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「なんじゃ!火事か!」 慌てたように叫ぶ老人の声。 揺らぐ視界に黒いタキシードを着た白髪の老人がいた。 老人は自分の傍まで駆け寄ってくる。 刹那、放たれる平手。「おい、小僧!しっかりせんか!」 ばしばしと平手を繰り出す老人の手を片手跳ね除けて、ぶたれた頬をもう片方の手で抑える「いって・・・ぇ」 抑えた手を持ち上げて、老人は捲くし立てる「痛いじゃないわ!どうなっとるのだ、あの火事はなんなのじゃ!」 そうだ。「水下さい、水!早くしないと・・・」 言い切ろうとしたところで老人は僕の口を抑えた。「わかっとるわ!」「ワシの名はセラフと申す。」 セラフは銀色に輝くナイフを取り出す「命無き物なら全て燃やし尽くして見せよう、火もそのうちに入るわ。」 彼のナイフに青い炎が揺らいだ。 火事は幸い他の家に燃え移っていなかった。 青い炎は燃え盛る家を捉え、段段と規模を増していく。「灰のひとつも残さんわ!」 なんと、青い炎の消えた後には銀色に輝くランス以外なにも残っていなかった。 火事は無事止んだ。 村人はセラフを称えたが、一人だけそれを良しとしない人がいた。「おい、セラフの旦那!」 家の持ち主、僕を刺そうとしたあの男である。「おらの家どうしてくれるだ!」「しかたないじゃろう、それに例え水をかけたとしてもあんな状態じゃ石壁以外何も残らんじゃろう」 セラフの正論に男はたじろいだが、それでも反論を続ようとした。「しかし・・・」「この小僧に聞いたが、この火事はお前の不注意で 議論は延々と続く。 他の村人が宥めても男は聞かず、ついには村長が動員されるまでの騒ぎになった。 しかし、温厚な老婆が二人の男相手に仲裁に入った所で現状はあまり変化しなかった 議論は延々と続く。「もし、おめぇがおらの家どうにかせん言うならお前の得物は返してやらんべ」 家の焼け跡に残った一本の巨大なランス。 それがセラフの泣き所となり、二人は村長の示した『セラフと男が協力して家を建てる』という案に辿り着く事になった。
2004.07.26
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「火事です!!水下さい!水!」あの時と全く同じじゃないか。様々な人が火の手を見て逃げる事をした。しかし、火を消すための水をくれる人はいなかった。逃げ惑う事しか出来ない人々。その人々を俺は憎みつづける。石造りの壁、木で出来た床。目を覚ました僕はその部屋の布団に寝かされていた。頭に血が上っていた僕を、男は鈍器で黙らせて村に連れてきたという。だからなのか僕の看病はその男に任されていたようで、狭い個室には自分とその男しかいない。男は黙々とかまどの炭をかき回しつづけていた「目、覚ましたかい」鍋がことことと蓋を揺らす音と低い男の声が聞こえる。(まずい!こいつと居ると僕はまず間違いなく・・・)(刺される・・・)「おい!聞いてるか!」心地よい空を切る音が頬をかすめる。後ろを見て確認した所、自分に向かって投げられた何かは火のついた炭だった。しかし、ここで暴れたら敵の思うつぼである。「そんなもの投げていいんですか」「床に燃え移らなけりゃ大丈夫だろ」床に燃え移った火は着々と勢いを増していっている。「床燃えてるじゃないですか!」「マジか!」このおやじも事の重大さに気づいたらしく、結構驚いている。「おい、おめぇ水もってこい!」まくしたてる男の言葉に呆然とする。なんの対策もなく炭をなげたのか、こいつは。「はやく!」男は再度炭を投げつける。「わ、わかりましたよ!水もってくればいいんでしょ」僕は炎が広がる部屋の入り口へ駆け出した。「火事です!!水下さい!水!」左右に広がる住宅街に、僕は叫びつづけた。あの家は運悪く住宅街の中心にあった。子供を抱えた誰かの母親、照りつける日差しに耐え切れずフンドシ一丁で寝ていたのだろうおやじ、様々な人が火の手を見て逃げる事をした。しかし、水をくれる人はいなかった。「火事だぞ!」脳の芯に響く少年の声まだ頭がガンガンとなる。「どうせ嘘だろ、もう少し案を練り直してから来い」
2004.07.24
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硝子細工でのあとがきが狂ってたんでこちらで少し補正します。一つ・終章の戦闘シーンが長すぎる。 ただ単純に戦わせるんじゃなくて謹さんの思想と罪にさいなまれる穂の葛藤を中心に思想を戦わせる感じにしたかったです。重い戦闘シーンの割にラストの心境描写は良くわからない上短すぎますし。
2004.07.22
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月影の踊る山道を走りつづけた。早くしなければ。義務感が僕を襲う。僕の一秒間でどれだけの人が死ぬのか?僕が一秒でも速く助けを呼ぶだけでどれだけの人が助かるだろうか?枝で足を引っかいても、ヒルが足に飛びつくのを捉えても月影の踊る山道を僕は走りつづけた。序章・『大河の源泉』ほの暗い土壁の個室素晴らしいガラス管から生まれた生命。完成品だ科学者達が歓喜する。新たな命自分。これで五人目か。一号の暴走は予定外だが、よくここまで来られたものだ・・・至急道灌殿に連絡しろ。(道灌?)「お~い」まぶしい陽光が僕を刺す。こんな誰とも知れない野郎の呼びかけに答える義務なんて僕には無い。気にせず睡眠を続ける「おい!」それにしてもよく分からない夢を見た。人がガラス管から生まれてくるなどありえない話である。「答えてくんろ~」(道灌?)自分の名前を思い出せない。故郷も。親の顔も。何もかもを。(あれ?)頭がズキズキとさすように痛む。まずは自分の着ているもの。袴に紋付の胴衣。かなり変な格好にたじろいでいる僕に、隣の水溜りが追い討ちをかける。自分の顔、とろりとした大きな目。「なんだ!この白髪は!」「僕はまだ若いぞ!」猟の帰りと見える男が呆れたようにこちらを見ている。「おめぇ、頭大丈夫かえ?」「いや、大分駄目だ。」慌てていたせいか、大分早口になってしまう。「おい、おちつけぇ。」田舎流の間抜けななまり言葉で心配されるとは僕も堕ちたものだ頭が真っ白になり、胸に正体の分からない不安感がこみ上げてくる。もう自分が何を言っているのか自分でもわからない。「そうじゃないんだ」記憶の欠落。消え去ってしまった自分「僕は誰だ?」
2004.07.21
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ええと、砂上の楼閣・前編、とうとう完成いたしました。題目は「硝子細工」。切れ方がはげしく中途半端です。後、日曜日はいよいよマリ見て第二期スタート。次回は動く山之辺が登場でもぉモエまくりですよ。
2004.07.07
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