ぷりもな日々

ぷりもな日々

医療センター



程無く名前を呼ばれ診察室に入った。初老の医師が待ち構えていた。この時も吐き気を堪えるので精一杯だった私は問診を母に任せていた。どうしようもなかった。口を開こうとすれば、こみ上げてくる吐き気で胃が逆流してくるのだ。

1月の川崎事件の事。そして昨日から吐き気があり止まらない事を母が説明する。内科医らしいその医師は、私の目の前に人差し指をつきたてた。


「この指を目で追ってごらん。」医師はゆっくり左右に指を動かした。
云われるまま指を目で追う。吐き気が突き上げてくる。ハンカチで口を押さえ、目は涙で一杯になった。

「これはアレルギーじゃないね。ほら眩暈がして吐き気が起こるんだよ。メニエール症候群だと思う。女性に多い病気なんだ。今日はとりあえず点滴をしましょう。明日になったらかかりつけの病院へ行く様に。」
医師の言葉を信じて「そうかメニエール症候群というのか。まぁ吐き気が収まってくれればいいや。」と納得した。そう大変な病気とも思われなかった。2時間くらい時間をかけてなにやら点滴を受け家に帰った。

点滴を受ければ吐き気は収まるものと思っていたのが甘かった。朝と変わらぬ気分の悪さが夜になっても続く。
ベッドとトイレの往復だった。明日はどの道ホームドクターにかかるのだ。
仕事に行かなくても良いという事情が幾分気分を楽にはさせたが、だからといって吐き気が楽になるかといえばそうではない。2階で何度もドタドタやっているので、痺れを切らした父が「おい、あれじゃ駄目だ。病院へ連れて行こう。すぐ連絡してみろ。」

母が、かかりつけのM医院へ連絡したのが8時すぎ。M医院長は、日曜日の夜間だというのに、こころよく引き受けてくださり「待っていますから、連れて着て下さい。」と仰ってくださった。

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