この罪深き夜に

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●この罪深き夜に　　　　　　　　　　原作者：和泉桂
　メーカー：ムービック

　要キャスト：置鮎龍太郎・千葉進歩・風間勇刀・遊佐浩二・神谷浩史・野島健児
　　　　　　　　　福山潤・増田ゆき・近藤孝行・玉木有紀子・鈴木真仁　他
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　まさに大正ロマネスク。
ＢＬという呼称が存在しなかった時代に、よく使われていた『耽美』という
言葉を思い出しましたよ。

　時は大正時代。加えて潜在的逆主従モノ。さらに軍服モノとくりゃーー！
モウ！よっしゃあ！ってカンジでわっさわっさと勇んで聴きました（＾ｖ＾）むふ。

なにはさておき２枚組。モトデは５０４０円の品ですからね。
この金額でゲロマズだったらわたしゃ号泣ですよ・・・・^^;

　そんなわけで、あらすじをざっと語ると
放蕩と享楽にふける身内を持て余しつつも、華族の家柄を守り抜くコトに
心血を注いできた長男：国貴（千葉氏）は、１６年ぶりに使用人の息子
遼一郎（置鮎氏）と再会する。

昔、遼一郎と交わした幼き頃の約束を、今でも心に忍ばせている国貴は
その日以来、情愛のカタチとなって遼一郎を想う毎日。
そんな時、遼一郎が共産主義の危険人物という、軍の開示板を偶然読んだ国貴は
彼を助けるために、我が身のプライドも厭わず全てを遼一郎のために捧げようと
奔走するのだった。

ん。でぇこのあと、国貴は愛し焦がれる遼一郎のために、どぇれぇぇコトを
連発していくという無償の愛の伝道師へと変貌していくンですがな。。
もうびっくり仰天です(O.O;)

正直言うと、これはまず原作読んで聴くのが正しいのかもしれません。
で、この耽美な愛の世界に浸ってから、聴いたほうが許容度があると思います。
わたしは、どうしても国貴の思いもよらぬ行動が理解できなくて、なかなか
感情移入できなくてしんどかったです。

あんなに忌み嫌って、絶対コイツには遼一郎のコトは知られたくない！
って思っていたにも関わらず、遼一郎を助けると決めたとたんに、あっさりと
元同級の浅野（風間氏）の言われるままカラダを開いてしまう国貴が、どうも
納得できませんでした。

とにかく国貴は、遼一郎至上主義者みたいなンですよ。
彼の前にはもはや、家柄も軍も自分の命すら全く存在しないのです。

一方遼一郎も遼一郎で、国貴至上主義者なんですが、自分の置かれた状況の中で
その想いは言葉にすることなく、２人の関係は続いていきます。

国貴の愛は、自分は騙されてるのか？と思ってもそれをあえて受け入れて
ひたすら遼一郎を信じていく無償の愛。
遼一郎の愛は、どんなコトをしても国貴を守ろうとする拝跪な愛。
とにかく長い長い２人の愛情交差ドラマなんですよ！まるで完全昼メロBL版。

しかし！このストーリー性に疲れてしまって、１枚目を聴き終わった段階で
『今日はここまでにしよう』とうっかり２枚目を聴くのを中断してしまうと
彼らの世界を理解することは絶対できないと思います。
たとえついていけない～この世界～(T_T)と思っても、２枚目まで一気に聴くこと！
原作未読者は、絶対コレは約束して頂きたい！（笑）ほんっとマジで！！

なぜなら２枚目のラスト近くに、今まで理解できなかった国貴の行動や
遼一郎の不可解で中途半端な行動の全てが、２人それぞれの長い長い長すぎる
心情の吐露合戦で解明されるからです。

推理モノの謎解き手法の引用か？（笑）
とにかく２人とも、過去から現在に至るまでの心の軌跡を語る語る！！
それで、はあ、なるほどそうゆうワケがあったのね。みたいな？
なので、国貴や遼一郎の人と成りが、最後にしてやっと判りました。

いやーー、久しぶりにコンだけ疲れるBLCDも久しぶりでした。
濃厚な聴き応えは充分あります。好きずきは人によると思うけど。

それで、ですね。脇役なのに国貴の家族がすンごいンですよ！！
なんていうか、色欲の限りを尽くしてる麗しきインキュバス！４２歳の父親
冬貴（神谷氏）とか？淫蕩に耽る悪しき次男：和貴（野島氏）とか？
そんな身内にもめげず明るいムードメーカー三男：道貴（福山氏）とか？
父親の４６歳の愛人：伏見（遊佐氏）とか？

な。。。な・・・なんじゃこりゃぁあ！！というとンでもなく破天荒な一家で
びっくりでした。だけど。声を充ててた声優さんが。
全員すっっっっっ！！っっげぇ良かったです！キャラの持つイメージとピッタリ！
なんつうか、モウ、たったコレだけの出番で国貴の家族のキャラを掴んでるのが
驚きました。たぶん、いろいろ隠し持った何かがありそうなご一家でございました。