★cafe@porin★

★cafe@porin★

2004年の読了本(10月)

2004年の読了本

気になる本は楽天ブックスで探そう!
楽天ブックストップページ


*10月*
「かわいい子には旅をさせるな」鷺沢萠(大和書房)(2004.10.3読了)
鷺沢さんが死の直前までホームページで連載されていた「かわいい子には旅をさせるな」と、WEBダ・ヴィンチで2001年から2002年まで連載された「この空の下」というエッセイをまとめたものです。いつもどこかに旅をしていた、そしていつも何かを探していた鷺沢さんの、旅した場所、愛した仲間、考えたこと、感じたこと、そして心から願っていたことが、軽妙な文章のなかから瑞々しく立ち上がってきます。 楽しく、そしてせつないエッセイ集です。急逝してしまったことをとても残念に思います。このエッセイからは彼女がどのような状態であったかはわからない。しかし、「人生いろいろ」という章で神経科通院歴を公開している。不眠の症状が「主食」で強迫観念症、過呼吸、鬱、などさまざまな「おかず」が出てきて、シュリンクにはずいぶん、お世話になってきている。とある。ふざけた書き方かもしれないが、彼女なりの真剣さ、切実さが窺える。本当はどこを旅したかったのだろう?何が楽しみだったのだろう?謎は謎を呼ぶばかりだが、あの世で楽しく暮ししてほしいな。合掌。
「うちの器」高橋みどり(メディアファクトリー)(2004.10.7読了)
器の写真がいいんです。見ているだけでも、あれにはこんな料理を、これにはこんなものを・・・って想像して楽しめます。とてもセンスがいいんですよね。もちろんスタイリストさんだからこそなんだけど、長く使えて愛着のわく器や道具の数々、とても参考になります。巻末にショップリストもついているから自分のお気に入りも探せそうですね。高橋さんは普段のごはんでもお気に入りのクロスを敷いて好きな器で食べればとても気分がよくなるそうです。思わず納得。自分のお気に入りの器でご飯を食べるって美味しいですよね。その日の気分で棚から選んだ器。何だか毎日のご飯がとても楽しくなりそうです。
「ZOO」乙一(集英社)(2004.10.14読了)
「カザリとヨーコ」 ・・・双子なのにママはカザリばかりを可愛がる。虐待されるヨーコは?
「血液を探せ!」 ・・・起きてみるとワシ(64歳)は血まみれだった!?これは何だかブラックユーモア的な感じでくすっと笑えた。
「陽だまりの詩」 ・・・生まれたばかりの私は彼から死を学ぶ。滅んでゆく世界での温かな交流って感じか?まーいい感じの話だね。
「SO-far そ・ふぁー」 ・・・ちょっとSFちっくな話。お父さんとお母さん、死んだのはどちらなのか?僕が語る不思議な物語。
「冷たい森の白い家」 ・・・死体を使って家を建てる。ちょっとグロテスクなお話。
「Closet」 ・・・ごめんなさい。最後の展開が読めてしまった。ふ~ん。って感じでした。
「神の言葉」 ・・・ちょっと怖かったです。
「ZOO」 ・・・毎朝、送られてくる元恋人の死体の写真。一体誰が?腐敗していくグロテスクさと彼の心情がすごかった。
「SEVEN ROOMS」 ・・・姉と僕はコンクリートの部屋に入れられた。そこは・・・もう~超コワイ。
「落ちる飛行機の中で」 ・・・ハイジャックされた飛行機の中で。人は危機にさらされたときにどう立ち向かうのか?

