「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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ぴかろんの日常
BHC サイドストーリー 22
『愛』先生の『甘え方教室』 ぴかろん
年末のクソ忙しい一日のこと…モウソウルのとあるビルの小ホールでイベントが開催された
数日前にそのチラシを受け取ったと見られる人々が、指定された時間にわらわらと集まってきた
どういうわけか、皆、サングラスをかけており、大抵の者は帽子を被っていた
皆一様に俯き加減で何やら怪しげな雰囲気である
そしてまたどうしたことか、九割がた男性のようである
一体どのようなイベントがあるというのだろう…
私はある方の命を受け、極秘潜入捜査を開始した
「皆さん、こんにちはー」
シーン
やたらと元気のいい司会者が金色の大きめ蝶ネクタイをつけてステージに出てきた
はっきり言って浮いている。司会者はテンパっているのかハイテンションで喋り続けた
「本日は『甘え方教室』にようこそおいでくださいました。甘えたいけど甘え方がわからない、甘えさせたいけどこんな方法でいいのか、皆様が日頃お感じになっている『甘える』という事に関して、『甘えのオーソリティ』であらせられる『愛』先生のご指導を仰ぎたいと思います。ご紹介いたします、我らがアイドル『愛』先生です。大きな拍手でお迎えください~」
【パチパチパチ。ちゅっちゅっ。はぁんひぃん】
以下、会場のざわめき等は【○○、××】と現す。ご了承願いたい
会場が騒然とし、舞台に現れた華やかな『愛』先生を讃えた
『愛』先生もまたサングラスをかけていた
「ハローエーブリバデ」
「…。ハローエーブリバデ!」
『愛』先生の挨拶を戸惑いながら繰り返す司会者。会場は『愛』先生を凝視したまま声すら出ない
「皆さーん、ちょっとお待ちくださーい」
司会者はマイクをオフにし、『愛』先生と内緒話を始めた
ふふん。私を見くびるな。私は『ある組織の一員』である。私の仲間は、かの『愛』先生の下にもいるのだ
従って『愛』先生の衣装には抜かりなく『マイク』が仕掛けられている。私だけが秘密の会話の内容を知ることができるのだ
なお、隠しマイクによる会話は、以下「(○○、××)」と現す。ご了承願いたい
「(ちょっとラブちゃん、あの挨拶はないんじゃないの?)」
「(なんでよ!いいじゃん!英語の方がかっこいいでしょ?)」
「(英語はいいけど、あの発音じゃ…)」
「(なによっ!<(`^´)>ギンちゃんアメリカに住んだ事あんの?向こうではこういう発音で通るんだからっ<(`^´)>)」
「(…まぁいいや…とにかく、入場料高いんだから、その分ちゃんとやってね)」
「(任せといて)」
「けへん。失礼致しました。スーパーアイドル『愛』先生です。今一度拍手を!」【パチパチパチ。ちゅっちゅっ。はぁんひぃん】
「なぁんかぁ、悶えてる人がいるみたいだけどぉ、悶えるのと甘えるのは違うからね!」ピシ☆
『愛』先生は舞台中央に設えられた演壇を、手に持った鞭で打った
【はぁぁ…あうっ…】
会場で悶える者、数名発見。隠しカメラにて撮影成功!ヨシ!
私は私の仕事の出来に小さな満足感を得る
「えっとぉ~、この会場に入る前にぃ、皆さんにぃ、アンケートを提出してもらったのよね~。それに基づいて講義進めるからヨロシクぅ」ピシ☆【はぁぁん…】
司会者がガラガラとホワイトボードを出してくる
「あ、そうそう。今日俺の講義のアシスタントをしてくれてるのは『銀坊』です。ヨロシク」
「(ラブちゃん、『銀坊』ってなによ!もっとかっくいい名前にしてよ)」
「『銀坊』、ありがと。じゃ、最初の質問について見ていきましょう。『銀坊』、アンケート用紙持って来て」
「((-_-)人遣い荒くない?!覚えてろよ!)」
「(ああんギンちゃぁん、後でホラ、例のホラ、イイモノあげるからぁ)」
「(…。我儘坊主め!)」
司会者(以下『銀坊』)は不服そうに舞台袖に引っ込み、アンケート用紙を運んできた
「ありがとね、『銀坊』」ちゅっ…【はううっはうううっ】「会場、うるさいよ、ハウス!」ピシッ☆…【きゅうんきゅうん…】
「『愛』先生、進めてください」
「あ、そうね。んと、最初に皆さんに質問したのはぁ、『自分は甘えたさん?それとも甘えられたがりさん?』でしたぁ。さっき皆さんのアンケート読んでてぇ、とっても興味深かったのね~。俺も皆さんに色々質問したいのでぇ、名前呼ばれたらその場に立って答えてね~。じゃ、最初はぁ『僕自身はカレより年下ですが、どう考えても甘えているのはカレだと思います。僕だって甘えたいのですが、カレは天然なのでそういうことに気づかないのです。でも極々稀ですが、たまにカレが本領発揮すると、僕はやはりカレには敵わないなぁと感じます。僕は「甘えたさん」ではないと思いますし、だからと言って「甘えられたがりさん」でもありません。はうんど』…。『はうんど』さん、立って」
「はい…」
「貴方、理屈っぽいなぁ。こういう人は本とは『甘えたさん』です」【あうっ】「そこ!うるさい!」ビシッ☆【くぅっ】「我慢しないで甘えなさい。カレでなくてもいい。もっと身近なヒトに甘えてやってください…ぐす…」
「あ…あの…『愛』先生、どうなさいました?何故泣いていらっしゃるんですか?」
「俺、貴方のように理屈っぽくて意固地な兄弟を持ったある馬鹿な男性を知ってるんです。その馬鹿は本当に馬鹿なので、兄弟に自分の心をぶつけられなくて…えっえっ…えーんえーん、ばかー!気持ちわかってやれよばか吊り目ぇぇ」
「?…」
さめざめと泣く『愛』先生。立たされたままの『はうんど』。『はうんど』の斜め後ろ付近で先程「ハウス」を言い渡された客が身悶えしている。不審に思い撮影す。ヨシ!
