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2005年の読了本(6月)

2005年の読了本

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*6月*
「I love you all! 津田晴美のパーマネントコレクション50」 津田晴美( 文化出版局)(2005.6.2読了)
暮らしに欠かせないものたちについて、自作のイラストと写真で綴るエッセー集。津田さんにとってのパーマネント(半永久的)なものとは何か?キッチン用品から文房具、愛用のTシャツまでこだわりの品々。確かに使ってみてしっくりくるという商品はたくさんある。ビジュアルだけで選んでしまって失敗したものも数ある。今度買い物するときはもっとじっくりと考えて選び抜かれたものだけを購入するように努めたい・・・と思う。
「代筆屋」辻仁成(海竜社)(2005.6.4読了)
「代筆屋」それが本業ではない。小説家の端くれだった頃、住んでいた階下にあるカフェ、レオナルドマスターが筆不精の常連客らに自分のことを吹聴したのがきっかけだった。手紙を代筆するという行為はその人の人生まで背負っているような気がする。安易には書けないのだ。メールやファックスで簡単に思いを告げられる最近だが、言葉を大切にしたためる手紙はとてもいいものだ。私は筆不精なのであまり手紙を書いたことはないし、電話も実は苦手だ。メールが一番手っ取り早いかな・・・この10篇の話を読むと代筆屋に依頼をしなければならない思いや背景がとても深く出ている。それは名も知らぬ子へのラブレターだったり、遺言であったり、65年間の人生の手紙であったり・・・切ない思いや温かい思いやいろんな思いが文字にこめられているからこそ、受け取った人間は真剣にその人の人生の一部を受け止めなければならないと思う。たまには手紙・・・書いてみるのもいいかな。
「白蛇教異端審問」桐野夏生(文芸春秋)(2005.6.5読了)
桐野さんの初のエッセイ集である。ショートストーリー8編も併録。日記にエッセイにコラムに映画評にショートストーリーまで読めるのだからとってもお得なんだろう。桐野さんの作品と言えば「OUT」のように主婦には馴染み深くまた怖いイメージの作品なんだけど、実際の桐野さんも主婦であり、母であり、きっちりとお弁当を作っている姿などを読んでいると思わず共感してしまう。作家であり、主婦であるって大変なんだな。
「号泣する準備はできていた」江國香織(新潮社)(2005.6.5読了)
この作品が直木賞受賞作なんだ・・・号泣もしなければその準備も出来なかった。でもいろんな恋愛感があり、いろんな出会いと別れがある。辛かったり、悲しかったり、切なかったり。この12の短編に登場する女性たちは皆、それぞれの喪失感がある。同じようなカタチに見えてもそれぞれが少しずつ違い、色もいろんな色がある。多分、読者はいかに自分に近いか・・・で共感するんだと思うな。江國さんの小説は短いのにとっても独特の余韻が残るのだと思う。上手くいえないが、特に激しいわけでもないけど、そっと風が通りぬけていくような・・・不思議な余韻。だからまた読みたくなるんだよね。
「おいしいコーヒーのいれ方9 聞きたい言葉」村山由佳(著)志田光郷(絵)(集英社:Jump J books)(2005.6.6読了)
待ったよ~ショーリ~かれん~♪前回よりもかれんの周辺やかれん自身の生き方が大きく変わった今回。恋愛色よりも将来について、人生についてを濃く語っているような気がします。しかし、相変わらずのかれんちゃん!ウブなんだわ~♪イマドキめずらしいです。純愛も純愛。ど真ん中って感じ。毎回、読んでいるこっちがドキドキと赤面してしまいます。ショーリは大学2年生になってひとり暮らしも始めて以来、とっても男っぽくなっていい感じになりましたね。結局、次の春からはかれんとショーリは遠く離れての生活になるわけだけど、これからの何年間?かは二人にとっても大きな試練になるんだろうな~でもこの二人ならたとえどんなに遠く離れても心はいつもつながっているような気がする。うう・・・いいな~
「よろづ春夏冬中」長野まゆみ(文芸春秋)(2005.6.11読了)
不思議世界満載の14篇の短編集。表紙がすてきなのだ。いつのながら。ご本人が装画も手がけているからすてきなんだけどね。お話は時空を超え、異界と交信し、そして俗に言うBL・・・正に純文学を愛する人たちには全くわからないような不思議世界なんだけどね。私はそういう長野まゆみ的な発想が大好きなんです。現実世界にはほど遠いような夢の世界。でも過激ではなく、今流行りの純愛?系。具体的に言うと、「タビノソラ」とか結構よいではないか~他のも勿論いいけど。好き嫌いがはっきりわかれてしまうこの手の世界だけど、私は妖しくて大好きよ♪具体的な濃い感想がかけないのがちょっと悩みだけど。わかる人にはわかる世界よね~久しぶりの長野まゆみ作品だったので少々、興奮気味で読んでしまいました。おほほ。
「時の旅人」長野まゆみ(河出書房新社)(2005.6.13読了)
時空を超えたSFちっくなお話でした。現代版浦島太郎か?「シロウヅ」と呼ばれる亀が出てくるし。玉手箱も。第1話の「リュウグウノツカイ」は関東大震災で大正時代から2003年にタイムとリップしてしまいます。第2話の「タマテバコ」は昭和30年代の話。第3話「「トコシヘノタビ」は昭和40年代。どれも古き時代から突然近未来へトリップしてしまう不思議なお話なんですよ。これはあまりいつものBLが出てこない小説でしたね。でも何だか懐かしい・・・風景とかその時代の様子とか。
「ディック・ブルーナ ぼくのこと、ミッフィーのこと」ディック・ブルーナ(講談社)(2005.6.18読了)
ディック・ブルーナさんの人生がわかる一冊。ミッフィーといえば誰でも知っているうさぎのキャラクター。その作者であるブルーナさんが77の質問に答えています。ブルーナさんの生い立ちからミッフィー誕生秘話、今も描き続けていること。巻末にはブルーナさんの作品リストと年表が載っています。 ミッフィーが世界中の人たちに親しまれるまでには長い道のりがありました。失敗もあり、またブルーナさんが体験した戦争のことなど。言葉のひとつひとつがとても貴重で夢を追う人にとっては神様のような言葉に聞こえます。私も子どももミッフィーの絵本は大好きです。はっきりした黒い線の輪郭、そして色使いのとても鮮やかなこと。目の点と口のバツだけで表情がたくさんできること。不思議なんだけど、誰も真似できないブルーナさんだけの世界のように思います。現在78歳。まだまだ長生きしてミッフィーと仲間たちを描き続けてほしいです。
「雨恋」松尾由美(新潮社)(2005.6.26読了)
雨降りが待ち遠しくなるようなそんなお話でしたね。恋愛の要素とミステリーの要素が上手くドッキングした感じでよかったです。アメリカに行く叔母のマンションに2匹の猫の世話の条件つきで住むことになった主人公・沼野渉。しかし、そこには雨の日に現れる幽霊がいた。3年前にそこで死んでしまった小田切千波、24歳。彼女の死は自殺か?他殺か?事件を調べていくところはミステリーっぽい。でもこの幽霊の千波と渉との雨の日にしか会えないせつない感じは恋愛小説だね。最後もとっても静かに終わるし。彼女の死の真実は段々わかっていくうちに千波の姿も足から段々上が見えるようになってきたり、不思議感はいっぱいだ。でも不思議もホラーっぽくもなく怖くない。「ありえない恋、ラスト2ページの感動。」これはその通りだったね。表紙のぼや~っとした感じが小説にあっててよい。

mitu n



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