東方見雲録

東方見雲録

2024.02.08
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カテゴリ: 郷土



 植樹されたのは全てクロマツで、約2メートルが3本、約50センチが5本の計8本。重機を持ち込めないため、舟で土のう袋約130袋分の土を島に運び込み、手作業で土壌を整備し、松を植えた。

 猫島の松は、約25年前からカワウのふん害により枝枯れが深刻化し、枯死。昨年9月に伐採された。今回植えた松はカワウなど鳥が寄りつかないよう、ワイヤを放射線状に設置した。湖山池情報プラザの竹内房男会長によると、今後は月に1度は島に渡り、松に傾きがないか確認するほか、最低年1回は島の草刈りなどの維持管理を行うという。

 竹内会長は「植えて終わりではなく、育つには数十年かかる。1本でも多く根付いてもらうため、大切に育てたい」と話した。
引用サイト:日本海新聞 02.07   こちら


鳥取市の湖山池に浮かぶ景勝地として知られる猫島で28日、カワウのふん害で枯れてしまった松が伐採された。かつては島全体に松があり、地元有志らが守ろうと対策を練ってきたが、解決には至らなかった。

 カワウのふん害による松の枝枯れは、25年ほど前から深刻化。地元住民が、松に釣り糸を張り巡らせてカワウを寄せ付けないなど対策を取ったこともあったが、効果は薄かった。

 28日には、専門業者が、枯れた松の枝や幹をチェーンソーを使って次々に切り倒していった。湖山池情報プラザの竹内房男会長によると、今後は地域住民らと共同で、新たにクロマツを植樹するという。
引用サイト:日本海新聞 2023年09月29日  こちら

ちょっと寄り道:湖山池の猫島伝説



湖山長者はこの辺り一帯で一番の大金持ちであり、1000町歩もの田んぼを所有していた。そして毎年のように、近在の者をかき集めて1日で田植えを済ませてしまう習わしであった。ある年のこと。いつものように順調に田植えがおこなわれていたが、子供を逆に背負って歩く猿があぜ道を行き来するのに大勢の者が見とれてしまい、かなり遅れを取ってしまった。もう日没になろうとしているのに、まだ田植えだけは終わらない。この様子を見ていた長者はお気に入りの金の扇を持ち出すと、太陽を招き戻したのであった。これによって無事に田植えを日没までに完了させることが出来たのである。

そして翌日、長者が田んぼへ行ってみると、田んぼは消えてなくなって、代わりに大きな池が出来ていた。人々は、長者が太陽を呼び戻した罰として池になってしまったのだと言い合った。その池が湖山池なのである。

湖山池には大小いくつかの島がある。その中に猫島と呼ばれる小島があり、そこには猫薬師というお堂がある。この猫薬師も湖山長者にまつわる伝説である。

かつて湖山長者が祈願していた薬師如来があったが、近在の者が堂を建てて浄西坊という者がお勤めをしていた。ある時、仏様の下の方に光るものがあったので調べてみると、赤毛の猫のミイラが出てきた。その猫の目が光っていたのである。さらにその夜、浄西坊は猫の夢を見る。

夢に出てきた猫は、自分が湖山長者の飼い猫であったこと、そして長者の田んぼが一夜にして池にかわった時に溺れ死んでしまったこと、さらにはその死骸が小島に打ち上げられて干涸らびてミイラになり、そのためにその小島が猫島と呼ばれるようになったことを告げた。猫は長者から信心することを教わったことで、動物の身でありながら仏になることを許されたので、この薬師如来にお仕えして人々に利益を授けたいとも言ったのである。

浄西坊はここで夢から覚めると、以前に堂に住みついた赤毛の猫のことを思い出した。その猫は人間のように薬師如来に手を合わせていたが、それが湖山長者の愛猫の霊であり、今度はミイラとなって現れたのだと悟ったのである。そこでミイラを丁重に厨子に収めて、薬師如来と共に祀ったのである。

これ以降、この薬師如来は“湖山の猫薬師”と呼ばれるようになった。このお堂の護符は鼠封じに効くとされ、また失せ物がある時は祈祷してもらうと良いとされている。
引用サイト:日本伝承大鑑   こちら

関連サイト:鳥取県カワウ対策 こちら

さらに寄り道:カワウ対策  環境省   こちら

関連サイト:カワウ糞害 こちら





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Last updated  2024.02.08 12:00:10
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