Ability


「何でぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

森にこだました声。森の何処まで響いたかはわからないがかなりの距離響いたことは確かなことだろう。

「…今何か聞こえなかったか?」

「どうせ狼かなんかの遠吠えだろ?」

2人の少年の会話。少年とは―言うまでもなく"セルハ"と"カイン"である。しかしアネルの姿が見当たらない。あたり前だろう。アネルは此処から離れた家にいるのだから。

「アネルは何処に行ったんだよ…俺達が目覚ましたときにはもう居なかったしよ」

「あいつが一人で何処か行くとは考えられねぇな。行くとしても俺らに声くらいかけるだろうし、単独行動取るような奴じゃねぇよ。」

長い付き合いのセルハはアネルを悪くは言わない。カインは遠まわしではあるが妙にアネルを悪く言っている。

「「にしても…何でこいつと2人きりなんだよ」」

同じことを考えた2人。

「あのなぁ、お前はおまけなの。お前が居なきゃアネルだって力暴走させなかっただろうよ!全部お前の所為なんだよ!!」

「カイン…これは村長直々の命令なわけだよ!村長命令に逆らうわけにもいかねぇしよ。お前こそアネルにいつもちょっかい出してただろ!!?」

「ちょっかい出してたのは貴様だろぅが!!」

「はぁ?どう考えてもカインだろう!!」

2人は睨み合う。しかしピタッと其れを止め、

「「今は…協力するしかねぇな…」」

そう。アネルが居ない今。アネルを探すのが先決なのだ。喧嘩など後回しにするほかない。その辺はわきまえわれる2人なのだ。

「もう一度戻るか…?さっきの遠吠えの声に何か…聞き覚えがあるんだよな…」

「あぁ。何のヒントもなしに探すのも無理だしな。」

2人はッニっと笑い駆け出した。


「ふぇっ…ひくっ…何でぇ?…ぅっく…何で小さくなってるのぉ…」

「貴女…もしかして…二つの能力を司る者…?」

二つの能力とは…やはり治癒の能力と攻の能力のことを指すのだろうか。

「…はぃ。自分じゃわかりゃないけどそうです…だと思います。」

文法ではない文法を使い言葉を喋る。

「本当!?神様のお告げ通りだわっ!」

ルルナははしゃいだ。何故だかアネルにはわからない。

「ぁっ…ごめんなさい!はしゃいじゃって…私に始めて神様からお告げが来たの。でも…皆信じてくれなくて…。」

「そうなんですか?(お告げって…予知夢見たいなものなのかなぁ)」

「えぇ。貴女が小さくなってるのは…多分、一時的に能力が放出されたんじゃないかしら?二つの能力を司るものはたまにあるんです。突然身体が小さくなる事が…」

「…治るんですか…?」

アネルは息を呑み聴いた。

「力が戻れば…治りますが…治らないこともあります。」

ガラッ―ドアが当然開いた。

「おぉ。嬢ちゃん目覚めたんか!具合如何や?」

とっても身体の大きい男が現れた。アネルはいつも以上に小さかった為其の男は大男に見えた。

「………」

ピタッっとアネルの動きが止まった。

「恐がってるじゃない。リアナが突然現れるから!」

「すまへん。悪かったな。突然で。心配やったんやからしかたあらへんやろ?」

「…だっ大丈夫ですっ!」

「そか。さっきの話きかせてもろうたで。城に行きゃ治せるらしいで。此処じゃ無理だと思う。薬言うても風邪薬ぐらいしかあらへんがな。」

アネルは男を見て、

「地図…私達地図がなくて城に行けないんです!!っていうか…まだ私の仲間が2人いるし…」

もじもじしながら男に言った。

「ほんなら、お前拾うた川原行くか?其処に戻って来とるかもしれへんで。」


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