「ぐしぐし…『はうんど』君、これからは色々な人に甘えるように」
「…でも僕、甘え方がよくわからなくて」
「ん!いい事に気づいたね『はうんど』君。その『甘え方』については、次のコーナーで具体的に教えるから。座って。次、えっとぉ『僕は最初頭の中が混乱していたので、年上の人に我儘し放題して自分の心を落ち着かせていました。やがてその人と恋人関係になり、ほぼ僕が「甘えたさん」しています。でも僕が思うに、その恋人の方が実は「甘えたさん」だと思います。だって…すっごく可愛いんだもん。きっとその人は「天然甘えたさん」だと思います 秒食』…。『秒食』さん、立って」
「はい」
「…。食べ過ぎないようにね」
「…いつも恋人に注意されます」
「…。張り手とか得意ですか?」
「え?いえ、別に…」
「…。『突き飛ばすよりも腕を広げよ』」
「は?」
「あ~解説しますね。『秒食』さん、『愛』先生から貴方へのオコトバです。腕を広げれば人を突き飛ばすことはない、寧ろ抱きしめることができる、という意味です。心がけてください」
『銀坊』がしゃしゃり出た。『愛』先生は恍惚の表情で上方を見上げている。続けて『愛』先生の口から言葉が漏れ出でた
「…。『百回噛め。さすれば幸あり』」
「は?!」
「『秒食』さん。口の中に入れるまでの素早さはよいが、口の中で百回噛めと。そうすれば恋人の腰も安泰で皆幸せになれる…と、そう言った意味です」
「…。わかりました!努力します!」
『愛』先生は『銀坊』になにやら耳打ちする
「あ、『はうんど』さん、『はうんど』さんへのオコトバはご理解いただけましたか?」
「…ええ…周りの人に甘えてみれば?っていう事ですよね」
「違うもん!お兄ちゃんに甘えてやれっていう事だもん(;_;)ひぃんひぃん」【あうあう(T_T)】
「あ…『愛』先生、落ち着いて…次行きましょうか。『はうんど』さん、すみませんでした、お座りください、『秒食』さんもどうぞお座りください。(泣くなよ!かっこ悪い)」
「(これもテクの一つなの!<(`^´)>)」
「…。先生、次を…」
「はい。では次の方を…。『僕系統の顔は、しっかりしているようで実は「甘えたさん」だと思います。ついつい「本命以外」の可愛い子に気持ちが行ってしまうことがあり、そんな部分でも「本命」や「可愛い子」に甘えているのだと思います。 長睫毛』…。ほぼ同じ内容のものがあと二件あります。『長指』さん、『小口』さん…。三人、立って」
「はい」「はい」「はい」
立ち上がった三人を撮影
驚いたことに見分けがつかない。危険人物か?!
「貴方達はぁ…くふ…すっごぉぉぉくぅ…くふん…色っぽい。それにとぉぉぉってもぉ…ス・テ・キ・きゃあっ(*^^*)」
「(ラブちゃん、個人的な趣味を出さないの!)」
「(だってぇん…(*^^*))」
「(はやく言葉を…)」
「…。『秘密は蜜の味』」
「は?…はぁ…ええっと…、秘密は甘いものだっていう事ですね?先生」
「…『偶に蜜を極めよ。それが幸せへの道』」
「…。時々、甘さを極めよと、そうすれば幸せになれるかもと…」
「「「重々承知しましたっ」」」【がるるがるるばうわう!】
「そこ!ハウスって言っただろ!出てってもらうよ!」ピシっ☆【きゅうん…わぅん…】
会場のざわつきなど気にしない『愛』先生。格好ヨシ!と…
「続けます。それでね、こんな答えもあったの。『ぼくはあまえたさんなのかもしれませんが、あまえられたがりさんかもしれません。どちらにもあてはまるし、どちらにもあてはまらないようなきもします。ぼくは、ひとから、「いやしけい」といわれます。そういわれればそうかもしれません。ちゃんぴょん』…。はい、『ちゃんぴょん』さん、立って。ああ…ほんとだなぁ、『癒し系』です。えーっと、『ちゃんぴょん』さん以外にも『癒し系だと思う人』は名乗って立ってください。…。そこの人、俺から見ると貴方って『お笑い系』なんだけど…」
「失礼な!僕は小説家志望の薬売りです。小説も薬も人を癒すものです!だから僕は『癒し系』です。あ、僕の名前は『薬売り』でよろしく」
「な~るほどぉ。解ったよ『薬売り』さん。じゃ、その隣の人は?」
「『卵医者』です。僕は医療関係の仕事を副業としています」
「副業?じゃ、本業は?」
「…。『秘密の花園』で人を癒してます…」
「うわっ!似合わないセリフ」
「む」
「『秘密の花園』って響きと『卵医者』さんの雰囲気と合わないんだもの。でもそのギャップが楽しいかも。よし。貴方も『癒し系』ね。それと…はい、あなた…。うん。貴方は見るからに癒されるな。サングラスが似合わないぐらい可愛い(^o^)」
「あ…ありがとうございます…『ぱぱ』と申します。きっともうすぐ子どもが生まれるから、それで気持ちが優しくなっていて、『癒し系』と言われるのかなと思います」
「え?!(@_@;)こども?!…」
「はい。もうすぐ…」
「…ヤっちゃったの?!そんな可愛い雰囲気で…」
「『愛』先生!いいじゃありませんか!アンタだって散々…」ピシィ☆「いてっ!ひどいっ」【あううはううっ】
口を出した『銀坊』がしばかれ、会場からは悶え声がハモって聞こえた。しかし『愛』先生は全く動じない
「それからぁ…。はい、そこの人」
「『一文字』です。僕もよく『癒し系』と言われます」
「そうねぇ。雰囲気がとっても柔らかくて優しくていい感じですねぇ。…。ちょっとごめんなさい、帽子を上に上げてみて…。あ、やっぱり。うん、その揃った前髪がまた『癒し系』度を強くしてるよね~(^o^)それで『一文字』さんかぁ」
「…。はい…ありがとうございます…」
「次はぁ…。んーと…。え?…あなたも?」
「はいっ。俺ぁ『癒しの男』って言われる『先輩』と申しますジャンス~』
「…ご自分ではどこら辺が『癒しの男』だと思いますか?」
「『ジャンスギャグ』でしょ?それから『肩』」
「…『肩』?…はぁ。なるほど、なだらかなラインだものねぇ。ちょっとグラサン外して。俺にだけ顔見せて…」
「くふん…」
「うん。優しそうだ。貴方、グラサンかけてると『ヤ○ザ系』になるから気をつけた方がいいよ」
「あーい」
「他にいますかぁ?いない?じゃ、今立ってる『癒し系』の人たちに言います。『癒し続ける事こそが愛への道なり。精進すべし』」
「…解説…するまでもないですね、皆さん。そのまま周りの人々を癒し続けてくださいってことです。そうすればご自身も『愛』を掴めるでしょう」
「「「「はーーい」」」」
『愛』先生の一声、ツルに似たり…と…
「えーっと、『どちらにも当てはまらない』って人も結構いたなぁ。要するにぃそういう人ってぇ、『自分を解ってない人』なのよね~。ではそういう事を踏まえて、『甘え方』についての講義をします。名前を呼ばれた人は舞台に上がってきてね~」
ざわつく場内。私も呼ばれることがあるかもしれない…。にわかに緊張する私
「んと。『ごしゃい』さん、『どんどん』さん、『もんきー』さん、『はーどぼいるど』さん、『映画監督』さん、『色気馬』さん、『色無馬』さん、『ざしきわらし』さん、『速攻王』さん、『ドレイ』さん、『二等兵』さん、『トッショリ』さん、『ボディガード』さん、『さむすん』さん、『キャンドル』さん、『技アリ』さん、『測りたい』さん、『へるぷなんばーわん』さん、『ふぉっくす』さん、そして『きつねてんどん』さん」
再びざわつく場内。『きつねてんどん』という名前に反応する不審者数名。撮影。ヨシ!
