多病息災

多病息災

手術の日 その2


「痛くないですか~?」
看護士が足をなんかしてるらしいが、何にも感じない。
「は、はい。大丈夫みたいです・・・。」
「ジャ、さっさと始めますか。」
「30分で済ませましょう、先生。」
手術台に乗せられて不安一杯の私をよそに、そんな、お気楽な会話が頭上を飛び交っていく。
ワゴンの上の工具一式といい、こちらの不安を煽る一方だ。

やがて、折れたほうの足は、ほとんど信じられない角度(折れてなけりゃ、出来るはずがない)に曲げられて、固定され、青い布をかけられる。
冷たい感触と共に、肉が切られる感じ。
どうやら折れたところが切られたらしい。麻酔のおかげで痛くはない。
しばらくすると、電気ドリル!の音。
「ウィーン!ウィーン!」
って、オイオイ、大丈夫なのかよ。

「じゃ、いきますよ!」
白衣の医師が、電気ドリルを手に、満面の笑みをたたえて(そう見えた)いるではないか!
抵抗したいが、こっちは動けず、どうしようもない。
ドリルが骨に入っていく感覚が、何とも嫌な感じだった。ただ、痛くはない。
やがて、2箇所穴が開けられると、次はその穴にボルトを通す(らしい。見えているわけではないので、実際にそうだったかどうかは怪しいが・・・)。」
木槌でボルトを打ち込む。
そして、金属プレートをはさんで、ナットで止める。
ボルトを入れたところ、プレートを入れたところ、そしてプレートと骨を止める金属ピン?を入れたところ、計3箇所を縫いつけて終了。

整形外科医って本当は大工みたいなもんじゃねーか?
そう思いながら、手術室を出たのが、夜の7時過ぎだった。

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