「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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【45】~【47】
「なんか、やけに臭うわよ。しかも、3人とも!
また、山下さん、中華屋さんで臭いのきついもの注文したでしょう?」
画廊帰るとすぐに村田さんがクンクンと鼻を鳴らしながら、やって来た。
「えっ!そうかしら?そんなはずはないわよ。ちゃんと社長の言いつけ守って
接客業に差し障りのない中華メニューでお昼ご飯食べてきたのにねぇ!」
とこっちに振ってくる。
「ハイ、まぁ、そうですけど・・・。やっぱり、臭いますか?」
と息がかからないように気をつけながら、村田さんに答えた。
「牧野さん、山下さんにそそのかされて、食べたでしょう?
この人、常習犯なの。気をつけないと、いろんなこと、
吹き込まれるわよ。いいことも悪いことも、全部。」
村田さんはヤレヤレというような顔をして呆れていた。
それでも、山下さんは全く、動じてなさそうだ。
それどころか、あたしと良子に
「食べたい物を食べたい時に食べなくて、どうするのよねぇ!」
と同意を求めてくる始末。
あたしたちはどちらの意見に賛成する訳にもいかず、困って、答えに窮した。
「あれ、ところで、社長は?留守番してくれるって言ってなかった?」
と山下さんが社長の姿がないことに気付き、村田さんに尋ねた。
「社長なら、たった、今、本店にいきましたよ。電話がかかってきたんです。
急ぎの用だったみたいですよ。社長、結局、いつもの愛妻弁当、
半分しか、食べられなかったみたいですよ。」
「あっ、そうなの、まぁ、いいわ。文句を言われなくていいわ!」
「文句を言われても、どうせ、全然、懲りないでしょう?
なんとも、思ってないんだから、ほんとに、もう・・・」
しばらく、常識人の村田さんと型破りな山下さんとのバトルが続いていた。
が、ブツブツ言いながらも、
優しい村田さんは「少しは、ニオイ消してよね.」と
私たちの3人のためにコーヒーを入れてくれた。
甘党の良子がコーヒーに砂糖を
山盛り2杯も入れて、スプーンで混ぜている。
「良子さんたら、大丈夫?そんなにお砂糖、入れて。
もう、味がコーヒーからぜんざいかお汁粉に変わっているんじゃない?」
山下さんが気持ち悪そうにそれを見て言った。
「そうですか?今日は控えめにしてみたんですけど・・・」
「山下さん、良子の甘党は半端じゃないんですよ。」
日頃を知っているつくしが答える。
「なんか、胸焼けしそうだわ。それ見てると!
ブラック派の私としてはいただけないわ。」
「すみません。でもまだ、わたし、お子様なんです。」
つくしは2人の会話を横で聞きながら、今日、やっと、
初めて落ち着けたかもしれないとコーヒーを飲みながら、思った。
まさか、こんな、展開が待っているなんて・・・
朝寝坊に始まり、ギリギリセーフで滑り込んだ画廊から
行き先を告げられぬまま、連れて行かれたのは司のいるホテルだった。
しかも、本人に直接、会うなんて誰が予想出来ただろうか・・・
コーヒーを一口飲んで、深い、ため息。
あたしのこれからは、だれのものでもない
だから、あたしのせきにんにおいて、あたしがきめて、
あたしがどうすればいいか、はんだんする
あたしのみらい
しあわせのため
わたしがすること
すべきこと
やらなければならないこと
頭の中に浮かぶ、数々の言葉があった。
「ねぇ、それより、つくし、これから、どうするの?
私は『バイト、午前中まででいい』って言われたんだけど、
この後もつくしは仕事するの?」
と良子が聞いた。
「あたし、どうしようかな?良子ともいたいけど、
山下さんが勉強させてくれるんなら、もう少し、残ろうかな。」
その時、なぜか、そう、したかった。
【46】『Untitled』ってどういう意味なんですか?