短編集であるが・・・何なんだ・・・これは一体?味が濃すぎます。どれもこれも・・・これらを一冊にまとめていいのだろうか?とにかく怖いし、グロテスクだし、時には笑いもあるけど、今の精神状態で読んでよかったのだろうか?心臓に悪いッス。久し振りに読了した本がこれだからね~びっくり。でもさすが乙一氏。上手いです。ただ・・・あとがきがなかったのが物足りなかったな。
「日々是作文」山本文緒(文芸春秋)(2004.10.21読了)
山本文緒さんの31歳から10年間、あちこちに書かれたものをまとめたエッセイ。恋愛について、結婚について、直木賞受賞についてなどなど山本文緒さんのその時々の思いが綴られています。この作品を執筆中はこんな生活をしていたんだ~とか、こんな気持ちの時にこの作品を書いたんだ~とか、実は結婚して離婚して再婚してたとか、小説ではわからない作家の私生活が垣間見えたような気がしました。現在、体調が優れないとかで執筆活動をお休み中の山本さん。とても心配ですが、ゆっくりと休養をとって元気になってまた小説を書いてほしいです。
「デッドエンドの思い出」よしもとばなな(文芸春秋)(2004.10.21読了)
つらくて切ないラブストーリー5つ。やっと借りれたよ。全くばななさんの本は人気で・・・
・幽霊の家 ・・・洋食屋のあとをつごうとしているせっちゃんとロールケーキ屋のあとを継ぎたくない岩倉くん。同じ大学で何となくの付き合いの2人が岩倉くんが住むもうすぐ取り壊されるアパートで鍋を食べるところから2人の関係が何となく変わっていく。アパートの大家さん老夫婦は一酸化炭素中毒で死んでしまったが、岩倉くんにはその2人の仲むつまじい幽霊が見えるという。幽霊って言っても怖くなくて何だかほのぼのとしていて、せっちゃんと岩倉君の2人の自然な関係がすてきだったな。
・「おかあさーん!」 ・・・出版社で勤務する私が食堂で選んで食べたカレー。そこにはナント毒が盛られていた。九死に一生をえた私。悲惨なんだけど、無理している私。そんな心の叫びが聞こえてきそうだった。
・あったかくなんかない ・・・小さい時に私にはたったひとりの友達まことくんがいた。誰からも愛されるまことくん。そんな彼のちょっと冷めたような言葉が印象的だった。
・ともちゃんの幸せ ・・・ともちゃんは16歳の時、レイプされたことがある。その相手にとんでもないことが起こりますようにと祈ったら相手は事故にあった。ともちゃんの人生は決して幸せでなかったかもしれないけど、ほのかな片想いが彼女の幸せなのかも。
・デッドエンドの思い出 ・・・これが一番せつなく辛い話かも。 西山くんはいい人だな~ばななさんもこの小説が一番好きだそうです。
「長崎乱楽坂」吉田修一(新潮社)(2004.10.21読了)
三村の家では毎晩が酒盛りだった。駿と悠太は幼い頃から、性と暴力の渦の中にいた。長崎を舞台にやくざ一家で生活する少年たちの成長。勢いのある時代はよかったが、段々と男たちが家を離れ、衰え、死に、女と子どもと年寄りの家に。そんな中で少年達はどんなことを思いながら暮らしていたのだろうか?ちょっと暗くなるような話だったけど、少年達の葛藤はよく描かれていました。
「家守綺譚」梨木香歩(新潮社)(2004.10.22読了)
今は亡き親友・高堂の家に家守として住むことになった作家・綿貫。この家に暮らすようになってから不思議の世界が度々広がる。サルスベリの木に惚れられたり、亡き親友が床の間の掛け軸から現れたり、河童や白木蓮がタツノオトシゴを孕んだりとまあ不思議世界っていうか、異形モノ?ホラー?どんな言葉が合うのかわからないけど。飼い犬のゴローと隣のおばさんもいい味だしてるしね。個人的にはとっても好きです。それにどこか懐かしいような感じがしてふっと小説の中の庭に自分もひっそりといるような気がして、なんともいえない世界です。そして四季折々の花々もたくさん出てきてじっくり、ゆっくりと現実離れした夢の世界を堪能できる本です。古きよき日本の姿っていうのかな。こういう感じ、何だかうまく表現できないけど、こういう匂いって好きなんですよ。これは是非・・・のおすすめ本ですね。
「のほほん風呂 おうちでカンタン季節の湯」たかぎなおこ(産業編集センター)(2004.10.23読了)
あの「150cmライフ」の著者である。これは前から読んでみたかったのだが、図書館にはなくて・・・やっと入れてくれたので嬉しい♪四季折々のしかも天然の入浴剤の紹介があって、どれも試してみたいな~と思う。お風呂好きなパンダ・ポポと私との掛け合いがとても面白い。これは風呂好きにはたまらない1冊。そしてこれを読んで風呂好きになる?
「空はきんいろ フレンズ」大島真寿美(作)細川貂々(絵)(偕成社)(2004.10.25読了)
「かわりもの」同士のアリサとニシダくんとの冬・春・夏・秋の四編の物語。ニシダくんはとても大人びてみえた。私の子どもの頃と一緒かも。多分、いろんな意味で一人でやらなくてはいけない時間がたくさんあるからなんだと思うけど。反対にアリサはとっても可愛い女の子。そんな2人が特にずっと一緒にいたというわけでもなく、だからといって親友だよね!っていう口約束もしていない。けれど2人は波長があってて、感じることも一緒で、四季を通しての景色を一緒に見て何となくすてきな仲間って感じ。アリサが自分の家のマンションから隣地のビルが解体されてまた新しい建物が建つ様子を興味津々で見てるんだけど、ママは「音がうるさい」とか「洗濯物が干せない」とか「そんなもの見ていないでドリルやりなさい!」とか。何となく親になると子どもの頃の思いとか目線って忘れちゃうんだよね。ちょっと反省。自分もそういう工事で掘られた穴とかモノが出来ていく工程とか見るの好きだったしな~この物語の最後はアリサがシンガポールに引越しで、ニシダくんはお母さんが買ったマンションに引越しで別れ別れになっちゃうんだけど、きっと2人の心にはずーっとこの一緒に過ごした時間が残っていくんだな~一応、これ児童書だけど、子どもの心を忘れた大人にも是非、読んでみて。
