pooyanの部屋

pooyanの部屋

あの頃


かなり不良性のあったっわたくしを
あなたは頭から信じてかかった。
いきなり内懐に飛び込まれて
わたくしは自分の不良性を失った。
わたくし自身も知らない何者かが
こんな自分の中にあることを知らされて
わたくしはたじろいた。
少しめんくらって立ち直り、
あなたのまじめな純粋な
息もつかない肉薄に
或る日はっと気が付いた。
わたくしの目から珍しい涙がながれ、
わたくしは改めてあなたに向かった。
あなたはにこやかにわたくしを迎え、
その清浄な甘い香りでわたくしを包んだ。
わたくしはその甘美に酔って一切を忘れた。
わたくしの猛獣性をさえ物ともしない
この天の族なる一女性の不可思議力に
無頼のわたくしは初めて自己の位置を知った。



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