猫旅に出る ~ある生物系学芸員の日記~

猫旅に出る ~ある生物系学芸員の日記~

2009.07.03
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カテゴリ:

ブルーバックス
著者:栃内新
出版社:講談社
ページ数:201p
発行年月:2009年01月
ISBN:978-4062576260

進化から見た病気

第1章 「ダーウィン医学」とは何か
第2章 風邪をひいてから治るまで ~「ダーウィン医学」を理解するための練習問題
第3章 ヒトは病気とどうつきあってきたか
第4章 感染症 ~ヒトと病原体の進化競争
第5章 生活の変化が引き起こした「文明病」
第6章 遺伝病 ~良い遺伝子・悪い遺伝子
第7章 トレードオフ進化 ~進化が作り出した身体の不都合
第8章 先端医療はヒトの進化を妨げるか
第9章 老化と進化

進化学と医学という一見全然関係ない分野(?)を結びつけたダーウィン医学に関する入門書です。
ダーウィン医学は、医師ランドルフ・ネシーと進化生物学者ジョージ・ウィリアムズにより1991年に提唱された、比較的新しい学問分野。

鎌状赤血球とか壊血病、脚気、HIVのことなど、割とよく知られている話題がたくさん登場して読みやすかった。

9章で登場する「おばあさん仮説」のあとに出てくる話は適応万能主義的に思えて仕方がない。
多くの生物で,生殖を終えると死んでしまうことが知られている。
これは寿命が遺伝子にプログラムされているためであると考えられる。
しかし、ヒトは寿命が生殖とともに尽きるわけではない。
「おばあさん仮説」はおばあさんが育児に参加することが、孫の生存率を上げるという仮説。
この仮説自体は面白いと思うし、特に否定しない。
問題はこのあとの「老化の生物学的意義」に書いてあること。
文章を3ページもここに引用する訳にはいかないので、これを読んで興味を持った方は読んでみてください。

簡単に言うと、著者は人口が劇的に増加し資源が不足しかねない状況で、祖父母の世代と親の世代が争う可能性を考えている。
祖父母の世代は老化により競争力がないため、身体能力が最も高い時期にある親の世代との世代交代がスムーズに進むというのだ。
そんなものは後付けの理由でしかない。

単純にからだの構造が複雑であることと、捕食などによる死亡率が減少したことが老化を避けられない原因だと思うのだが…

何はともあれ、進化学が実学と結びつくというのは面白いことだ。
暇があったら関連書籍も読んでみようと思う。






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最終更新日  2009.07.03 11:52:53
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