「ずっと「引っ越したい」あなたへ 理想の部屋に住み替える!実践テク」長谷川高(WAVE出版)(2004.10.25読了)
この本は所謂ハウツー本なので、感想とかはないんだけど、賃貸住宅に住んでいて、住み替えを希望している人には知識としていいかも。です。特に賃貸交渉でお金を浮かせたり、敷金を差し引かれないための防護術なんかは役立つと思います。部屋探し時の内見、下見、は大事。少しだけ知識をつけて「いつかいい部屋へ引越したい!」私です。まあしかし、関東を中心に考えられているので地方者には少し風習の違いなどがあるかもね。その辺はよ~く不動産業者と相談したほうがいいかも。
「恋なんて、少し不幸なぐらいがちょうどいい」唯川恵(大和書房)(2004.10.26読了)
恋にまつわるあれこれを綴ったエッセイ集。勿論、自分のお話ばかりではないけど、こういういろんな形の恋愛が唯川先生の小説に息づいているのだなと思いました。大体最初の「恋の終わりは悪い予感の方がよく当たる」なんて正にその通り!って感じ。じたばたしてもどうあがいても予感は的中してしまう。それぐらい恋っていうのは微妙なものなんですよね。実は他人の恋愛なんて・・・あまり興味のなかった私。好きにすれば~って結構冷たい目で見ていたかもしれないけど、これは読み進むうちに侮れない・・・っていうか、うんうんってうなづいている自分を発見したり。結構他人の恋愛って面白い(失礼)すごいじゃん!って。自分体質(つまりは自己中)だった私が世の中にはいろんな思いやいろんな人がいるのね~へぇ~って驚くくらいだから、恋に悩んでいる人にとっては少々辛口の指南書といってもいいかもね。
「雨はコーラがのめない」江國香織(大和書房)(2004.10.26読了)
雨はオスのアメリカン・コッカスパニエル。連載当時2歳。この雨と江國さんの大好きな音楽についてのエッセイ集。雨と一緒に聴いた音楽とのこと、雨と江國さんの毎日の暮らしなど。実はアーチスト名や曲名を上げられてもよく知らないものも多くて・・・そういえば最近、家で音楽を聴いていないな~と。でもクイーンやスティングなど私も結構好きっていうのもあって、そういう話だと何だか嬉しかったりして。私は犬も好きだけど、幼少の頃の苦い思い出もあるのでどちらかと言うと猫派。でもこの雨は猫にも匹敵するくらい自分中心でちゃんと生きている感じがするな。雨はコーラが飲めないけど、私は結構炭酸飲料が好きです。で、子どももその影響で、結構小さい時から飲んじゃったりしてます。
「君へ。つたえたい気持ち三十七話」ダ・ヴィンチ編集部(メディアファクトリー)(2004.10.27読了)
「ダ・ヴィンチ」に掲載された「日本テレコム マンスリーエッセイ」を一冊にまとめたものです。 「コミュニケーション」がテーマで作家の方がエッセイやショートストーリーを書いています。 一つ一つが短いので空き時間などに読めそうですね。メールやファックスなど通信の話が多いですが、そんなハイテクな時代でも手紙というコミュニケーションの方法は心温まる気がします。個人的には田口ランディさんの「モーニング・コール」あたりが好きなんですが。あと川上弘美さんの「カツカツ」は可愛いですね。実は「ダ・ヴィンチ」自体、毎月購入しているので、読んだ記憶のあるものもちらほら。多分、自分が好きな作家さんはまず読んでいるとおもうけど。でも特にショートストーリーは何回読んでもいい感じですね。ほのぼのするのもあるし。時々えっ?っていうのもあるけど。あと各作家さんの直筆サインも見逃せませんね。
「かなしみの場所」大島真寿美(角川書店)(2004.10.30読了)
離婚して実家にもどり、雑貨をつくりながら静かな生活をおくる果那。そして子どもの頃、誘拐されたことがあるらしい。この記憶と眠れない関係。さまざまな人がいてさまざまな人生がある。いとおしいような静かな美しい物語。だそうだ。「梅屋」という雑貨屋はとても不思議な空間である。そしてみなみちゃん(ここで働いている女の子でオーナーの篠田さんの姪だそうだ。)とよく食べている「錦紅堂」の和菓子はとても美味しそうだ。果那はあつ子叔母さんのの家で半年暮らすことになるんだけど、この叔母さんというのも結構強烈なキャラだったりして。そして問題の子どもの頃の誘拐が元で話がいろんな方向にひろがっていくのだけど、果那をとりまく人々の協力というか、この温かい親切がまたいいんだな~
「香港の甘い豆腐」大島真寿美(理論社)(2004.10.30読了)
17歳の夏の日にいきなり母親に香港へ連れていかれた。彩美は今までいないと思っていた父親が実は香港にいると知り・・・やる気のない脱力系の女子高生がパワフルで雑多な香港の街でたくましく、前進していくお話。今まで感心がなくて知らなかった母親の交友関係。でも香港で出会った人々はとても優しくて、はっきりモノを言ってたくましい。そんな中で彩美はたくましく成長し、自分という感情を表現できるようになる。日本に留守番している祖母とのやりとりも中々面白く、この祖母はとてもたくましいっていうか好奇心旺盛っていうかすごい人だと思った。装丁がとてもきれい。細かくて丁寧で。読むだけで香港に行きたくなる・・・豆腐花などのスイーツや飲茶は絶対食べたくなるね。美味しそうだもの。

mitu n



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: