耳(ミミ)とチャッピの布団

耳(ミミ)とチャッピの布団

さくら'sるーむ

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's るーむ

2006年4月13日深夜に近く、ちいさな命が舞い込んできました。
事の起こりは息子からの電話。
閉店した商店街の店舗前に積み上げられたダンボール箱。その上にへその緒ついた赤ちゃん猫が置かれてたのです。
当時、息子夫婦が住むマンションは生き物と同居できない。
困り果てた息子夫婦が、私んとこに相談電話。
夜間はまだ肌寒い。
とてもこのまま放置できない...病気のチャッピくんのことあるけど、そんなこと考える余裕もなくか細い命を受け入れることになったのです。

こうして"さくら"ちゃんは我が家の一員となりました。
受け入れた翌日、病院で診ていただいて世話のアドバイスも。
母乳を充分に与えられてない不安もあったけど、そんな不安を吹き飛ばすほど大きな泣き声でミルクを要求します。
このまま無事に育ってくれるかも...
4月17日の未明"さくら"ちゃんがぐったりしてるの気付きました。
急いで病院に運び処置していただきましたが、いったん持ち直したものの、結局帰らぬ子に。
実質たった4日間の家族...
なのに今も変わらず私たち夫婦の心に残ってます。
"さくら"ちゃんの残してくれたものはとても重い。 毎年、お盆に迎え火たくとすっ飛んで帰ってきてくれます。

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じゃんけんで負けて蛍に生まれたの

池田澄子

わが家にたどり着いたばかりの"さくら"ちゃん。桜舞い散るその夜にふらりと舞い込んできたのです。

最初見たとき"ネズミ!"
見まちがうほど、にゃんこイメージありませんでした。
お腹にはへその緒ついたまま。
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恋文の起承転転さくらんぼ

池田澄子

保温のためリンゲルの入ったパックを暖めて敷いてます。
2時間おきの授乳はスポイトで。
ヨメはほとんど寝てません。

まさに手のひらサイズ。
片時もジッとしてない活発な赤ちゃん。
こんなに動き回って元気なら、きっと育ってくれると思ったのに...
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悲しくなるほど小さく軽く。
いまを生きつづけるのに懸命です。
逢わぬ日を地つづき霞つづきかな

池田澄子

母乳が満足に与えられていない。
それは免疫力が不足すると云うこと。
それ以上に、お母さんのぬくもりを必要としてたハズ。

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眠る、眠る、眠る!
泣く、泣く、泣く!
普通の赤子が普通にする行為。
違うのはそばにお母さんがいないこと。
桜の下散るか散るまで待てません

池田澄子

病院でもうすでに旅立ってしまった"さくら"ちゃんの鼻には酸素吸入器がつけられてました。
肺に逆流した水分を除くカテーテルは取り払われて。先生の説明のあと、酸素吸入器が取り外された"さくら"ちゃんのか細い両手は自らの口元にありました。
あたかもお母さんのオッパイ吸ってるかのように。

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