「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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富士登山競走
一 出発
「富士山が、すごい!」
籠坂トンネルを抜け、和己と夏緒里の声に南方を振り仰ぐと、溶岩の一つ一つが確認できるほど間近に赤富士が屹立していた。
4時きっかりに、高橋さんが迎えに来てくれた。246バイパスの五竜の滝あたりで西方を見ると、暗闇に黒く浮かぶ富士山頂に向かって、登山小屋の明かりが瞬いていた。
「父さんは、これからあの頂上まで走るんだよ。」
吾子と自分に言い聞かせた。数年前、北村さんの完走記を読んで憧れを抱いた。昨年、高橋さんの顛末記を読んで挑戦を決めて以来、走破する目標として仰ぎ見続けてきた富士山頂に挑む日が来たのだ。
1時30分に目覚め、夢うつつに2時30分の目覚ましを聞いた。すぐに起き上がり、ストレッチをするが、頭はボーとしたままだった。
「これからドラマを始めるんだ。」
自分に言い聞かせ、緊張感を高める。ついにこの日が来たんだ。
3時から、30分間かけて朝食をとる。朝のお勤めもすます。
麦ご飯大盛り(ゆかり、黒ごまをたっぷりかける) 梅干し 豆腐の味噌汁モロヘイヤ・トマト(母の無農薬栽培)目玉焼き バナナ
和己と夏緒里が、妻の作った朝ご飯をリュックに入れた時、玄関のチャイムが鳴った。
浅間神社の杜が前方に見えたところで左折して、富士吉田市のメインストリートに出る。
しゃれた街路灯の続く、いい道だ。ここを駆け上がって浅間神社に入ってから本格的な登山競争が始まるんだな。鳥居をくぐった所で、不意に胸の動悸に襲われる。今から2時間後に、自分の限界に挑むんだ。
商工会議所に駐車させてもらい、眠っているはるかちゃんを残して、50メートルほどしか離れていない富士吉田市役所へ歩く。5時20分到着。和己と夏緒里は、朝ご飯を食べ始める。予定より10分も早い、5時50分に受付が始まる。笑顔の応対に心が弾む。
「高橋さん、子どもをお願いします。和己・夏緒里、生きて帰ってくるからね。」
6時30分からほとんど歩くペースで1kmほどアップする。富士山頂へ続く登山道が、くっきり見えた。待っていてください。今から行きます。
二 再会
中庭で、ようやく北村さんの姿を見つける。
「調子はどう?」
「昨日、25キロジョギングした後、中学生に誘われて2キロを7分14秒で走ったんですよ。 その時は、かえって疲れが抜けたと思ったんですが、やっぱりだめです。体が重い。」
「前日に走ったの。俺は、最近仕事が忙しくてあんまり走ってないんだ。杉山君、目標は3時間 半かね。」
そう問われ、目標タイムを設定していなかったことに気がついた。とにかく完走すること。そして、気力で完走できる自信があった。だからこそ、まったく調整せずいつも以上の距離を踏んで今日を迎えた。
7時から開会式。優勝旗返還に拍手した後、スタート地点に移動する。すでにかなりの人が並んでいた。
「この辺で大丈夫。流れに沿って、キロ5分30秒で行けば、馬返しに1時間で着くよ。」
もう少し前に行きたかったが、北村さんと離れたくなかった。駿府ハーフマラソンのように、馬返しまでは北村さんに引っ張ってもらいたかった。次々に並ぶ人で、立っているのがやっとの状態。ストレッチしようと体を動かすと、周りの人の汗がべっとりとつく。凄い日差しだ。スタートまでの20分間を、異様に長く感じる。気持を高めるどころか、憔悴してしまう。スタートラインに移動して余裕が出来たら、北村さんと並ぼう。
三 出走
「スタート5分前です。」
「1分、早いね。俺の時計、時報に合わせてあるんだ。」
「その分、制限時間を負けてくれると助かりますね。」
周りの人のつぶやきに、ユーモアでで答える。
「スタート1分前です。」
結局、スタートラインに移動せず、その結果、北村さんと並ぶことなく、7:29にスタートの号砲を聞いた。
「おいおい、押すなよ。転ぶぞ、危ないじゃないか。」