結局、残って、山下さんの仕事を手伝いながら、
絵の勉強をさせてもらうことにした。
画廊の倉庫の中には新しく入荷してきた、
現代人気作家たちの絵が所狭しと並べられていた。
「倉庫の整理もしないとね。足の踏み場もない状態になってきているわ。
今から、この作家のシリ-ズをステラのあった場所に飾るの。
手伝ってくれる?小さな作品が多いから、女性でも大丈夫よ。」
と、まとめて置いてあった、作品を指差し、
一番上の作品を取り出して、見せてくれた。
「これは・・・でも、絵じゃないですね。写真なんですか?」
「そうよ。彼女が彼女自身を撮っているの。
でも、それは彼女であって、彼女ではないの。」
「はぁ、なに??」
「だから、セルフポートレートではないの。
なりきり作品というべきか
彼女はアメリカ人だけど、日本にもよく似た芸術家が一人いるわ。
森村泰昌さんっていうんだけどね。
お互い、認め合って兄妹なんて呼び合っているの。
あっ、彼女の名前はシンディ、シャーマンよ。覚えてね。」
「彼女であって、彼女でない?」
また、訳の分からないことを言ってあたしを惑わす山下さん。
山下さんは続けた。
「シンディーは自分以外の様々な女性を演じ、自写する芸術家なの。
彼女の肉体を借りて写真のなかで完璧な別人になるの。
彼女はどんな女性にも変身可能なの。
『作品を私自身の写真と見ることはありません。』
って本人言っていたわ。」
「はぁ、そうなんですか???」と返事をしたものの、
どうも意味がわからず、悩む。
「別に感想、言ったり、しなくていいわよ。
ちょっと、難しいこと言ったわね。
ごめんなさい。
まぁ、要するに、その人になりきってるわけよ。」
「すみません。その人って誰なんですか?」
「架空の人よ。このシリーズ、どこかで見たような、アメリカのB級映画の
ワンシーンを切り抜いて、そこに登場する様々なタイプの女性を演じているの。」
「一人で演じて、一人で写真を撮って、作品を作っているんですね。」
「まさに、その通りね。これ、『Untitledシリーズ』って言うの。」
「『Untitled』ってどういう意味なんですか?」
「普通、直訳したら、『無題とか、題名がない』とか言う意味になるんだけど、
今の多くの現代アートの作家たちは作品名をわざとつけてないで
『Untitled』のまま発表している人も結構いるのよ。」
「そうなんですか。でも、どうして作品には名前がないんですか?
見る人がわかりにくいんじゃないですか?」
「そう、まさしく、そこが盲点なの。
なぜかというと、アーティストは鑑賞者に
作品名を見て、そのタイトルだけで、作品を見て欲しくないのよ。
もし、題名が『雪』だったら、例え、雪に見えなくても
雪を描きているんだなぁって先入観で判断するでしょう?
牧野さんもそう見てしまうでしょう?
『untitled』って結局は物事にとらわれないとか、
それを見た人の判断に任せるとか、
タイトルにこだわらないとか、そういう意味なの。
人間ってなんでも先入観で囚われてしまって、ものごとがうまく、
先に進まないことあるでしょう?牧野さんにはそんな経験ないかしら?」
山下さんのこのさりげない問いかけにハッとするつくしだった。
【47】この人なら、大丈夫。
そう、先入観や思い込みがあたしをがんじがらめにしているんだ。
あたしがそこから抜けきらないだけだ。
山下さんはあたしのプライベートのことを知っているわけではない。
でも、なにもかも、見透かされているかのようなタイミングのいい質問だ。
一気に噴出したあたしの思いがあった。
「えぇ、あります。確かに、あたしはたぶん、
思い込みが激しくって、意地っ張りなんです。
そのため、大好きな人に素直になれず、いつも、身構えているんです。
『なりふりかまわず、飛び込んでいけたらどんなに楽でいいだろう。』
って思っているんですけど。
でも、どこかで、セーブしている自分がいて
うまく、心と体のバランスが取れないんです。」
思わず、ポロリと本音を出すつくし。
山下さんは一つ、一つ、丁寧にシンディー・シャーマンの作品を
確認しながら手を休めることなく、言う。
「あら、牧野さんも人知れず、悩んでいるのね。
そうよ。先入観で物事を見てしまうとそこから動けなくなるわ。
あるべき、本来の姿を見失っちゃあ、なんにもならないわね。
いい?目の前に見えるものだけにとらわれてはダメよ。
そして、目に見えないものにとらわれてもダメ。
心の目でちゃんと見ないとね。
これだけは私から、いいアドバイスもらったって思ってね。」
あたしは今、山下さんが言った言葉の中に
昨日、花沢類から言われた同じ言葉を思い出してた。
昨日、喫茶店で司が来る少し前に花沢類から
「牧野、もっと、信じてあげたら、なにかに囚われ過ぎてない?」
って言われたんだ。
あたし、結婚のその先の、先まで考え過ぎて、自分で首絞めていたんだ・・・。
勝手に道明寺家という怪物を作り上げて、それと格闘してきたんだ。
なにか、扉が開き、その先に光を感じたつくし。
そうだ。この人なら、大丈夫。相談してみよう。
思い切って、司との関係について、そして結婚に対する思いなど、
山下さんに打ち明けることにした。
倉庫は作品保護のため、照明を落としていた。
その中に設置された湿度計は65度、温度計は25度を指していた。
人間にとっても作品にとっても快適な空間だった。
シンディー・シャーマンをより詳しく知りたい方はこちらへどうぞ。
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