きっとどこかの物語

詩 2007前半




イッシュン 消えてしまった
イッカイで 無くなってしまった
僕はどこに行ったの?
暗中模索
自分の手がどこに向けられてるかさえもわからない

鳥が飛んだ
たまにその姿に感動していた僕は
どこに行ってしまったんだろう

今見ている風景が
本当に僕が見ている風景なのか
わからなくなってしまった

時刻は昼で
ちょっと曇ってるけど
それなりに明るい
なのに僕は
明かりのない
けどたしかに真っ暗ではない
そんな場所にいる気がする

どんよりと霧のかかった場所にいて
助けを求めているというよりは
もうここから出たくないと願っている

でも心の奥底が
このままじゃいけないって言ってる

ここは居心地がいいんだ

いつか出て行かなくちゃいけないことくらいわかってるのに
そこで寝息をたてる僕



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無駄に詩を描きたくなったわけではなくて
気持ちの整理がしたいわけでもなく
自分は今何がしたいのかと問うと
頭の中はからっぽだった

きっと現実を見たらあせりで押しつぶされてしまう
そういう思考
だから現実に踏み出せない
ここでじっとして
死ぬまでじっとっして
楽して
閉じこもっていたいと願った

踏み出す足などどこにもなくて
以前感じた絶望を味わいたくなくて

進んでいるように見える足だけど
動かしてるだけで
実際すわったままだから止まってる
足をぶらぶらさせて
ただ何を見るでもなく宙を仰いで
僕はひとり
空虚を感じる
誰なんだ僕は
前までの僕はどこにいるんだ
記憶をなくしてしまった気がする

怖くて怖いはずなのに
涙さえ忘れたのか
涙ひとつも流れない



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オハナシはすげえんだ
たとえばそこに誰も解決できない大きな問題があっても
可能をえがいちゃえばいいんだ
すごいマホウを使えばイチコロさ

オハナシはすげえんだ
たとえば誰もできるはずがない誰をも掴むこと
可能をえがいちゃえばいいんだ
すごい催眠術をつかえばイッシュンさ

すげえだろ
オマエができないことを
この登場人物は簡単にしてしまう
すげえだろ

不可能を可能に
オハナシはそんなことができる
だからこそオハナシはオハナシ足り得るんだ

でもな
不可能を可能にするっていうことは
きっと神の領域なんだ
だから
慎重に
慎重に
描かなきゃいけない
読者の心を狂乱させないように




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彼は夢を掴むんだと


少年は笑う
夢を掴むんだと
恥ずかしそうに 嬉しそうに
少年は笑う

青年は笑う
夢を掴むんだと
焦りと 不安の嘲笑
青年は笑う

サラリーマンは笑う
夢を掴むんだと
自分なんかがと こんな親父がと罵りながら
サラリーマンは笑う

とある
おじいさんは
笑った
今まで見せたことも無いような
幸せそうな顔で
涙を目に浮かべて

夢を掴んだんだと

おじいさんは笑った





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必ず届けると叫びながら


あの少女とのさよならが
少年の足を動かした
この町から出て
遠くへ希望を
見つけなくてはならない

少女との再会を願って
少年は町を出た

森の中を駆ける少年
涙とは止まらないこともあるのだと
知った

どうか許して
僕がひとり希望を見つけにいくことを

少女は手をふりさえしなかったが
笑って送ってくれた

遠い遠い未来
あなたが掴んだ希望を
私に届けて

そう言って
笑うだけ

頬を伝わる涙を見せぬと
少年は走った
森のほうへ
町の外へ

必ず届けると
叫びながら




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大いなる裏切りに


ひとつ勇気を持って進んでいこう。
大いなる裏切りにも 微笑むことができるように。

この世に生まれてきた悲しみを知ったとき
この世への大きな怒りを感じた
何故生み落としたのか
どうして私だったのか

その悲しみの中でも
必ずしも人は温かいものではない
弱っている状態を
それ今だと
つついてくる人間もいる

それを知っているならば
その知を脳に植え付け
ひとつ勇気を持って進んでいこう。
大いなる裏切りにも 微笑むことができるように。










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悟り主


水にぬれた砂
踏み心地の悪い地面
そこにただ一人立つ者がいれば
人はそれを勇者と呼ぶ

剣を高々とあげることもなく
ぎらぎらと何かを睨みつけることもない
そこに悪がいようといなかろうと
ただまっすぐ
その両足を地に

守りたい者がそこにいることに
彼はただ気づいただけだった
それだけで
そのぬかるみさえも
頑固に揺れぬ地へと変えよう

勇者よ
剣などどこにも無きことを知ったつわものよ
戦いなどでは何も守れぬと知った悟り主よ

その背の後ろに
何を守る





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聖フランチェスコのように


心の奥底から
君を許したい
それができたら
僕の心はもっと明るくなる

誰かを恨んでいきるよりは
誰かの幸せを願って

祈ります
聖フランチェスコのように

僕の心に光をあててくれたら
僕はいつでも
誰にでも優しさを与えられる

光を求めて
色んな大切なものを
見つけたい








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一度きりの君だから


たとえばこの大きな宇宙で生まれた
ちっぽけな自分が
いつか消える日がきたとき
世界は何も変わらないでまわるだろう

いつか自分が消えてしまうことが
小さなことだと知って
そしていつか消えてしまうことが
こんなにも恐怖だと知って

どうしてこの世に生まれたんだろうと泣いた

それでも前を向いて歩くべきなのは
一回しかないから
大切に
大切に

せめて一度きりしかないものが
全部全部しあわせであることを祈って
君の笑顔が咲くように
今日は立ち上がってみよう
明日は
前へ




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崩す未来


この世界を見ているのがたまに
辛いときがある
どうしてもかみ合わない
大きな歪み
誰もが恐怖し
泣きを見

平和を訴える中
残酷な結論を言う総理大臣

戦争の被害者が
もう二度とこんなことになってほしくないと
死者の前で泣きながら祈った武力撤廃

それを

崩す未来が

今ここにある








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手を握り
空を仰ぎ
人を見て
笑いあう

いつか此の地上に生きとし生ける全ての者が
幸福になる世界になるまで
きっと輪廻は繰り返される
そのための宇宙と
そのための精神ならば
別れなど
きっと笑って






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ここで出会う者たちへ


この歌よ天に届け
私は今ここに居る
いつかそちらへ逝く
そのときは
先に逝く者たちよ
迎え入れておくれ

万の出会いがあれば
万の別れがあるだろう
そこに意味を見出せるのならば
去る悲しみなど
きっと和らぐだろう

遠く遠い場所からの言付け
今、踏み抱いている大地へ
万の出会いと
億の感謝を

この歌よ天に届け
私は今ここに居る
いつかそちらへ逝く
そのときは
先に逝く者たちよ
迎え入れておくれ




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贈り言葉


いつか永遠の別れがきたとき
大切な君へ
大切なあなたへ
送り言葉を贈りたい

この地上の命が終わったあと
もし行くところがあるかもしれない
そこは広大で
どこまでも永遠に広くて
もしかしたらここに生きた何十年の間よりも
もっと長い時間かけて探すことになるかもしれない
それでもあなたにこの送り言葉を

また会いましょう
必ず会いましょう

逝く人へ
最後の約束
これからの送り言葉







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己を称す、罪びとと


お前をとがめる者を憎むな
知らぬのだ
お前がどういう生き物なのか
罪を犯す者がどうして罪を犯すのか
知らぬのだ
許してやれ

寂しさ憎悪
途方もない絶望断絶
それを知り得なくては
悪の心などわからぬ
お前はそれを知った
それをどう活かす
お前はそれをどう使う

ただ己が罪を重ねるために使うか
罪を犯す者への救済へ使うか
それとも
ただ無へと向かう道にするか

全てはお前しだいだ
ただひとつ言う
お前をとがめる者を憎むな
あの者たちは
何も知らぬのだ




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これ以上の悲しみなど


そこには空があるだろう
地があるだろう
だから行くだろう

人は消滅が来るのを知りながら
我が生き様と生きていく
すごく強い動物なんだ
いつか何もかもわからなくなる日が来るのに
今ここで
生き歩くことを選ぶ

それは悲しい人生であっても
それは素晴らしい人生であっても
どちらも消滅する

それでも生きる

いつか無がくると知りながら

これ以上の悲しみなどないと

だからこそ他に恐れることなく

歩いていくのだろう



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Do you believe an angel…?


