のんびり生きる。

のんびり生きる。

問題はそこにつきる


                      『ホット・ロック』



「あんたなら何とか方法を考え出してくれるんじゃないかと思ってたんだがな。何とか入り込む方法があるはずなんだ」と、グリーンウッド。
「そりゃ、入り込む方法はあるさ」と、ドートマンダーはいった。「パラシュートで降りるんだ。が、どうやって出てくるか、だ」
                      『ホット・ロック』205頁



「もういつでもかかれるんですよ」というと、ケルプはポケットからぼろぼろになったリストを取り出して、「これが必要なものです」
「今度は、ヘリコプターはいらないんだろうな」
「ええ、ニューヨークから離れすぎてるんでね。しかし、ヘリを使うことも考えたんですよ」
「まあ、そうだろうとも」と皮肉な口調でいうと、少佐はリストを受け取った。
「二つ三つ沈めてもいいですか?」と、ケルプはいった。
「かまわんよ」と言うと、少佐はリストを開いた。
 ケルプがキューを取りあげ、3を沈めると、少佐が金切り声を張りあげた。
「機関車だって!」
 ケルプは頷くと、キューを置いた。そして、少佐の方を向くと、
「ドートマンダーも、その辺がちょっとむずかしいんじゃないかと思ってるんですよ」
「ちょっとむずかしい!」少佐は斧で殴られでもしたかのような顔をしていた。
                      『ホット・ロック』209頁


 アイコー少佐は心配そうに額に皺をよせてトラックの傍らに立っていた。
「この機関車は返さなきゃならないんだ」と、少佐はいった。「失くしたり、傷つけたりしないでくれよ。借りてきただけなんで、返さなきゃならないんだからな」
                      『ホット・ロック』211頁



「そうなんだ」と、マーチはいった。「五番階の四十六丁目からずらかる方法ってのはないんだ。問題はそこにつきるんだな」
                      『ホット・ロック』247頁

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