け・せらー、せらー♪

太陽と月 Part II


アマゾンのインディオに語り継がれる民話から

太陽  と 


これらの民話、画像は、お借りしたものです。

したがって、転載はご遠慮ください。










つづき・・・



恋人の月に指摘され、やがて太陽身なりに気を使うようになり、

美しい羽で身を纏うようになりました。

そして、まるで自分が高貴な人になったかのように振舞い始めました。



月は、太陽が自分よりも容姿を気にするようになったので、

自分のためにもっと高価なものを求めるようになり、父親にねだる様になりました。

月は、

「お父様、次のお祭りに古い装飾は使いたくないわ!」

「私のために、最も美しい羽をとってきて下さい。」


父は、娘の過剰な要求を疑問に思い  


「いったい、どうしたんだい?」

「おまえは前から着飾るのが好きだったけど、最近度が越しているのではないか?」

「おまえのために、最近の私は、美しい羽や牙やなんやらを捜し歩いてばかりだ!」



父親に問い詰められ、理由を打ち明けました。

その理由を聞いた父親は、激怒しました。




・・・では、太陽のせいで、

この若くも無い身体を使ってまるで奴隷のように、娘が着飾るための装飾品を求め、

森の中を歩き回っているのかと思い、怒りを抑えることができませんでした。

それでも、可愛い娘の要求・・・なんとか、叶えてあげるようにしていました。




可愛い我が娘のこだわりに拍車をかけたのが、あの着飾ってばかりいる太陽だと思うと、

怒りが込み上げ、顔を見るのも嫌になりました。




ある日、大きなお祭りを目前に、森にある川の近くで月の父が美しい羽を求めて野鳥狩をしていました。

そして、同じように狩をしていた太陽に出くわしました。



月の父の、太陽に対する怒りはおさまっていませんでしたが、友好的に振舞いました。



また、太陽は、月の父を見つけると、 「お父さんも、狩をなさっているのですか?」

父は不躾に  「そうだよ!娘がお祭りのために新しい羽がほしいと言うのでね。」



「僕も、お祭りに行きます。そのために美しい羽を求めてここで狩をしているのです。」



「この機を借りて言うが、君は月のためにも美しい羽をとってくれないかね。」

「それが、最もだと思うんだがね。なにしろ、この老体にはこたえるものでね。」




「本当ですよ。でも、彼女は僕からのプレゼントを頑なに拒否するのです。」

「プライドが高い上に、お父さんの義務だとも言いますし・・・」


そんな会話を交わしつつ二人は、狩を続けました。




勿論、若い太陽の成果のほうがよく、美しい羽の鳥を数多く仕留めておりました。

そこへ、とても美しい鳥が飛んできました。

きっと、遠い所から来たのでしょう。見たことの無い鳥でした。


「みろ!なんと美しい鳥だろう!」


「このような鳥、見たことが無い・・・」

   「きっと、私のためにトゥパンが贈ってくれたんだ!」



「トゥパンが誰かに贈ったとしたら、私の娘への贈り物だ!」

「彼女が、祭りで最も美しくあるためにね!」 



その鳥は、ゆっくり旋回し、とても高い枝に降りました。

枝にとまったことで、二人はその美しい姿をよく見ることができました。



虹色に輝く羽は、とても美しかった。

二人はしばらく見惚れ、狩ることを忘れました。

太陽は、はっとして、  「捕らえなきゃ!」 

と、叫びました。



「俺が捕らえる!」

と、父親は挑戦するように叫びました。



二人は、それぞれの弓矢を構え、何も知らずに休んでいる鳥を狙いました。

しかし、気配に気づいたのでしょうか、鳥は急に飛び立ちました。


「ああっ!飛んだっ!」  と、太陽は叫び


「逃げてしまう!」  と、月の父も叫んだ。




二人はほぼ同時に矢を射ました・・・





SOL 小



<つづく>




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