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2010.01.11
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カテゴリ: 生命科学

島岡要先生と内田樹先生のblogに共通点を見出す
生物学者、島岡要先生がブログで 含蓄のある書評を紹介しておられる。
それによると、ダニエル・ピンクという人が、人々に対する動機付け(motivation)を心理学的に分類するというノンフィクションを書いていて、特に昨今の市場経済で多用される「第二段階のmochivation」いわゆる現世ご利益による動機の誘導の功罪を指摘している、というのだ。

○○すると得をする。
○○をすると、△△に役立つ。

そういう動機付けは、レベルが低いということであろう。

さて、そのような現世ご利益による動機付けが、現在の教育危機を招いたということを繰り返し警告してこられたのは、神戸の誇るインテリゲンチャ、内田樹氏である。たとえば内田氏ブログの こんなエントリー とか。あるいは、書物では、 下流志向 とか。

教育現場で、子供に「どうして○○を勉強しなければならないんですか?」と聞かれたら、「△△に役立つから」「試験にでるから」「入試に出るから」などと答えてはいけない、という内田先生の主張は、なるほど、と思わせるだけの説得力に溢れている。

だが、じゃあなんで答えたらよいの?だから、内田氏は「そんな問いには答えちゃいかん」と解く。そもそも学ぶということは、それがどう役に立つかどうか、学んだことのない子供を成熟させるためのものなのだから、学ぶ前の子供には価値判断ができないはずなのだ。そんな子供を、理詰で説得しようとするからいけないのであり、生徒と教師は対等ではない・・・とかなんとか。うんうん、そのとおり。だが、気弱な教員のPiyotaは、それをはぐらかしつつ、それでも講義を維持するだけのバイタリティーを持たない。ただの子供ならいざしらず、相手は アダルトチルドレン、おっとと  大学院生 (笑)なんだから。そんなときに、ダニエル・ピンクの理論が役に立つのかもしれない。

つまり、現世ご利益による利益誘導型の動機付けよりも、「上位」の動機付けを提示して、テンションの高さを維持する、というレトリックである。上位の動機付けには、人間的成長、知的興奮、社会貢献などがあげられている。

「なぜ熱力学を(量子力学を、複素行列を)勉強しなければならないのですか?」
「もっと難しいことを勉強するのに必要だから。」
「なぜもっと難しいことを勉強しなければならないのですか?」
「難しいことを勉強して、何かが「わかった」となると、楽しいから」
「そんなことをして何か役に立つんですか?」
「役に立つ。全人類の役に立つ。ひょっとしたら全宇宙の役に立つ。」

やはり2010年は、これくらいスケールのでかいことを考えるべきであろう。本当に全人類の役に立とうと思ったら、基礎でも応用でもともかく徹底的に掘り下げて核心的な学問をしなければならない。

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最終更新日  2010.01.12 19:09:30 コメントを書く


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