隣の人の言葉通り、人混みをかき分けるように歩き始める。すぐに走り出すが、吾子と高橋家の姿を見ることはできなかった。やはり体が重い。キロ5分をやっと切るくらいのスピードか。
後続者に抜かれるに任せる。おかしいな、北村さんが来ない。何度も前後左右を確認する。それにしても暑い。もう汗ばんできた。肩はもとより、足にまで玉の汗をかいている人もいる。飛び散る汗を避けながら、建物の影を走る。声援が嬉しい。笑顔を返す余裕があるが、これは走れていない証拠でもある。5合目コースの選手も応援してくれる。有難い。鳥居をくぐった辺りで、流れに乗る。国道に左折し、抜きつ抜かれつしながらようやくレースを感じることができた。
浅間神社へ右折、杉木立の緑陰と清涼な空気に力を頂く。参拝者の声援、登山者の姿、うぐいすの声、力のみなぎるのを感じる。登山道に入ってすぐ、懐かしい笑顔が飛び込んできた。
「杉山さん、ここからです。」
高橋ご夫妻の、ランナーにしかできない心のこもった声援に、胸を熱くする。吾子の姿を探すと、
後ろ向きで遊んでいた。
「おとーちゃーん、どんどんぬけー!」
しばらくして、声が後押ししてくれた。けれど、今回は純粋に自分との戦い。限界への挑戦、順位は関係ない。
ここから馬返しまでは「平常の走力がものを言う。」そして、「馬返しからは、込むので無理して走っても同じ。歩く。これで空気にも慣れる。」高橋さんの反省を反芻する。追い抜いていくランナーに暫くついてペースアップを図る。苦しくなるたびに、自分に言い聞かせた。
「走れるのは、馬返しまで。ランニングの苦しみを味わえる間は、目いっぱい走ろう。」
中の茶屋の給水で、水を口に含む。周りにつられて背中に水をかけたのは失敗。諏訪の森自然公園の緑のトンネルの中では、冷たさを感じるだけだった。勾配が急になり、舗装の亀裂が目立つにつれ、歩く人が出始める。苦しい。歩いてしまおうか。でも、どんなにゆっくりでも歩くより速い。
「馬返しまで走れば後は歩ける。後は得意の山歩きが待っている。1時間でつくはずだから、後 15分くらいの辛抱だ。」
切れかける気持ちを、必死で励ます。それからは、時計と自分の足下だけ見て走った。腰が重い。これは修行だと思い定め、体を丸めて前傾姿勢となり、腕振りに専念する。1時間が過ぎ、前方を見上げ、延々と続く蛇行する人並みに失望する。しかし、いくらなんでもあと5分走れば休め(歩け)るはずだと思い直す。
四 馬返しから 1時間2分57秒 11km 670m
上から給水所の人の声が聞こえたとたん、元気が出た。
ほとんどの人が、立ち止まって飲み食いしている。コップ半分の水とレモン二切れで喉を潤す。念のために干ぶどう一掴みも口に含んだが、噛んでいるうちに消化不良が怖くなり、半分吐き出した。
全員歩き始めたのを見て、気分が楽になる。思った以上に体調がいい。俺は、山歩きは得意なんだ。狭い道を2列で歩くが、前の人の横が空くとすぐに追い抜き、走れるところは、すべて走った。ふるさとを歩く会や香貫山ランのお陰だ。多様性に富んだ樹木と土砂そして美味しい空気、クロスカントリーを満喫する。
学生時代に友と二人、トレイルバイク(ホンダXL250)で夢中で走った道を、20歳も年をとったにもかかわらず、気持ちよくランニングできる喜びに浸った。登るほど、空気は美味しく景色は美しく、そして体調はよかった。給水所で、水を一口とレモン二切れを、口に含みゆっくりと味わう。5合目と書かれた表札のある小さな小屋に惑わされることもなく、順調に登った。急勾配の葛折のインコースの岩盤を手を使ってよじ登ることで、十数人を一気に抜いた。それで息が上がることはなく、かえっていい刺激となった。沢山のランナーを追い抜くことで、自信を深めた。
五 五合目から 1時間55分46秒 15km 1480m
いきなり視界が開けたと思ったら、舗装路に出る。しばらく走ると観光客の姿、上の方で沢山の人の声がしてきた。再び登山道に入るとすぐ、五合目の給水所に出た。係の方々、登山者・観光客そしてサポーターたちで和気あいあいとした雰囲気。どのランナーも立ち止まり、むさぼるようにバナナ・レモン・梅干を選んで食べている。数秒立ち止まり、一口の水・2切れのレモン、笑顔と声援で疲れを癒す。