名前を呼ばれた者達が舞台に上がる。どういうわけか全員似通っている。確かに少しずつ違うがでも…
「あ、それと『徒歩電』さんも」
ガタン☆ずさっ。タッタッタッ
あうあうあう。私が揺らされている…。ふ、振り落とされぬようにせねば
『徒歩電』とは我がご主人様のことらしい…しかしなぜご主人様がアンケートに回答を…
そ…そうか!これが潜入捜査の基本か!虎穴にいらずんば虎子を得ず!私も頑張らねば!
揺られながらも会場内撮影。ヨシ!
「じゃ、えっとぉ、『もんきー』さんとぉ『映画監督』さん、それからぁ、『ボディガード』さんとぉ『色無馬』さん、『さむすん』さんと『色気馬』さん、『ざしきわらし』さんと『速攻王』さん、『ごしゃい』さんと『どんどん』さん、『ドレイ』さんと『二等兵』さん、『キャンドル』さんと『へるぷなんばーわん』さん、『技アリ』さんと『測りたい』さん、『はーどぼいるど』さんと『徒歩電』さん、『ふぉっくす』さんと『きつねてんどん』さんペアね」
ざわめく舞台上。我がご主人様の心臓も異様にバクバクしているご様子。よく見るとあちらこちらで火花が散っている
「あの…私は…」
「え?あら素敵な方だな。余っちゃった?えーっと…もしかして『トッショリ』さん?!」
「…はい…」
「やだ。貴方が『トッショリ』だなんて…くふん」
舞台上に挙動不審者アリ。撮影。ヨシ!
薄暗い客席もざわめき続けている
「みんな、静かにして!この人たちにいぃ、正しいぃ、甘え方をぉ、知ってほしくないの?!」【知ってほしい~】「じゃ、しっかり見てて!いいね?」【あーい…】
「あのそれで私は…」
「あ、『トッショリ』さんはぁ俺とペア」
「いやーーっ!(T_T)」【だめぇぇっ】
舞台上で叫ぶ男。先程の挙動不審者。再度撮影。会場でもドスドスと騒ぎまわる者アリ。撮影。ヨシ!
「うるさいバカ!黙れバカ!」
「ひ…ひどいわっ。僕、客なのにっ」
「ああごめんごめん(-_-)あんまり俺の知り合いのバカにそっくりだからつい。とにかく、俺の采配に口出ししないでね!いいね」ピシィ
「はぁぁぅん…」
「ではぁ、ペアになった人達、右と左に分かれて。そう。じゃ、最初はぁ、右チームが甘えます。順番に甘えていって。はい!」
ざわざわざわ…ざわ…
司会の『銀坊』がしゃしゃり出て仕切る
「はーいみなさーん。『愛』先生の指示通りにしてくださーい。では一番前のペアから…。えーっと…お名前は?」
「『ボディガード』です」「『色無馬』っす」
「けほ…」「ぶほ…」【ヒョン、アッパ、ファイティン!】「「ぶぉっほっほっ…」」
「じゃあ『ボディガード』さんから甘えに行ってくださーい」
「はいっ!とおりゃあっ!」トトトトト
「よっしゃこぉぉぉい!」ガキッ☆「ぐぇっ」
「あっ…大丈夫ですか?『色無馬』さん!…『愛』先生、大変です!『ボディガード』さんの膝が『色無馬』さんの大切な所にぶち当たったようです…」
「ふーん。じゃ、『ボディガード』さんさ、裏で『色無馬』さんをたっぷり甘えさせてあげてね。次」
『愛』先生、冷たし。と…
「次は『さむすん』さんと『色気馬』さんで…あ…あの…。…。『愛』先生、この二人は勝手に甘え甘えさせ生きていますけど…あ…あ舞台上でそんなこ…」
「誰か『銀坊』の控え室に案内してあげて。中から鍵かけるようにね。次」
『愛』先生、状況判断的確。と…
「えーっと…次はぁ…『ざしきわらし』さんと『速攻王』さんですね。『ざしきわらし』さん、甘えてください」
「んなこと言ったってよぉ。男はそんな簡単に甘えたりなんざできねぇんだよ!」
「君、ここは『甘え方教室』なんだよ。『愛』先生に失礼じゃないか!大体ガムくちゃくちゃするのやめろよ!僕の知ってる奴そっくりだ!はい!ここにチャイしなさい!」
チャイ?…『速攻王』は掌にティッシュを広げ、『ざしきわらし』の口元に持っていく
ああ、ここに出せと…ほほう…『速攻王』、中々『甘えさせ上手』と見た!
「…。馬鹿にすんな!ちり紙ぐらい持ってる!」
「持っててもお前、じゃないお前みたいなタイプの男はそこら辺にガムを擦り付けたりするんだ!僕は知ってるぞ!その度に僕のようなタイプの男は苦労して尻拭いしなきゃなんないんだ!わかってるのか?!」
「…」
「…なんだよ、その拗ねた口元…やめろよ、キュンとなるじゃないか」
「…」
『ざしきわらし』、舞台に寝転ぶ。慌てる『速攻王』
「やめろ!そんな事されると僕のようなタイプの男は…僕のようなタイプの男はぁぁぁっ!」
『速攻王』、『ざしきわらし』に添い寝。背中トントンを始める。撮影。ヨシ!
