東方見雲録

東方見雲録

2025.11.07
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カテゴリ: 教育
PTAのない小学校


 鳥取市宮長の美保南小(498人、浜橋太校長)のPTA組織「育友会」は2019年度、活動を休止した。保護者や教員の負担軽減を図ろうと広報部や体育部などの役員を選出せず、活動を大幅に削減。執行部のみが存続して有志による活動を模索したが、24年4月の育友会総会で組織の廃止を決め、鳥取県内でも珍しいPTAのない公立小学校となった。

 ■課題山積
 PTA廃止と同時に、学校側は保護者とつながる機関「南っ子サポートセンター」を設立した。「学校の行事や維持管理には保護者の協力が不可欠」(浜橋校長)との理由からだ。センターには校長と教頭、保護者有志が所属し、学校行事や清掃などで保護者有志に協力を依頼する。

 設立から1年半経つが、課題は多い。「誰が中心となって運営するか、規約はどうするか。決めるのが難しい」と浜橋校長。保護者有志の確保も一苦労で、運動会の後片付けを呼びかけた際には数人しか集まらなかった。育友会が行ってきた学校周辺の草刈りや清掃は教職員や地域ボランティアが行うが、継続には限界がある。「学校の維持管理の予算に草刈りは含まれないため外注できず、教職員の負担は増している」と浜橋校長は打ち明ける。

 保護者の受け止めはさまざまだ。3年生保護者の30代女性は「入学時からPTA活動がないのが当たり前で、運動会の片付けの連絡が来ても応じていない。他の保護者の顔を知らなくても困ることはない」と受け止める。一方、10年前からPTA活動に参加する保護者の40代女性は「仕事や子育てしつつ平日夜に集まるのは負担だったが、保護者同士の関わりもなくなった。できることがあれば参加したい」と話す。

引用サイト: こちら

岐路に立つPTA㊥ 連合会の組織見直し相次ぐ

県PTA協議会はPTA役員向けの研修会で活動推進や困り感解消にも取り組む=7月12日、鳥取市内
 児童数減少や学校の統廃合、教職員の働き方改革―。鳥取県内で学校単位のPTA(単P)がさまざまな理由で活動を縮小する中、市や郡などのPTA連合会でも組織の在り方や活動内容の見直しを求める声が上がり始めた。

 日南町の小中学校PTAと日野、江府両町の義務教育学校PTAで組織する日野郡小中学校PTA連合会(郡P)は2025年度に解散した。連合会事務局を担当した女性によると、郡Pが主な活動とした研修会や球技大会では例年参加者集めが難航。鳥取県PTA協議会(県P)の会議や研修会も開催場所が遠く、参加できないケースが多かった。各校の単Pで実施した保護者アンケートでは「郡Pの活動をなくしてもよい」などの意見が多く、24年度総会で郡Pの解散が決議された。


 「今年は郡Pの意味についてよく考えたい」。八頭郡小中学校PTA連合会の林健太郎会長(38)も連合会のあり方を疑問視する。郡P運営は単Pの役員が務めるため双方の活動で多忙感が増し、スポーツ交流会や広報誌発行などの活動は成果が目に見えない。今年の活動で出た意見を踏まえ、存廃を議論する方針だ。

 市郡連合会の事業には、イベントを通じた単P同士の交流や研修、顕彰活動などがある。一方で「負担金に見合ったメリットが感じられない」といった理由で、単Pが連合会を退会するケースも出始めた。23年度以降、鳥取市小学校PTA連合会からは明徳と美保南、西伯郡小学校PTA連合会からは大山と名和が退会している。

■つながる場
 岡山県で加盟団体減少により、都道府県で初めて県PTA連合会が解散するなど、市郡、県、全国と連なるPTAの「連合会」を巡っては、全国で組織の廃止や再編が進む。

 上部の連合会組織になるほど、構成する学校数や保護者の数が多く、影響力も大きくなる。全国組織である日本PTA全国協議会は、政府などに要望を伝えている。鳥取県の県Pも、県教委への要望活動を通じて県内の教育課題解決を図ったり、単Pの特色ある活動を推進したりしてきた。

 県Pの山本祐子会長(52)は連合会組織の意義について「皆で声を上げて行政を動かすことができ、全国の先進事例を知ることもできる」と説明する。少子化や共働きなどで保護者同士が知り合う機会が減る中、山本会長はPTAが「つながる場」になると強調。「教育の常識が変わりやすい今、つながることが保護者の不安解消や子どもの環境改善になる」と話す。
引用サイト: こちら