低い灌木を小走りで登り切って見上げると、燃える富士の全容が迫ってきた。溶岩の土砂に足をとられ、これからの道行きに不安を覚える。その時である。高橋さんの笑顔が目に飛び込んだ。
「杉山さん、いい調子。ここから、苦しくても歩き続けて下さい!」
「有難うございます。絶対完走します!」
ペットボトルを返しながら、様々な思いが湧きあがった。
「明日、よろしくお願します。」
「実は重美さん、走れないの。」
「・・・?!」
前日、打合せのためにかけた電話の陽子さんの言葉で、初めて高橋さんの不参加を知った。
「それじゃあ、明日は一人で行きます。」
「どうせ、参加賞をもらってから家族で遊ぶから、一緒に行きましょう。」
無念さを微塵も感じさせない高橋さんのいつも通りのハイトーンは、ひどいがらがら声だった。
それならば、5時過ぎに家を出ても十分間に合うはずだ。それを、ランナーに合わせて4時に出発してくれたのだ。
「ああ、記録無し。6秒足りず」「もう一度来るぞ」「八合目 記録無し、山頂 来年の楽しみ」
高橋重美著『富士登山レース初参加顛末記』を読み返し、完走への思いを深めたのだった。
感動の、涙がまったく出ないほど、止めどなく汗が流れていた。一足ごとに土砂が動くのと、炎暑と水分不足と疲労で、千鳥足になる。何をやっているんだ俺は、まるで酔っぱらいだ。自嘲しながらも、立ち止まることだけは強く戒める。休憩中の登山者の声援が嬉しい。足元だけを見て、ひたすら歩く。抜かす人がいないから、流れに乗っているのだろう。
ようやくガレ場に別れを告げ、大きな溶岩の重なり合った急勾配に出る。待ってましたとばかり、手を使ってよじ登る。これで直線のコース取りが出来、次々に登山者とランナーを抜く。楽しい、絶好調だ。数軒の登山小屋が、好意で水を用意して下さった。その美味しかったこと。水と笑顔と声援がそのまま走る力になることを、初めて体験した。ほんの少しだが走って時間を稼ぐ。しかし、再びガレ場になると、思うように歩けず、体力と気力を消耗した。
六 八合目から 3時間27分35秒 19km 2630m
わかっていても、疲れ切った体と心に、延々続く山小屋の同じ標識は残酷だった。それでも本当の八合目は、声援のお陰で、かなり低い地点からわかっていた。心は元気でも、体がついていかず、多くのランナーに抜かれた。登山者にまで抜かれそうになり、流石に気力を振り絞って足を早めた。
「300番、301番・・・。」
順位を聞いて、更に急ぐ。320番くらい(312位)で通過する。
「もう1キロ(本当は2キロ)走れば、30分で頂上だよ。」
時間を確認して、4時間を切ることは諦める。ここから走れるはずがない。それでも、そこから数人抜いた。
しかし、ここに来てまさかのガレ場。覚束ない足取り、体力は消耗し、気力は憔悴し、意識は朦朧とした。ランナーに抜かれるに任せながら、完走できるという自信も無くしていった。ただ、頂上でスポーツドリンクを飲むことだけが楽しみだった。ジョギングパンツのポケットの中の500円玉だけが、レースの生命線になってしまった。
八合目から30分が過ぎたところでたまらず頂上を探した。鳥居だ!もしかしたら、あそこが頂上?頂上に違いない。足の回転はそのままだが、完走できるという確信に、気持ちの切れることを防ぐことが出来た。そして最後の階段を夢中で駆け上ったのか、それとも足を引きずるようにしてようやくたどり着いたのか、とにかくゴールした。
あれほど強く思い続けてきたにもかかわらず、達成感や感動が湧いてこなかった。強いてその時の気持ちを言葉にすれば、苦痛からの開放感か。すぐに、飲物を求めて走った。
七 頂上そして下山 4時間8分20秒 21km 3006m
迷った末に手にしたスポーツドリンクを味わって飲み干す。係の人から頂いた紙コップ一杯の水を少し手にこぼして、あまりの冷たさに我に返る。ここは、冬の気候なんだ。ランシャツ・ランパンは、あまりに無防備である。完走の感動に浸ることも疲れを癒すこともなく、数分の滞在で下り始める。