パンパン☆「中々いいパフォーマンスだったね。誰か~この二人、このまま医務室に運んでやって~。次」
『愛』先生、指示的確。と…
「次は、『ごしゃい』さんと『どんどん』さんですねぇ」
「んと」
「ん?なになに?どしたの?ボク」
「ボクじゃねぇよぶぁか!」
「…なまいきぃ。きみ、五歳なんだろ?」
「ちがわ!本とはちがわ!ぐしゅ」
「…な…なんで泣くんだよ」
「らって…らっておれ、あまえたくないもん!」
「…十分甘えてるんじゃない?」
「しょんなフグみたいなアヒルみたいな若いやちゅなんか興味ねぇもん!」
「ぶー!僕だって君みたいな子ども、相手にしたくないもん!僕が甘えさせたいのは…僕が…ぼぐがあまえさせたいのは…」
「でじゅうううう!」
「ずびょおおおん!」
「「びえええええ」」
「はい。子どもは退場!」【あうっ!かわいいのにっ!】「なに?!文句あんの?!」【…ないです…】「子どもはね、甘えるの上手だからいいの。次」
『愛』先生、子どもに厳しい?と…
「次はぁ…『キャンドル』さんと『へるぷなんばーわん』さん…」
「え?僕から甘えるの?」
「えへっ。おいで~(^-^)」
「…おいでって言われても…」
「おいで~\(^▽^)/」
「…。なんか、すっごく、後が怖いような気がするし…でもなんか癒し光線発してるような気がするし…ブツブツ…」トコトコトコ
「来たぁ(^o^)ヨシヨシ」ナデナデ
「あ(・▽・)癒された…」
「ね?(^-^)よかったでしょ?」
「うん。ありがとう、『へるぷなんばーわん』さん」
「どーいたしまして、『キャンドル』さん」
「はいはい。甘えるっつーより和んじゃったね。捌けて捌けて。次」
『愛』先生、和みは不要?と…
「次は、『技アリ』さんと『測りたい』さんです」
「あの、『技アリ』というのは何の技なんですか?」
「…。色々な技だよ、『測りたい』君。…君、体格的にはパーンとしてて…いいね…」
「はい!若いですから!…あの…眉毛の角度を測らせてください」
「…。えーっと、僕が君に甘えるんじゃなかったっけ?」
「そうです」
「測るのは後にしよう」
「あ、そうですね。はい。ではどうぞ」
「…。やりにくいな。その腕の角度、直角?」
「そうです!さぁ!飛び込んでおいで!」
「…。うーん…その幅に飛び込むのって難しいよ。もう少し腕を広げてくれない?」
「わかりました。何度ぐらいがお好みでしょうか」
「…えと…これぐらいかなぁ…」
「ちょっと待って!測ります。ほほう、160度と来ましたね。いい角度だ!さすがですね『技アリ』さん」
「…へへ(^^;;)」
「さぁどうです?正確に160度です!」
「…じゃ…行きます」
「はいっ!」
トトトト。パサ…
「…胸板分厚いんだね…」
「ええ。あの、ちょっと、首筋で喋らないでください。腕の角度が保てませんから」
「馬鹿だな、僕が胸に飛び込んだら肘の角度を60度に曲げないと…」
「え?こうですか?ちょっとキツいですね。苦しくありませんか?」
「大丈夫。こうすれば…」
『技アリ』、『測りたい』の首筋に巻きつき、体を密着させる。撮影。ヨシ!
【いやあああ!やめてえええっ!】
客席にいた『一文字』が床に泣き崩れる
『技アリ』のサングラスの奥の瞳が、泣き崩れた『一文字』の「腰のライン」を見て妖しく光った!…と思う!
「ほんとだ!さすがですね『技アリ』さん!こうすればしっかり抱きしめられる」
「…ああ…いいなぁあのライン…なだらかだ…じゅる…」
「ライン?」
「ほら、あそこ。なだらかな山のような『腰のライン』…理想だ」
「…ふむ。傾斜30度のラインが理想的なんですね?僕も努力してあのラインを身につけるようにします!」
ぱんぱん☆「アンタたちもういいから捌けて!飽きた。次」
『愛』先生、飽きっぽい…と…
『愛』先生は堂々と講義を進めている。飽きたり冷たかったりする先生を淡々とあしらう司会の『銀坊』なる人物も、中々の男だ。撮影。ヨシ!
「次はですね…えっと…『もんきー』さんとぉ『映画監督』さんですねぇ」
「え?僕が甘えるの?」
「んふ。おいで~」
「…(→_→)なぁんかあやしげだなぁ…。さっきの『へるぷなんばーわん』さんの『おいで~』ってのと雰囲気全然違う」
「おやぁ?どこがどう違うのぉ?僕って善人なのにぃ」
「…善人善人って言いながら、スケベな人、僕、知ってるんだよね~。その人に雰囲気そっくりだ、おじさん」
「(・▽・)…。おぢさん?僕が?」
「違うんですか?」
「ショック~悲しいなぁ(・O・)」
「…。ちっとも悲しそうに見えませんけど!」
「とにかく甘えてぇ\(・▽・)/」
「…。なぁんか、おじさんに甘えると、ろくなことなさそうなんですよね~」
「(・▽・)…。そんな事ないよぉ。可愛がってあげるよぉ」
「…。変なことしない?」
「しないしない(・◇・)」
「…じゃ、ちょっとだけ…」トコトコ。ピタ。がっ「あっ!」ぐるぐるぐる「なななな(@_@;)」
「いひひっつっかまっえたぁ(・▽・)。楽しいよぉゴム遊び」
「(@_@;)なななな」
「こっちおいでこっち(・▽・)」
「ちょ…ちょっとゴムが…腰引っ張られて…。待ってよ、ちょ…引っ張んないでよ!そんなとこ行けないってば!」
「だいじょーぶだいじょーぶ」
「だっ大丈夫ぢゃなーーーーいっ」
「(・▽・)」ぱっ☆
「(@▼@;)あっ!…ああああああああああ」どぴゅーーーーん☆ばあぁぁん
「(・◇・)…すっげぇ…。流石はサルだ。よく飛んだわぁ。介抱してあげなくちゃ(・▽・)」
ぱんぱん☆「…。ねぇ、みんな勘違いしてない?!甘えるんだよ。コントじゃないの!恥ずかしがらないで!今までで合格してるのは別室に移った二組だけだよ!もぉっ。次!しっかり甘えてよね!」
唇を尖らせる『愛』先生に、不審人物がヨダレを垂れそうなぐらい大口を開けてヘラヘラしている
我がご主人様が小さく口笛を吹かれた。ヨダレ不審人物は耳が良いのかその口笛を聞きつけたと見え、ご主人様をギッと睨み付けた。要注意
「えと…次は…。え?(^^;;)え?大丈夫かな…。次は…『はーどぼいるど』さんと『徒歩電』さん…ですけど…」
ガクガクガク
突然ご主人様が震えだした。どうなさったのだろう
私はご主人様のポケットから必死でお相手を見た
ゴクリ…
口元にうっすらと微笑みを浮かべているように見えるが、あれは元々口角が上がり気味の口だからだ
笑っていない
特に目!