Why brake one heart of your best one?
You will not start saddest story.
Please your courage to me the then.
I’ll seen your lives die seens.
You take for me your smile and kiss.
I wish born a your happiness story.

To you one happiness you like your mother.
Please don’t look the one your best bad.
Dreams was watched your sad cry.
Don’t, don’t, don’t brake you.

If it be an angel, you’ll go heaven.
But, do you believe it?
And do you watch it ever…?

Why brake one heart of your best one?
You will not start saddest story.
Please your courage to me the then.
I’ll seen your lives die seens.
You take for me your smile and kiss.
I wish born a your happiness story.






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無知


懺悔をします
そして告白を
そして
無知の残酷さを

私は人間の重きを知らなかった
母の涙がわずらわしかった
父の罵声に殺意を抱いた
兄の恐怖におびえて暮らした
友など何も解り得ないと思った
人などいつかは死ぬと狂喜した
暇つぶしとして誰かを怨んだ
自分の残酷さを正当にすべく賢くなった
残酷な言葉ほど力がある理由を知らず使った
あの人間などとうてい下種なのだと嘲った
生き物など調度良い塊でしかなかった
否定されたら正当にし相手は私の悪になった
それで
満足だった

懺悔をします
そして告白を
そして
無知の残酷さを

生命の重きを知ったとき
残酷な私は
まったく別の生き物になることを知った
もう二度と
残酷になど
戻れはしない



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夢の星


いつか幸せに微笑んだ
どこにもないような星があると
きっとその地には大きな
幸せが宿る木があると

ゆるゆる流れる時
さらさらすぎる風
ほほえむひとびと
手を振るひとびと

雪が冷たいと
感じることさえ幸せだと
足で歩けること
幸せと感じることができる

こわい言葉なんて
ひとつもなく過ぎる夜
朝が来ることに
再開と、新しい出会いを
待つ瞬間だと思うことができる

そんな星がどこかにあると
いつか幸せに微笑んだ

そして今ぼくは大人になって
この星はそうなることができると
可能性を見つけた



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ニュースが嫌い


私はニュースが嫌いだ
夕方6時から7時の間はとくにニュースしかやらない
でも
テレビの音がないと寂しいからつけちゃうんだ

ニュースが嫌い
ニュースなんか大嫌い
どうしてこんなに悲しいできごとが
起こるんだろう
どうしてそんなこと知らせるんだろう
いつも泣いちゃうんだ
毎日泣いちゃうんだ
悲しくて悲しくて
誰かの訃報
誰かの悲劇
泣いちゃうんだ
悲しくて悲しくて
悲しくて悲しくて
だから
ニュースなんか大嫌い

戦争をやめない馬鹿ども
抑えようともしないくせに
ピストルを向ける
もうやめてくれ
そんなの見たくない
そんなの世界にいらないんだ

ニュースが好きになれる世界になれるまで
ニュースなんか大嫌い



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ぼくにあるもの


ぼくは、意気地なしだ。
生きる勇気もない。
正直になる優しさもない。
大事な人に、しっかり愛をつたえる賢さもない。

ぼくにあるのは
五体満足の体と
ちょっと幼稚な頭と
誰にも渡したくないこの命。
この平和な土地で生まれたこの僕を僕は持ってる。

気づいたんだ
平凡な僕だからこそ
できる大きなことがある

誰かを抱きしめる腕がある
誰かの笑顔を見る目がある
誰かに助けてもらえる命がある
誰かとつなぐ手がある
誰かからもらえる涙がある

腕に目に命に手に涙に、僕
この腕の目の命の手の涙の大切さを知った
僕がここにいる




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一生分の価値があるもの


お空の果てまで君と一緒に行こう
いつかその手を握り返すことができなくなる日も
君を想うよ

ああ もしも
この世の全ての悲しみを取り除ける何かがあるなら
一生をかけても探してみせるだろう
ああ もしも
この世の全ての喜びにみんなで触れる日が来るなら
一生をかけてもその日を待とう