すぐに雲が切れ、眼下に樹海と河口湖・山中湖が広がる。あれが、登山者の言っていた、「二つの湖が同時に見える」絶景なんだ。砂走りとは違う、石と砂の蛇行路を、埃を上げて走る。自分よりずっと先にゴールしたランナーたちをどんどん追い抜きながら、1時間ちょっとで五合目に降りる。おむすびと荷物を受け取り、バスへ。すぐに高橋さんに報告したかった。
車中で、6年連続完走(3時間40分代)・ハーフのベスト1時間20分・50才の方と隣り合わせ、話が弾む。バスを出ると、うだるような暑さだった。完走賞をもらい、市役所中庭で一緒にうどんを食べて別れる。
公衆電話を探し、高橋さんの携帯電話の番号を押す。
「市役所の横のNTTにいます。今、どちらですか。」
「みんなで、市役所の玄関にいます。」
高橋さんにお礼と完走の報告をしながら、レースを昨日のことのように感じていた。
帰りに降り出した雨は、御殿場高原ビールで本降りになっていた。
「あれが富士山?」
様々な方角に現れ、吾子を惑わす夕刻の富士は、青く静かにたたずんでいた。
八 結果
砂煙を上げ、雄大な景観を俯瞰して駆け下りながら、このまま景色の中に飛び込んでもいいと思った。
昨年は、和己との親子マラソン優勝・夏緒里との読書感想文コンクール特選・朋美さんとの作文コンクール特選と、支援者として最高の年だった。今年は、駿府ハーフマラソン1時間24分・小笠掛川マラソン3時間13分そして、富士登山競争完走と、自分自身に最高の栄誉を与えることができた。もう思い残すことはない。
小学2年生の時初登頂し、須走小学校教諭として児童を引率して泊りがけで2度登頂して以来の富士山頂は、土産物屋と人並みだけが記憶に残った。あまりに突然にゴールし、感動を味わう間もなく下山ランニングを始めてしまったからだろうか。3006メートルの高度差と急激な気候や景色、体調や気持ちの変化に、感情が適応することが出来なかったのかもしれない。
来年は、4時間を切ることを目標に、体調を整え、余裕を持ってレースを味わいたい。そして、登頂の感動を噛みしめたい。
第53回 富士登山競争完走記(5合目打ち切り)2000年7月25日
1:30に目覚め、夢うつつにストレッチ。2:30の目覚ましを聞いてようやく起き上がる。
3:00から、ゆっくり朝食。
玄米どんぶり1杯 味噌汁(豆腐 とき卵 岩海苔)キュウリのおしんこ トマト バナナ
名古屋国際マラソンの高橋尚子の走りを見ながらストレッチングをする。4:30に玄関を開けると、智祥さんが立っていた。夜来の風雨も小康状態に入ったと安心して空を見上げると、雲間から青空と月が輝いていた。朝焼けを見ながら、気分も晴れ上がってきた。陽子さんが入院したため、お子さんに別れを惜しんだ重美さんも到着して、4:40に出発する。
昨年は、夏緒里と和己と赤富士を愛でながら、初参加の初々しい気持ちで富士吉田市役所に向った。しかし今年は、あの時の高揚感がない。4時間8分のドラマを反芻するたび、不安にさいなまれた。(あの苦しみを再び乗り越えることができるだろうか。)
智祥さんに受付を託し、駐車する。3人でゼッケンをつけながら、挑戦できる幸せを感じる。不安が緊張へと変わる。6:00からバームを飲み、ウォーミングアップ開始。昨年同様、いやそれ以上に体が重い。食べ過ぎを後悔しながら歩くごとく2キロほど走る。
「7:00から、開会式です。選手の方は、ご集合下さい。スタート時刻は、7:30で す。」
「あれ、スタート時刻7:00じゃなかったんですね。」
「何であんなに焦っているのかと思いました。」
重美さんに笑われてしまう。まだ1時間ある。余裕をもって支度をする。
「富士山頂、雨、風速20メートル。」
ラジオの音声を聞き不安になる。5合目で中止にならないで欲しい。
昨年は、北村さんと開会式に出た後で、誤りながら割り込んで前に並んだ。開会式をキャンセルして、智祥さんと3列目に並ぶ。立錐の余地も無かった昨年と違い、15分ほど待ちながらウォーミングアップをする。
「スタートラインの幅は7メートルです。ここを通らないと記録がでません。歩道に出て いる人は、中に入って下さい。」
係員の声の後、どっと押され、身動きできなくなった。結局昨年同様そのまま15分ほど待つことになる。