ご主人様は大丈夫だろうか?!
バクバクバババババババババババ…
うわっ!なんと言う鼓動の早さであろう!
ご主人様の心臓がバーストしそうだ!そして鼻息が荒い!
「ねぇ…そんなにフンフン言わないでょ。甘えにくいじゃないの」
「はっひっ(@_@;)」
「ボクを甘えさせたくないってぇの?(@_@)」
「は?いえっあうっワ…ワタシ韓国語ワッカリマシェ~ンっあうちっ」
「腕はこう広げる!するとボクのパンチがこう…」シュ
「ひいっ(@_@;)」スィ
「…(@_@)…。かわしたね。ふぅん…」
あうっ『はーどぼいるど』がブラックスーツのボタンを留めた…ゴクリ…
タッ☆はっ☆
セィセィセィ!ぴしぴしぴし
ハィハィハィ!ぱしぱしぱし
ご主人様と『はーどぼいるど』が突然闘い始めた!うむ!ご主人様、いざとなるとかっこいい!互角の戦いだ
「…(@_@)。なぁんだ。やるじゃないの。見直したな」
「…は…はひ(@_@;)」
「ハグしあおう」
「は?!(@_@;)」ずりり
「なんで後ずさりするのょ。ほら。ハグ」
「は?!いえ…あの…」ずりり…がしぃぃっ
後ずさりしたご主人様をがっつりハグする『はーどぼいるど』
ご主人様危うし!
「はうううっ(@_@;)」バクバクバババババ…
大変だ!ご主人様の心拍数が異常な速さでああううおおお((((@_@;))))
キィィィン「きゅう…」
「あれ?失神しちゃった?軽くハグっただけなのに…」
「…。だっ大丈夫です。(@_@;)ボク、座って休みますから…」
「あ?生きてた?椅子まで連れてってあげる」
「い!いえ!結構れす(@_@;)」
ぱんぱん☆「もう、なにやってんのさ!甘え方覚える気あるの?!しょうがないなぁ、『徒歩電』さんはここに座って!『はーどぼいるど』さんは帰っていいよ」
「…。(@_@)」…。すた。すたすたすたすたすたす。くるっ。すたすたすたすた
「なぁに?なんで戻ってきたの?」
「…。ボク、Uターン好きなのょ」
「あっそ。(-_-)次」
『愛』先生、動じず!と…
そして我がご主人様は疲れ果てたご様子で椅子に座られた
「次は『ドレイ』さんと『二等兵』さん」
ピクッ
『愛』先生、ピクリと動く。そして親指の爪をイジイジと噛む。『ドレイ』と会場のだれかが同時に「はぁぁん」と悶え、退場になったらしい子どもの声で「ぶぁが~」と聞こえる
「…『ドレイ』さん、甘えてごらんよ、彼に!」プイ
『愛』先生、爪を噛みながらそっぽを向く
「あ…はぁあん…はい…。では失礼します『二等兵』さん…」
「は…はい…」
「…」
『ドレイ』、無言で『二等兵』の肩にデコを擦り付ける
『愛』先生の爪噛み、激しくなる
「あ…あの…どうしたんですか?『ドレイ』さん」
「ごめんね『二等兵』さん、僕は『ドレイ』だけど、少しだけこうさせてくれないかな…はふ…」
「…い…いいですよ…。何かあったんですね?」
「はふ…。君のように優しくて素直な人だと、簡単に甘えられるのにな…はふ」
「…というと?」
「意地っ張りで頑固で我儘で、へんなとこ大人だったりする人には、どうやって甘えればいいのか…」
「うーん。僕、そういう人を宥めすかして甘えさせるの得意ですけどねぇ…。うーん。やっぱり真正面から素直に気持ちをぶっつけることですね」
「…はぁん…。跳ね返されるの、怖いもん…」
「大丈夫です。意地っ張りで頑固で我儘な人って大抵小さな穴を開けると途端にぐずぐずになりますから」
「…ふぅん。…はぁん…」
「溜息ばかりついてないで、ファイティン!」
「ありがとう。君ってイイヒトだね…お礼にキスを…」すぱこーん☆ぱすーん☆「でぇぇっ!ひどいっ!」
一つは『愛』先生の鉄拳。もう一つは会場からの「スリッパ」だったことを確認。ヨシ!
「…。なんかぁ、ムカつく。『ドレイ』さん、アンタちょっと残ってて!」
「えっ?はいっ(^o^)」
『ドレイ』、何故か嬉しそう。変なヤツ
「次は、『ふぉっくす』さんと『きつねてんどん』さん…(^^;;)」
会場内が異様な空気に包まれる
「あの」
「なんだい『ふぉっくす』君」
「僕は『ふぉっくす』だけど貴方は『きつねてんどん』なんだね」
「うん。そうだよ。君、前髪、うるさくない?こうしたら?」ふぁさ
『きつねてんどん』、『ふぉっくす』のスダレた前髪をそっと撫でつけオールバックにする
会場内多少ざわつく
「それでね。僕は『ふぉっくす』でしょ?」
「そうだね」
「貴方は『きつねてんどん』」
「うん。そうだよ。君、唇が可愛いね」
「ふたりとも『きつね』に関係があるね。くふ」
「…。笑顔がキュートだね…」
「どうしたの?あなた、頬が赤くなってるよ」
「あ…いや…。暑いね。脱ごうか」
「いいよ」しゅるる【ダメっ!】「ん?ん?だれかダメっちった?」
「…いいよ脱いでも」ゴクリ
「あ!いけない!ダメなんだった!」しゃしゃしゃしゃ【ほっ】
「ちいっ!どうしてダメなの?」
「んとね。取っ手がついてるからダメって」
「…。取っ手?!」
「うん。ここんとこにぴょんって」
『ふぉっくす』、脇腹を掴む仕種。かなり可愛らしい!