もしこの手が心が君に触れられなくなって
君の手が心が寂しさに凍える日が来るのなら
どうか 違う手を心を捜してください
どうか 僕を思い続けないでください

もしこの命が笑顔が太陽に温められて
君の命が笑顔が芽を出すのなら
ぼくは 光を愛し続ける
ぼくは 笑いを愛し続ける

ああ もしも
この世の全ての悲しみを取り除ける何かがあるなら
一生をかけても探してみせるだろう
ああ もしも
この世の全ての喜びにみんなで触れる日が来るなら
一生をかけてもその日を待とう



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知能を得た人間の苦悩


すべてを見たいと望み
ほんの一瞬しか生きれない自分に
絶望した

いつかは、自分の中から自分が消える
その現実が
怖くて、怖くて。
逃れられない暗闇を
ずっと背負って生きるくらいなら
全ての悲しいことなどすんなり流し
笑い笑って生きていきたいと願った

人間はどうして知能を持ったのか
それさえなければ、いつか消える現実など
きっと科学的に知ることはなかったろうに
何度も呪った
学んで鼻を高くしていた自分のことも呪った
それでも変わることはない「終焉」
ずっとずっと生きていてはくれない大切な人
そして自分

怖くて、怖くて。
逃げられない暗闇を
ずっと背負って生きるくらいなら
全ての悲しいことなどすんなり流し
笑い笑って生きていきたいと願った



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ないものねだり


土があって
小さな草花が咲いて
大きな木々が並んで
木の実がなって
それを摘んで
美味しいって笑って
みんなが笑って
誰かがこけて
みんなが手をかそうとして
はっとして笑って
一人の手を受け取った一人が
その人の手に体を預けて立ち上がって
離すわけがないと信じて立ち上がって
よごれをはらって背筋を伸ばしなおす

幸せな自然があって
幸せな食べ物があって
幸せな笑いがあって
幸せな信頼があって
幸せな人たちがいて

世界が全部そうなったら
どれだけ素敵なことだろう

だめですか
ないものねだりは

いけないことなのですか
みんなが笑っていてと望むのは

いつか来る終焉など恐れずに
全世界の人が笑っていてと願うのは




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ぼくらはどちらを望むだろう。



飛べない鳥がいるのは

そこに安らかな地上があったからなんだって。

飛べる鳥がいるのは

地上に天敵がたくさんいるからなんだって。




遊歩の鳥か

浮遊の鳥か

僕らはどちらを望むだろう。




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愛の定義


どの言葉を選んだら
一番、君に伝わるんだろう。
どう笑ったら
君を幸せにできるだろうか。

ひとつ、とても勇敢な話があったとして、
その話を上手く話さない限り、
君は幸せになど
なってくれない

ひとつ、とても悲しい話が君に届くとして、
その話をどう話せば
君は、悲しくならないで
すむのかな

ここにひとつ、とても愛しい心があって
その心をどう話せば
君は、嬉しそうに
笑ってくれるだろうか

君が、君が、君が。

ずっとずっとそう考えて

ずっと一緒に歩いていきたい。
ボクが握りこぶしを震わせて


自分の世界を歩きつかれて休んでた
何日も、何ヶ月も、何年も。
若い足は細くなって
動かなくなってた

動かそうとしたら
涙が出てさ。
動かさなかったから
足、なまってて
力も、足まで届かない


でも、歩こうって決めたから


その激痛に耐えるユウキを
その上で地に立ちあがるチカラを
更に一歩踏み出すキセキさえ

ボクが握りこぶしを震わせて
つくってみせる

過去の弱さを
砕いてみせる




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歩くサボテン


「アノ子嫌い」

「その言葉が針」

「そうすると、誰も傷つくことはない」と。
「針があるって教えちゃうんだ」と。

「近寄ってくることはないから」と。

歩くサボテンは今日もそう言いました。

ある日違うサボテンが転校してきました。
そのサボテンは、蒲公英さんや紅葉さんと仲良し。
「針をあんなに持ってるのに…」

あのサボテンはなぜか悲しくなって転校生のサボテンに
言ってしまいました。
「サボテンのくせに、みんなと仲良くするなんて」
そして泣いて
かえってしまいました。

ある日転校生のサボテンは
怒った顔をして、あのサボテンのところに。
あのサボテンは小さくなって、うつむいてしまいました。
すると転校生のサボテンは言いました。
「サボテンは皆と一緒に居なきゃ駄目だよ」と。
「皆があなたのところにも、私のところにも寄ってくるのは
サボテンが持ってるものは針だけじゃないからよ」と
あのサボテンは、何を言っているのやら、と思い顔をあげました。
すると、ちゃぽん、という音。

