東方見雲録

東方見雲録

2023.08.29
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カテゴリ: 政経
コロナ後に広がった世界の経済格差。貧困の問題はなぜ解決しないのか。貧困層に少額融資をする「グラミン銀行」を創設し、2006年にノーベル平和賞を受賞したバングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス博士は「世界を動かしている経済システムそのものに問題がある。システムを設計し直さないといけないが、多くの人が誤った資本主義のイメージや人間像に囚われている」という――。(聞き手=国際教育評論家・村田学)(全2回) プレジテントオンライン



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本来ならどんな人にも自活能力はあるのですが、経済システムはそれを許さない。だから国民から税金を集め、そこから施しをするわけです。施しに頼った生活というのは、経済システムがもたらした病と言っていいでしょう。

すべての富がてっぺんに行ってしまうのは、マシンに欠陥があるということです。個人や企業に問題があるからではありません。企業はシステムが「金をつくれ」と言うのに従っているだけのこと。どれだけ金儲けができたかが成功のものさしになっているのです。

そのプロセスの中で、あなたは金儲けをひたすら続けることになる。そして多くの人々は置いてけぼりにされる。これがいまのマシンがもたらす結果なのです。

諸悪の根源は「銀行」
――システムはどうしたら変えられるのでしょうか。

例えば水をくみ上げるマシンがあるとします。水を低いところから高いところにくみ上げるだけのものです。

でもニーズが、高いところに水をくみ上げるのではなく、低い方に流すことにある場合は、どうすればいいでしょうか? そう、逆に動かせばすべての水は低い方に流れますよね。現行のマシン、つまりいわゆる経済システムは、(富を)上の方に送るように作られています。その逆のマシン、つまり(富を)下の方に送ったり、下だけでなく全体に分配するようなマシンがあればいいのです。



(例えば)速く走る乗り物が必要とされているとしましょう。あなたはいろいろ考えた末、馬車を使うことにします。ただし、馬は使いたくありません。そこで小さな機械を作って馬車の中に設置します。そうすると、馬なしでも馬車は乗り物として機能するようになります。マシンを設計するとはそういうことなのです。

だからまず、目的は何かを定義するのです。目的が決まったら、あとは一生懸命にマシンを設計する。誰にでもできることです。

例えば私は、(人々に富が行き渡らないという)問題の元凶は銀行だと考えました。だから銀行を再設計し、貧しい人々に金を貸すことのできる銀行をつくりました。金融関係者は「グラミン銀行のやっていることはすばらしい」と口を揃えて言うのですが、従来の銀行のあり方を変えようとする人はいません。なぜでしょうか。それでみんなが幸せになるなら、どの銀行もやるべきなのに。
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大切なのは資本主義のイメージを変えること
――とても残念なことです。ユヌス博士は貧困をはじめとするさまざまな社会課題に対する解決方法として、資本主義のビジネスの仕組みを応用しながら「損失ゼロ、配当ゼロ」で運営する「ソーシャル・ビジネス」を提唱していますが、それも十分に広がっているとは思えません。広がりを阻むものはなんでしょうか。

私としては広がりつつあると思いたい。みんなが私の言うことに耳を傾けてくれていると思いたいですね。

問題は、人でもなければ政府の政策でもなくシステムにあると私は考えます。システムはいわゆる「資本主義」のあり方のイメージそのものです。だからこそ資本主義はそういうやり方で機能するのです。底辺から金やリソースを奪っててっぺんに送り、金儲けのタネにするというやり方で。



これは経済学の基本ですが、私に言わせれば人間についての誤った解釈です。人は利他のためにも行動します。そうでなければ世界中に慈善団体が存在する理由が説明できません。

現在の文明は私たちを崖っぷちに追い込んでいます。この星の上で私たち人類が生き残るための時間はあまり残されていません。この文明に殺されてしまう前に、私たちは新しい文明を創らなければならないのです。

この文明は利益の最大化に基礎を置き、私たちが人の命に目を向けなくなるようしむけました。私たちはカネの依存症になってしまったのです。だから分かち合いの精神にもとづく、新しい文明を建設するのは急務です
  以上、前編より引用  こちら

参考サイト:グラミン銀行のシステム

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人間は生まれついての起業家です。

だから教育を与える場合も、雇われ仕事に就く準備をさせるのではだめなのです。教育は、若い人を雇われ仕事ができるように育てるシステムになってしまいました。これは誤った教育です。教育システムは若い人たちを起業家になれるように育てるべきなのです。

マインドセットはとても重要です。これは教育システムによって頭に刷り込まれるのですが、いまの教育システムというのは、どこかの会社のどこかのオフィスのよき従業員を育てるためのものになっているので、そういったマインドセットになってしまう。

私に言わせれば、誰かに仕えるために働くことは奴隷制度の遺産です。人の下で働くことを受け入れた瞬間、創造的な能力は不要になってしまいます。

学校は教育を担う一方で、若い人々に銀行を紹介する役割も担うことになるでしょう。彼らが事業案を思いついたら銀行から金を出してもらう。そうすれば学校にいる間から事業を始めることができます。「すべての人は起業家である」とみんなが考えることができれば、これは本物の教育システムになるでしょう。
以上、後編より引用   こちら





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Last updated  2023.08.29 07:00:11
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