岐路に立つPTA㊦ PTAのつながりが地域活動に発展

防災体験キャンプで非常用持ち出し袋の中身について考える参加者。PTAの保護者同士のつながりが地域の防災力向上に役立っている=9月20日、米子市西福原8丁目の福米西小(実行委提供)
 「保護者と教職員が子どもの幸せのために努力する社会教育団体」と定義されるPTA。子どものための活動が保護者同士のつながりを生み、より広域での地域活動に発展するケースも少なくない。

■学校を超えて
 煙ハウスからの脱出、防災食作り、夜は体育館に宿泊―。恒例となった福米中学校区の「防災体験キャンプ」が9月20、21両日、福米西小(米子市西福原8丁目)の体育館で開かれ、約20人の親子が楽しみながら災害への備えを学んだ。コロナ禍での中断をはさみ、今回で5回目となった。



 実行委員長の松本みゆきさん(56)は「同じ地域に住みながら存在を知らなかった人とも交流できる。もっと参加者を増やしたい」と継続に意欲を見せる。
実行委事務局の内藤旗彦さん(58)は「PTAのつながりでいろんな人が集まって実現した。地域のことを考えたらPTA活動をしておいたほうがいい。間違いない」と力を込める。

■仲間集団が理想
 本来は任意参加で、活動も自由に企画できるPTAに対し、保護者が拒否感を抱く理由の一つに、参加を強いるPTAの仕組みや保護者同士の圧力などの「見えない力」がある。住民組織論に詳しい鳥取大地域学部の村田周祐教授は「近年は圧力が少なくなり、時代や状況に応じてPTAの性質もかなり変わってきた」と分析する。

 村田教授は、PTAが特定の目的に応じて組織された「自治的コミュニティー」の性質を持ち、学校による管理を受けやすい特徴がある半面、近年は参加や離脱が自由な仲間集団の「親交的コミュニティー」に変わろうとしていると指摘。自身のPTA活動の経験も踏まえ、「これまで母親のみだったPTA活動に父親も参加でき、自由に行事ごとに参加することも可能になりつつある」と説明する。


(この企画は清水友揮が担当しました)
引用サイト:日本海新聞   こちら

追記 1114

岐路に立つPTA番外編 県PTA協議会 活動の周知を強化
 鳥取県内で小中学校のPTAや、それらを束ねる連合会組織の在り方を巡る議論が活発化し、県PTA協議会(県P、山本祐子会長)は組織の役割や活動の意義を伝える取り組みを強めている。ただ、負担軽減や組織のスリム化を求める保護者の声は根強く、持続可能な運営スタイルを探る道のりは遠い。(清水友揮)

 「子どもを果実とすると保護者は枝や幹、県Pは土。養分や水を供給して、下から支えているんです」。中山中(大山町下甲)のPTA本部役員会が7日に開いた勉強会で、山本会長は県Pの役割をそう表現した。

 中山中PTAは、県や郡のPTA組織に加入し続ける必要性について検討を始めている。勉強会を企画した西本憲人会長(44)は「加入するメリットとデメリットを役員で共有し、本年度末には結論を出したい」と意図を説明する。

 この日の勉強会では、県Pが全国学力・学習状況調査の結果や児童生徒の暴力行為、体育館の冷房化など県内の教育課題に対し、状況把握や行政への要望活動を行っていることや、県や県教委などが主催する約40の会議に出席して保護者の声を政策に反映させていることなどが紹介された。

 山本会長は「学校単位のPTAだけでなく、県Pでも保護者がまとまって動くことで、長期的に子どもの環境を整えることができる。困りごとをどんどん伝えてほしい」と呼びかけた。

 PTAの組織構造は「ピラミッド型」と呼ばれる。県内では公立小中学校と義務教育学校のPTAの大半が市郡の連合会組織に加盟し、市郡連合会が県Pを構成。県Pなど都道府県組織は日本PTA全国協議会(日P)に所属する。

 ただ、日Pの不祥事や会費負担への問題意識が高まるにつれ、上部団体の存在意義や活動内容の分かりづらさを指摘する声が一般の保護者からも上がり始めた。

 県Pは新たに、活動内容や役割を伝える説明資料を作成。今後必要に応じて市郡の連合会を通じて配布し、活動の価値を広める方針だ。西本会長は、個人的な見解として県Pや郡Pは不要としながらも「皆が子どもや地域に必要と思うなら続けた方がいい。『面倒だから』と、低い意識のままでは負担にしかならない」と指摘する。
引用サイト:日本海新聞   こちら

関連日記:2024.04.20の日記  PTAのあり方   こちら
関連日記:2023.01.17の日記  PTAもう限界   こちら





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Last updated  2025.11.14 07:21:30
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