「ほら、貴方も持ってる。」
乾いたときに潤す力。




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心の世界にさまよう少女


一人さまよう町で
少女はおびえながら泣いていました
全てが曲がりくねった形の町で
少女は助けを求めていました

そこは心という名の世界
迷い込んでしまった少女は
悲しく 泣くの

いつしか少女は見つけてしまいました
先が全く見えない
ぽっかり穴
この中に入れば
悲しみは収まるかしら

少女は入ってしまったのです

助けて
更に泣く少女

どうすることもできない
現実の町にいる少女

手を差し伸べて
くれる人を
現実にいる少女は
ただ
ただひたすら
待っている


『誰か…』




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宝を持つ勇気


戦って 戦って
それでも 負けて

今 全てに換えても
守り抜きたいものが
あるか

その思いから起こした行動が
悲しさを生むかもしれない
そう知ってしまったある日
大切なものを
持つ勇気をなくしてしまったんだね

そしてすこし大人になって
問いかけた

今 全てに換えても
守り抜きたいものが
あるか
どうか

勇気が出ない
そんなものを持つ前に
持つ手が震える
その震える手が大切なものを
落とさないか
守りきれるか
不安で 不安で

どうかその手に勇気を
どうか宝を持つ勇気を





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ボクからキミへの恋愛歌


微笑むキミに
手を預けて
ボクも微笑んだ

こんな気持ちになれることを
小さい頃から知っていたのは
裕福な心の持ち主ばかりが
ボクの存在していた場所に
たくさん居てくれたおかげなのかな

今手に手をとって歩こ
ボクがキミを守るから
今瞳に瞳を重ねて笑う
キミの笑顔が好きだから

幾千万の悲しみがボクを襲っていたアノ頃
感じなかった忘れてた微笑みを
幾千万の悲しみがキミを襲ったとしても
ボクがキミに届けるから

見返りを求めてもいいかな
ボクがキミを守るから
キミはボクが壊れないように
微笑んでいて

幾千万の悲しみがボクを襲っていたアノ頃
忘れてたキミがくれた幸せを
幾千万の悲しみがキミを襲ったとしても
ボクがキミに届けるから



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人の眼に宿る力


眼に宿る力は
幾千もの光を見分けられる
その光に託された思いが
また誰かの目に映る

ぽつりぽつりと明かりが灯り
しゅんしゅんと消えうせる
人の命という光を
誰が見失おう

誰が消えるのを止められよう

吹き消すことこそ容易かれど
もう一度
灯すことは
出来ぬという

人の目に宿るその力は
幾千もの光を見分けられる
その光が
たとえ消えうせようとも
人はその光を
見ている



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振り返れば巨大怪獣


穏やかに微笑むエリート青年
家族皆エリート
親が社長で家は大豪邸
頑張って良い大学行かなくても
青年の家にはお金はがっぽがっぽ

「お前はいいよなあ。
親、社長だし、
勉強したくなきゃいつやめて家ついでもいいし」

同級の愚痴に青年は穏やかに微笑んだ
「はは、いーだろー」

そう彼は何も苦労なんてない
何もしなくていい
青年は微笑んだ
青年は微笑んだ
また青年は微笑んだ

「…なんで誰も気づかないのかなあ」

青年が決して楽な道を選べない理由

青年は2番目の息子
家を継ぐのは、ひとつ上の優秀な兄

「お前、最近、勉強はどうだ?」
後ろから兄が話しかけてきた

振り返れば巨大怪獣

青年は微笑まなかった




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『こんな主人公にあなたもなって』


声に上げるこもなく
叫びを上げる者たちが
口を割るのはいつ
苦しいと叫ぶのは いつ

これが物語りなら
『苦しくても負けない良いコ』
良い話ねで終わるのに

子供たちは涙を流してる
声に出すこともなく
苦しいと叫んでる

これが物語りなら
『苦しくても負けない良いコ』
良い話ねで終わるのに


口を誰かにふさがれてる

苦しいと叫んでる

これが物語りなら
『苦しくても負けない良いコ』
良い話ねで終わるのに

子供の口を塞ぐ手にかかれた文字

『こんな主人公にあなたもなって』




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負け組みの行進


独りよがりの
勇気だったけど
僕は言った
伝えた

叫びたい衝動だけど溜めておいたんだ
これから先の動力源を残しておこうと思って

空は青い
道は広い
世界は
優しい

行こう
行ける

涙が出る日もあるだろう
今日のことを忘れなければ
きっと僕は進んでいける
伝えたんだ
僕の言葉を

笑顔で返してくれた彼女の返事
残念だったけど
正直ホントに欲しかった彼女の愛だけど
僕は何かが変わったはず

言うことが出来なかった今までの言葉
切り開いた開拓地で笑えるさ
負け組みなんて
負けて笑ったやつには似合わない言葉

歩いていこう



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命を刻む時計塔


時計塔の群れがあった
刻々と刻む時計塔の群れ
ひとつひとつ違う長さで
一刻一刻を刻む時計塔の群れ

その時計塔が刻んでいるのは

ひとつの命にひとつ
時計が命を刻む

ひとつの時計塔の
時計がさび付いて
止まった時計があった
カチン

群れの真ん中に
ひとつ
堂々とした大きな時計塔があった

ところどころさび付いて
弱々しい音で
命刻を刻んでいた

カチン

カチン

この大きな時計塔の命の主を
僕ら人間は壊そうとしている
地球を

大きな時計塔の終りが来たとき
周りの全ての時計塔が止まる



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僕の闇を負かす者たち


何が正しいのかわからない世の中で
自分が思う正しさをしていても
自分の闇に負けそうになる
「壊れちゃえよ」
この闇をいつでも負かすことができたら
僕はいつだって
誇っていられるのに

心は弱いものだから
強い圧力につぶれちゃうものなんだよって
誰かが言う意味が
最近ようやくわかってきたんだ
もともと闇につぶれていただけの心が
やっと
正義を認め始めた
それがどれだけ大切なことか
気づきはじめたんだ