「天候不順のため、山頂コースは、5合目までになります。」
「えー。そんなーばかな。ひどいよ。行かせてくれよ。」
スタート5分前の放送に、どよめきと悲痛な声が上がる。
「なんだ、それじゃあこんな荷物無駄だよ。」
リュックを背負った智祥さんが嘆く。
「きっとペースが速くなりますね。」
気を引き締める。
「今年は、旗で合図をします。ゆっくりスタートして下さい。」
何を呑気なこと言っているんだ。ゆっくりできるわけないよ。それに旗なんか見えるわけないじゃないか。
結局、合図がわからないまま先頭の動きに合わせてスタートした。
体が重い。後続ランナーに抜かれるに任せる。キロ5分くらいか。最初のコーナーを曲がり、登りに入ると更に体が動かなくなる。浅間神社までの辛抱だ。3度目のカーブを曲がり、浅間神社の杜に入ると、期待していた通り体が楽になる。木々の精霊に感謝する。
ようやく流れに乗ることができた。火照った体に雨が心地いい。給水を取り、少しだけ口に含む。ここから道が狭まり、勾配が急になる。再び抜かれだす。前を見れば気が遠くなり、人を見れば惑う。ひたすら足元と時計を見る。1時間5分までには馬返しに着く、そこまでの辛抱だ。前方に人の声。まさかと思って見上げると、そこは馬返しの給水ポイントだった。 馬返し 1:00:02 365位
昨年 1:02:00 532位
ここでも水だけを飲む。通過タイムと左腕に書いた昨年のタイムを確認する。歩き出した人たちを小走りに抜く。樹林が道を覆っているためあまり濡れることはないが、かなり降っているのだろう。道がぬかるんできた。泥流になる前に登ろう。ここから本当の登山レース。空気が更に澄み、全身に気力が漲る。
土が泥になる前に、石畳に出る。雨脚が強さをまし、石畳や岩盤の上を水が流れ始める。
全身ずぶ濡れになる。 3合目 1:20:37
山気が高まり、靄が立ちこめ、道が流れと化す。しかし、天候の悪化に伴い、気分は高揚する。道が平坦になると、肩に翼が生えたように体が軽くなる。全速力で走り、面白いように先行者を追い抜く。道は奔流となるも、心は快晴である。
雷鳴が轟くに至り、恐怖を感じる。早く着かなければ帰れなくなるのではないか。さらに足を速める。急流に流されないように注意しながら車道を横切り、登山道に分け入る。人声に力を得、大きな達成感とともに5合目のゴールラインを通過した。
5合目 1:48:34 284位
昨年 1:55:46 387位
立ち止まると、寒気がした。稲妻光り、雷鳴轟く。すさまじい強さの風と横殴りの雨が、ランニングシャツランニングパンツ姿の体温を奪う。荷物の受け取り場所へ、全速力で走る。疲れや足の痛みはまったく感じなかった。おにぎりをもらい、受け取り場所に行くと、トラックから荷物を降ろしている最中だった。動いていないと震えが来るため、荷物を降ろすのを手伝う。もどかしさと寒さを防ぐため、トラックの荷台に入り作業しながら自分の荷物を探す。あまりの荷物の量に、無力感に陥る。寒さに耐え切れず、荷物を諦め、シャトルバスの発着所へ走った。
第54回 富 士 登 山 競 走 2001年7月25日
赤富士
2:45起床。寝床でストレッチングをする。21日にふるさとを歩く会の友と箱根十国峠を越えてから3日間、早朝の10キロジョギングのみだったので、腰の痛みがとれた。疲労も回復していることを祈る。
3:30から朝食。
麦ご飯(すりごま、ゆかり) 梅干し 目玉焼き モロヘイヤ トマト バナナ
4:35、母に運転してもらい、夏緒里と和己と共に家を出る。裾野から富士が見える。山梨では、赤富士。5:40富士吉田市役所へ到着すると、6:00からの受け付けが始まっていた。入念にストレッチングをして、1キロほど和己と一緒にゆっくりジョギング。ストレッチ後、ヴァームを飲む。
出走
7:05スタートラインから3列目に並ぶ。和己に来てもらい、羽織っていたTシャツを渡す。昨年不評だったのだろう、旗の合図でなく、武川富士吉田市長のピストルの合図でスタートする。出場3度目にして、初めて体が軽い。1キロ4分ちょっとのペースか。沢山のランナーに抜かれるが、まったく気にならない。左折して浅間神社の門前町を登る。いつもながらの大声援が嬉しい。過去2回は、この坂を苦しみながら走ったが、今回は、ある程度スピードに乗って気持ちよく走る。
