Ability〔二章〕(Ⅰ)


朝…とても平和で暖かな…

「へっくしょんっ!!!」

森にくしゃみが響き渡る。

「んで、…どうしてこうなったのかしら?」

アネルが指差した方向には干された着物(着る物)。其の着物からは水滴が落ちる。
そして其の前には川が流れている。

「「だってこいつが…」」

バコッっと2人の頭に"おたま"と"しゃもじ"が飛ぶ。


事の始まりは1週間前に遡る。―村長はアネル、玉…ではなく、カイン・カルシアそして剣士として腕が立つであろうセルハを呼び"城へ行ってくれ"と言って来たのだ。一度
狙われた以上又狙われる可能性が大なのだ。
地図を渡され村を出たのはいいものの…全然違う地図だったのだ。村を囲む森はとても広く、其の森を抜けるために縮尺をとても狭くした地図があるのだが…城に行くのとは反対の地図をアネル達に渡したのだ。
そして今―道に迷って早7日。食料が尽き始め、これから如何に過すかを考え、取り合えずは食料を調達しようとなったのはいいのだが…2人は川で魚を捕ろうとした…其処までは良かったのだが一つの獲物を2人で狙いをつけたのだ。そのまま喧嘩になり、
川の深い所に足を滑らせ…文頭に戻る。

「全く…唯でさえ足止めは喰らいたくないのに…まぁスープでも飲んで身体暖めなさい。」

「アネル~…お前はいい奴だぁ~v」

セルハはアネルに抱きついた。

「セルハ!!離れろ!!!」

カインがセルハを引っ剥がす。2人は此処5日ほど事ある事に喧嘩している。

「2人とも…そろそろ止めようか?」

手には包丁が確りと握られてる。2人はさっき出されたスープを大人しく食べ始める。
アネルは其れをみてやっと包丁を降ろす。軽く溜め息を漏らした。今のアネルに冗談は通じないだろう。アネルは精神的に参っている。唯でさえ突然覚醒した力を抑え、暴走しないように精神統一したいのに…2人と来たらアネルの力を暴走させたいのかと思う程精神統一させてくれない。それどころか暴走までカウントダウンしそうになった事さえある。其の時―

「ぁ…あれ?」

何故だかわからないが突然身体の中が熱くなった…。


ドッカーン!!!!!!!!
爆音が響く。

力が暴走したのだ。アネルは意識を手放した―。

「ぅ…ん~…………ん?此処は何処にゃのでしょうかぁ??」

アネルは手放した意識を取り戻した。が、其処はさっきの川原ではなかった。
見知らぬ部屋…。

「目…覚めましたか?」

大人しい女の人の声。

「ぇ…?ぁ…はい。って…貴女は誰ですか…?」

「私は、ルルナ・ミシナリです。」

に…しても…私の声…幼くありませんか?

「大丈夫でしたか?凄い爆音がしてそっちに行って見たら貴女がいたのよ。迷子?お父さんとかお母さんは??」

「ぇ?私…男の子2人と来てるんですけど…?」

「え?5歳ぐらいの子が??お友達と?」

アネルは一瞬ルルナといった人物が言った言葉の意味がわからなかった。ルルナは5歳といったのだ。アネルは…小さくて幼いけれど5歳はない。どんなに幼く見えても10歳前後と思われるぐらいである。ありえない。

「あの…鏡見せてもらえますか?」

「えぇ。いいけど…?ハイ。どうぞ。」

アネルは言葉を失った。自分が確かに5歳前後の姿だった。

「…ぁ…な…何でぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

この声は家中―否外に広がる森にもこだました。

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