「…。触ってもいい?」【いやぁぁ!やめてぇぇぇ!ブー!】サワッ【グッ!きいいい!ツリツリツリ…】「あ…ほんとだ…取っ手が…」
「ね?だからダメなの」
ぱんぱんぱん☆「えーっと。もういいよ。究極の甘え方だよね。俺も参考になったよ。ところで、えーっと、会場にいる『はうんど』君、来て」
「はい」トトトト「何でしょうか」
「君さぁ、今の二人見ててどう思った?」
「…。どう…って?!」
「やぁん、サングラスの奥でそんな吊り目しないでぇん」
「別に吊り目してません!」
「そう?ピリピリした雰囲気なのにぃ。君さぁ、なんかぁ、リベンジとかしたくない?」
「は?リベンジってなんの?」
「なんとなくぅ、したくない?」
「は?意味がわかりませんけどっ!」
「やぁん、だから吊り目はしちゃだめっ。ハウス!」
「グルルル…」
「ちょっと『ドレイ』さん、来てよ。そんで『ハウンド』君に甘えて」
「ええええっ?!む…無理ですっ!(@_@;)そんな…絶対そんな…」
「絶対なんて言わないの!やらなきゃ一生口聞かない…っていうか、別れる!」
「えええええっ(@_@;)そんなぁぁ…。じゃ…やってみます…すみません『はうんど』さん…」
「…なんで僕がこの人を甘えさせなきゃなんないんですか?!」
「だからぁ、リベンジ」
「リベンジの意味がわかりません!」
「なんでもいいからさぁとにかく甘えさせてやってよ!」
「『はうんど』くんっ甘えさせていただきまっす!」がばぁぁ
「はっ!」パシィンビシっ
「ほっ!」タシィィン…
「…」
「…」
「「やるな…。容赦しないぞ…」」
「「たぁ!やぁ!きいっ!とぉ」」
バシドスンくるっガッピシッ…
『ドレイ』のハグをするりとかわした『はうんど』は、すぐさま戦闘態勢に入りテコンドー技を繰り出すも、要注意人物の『ドレイ』、素早い動きでこれを封じる。先程の我がご主人様と『はーどぼいるど』との闘いよりも清々しく感じるのはなぜだろう…
「…(-_-)なぁんでこうなるのよ…せっかく甘えるチャンス与えてやったのに。…もぉ…バカなんだから…」
「(ラブちゃん、これがギョンジンさんの、弟君への甘え方なんじゃないの?)」
「(…。んなはずないじゃんさぁ!バカだなぁギンちゃんってば!)」
「(-_-)」
「はいはいはい!もう終わり!もうみんなぜんっぜんダメ!甘える時はぁこうやってぇ」
『愛』先生、『トッショリ』に背中から倒れこむ
「あうっ!」がしっ☆【あーっ!】
『トッショリ』、トッショリとは思えない反射神経で『愛』先生を支える
少しふらつくがすぐに体勢を整える『トッショリ』
会場にドスドスという音が響く
「んふ…。受け止めてくれる貴方が好き…。今、重くなかった?」
「あ…いや、全然。普段もっと重い者を抱え込んだりなんかしたりしてるし…」【ぶー!】
「…。貴方の唇ってセクシィ」
「あ…いや…」ちゅっ「あ゛」
「いやああああっ(;_;)」
「あん…。もっとぉん…」
「ででで…でも…。…。…。そぉ?じゃ、もうちょっとだけ…」【いやぁぁダメぇぇぇっ】
『トッショリ』、『愛』先生にキスしかけて止める。そして会場に向かい、真剣な眼差しでこう叫んだ
「隠れてどーなつを食べないか!」
シンとなる会場
「どうなんだ!僕は知ってるんだぞ!毎日何個食べてるんだ!」【おっぱっぴー…】「こら!ふざけるんじゃない!」【ふざけてないもん!「そんなの関係ない」っていう意味だもん!】「関係ない?!…わかった…」ぶちゅううううれろれろれろちうちうちう…【ぎゃあああああいやあああ。もう食べないからやめてぇぇ】
ドスドスという音と共に叫び声が舞台へと近づいてくる。『はうんど』と闘っていた『ドレイ』きゃうわうと叫び、涙しながら『愛』先生の周りをへっこらへっこら走り回っている
『愛』先生に濃厚なチューをかましている『トッショリ』は、逆に『愛』先生に絡みつかれ、ジタバタし始めた
ドスドスドスタタタタだだだ「だめぇぇぇ」
「んまっ!『愛』先生、危ないっ」トン☆
「あんっひどいっ」
「あぁん『愛』先生、大丈夫でしゅか?」
「『徒歩電』さぁん、『トッショリ』さんが俺をどついたぁぁん」
「…へほ?」
「あああん、なんでそっちへぇ~?」
「いやあああ『トッショリ』のばかぁぁぁ」がっつり☆ぐきっ
「うぐっ…。くぅっ…イテテテ」
「『トッショリ』さん、どしたの?」
「こ…腰…ぐきって…」
「…うそ…」
「今夜、動けない」
「…」
「『徒歩電』さん?どしたの?脂汗かいてるよ」
「ああん、『愛』先生、そんなキタナイモノに触らないでぇ」
「…はふ…」
「ん?どうした『徒歩電』、お前らしくないな、つっかかってこいよ」
「…ほぉん…」
一瞬のうちに起こった出来事を解説しよう。つまり、会場から突進してきた不審人物(実は『秒食』)が舞台にのし上がり、くっついている『愛』先生と『トッショリ』めがけて体当たりしようとした
それを察知した『トッショリ』は、自分に吸い付いている『愛』先生から無理矢理「んまっ!」と唇を離し、『愛』先生を守らんがために「トン☆」と突いた
『愛』先生は「ひどい」と言いながら『ドレイ』の方によろけ、喜び勇んだ『ドレイ』が両手を広げて『愛』先生を抱きしめようとした
それを察知した『愛』先生は、くるりと器用なターンを決め、傍にいた我がご主人様の『徒歩電』にしなだれかかった
しかしご主人様は、先程の『はーどぼいるど』との心理戦で異常なほど神経をすり減らしていたため反応が鈍かった
その隙に、『秒食』が『トッショリ』に「体当たりハグ」をがっぷり四つに決め、あいや、『トッショリ』を「がっつり☆」と抱きしめた
この衝撃により『トッショリ』は腰を痛め、「今夜動けない」発言をした
一方ご主人様の様子がおかしいと見た『愛』先生は、ご主人様の汗を拭おうと手を伸ばした
それを嫌った『ドレイ』がご主人様を「キタナイモノ」よばわりした(無礼千万!<(`^´)>ふーたんの監督不行き届きとボスに報告せねば!)