浅間神社の杜に入る。相変わらず抜かれるが、美味しい空気を胸一杯に吸い込んでニコニコペースを守る。このレースでは、集団に引っ張ってもらっても、あとで多くのダメージを受ける。完全なマイペースが求められる由縁である。諏訪ノ森自然公園エイドステーションで水を飲み、足と首を冷やす。 36:32/7km
森林
森が深くなり、空気はますます美味しい。ウグイスの声もする。しかし、勾配が急になり、息が荒くなる。しかし、苦しみながら走り続ける。まともに走れるのは、馬返しまで。ここからの4キロは修行だと思い定め、路面を見つめ続ける。止めどなく流れる汗を、首筋や腕にぬって体を冷やす。このペースなら、55分くらいで着くかもしれない、着いてほしい。馬返しからは、歩けるのだ。しかし淡い期待だった。58分を経過したことを確認して、それ程失望することもなく、前方に目を向けると、視界が開ける。沢山の声が聞こえると元気が湧き、ラストスパートのようにして、目標タイムより1分遅く、馬返しエイドステーションへの階段を駆け上る。
1:00:13/11km 標高差670m
樹海
バナナ、干しぶどう、梅干しなどには手を伸ばさず、レモン8分の1と水を走りながら飲む。整地された道が有難い。ここから5合目までが最も楽しいレース。山の冷気を吸い込むと、体は軽く、気分がハイになる。狭い登山道で歩き始めた人たちを、斜面伝いに抜く。ここから5合目までは殆ど抜くだけだったが、広島県の国体選手大畠修子さん(昨年、安部友恵と見間違えた)は、1度抜いたが、歩き始めたところで抜き返された。最短距離をとるために、手を使って岩盤をよじ登る。高山の木々の葉は日光をほどよく通し、明るく透明な空気をつくる。山気高まるにともない、呼吸が楽になる。おいしい空気と美しい新緑の中、気力がますます充実する。勾配が緩くなると、すかさず走る。車道に出たところでランナーとなり、安部友恵を抜き返し、目標より1分早く5合目のエイドステーションに着く。 1:47:50/15km 標高差1480m
登山
お礼を言いながら紙コップを受け取り、ゆっくり口に含む。そして体にかける。暫く樹木の中を走ると、溶岩のガレ場に出る。ここからは歩き続けてもいいんだ。気持ちが楽になる。石が動くので、一歩一歩体重を乗せ、前のランナーに着いて歩く。ここから登山道、沢山の登山者に混じり、うきうきした気分になる。風に乗って吹き上がり来る霧が心地いい。汗が殆ど出なくなる。1時間登ればゴールか。なんのことはない。暫く登って勘違いに気付く。2時間だった。それでも失望はなく、2時間の登山を満喫しようと思えた。
大きな溶岩が重なり合った急勾配に出ると、手を使って最短距離をよじ登りながら、ランナーと登山者を抜く。2軒の山小屋で水を頂く。甘露とはこのことか。再びガレ場に出たところで、安部友恵に抜かれる。声援から女子で2位であることがわかる。その後、一人か二人女子ランナーに抜かれる。ここまで登ったた人だけができる、心のこもった声援が嬉しい。一人一人にお礼を言う。山小屋の10mほどの平坦な道を走っていたが、あとで立ち眩みがしてからは、歩きに専念する。そして、目標より4分早く8合目のエイドステーションに着く。 3:12:16/19km 標高差2630m
山頂
「さっき、8合目を通過しましたよね。」
あまりに呆気なく着いたので不安になり、後ろのランナーに尋ねる。仰ぎ見れば、石造りと思いこんでいた白木の鳥居がさわやかに立っていた。一昨年、意識が朦朧として千鳥足となり、登山者にまで抜かれた路を、ゴールを見据えて一歩一歩踏みしめる。声援から、女子5位のランナーが迫ってきたことを知り、後押しされるように、最後の階段を駆け上がり、充実感に満たされて、目標より17分早くゴールした。
山頂 3:42:49
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