だけど
闇はいつでも
やってくる
正しさを潰しにやってくる
そのとき
負けずにいられたら

って
思ったらね
いつもギリギリのところで
周りの人たちが止めてくれていたことに
気づいたの

気づいたの
僕の闇を負かす者たち




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感情に勝てず途中に変わる


積み重なった運命に
人の足は迷いながら歩く
その先に何があるか
知る由もなく

眼を見開くと
ある光景に
今微笑むこことができるなら
生があると実感することができるなら
それで
十分だ

その十分さえも
失うことが
ある

それを
目の当たりにしたのは
初めてだった

どう祈ればいいのかさえ
わからなかった

運命には勝てぬとわかっているのに
その日が来てしまうことを
それもまた運命とて
知るよしはなかったのだろう





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野良コ犬、狂犬病


夜に点された高慢な満月
お前が照らすものは
闇を愛する餓鬼共だけ
ひとたびヤツらに噛まれたら
ヂゴクを知る

街灯などに頼らずに生きる少年たち
ここは彼らが巣くうスラム
踊り狂うジャンキー
さあ
大人の手は届かない

    思い出せ
    誰が子供を手放した
    奴等に好きをさせたのは
       俺らに教育者を与えなかったのは


どこのどいつだ


夜に点された高慢な満月とこども達
餓鬼が吸う空気には
薬の臭いが強すぎる




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平行感覚


すぐに行き詰る
すぐに小さくなって下を向くんだ
そうさ君の癖

手を揺らしてごらんよ
均等を取るんだよ
歩くには
必要な能力さ

その日上手くいかなくても
このどしゃぶりの中
そのゆるゆるの土の上
歩いてきた君の平衡感覚は
最高さ

背負うものなんなのか?
愛情とか素晴らしいもの
たくさん背負えばいい
悲しみはちょっとした
アクセサリーだ

かばんをしょって
このどしゃぶりの中
そのゆるゆるの土の上
歩いてきた君の平衡感覚は
最高さ

その日上手くいかなくても
このどしゃぶりの中
ぼろぼろの靴の裏
歩いてきた君の勇姿は
最高さ




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筏を漕ぐ女


女の人が川を渡ってくる
何かを振り切るような
誰かに会いたいような
顔をして

必死で前を向いて
彼女は筏を漕いで
朝の暗く寒い冷気の中
白い息を吐くんだ

そのうち目に
大粒の涙を溜めて
だんだんそれが
あふれ
こぼれて

会いに来たの。

彼女が言った

濃い霧がずっとずっと
さえぎっていたその先に
見えた
黒い影
愛してるあの人

彼女の涙が一瞬にして止まる
黒い影
大人の男の
なきがら




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こたえはまだなんだ。


遠く描いた夢を失うこと
つかめなくなること
動けなくなること
彼は
思ったのだろうか

指に手に心に託した願い
彼は

同じ夢を追いかけていた彼に
心から祈りを

心から
敬服を

手を伸ばした先に必ずあると
つかめる日が来ると思って
此処まで来た筈
遠くまで
大切な家族を友達を置いて
彼は来た筈

そうしてまでも手に入れたかった
場所で
最高の条件で

この世を去ることが悲しいことだと
彼はきっと
知っていたと思う

夢をかなえたかっただろう
家族を幸せにしてあげたかっただろう

「何で彼が」って多くの声が君に言ってる
見てるだろうか
聞こえるだろうか
君を思い出す
人々の声
人々の涙



はやく

こたえが

見つかるといい

一人のクラスメイトとして

なんていったらいいかわからないんだ



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インスピ1


吹く風が少年の髪を揺らして
振り向く彼の顔を隠した

悪魔が笑ったような
口だけの笑みが見えた

もう一度風が吹いて
その影に
ひとつの
悲しみを見つけた

気づいてしまった
悪魔の涙

気づいてしまった
少年の瞳が髪で隠されていた
真実

悪魔の目の涙




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人口×無限=選択肢   (自分宛)


僕らの足跡は無数もあって
そのひとつひとつがさ
いろんな方向向いてんの
うろうろうろうろして
決めた先で
またうろうろうろうろして
決めていくの

あそこで右足が傾けた左に進んでいたら
きっと今と少し違ってた
たくさん選択肢がある中で
たくさんの人たちは
無限の方向に向いた足跡をつけていく

さっきの一歩の南と
今の一歩の南が
全く違う

「普通はこの道を行くならこうだろう」

よく言えたねそんなこと
一生懸命考えて踏んだ一歩に

色んな風が当たる中
うろうろうろうろして
何日も踏みつけた大地についた
無限の印の中のひとつしか
見てないじゃない

結果が
全てだと
思っちゃいけないよ



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信じられないこの子と私


過去に信じられない人が居ました
その人がね
友達の悪口を言うの
いつもは楽しく喋ってる相手にね
死ね、消えろ、いらない、って言うの
だから私信じられなくなって
その人が日記に書く愚痴
その愚痴の相手の名前を出さない文章
全部自分に向けられてる気がする
過去に信じることができない人が居ます
今もまだ
信じられない
その子がニタニタ笑いで暴言吐くこと知ってるから
信じられなくて 信じられなくて
でも一緒にいるからどうか 信じたかった
だけどね
アノ子言ったの
「お前は好きだよ」
信じたかった
でもね
知ってるんだ
違う子とのメールのやりとり
知ってる?
転送されてきたんだよ
私も
転送したけど
こうやってお互い信じられなかった
だよね? ―――――――ちゃん。
だから今もまだ私のこと日記で言ってるんだよね?
永遠に
続けるつもりなの?



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輪廻の銃


終わりが近づいている
僕に あなたに
聞こえるだろうか
遠くで 僕らに向けられた銃の音

昔 僕らの先祖が
いけないことをした
今もこの地のどこかで続いている
いけないこと

それをね
まだ憎しむ人が居るんだ
それは当然で
だけど
悲しい輪廻を生み出すよ

聞こえるだろうか
あの銃の音が
憎しみでいっぱいの
あの銃の音が
輪廻の銃が

どうか
僕らは
次の世代に
銃を渡さないで


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