け・せらー、せらー♪

太陽と月 Part III



太陽  と 



つづき・・・


若い太陽の矢を射る技は月の父より優れていましたが、何故か、的を外してしまいました。

そして、父親の射った矢があたりました。

しかし、鳥は既に高く舞い上がっており、射られたあと、川の向こう岸に落ちました。




太陽は、的を外たのでとても悔しかったのでしょうか、近くにあった岩を蹴りました。

そして、激しい痛みを感じ大声で叫びました。

その傍らで月の父は、大喜びをしました。

「トゥパンは、娘のためにあの鳥を贈ってくれたと言っただろう?」



「トゥパンからだったら、僕が射止めていたはずだ!」

と、太陽は言い返しました。

「では、おまえは俺より優れていると言いたいのか?」

月の父親は、怒りました。



太陽は、月の父親と仲たがいをするべきでは無いと思い、怒りを静めようと考えました。


「けっして、そんな事を言うつもりではありません。」

「僕が鳥を取ってきて上げましょう。」


と、太陽は言いました。




「その必要は無い!自分で取りに行く。」

「娘がおまえに手間をかけたくないのなら、俺もかけるわけにはいかん!」


と、突っぱねました。


「でも、ここには舟も無いし、川を泳いで渡らねばなりません。」

と、太陽が言うと・・・


「おまえは、俺が泳げぬとでも言いたいのか?」

と、父はもっと怒りだしました。



そして、頑固な父は川に飛び込み泳いで渡ろうとしました。



ところが川の真中あたりで、事は起りました。

疲れ果てた月の父は、溺れ始めたのです。

太陽は、すばやく川に飛び込み月の父の元へ泳いでいきました。



危うく溺れ死ぬ所を太陽が救い出し、無事、川辺へ連れ戻しました。

そして、月の父が仕留めた鳥を取ってきました。

「それ!あなたが仕留めた鳥だ。」
と言って、差し出しました。


「いや、おまえのものだ。」

と、父は答えました。


太陽は、訳が分らず

「ええっ!?何故・・・」

月の父はしばらくの間、沈黙を保ち、言葉を選びながら、しっかりした口ようで言った。

「鳥は、おまえのものだ・・・」

「おまえは、俺の命を助けてくれた上、向こう岸に落ちた鳥まで取ってきてくれた。」

「俺よりおまえのほうが、権利がある。」


太陽は、聞いたことが信じられず

「絶対、ダメです!そんなことは、認めません。」


しばらくの間、

「おまえのだ!」

「あなたの物です!」

と押し問答が続きましたが、月の父はあることを思いつき、

太陽に打ち明けず鳥を持って帰ることにしました。

「わかった。俺が持ち帰る。」


二人が部落へ帰りついたとき、父は鳥の羽を太陽と月へ半分ずつ分け与えようとしました。




ところが、太陽は戦くように

「絶対に受け取りません」  と言い

月は豹変し、

「なんですって!?同じ鳥の羽を使えですって!」

「冗談じゃない!」

「鳥を丸ごと太陽にくれてやったほうがましだわ!」


と、怒りを露わにました。




太陽はその場を去り、二人に受け取られなかった鳥は、

その後、月のオーカ(インディオの家)の片隅に放られました。


 lua 小

<つづく>




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