しかしご主人様の闘争本能は喪失。『はーどぼいるど』から受けたダメージは思った以上に大きかったようだ…と
「『徒歩電』さん、大丈夫?後でいっぱい癒してあげるからね…ちゅ」
「ぎゃうわう」
『愛』先生、ご主人様の額に「軽い癒しのキス」をおほほほ(*^^*)
そして無礼千万な『ドレイ』は泣きながらジタバタしているほっほっほっ(>▽<)
パンパン☆「ちょーっとみんなぁ!騒がしいよ!横やりが入っちゃったから、もう一回、正しい甘え方をやるからぁ、見ててね」【はぁ~い】
そう言うと、『愛』先生はトコトコと舞台を動き回る
そして『ドレイ』の後ろに回ると同時に背中から抱きしめる
「はうっ!」
「…アンタのカラダが一番ホッとする…」
「はうううううっ(@_@;)」
突然の出来事に緊張と歓喜でぐしゃぐしゃになる『ドレイ』。その時だった…
「隙あり!」ドスゥゥ☆
「ぎゃうっ…『はうんど』君ったら…酷い…」
「あーっ!終わりって言ったのに何すんのさ!この吊り目!」
「ふんっ!僕はリベンジしたまで!ふんっ!」
ドタバタドタバタ。舞台上は大騒ぎ。私は撮影を続ける
ご主人様は深い溜息を繰り返しておられる。まだ快復の見込みはない。つくづく恐ろしい男だ、『はーどぼいるど』…
撮影を続けている私の頭の上にか細い声が降って来た
「…もえつきちゃった…」
ご主人様の声だった。大丈夫であろうか…
それからご主人様はゆらりと立ち上がると、そのまま舞台に勢いよく倒れこ…ぎゃあああああ…☆
ぐしゃん…がしゃん…
暗転…
―アクシデント発生。『甘え方教室』の中継終了。まぁええか。あんまりおもろないし
―そーでしゅね、ぱでぃしゃん。やっぱり個別の『個室内レポート』の方がワクワクでしゅね
―デジカメ、パーやな?
―あい。『徒歩電』さん、どじったでしゅね
―んなことで、よう、チョーホー部員やってるなぁ
―あい。なしゃけないでしゅ
―つまらんだなぁ。もっとええレポート、誰か送ってや~
―待ってましゅ~
―ほな、よいお年を~
―来年もよろしくでしゅ~
よろしくでしゅ~m(__;;)m
ぐへん ぴかろん
「ぐへん。ぐしっ。げひっ」
「なんや、どないしたんやミソ」
「ぐひん。らって天とドンがぐしっ」
「ああ。なんや三人で妖しげにくっついて寝とるアレか。なにも泣かんでもええやろ」
「れもぐしゅっ、ふぇるでしゃんのれぽーとがあいしゅうをおびていてミソは…ミソは…けひーん」
「ジジイっちゅうもんはどんな時も哀愁を帯びるもんや。一々泣いてたらキリないわ!」
「ちゅめたい!ぱでぃしゃんはちゅめたいでしゅっ。ぷい!この、フグなドンの溜息と、マーラーの歌詞と、天使の漆黒の瞳と…」
「そして纏わりつく女王様」
「しょ…しょれは…とっても美味しそうでしゅけろ…。今は女王様よりも天ドンでしゅっ(;_;)」
「何やねん!ドンはマーラー聞かせてくれたあの女王のイトコと、天はきつねとどうにかなったらええねん!」
「ひどい!きちゅねはミソのご主人様でしゅ!どうにかなんて…きちゅねだってきちゅねなりに色々と悩んでましゅ!」
「ミソの管理が悪いから天はきつねに惑わされてんねん!」
「ミソのせいでしゅかっ!」
「そや!」
「…。今日のぱでぃしゃんはケンがありましゅ」
「当たり前や!きつねのせいで俺のご主人様の吊り目も苦悩苦悩で苦しんでんねん!」
「そんな!きちゅねのせいではありましぇんっ!」
「ほな天使のせいか」
「ヒトの気持ちとゆーものは」
「あいつ、天使やないけ!」
「…。今日のぱでぃしゃんはケンがありすぎましゅ!」
「ふんっ!切ないレポートはいらん!もっとめくるめくレポートが欲しいねん!」
「…。しゅけぺ」
「なにっ?!」
「しゅけべでしゅ」
「む」
「切ない気持ちを理解しようとしないなんてっ情けないでしゅ!ぬいぐるみの風上にもおけましぇん。きいっ」
「あほ!俺かて吊り目の切なさ、解ってるわい!可哀想でしゃあないんや!でもどうしようもないやろ!どないせいっちゅうねん!」
「…。逆ギレでしゅか…」
「きいっ!」
『ぼす』
「誰や!」
『ゴサタンでしゅ』
「おうっ!」
『ごさいじと正統派、関係修復のようでしゅ』
「なんやて?!そうかぁ~。ちょっとホっとしたわ」
『それに至るまでの怒涛のようなレポートは、もうしゅこしお待ちくだしゃい』
「なんでやっ!なんで今レポートできへんのや!」
『はい。しょれはでしゅね、ふーたんとの調整もありましゅのではい』
「ふーたん?!」
『あと、あいたんも』
「あいたんも?!」
『三次元中継でしゅ』
「…」
『録画でしゅが…』
「わかった。楽しみにしてる。ぱぁっとしたレポート頼むで」
『…。ぱぁっと…でしゅか?』
「ぱぁっとしてないんか!」
『ちっとサスペンスの要素がありましゅ』
「…。まぁええわ。辛気臭いんちゃうやろな」
『ハッピーエンドの予定でしゅ』
「…。予定ってなんやねん!」
『ごさいじと正統派は収拾がつきましたが、えろみんと女王様がまだ…』
「その女王やけどな、天使に纏わりついとるねん」
『…。さもありなん』
「なんじゃそれ!」
『ともあれ、調整がつきましたらご報告申し上げましゅので…ではっ』ぶち☆
「あ!勝手に通信切りよった!ムカつく!」
「…。ぱでぃしゃん、今日は本当にケンがありましゅ」
「俺はめくるめくレポートが聞きたいんじゃっ!」
「…。めくるめいてばかりでは生きていけましぇん」
「…。わかっとるわい…(;_;)」
「あ…泣いた」
「俺かて…俺かてご主人様ときつねの幸せを願うとるんや…(;_;)ご主人様の吊り目が穏やかになることを…俺は…俺はぁぁぁぐへぇぇん」
「…。どこもかしこも、せちゅないでしゅ…」
ぱでぃたちがそんな思いを抱いていることを、BHCのメンバー達は知る由もない…
ああせちゅなすぎる…ぐへん
或る日のふたり あしばんさん
何だ、やけに嬉しそうだな
だって、あなたとやっとドライブできたんだもん
そこのビルまで送ってもらうだけだろうが
知らない、そんなのどうだっていい
身勝手な男だ
あなたに言われたくないけど…責められるのも悪くないな
…
何さ
君は運転すると人格が変わるクチか
ふふん…そう…言われたこともある…かなぁ~
まぁいい、事故だけは起こすな
火傷ならいい?
