った...
「お前....ご主人様に似て怪猫だな...ん?」はるみは俺に振り返り首を縦に振った...


★ジョンドゥの資料は転送した..後で見ておけ...
 だはは..調書も付いてるぞ#これは~高いぞぉ#...

★内装工事の件了解
★おいしい仕事の件了解
 お手伝いの報酬...こいつも面倒な分高いぞ#...覚悟しろ#

★嶺東高速国道は道路事情が悪い..
 江原道へは絶対に単車で行かないこと#いいな#
 俺はテソンが声がでかいと聞いたぞ?ビンゴだろぅ~(^^;)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
俺は最後ハッタリをかました返事を書いて2つのメールファイルを閉じた..
最後の ♪Another Day が終わったとき..3人が帰ってきた...



替え歌 「Romantic が止まらない」  by ギョンジン ロージーさん

ナビのシートを倒して(Fu Fu さりげなく)
ボクの視線を誘った(Fu Fu しどけなく)
おまえから(Don't stop)
からみつき(Love me do)
くちづけた 熱い熱い Tonight

誰か Romantic 止めて Romantic
胸が 胸が 苦しくなる
(苦しくなる)
妖し瞳に 甘く溺れて Hold me tight
ときめきは 止まらない


僕を上手に 焦らして(Fu Fu さりげなく)
らしくないねと 笑った(Fu Fu しどけなく)
たまらずに(Don't stop)
くちづけて(Love me do)
抱いた手に 力こめる Tonight

誰か Romantic 止めて Romantic
息が 息が 燃えるようさ
(燃えるようさ)
同じ孤独を 抱いて生きたね
今夜 一人では 眠れない


誰か Romantic 止めて Romantic
胸が 胸が 苦しくなる
(苦しくなる)
妖し瞳に 甘く溺れて Hold me tight
せつなさは(Fu)止まらない


(C-C-B『 Romantic が止まらない』)



帰宅後  れいんさん

閉店後、僕らは今日もヨンナムさんの下宿に向かった
マンションの方が近いんだけど、ついついヨンナムさんちに行ってしまう
もちろん、もれなくおまけもついてくる
なぜだか不思議なんだけど、ヨンナムさんちの御飯って美味しいんだ
ほんとに普通の御飯なんだけどね
皆で一緒に食べるからかな
下宿だって古いんだけど、なんだかすごくあったかい
こういうの、アットホームって言うのかな



「ただいま帰りました」
「兄貴っただいまっ」
「あ、お帰りなさい。疲れたでしょう」
「腹減ったよお。なんかない?」
「ホンピョ!帰るなり行儀悪いな」
「今、丁度、ソクさん達も食べてるところですよ」
「達・・って事は、またスヒョクさんも来てんのかよ」
「おまえが言うなよ」
「ははは、毎日賑やかで僕も楽しくなります。さ、手を洗って・・」



「よお、お子様二名また来たのか」
「あ、お疲れ様です。ソクさん」
「スヒョクさん、ここんとこ入り浸りじゃないっすか?」
「ホンピョ君に言われたくないけど」
「そうそう、スヒョクはヨンナムさんと凄く気が合うんだ。ね?スヒョク」
「はい、ソクさん」
「あ~あ・・また始まったぜ」
「「え?何が?」」
「また、ちゅうちゅう、よからぬ事始めんだろ?」
「ば、馬鹿!何を言ってるんだ。僕達はここではそんな事はしないっ。なっ!スヒョク」
「あ・・は、はい。ソクさん」
「ほんとかよ。怪しいもんだぜ」
「き、君、まさか聞き耳たててないだろうな」
「ふん!聞かれちゃまずい事でもやってんのかよ」
「もうよせよ、ホンピョ」

「君達だっていつもつるんでなんだか怪しいよ」
「スヒョクさん!何言ってるんですか。僕は絶対!ノーマル・・だと思います・・」
「語尾が若干弱いけど?」
「ち、違いますっ!今日だって昔の彼女が店に来て、ちょっといい雰囲気になって・・」
「「へえ~それで?」」
「それがよ、俺が軽く冗談言っただけで、その女、ぷりぷり怒って帰ってやんの。
けけけ、いくら大口たたいても、ドンヒのコマシテクなんて所詮、その程度なんだよ」
「ホンピョ!あんな事言っといて、あれが軽い冗談か?」

「まあまあ、痴話ゲンカはそれくらいにして、さあ、早く召し上がって下さい」
「あ、はい。ヨンナムさん、いただきます」
「ところで、君達、仕事の方はもう慣れた?」
「それがですね、ヘルプばっかりで参ってるんですよ。ソクさんの方は?」
「ん?僕はスヒョクの護衛・・いや、ヘルプがほとんどだから」
「そうなんです。ソクさん、いつも僕とお客さんの間に座って、僕への質問も全部ソクさんが答えちゃうんです」
「え?そうだっけ・・スヒョク」
「んもお!ほんとに困った人なんだから。ソクさんって」
「だから~、おまえが、僕と一緒にショーやってくれたらさあ~」
「だって、ソクさん、すぐにヤらしい目つきして、僕の腰の辺り見るでしょ?」
「だって、それはさあ、おまえがさ・・」
「けっ!勝手にやってろよ」

「そうだ。丁度いい機会だから、皆さんに僕のアイデアを聞いて頂こうかな」
「「ドンヒ君のアイデアって?」」
「BHCの皆さんって、それぞれいろんな技をお持ちでしょ?それ目当てにお客様が指名する
だから、僕達もこれ!って言う技を何か一つくらい・・」
「「例えば?」」
「そうですね。カーネルおじさんのつけ髭ゲームとか」
「それじゃ、ジュンホ君の二番煎じだろ?」
「じゃあ・・ファスナーおろしショー」
「それだと軽犯罪スレスレじゃない?」

「うーん・・雪道ロングバックならぬ、雪かきロングバックは?」
「それは季節的に無理がありますね」
「ヨンナムさんまでそんな・・。じゃ、手鼻ハンカチ」
「なんか汚ねえなあ」
「おまえが言うなよ。じゃ、目隠ししたままハグは?」
「それってスヒョンさんの技がミックスされてるだけじゃないか。全然色気ないぞ」
「携帯テーブル水切り飛距離くらべは?」
「携帯すぐ壊れちゃって、いくつあっても足りないよ」
「ズボンにゴミくっつけてくの字で倒れるってのは?」
「それじゃまるっきりイナさんのパクリだぜ」
「じゃ、くの字じゃなくて大の字で倒れるのは?」
「あんまりパッとしないな」
「じゃあ『僕の好意は断れないよ』って言って強引に福袋押し付けるのは?」
「それはかなり経費がかかりますね」
「うーん・・難しいな・・」



その話は深夜にまで及んだ
常に上を目指している仕事熱心な僕であった・・










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