何だと?
くふっ…嘘だよ、大事なVIPのカラダだもんねぇ
前を向いて運転しろ
あなたに真っ直ぐ向いてるんだけど
冗談もそれくらいにしておけ
あ…睨むともっと切れ長の目になるんだね
目つきが悪いのは生まれつきだ
その悪い目つきで何人の女の子泣かせたんだろうね
女性を泣かせたことなどない
あ、じゃ、男?
そういう趣味はないと言っただろう
どういう趣味?
いいから、前を向け、前を
だめだよ、ごまかしちゃ、どういう趣味?
男を相手にする趣味だ
やだぁ~そんな抽象的なんじゃ、わぁかんなぁ~い
おい、スピード出し過ぎだ
怖かったら、上着脱いでもいいよ
どうも君の頭のネジが1本スッ飛んだようだな
飛ばしたの、誰だと思ってるのさ
俺だとでも言いたいのか
え?…やだ、まさかぁ~!すっごい自惚れ屋さん
…
あ、もしかして今、ちょっと傷ついた?
うるさい、少し黙っていろ
黙ってたら、緊張で倒れちゃうもん
よくもそんな嘘をペラペラと
なんでかな…あなたの前では嘘つきになれちゃう
腿を触るなっ!
きゃん、コワい~♪
前を見ろ!前を!
やだ…腿、感じないんだ?
誰が感じるか
ふぅん…くふ…
コラでしゅ
ええと…感じないと言って…
コラと言ってましゅ!
ハッ!
ハッじゃないでしゅよ、フェルデ爺!
ミ…ミソチョルさま…いつの間に…
コッソリと何を書いてるんでしゅか!
え…ええと…これは…
これはドンと彼の話じゃないでしゅかっ?
あ…はい…よくおわかりで
直ぐおわかりでしゅよ!何でこんなもの書いてましゅか!
あ…あの…最近まるきりお話が進まないので、読者さまに試しに…
こんなの試しに出たら読者が混乱しましゅ!
申し訳ございません…よかれと思ったのでございますが…
それに何でしゅか、この内容
過去の資料と記録を元に構成してみたのですが
突っ走り過ぎでしゅ
何か間違いが?
ま…間違ってはいましぇんが…
この「火傷ならいい?」という台詞など、いかがでございましょう
まぁ…悪くないでしゅが…
実は私、英国時代に物書きを目指したこともございまして
シェイクスピアの国でしゅね
おおっさすがミソさまです!
あ…コホッ…あ~…でも人物の心理描写が今ひとつわかりにくいでしゅね
おおっプロっぽい批評でございます
そ…そうでしゅか?
ええっ!さすがに長年BHCに在籍するミソさまですね
え…ま、まぁ日々鑑賞力を鍛えてましゅからね
さようでございますね
まぁ全体にまとまってはいましゅが
で…「火傷ならいい?」はいかがでしょうか
読めないので「ヤケド」の方がいいでしゅ
なるほど…より強調されると?
そっそういうことでしゅ!
素晴らしい
そ、そんなことは基本でしゅ
他に変えた方がいいところはございますか?
あう…ええと…
率直なご意見をお願いいたします
こ、ここを漢字に変えるといいでしゅ!
え…「冗談もそれくらいにして桶」…桶…でございますか?
あい、桶は深めがいいでしゅ
それは…
あい、男の心理を表してましゅ
おおっ
ついでに、肴はあぶったイカでいい…でしゅ
なんと!好きでございます、あの歌手!
私のいい人を連れて来いでしゅ
おお!なるほど!メモさせていただきます
メ…メモでしゅか?
素晴らしい発想でございます
ケホ…あと、ここをこうでしゅね
ええと…「 まさかぁ~! すっごいおでん屋さん」…ですか?
そうでしゅ
なぜおでん屋さんが出て参りますので?
だって、この後、男は「傷ついた顔」をしてましゅ
はい…
おでんのバクダンを誰かに食べられると傷つきましゅ!
あ…はい…それはどういう…
だって大体1個か2個しかないんでしゅよ!
はい…
だからおでん屋さんでしゅ!
あ…なるほど…心の爆弾を抱えていると…
そう!ミソが言いたいのはそこでしゅ!
ああ…大変深うございます
これで少しは人物に厚みが出たでしゅね
ありがとうございます!
タイトルもこんなのはダメでしゅ
え…「かつて悪魔と呼ばれた男」ではいけませんでしょうか
ダメでしゅ、弱いでしゅ
では…
取り敢えず「不感症カンタービレ」でしゅね
え…ふかん…
人生、何事も前向きに捉えましゅ!
おお…
介川賞も夢じゃないでしゅ、フェルデ爺
す…介川賞…?
でしゅ!
もしや…芥川賞…
頑張ってくらさい!いつでもアドバイスしましゅ!
あ…はい、精進いたします
ではまた!(トコトコトコ)
はて…ミソさまは何の御用だったのでしょうか
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