月下美人の語り草

月下美人の語り草

らぐなlock 第8話


アイラはリハビリも兼ねて街中を散歩していた。

アイラ「・・っ・・・ん~~~!いい天気ぃ~♪」

大きく伸びをしつつ快晴となった空を見上げた。
まだ陽が昇りきっていない。正午まであと1時間といったところだろうか。
今は冬とはいえ日差しが暖かく、気を抜けばウトウトとできそうな陽気である。
まぁ大地の守護とやらが関係しているのもあるのだろうが。

アイラ「たまには買い物にでも行こうかな~♪」

鼻歌まじりに市場に向かって歩き出す。
と、すぐにここ最近で知り合った街人と顔を合わせ挨拶を交わす。

街人「ようアイラちゃん♪今日も元気そうだなw怪我はもういいのかい?」
アイラ「あ、おっちゃんおはよ~さんw怪我ならもうバッチリだよ♪」
街人「そうかい、そいつぁ良かったwしかし国の兵士なんてしてると怪我が多くて仕方ねぇやなぁ。」
アイラ「あはは^^;まぁそうなんだけどね。でもほら、私ってじっとしてられないからw」
街人「わっはっは!違ぇねぇなw」

・・・このオヤジと知り合ったのって一昨日じゃなかったか?
ホントに人見知りのしない奴である。
まぁこれも長所なのだろうな。ある意味才能と呼べるかもしれん。

アイラ「さて・・んじゃ買い物にいく途中なんでwまたね、おっちゃん♪」
街人「おう!気ぃつけてな!」

オヤジと別れ再び市場へと歩き出した。
市場までは1km程しかなく、散歩にはもってこいの距離だと言えよう。
アイラは市場につくまでの間、夢見ごこちで買い物の想像をしているようだ。
うむ。女の子らしい一面だな。

アイラ「何買おっかな~・・アクセサリもいいけど・・。やっぱり武器かな?防具も欲しいなぁ~♪」

・・・女の子の買い物にしては色気が無い想像だとは思わんか?
もっと他にあるだろ!オシャレな服とか可愛い靴とか!キレイな宝石類とか!!

アイラ「使わないからいらない。(きっぱり)」

・・・・・現実的なのねorz
もっとキミは夢を見たほうがいいョ・・・。若いんだからサ・・・。
そうこうしてるうちに市場についてしまったようだ。

アイラ「んじゃまずは防具からいってみよ~!」

元気良く防具屋の扉を開く。カランカラン・・と来客を知らせる鈴が鳴った。
中は思ったよりも明るく、天井から魔力で造られた明かりが周囲を照らし出している。
棚には様々な鎧や盾が展示されている。奥には試着室まであるようだ。

店長「いらっしゃい!さぁうちは他よりも良い品が揃ってるよ!是非なんか買っていってちょうだい!」
アイラ「へぇ・・結構たくさん種類があるのね。」

アイラは商品に近づいていった。
すぐに気に入ったものがあったようで、笑顔のまま値札に目を向ける。
・・・1分経過・・・
ふっ、と硬直から脱した彼女は頭を振り、深呼吸して次の商品へ『ぎぎぃ~~』と不自然に身体を向ける。
そして変わらず笑顔のまま商品を見定めては値札を見て硬直、という行動を繰り返している。
うむ・・・やはりそうか。

アイラ「あのぉ~・・・これって値引きできません?^^;」
店長「う~~ん・・時間帯によっては5%とか10%値引きする時もあるけど・・今は無理だねぇ。」
アイラ「・・・・・ですよね。また来ます・・。」
店長「あいよ!また来てくれよっ!」

カランカラン・・。肩を落とし店を出るアイラ。
鈴の音が非常に寂しく聞こえる。
・・・金、貯めなきゃな・・・。

アイラ「・・・うん・・。」

この調子だと武器もアクセサリも同じだろうな・・・。

アイラ「・・・きょ、今日は散歩よ!散歩にきたのよ!」

うむ。それが正解だろうな。
多少無理矢理ではあるが気持ちを切り替えることは重要だ。
では広場の方にでも足を伸ば・・・!?

どっごぉぉおおおんんん!!!

・・・爆発音か!?
市場の奥の方から聞こえたようだ。

アイラ「・・・ッ!!」

ダダダダダダダッ!!!
アイラは現場と思われる場所に駆け出した。
爆発となればただ事ではない。下手をすれば死傷者もいるかもしれないのだ。

アイラ「・・あそこねっ!」

現場周辺には人だかりができている。
野次馬のせいで中の様子が見えない。

アイラ「ちょっとどいて!・・お願い、どいて!!」

野次馬をかき分け、なんとか突破する。
アイラは一息ついて辺りを見回した。
お店の残骸やパンが散乱しており、もはや無事なものはほとんどない。
しかし・・爆発音がしたと思ったのだが、跡らしきものがまったく見当たらない。
代わりに人影が一つ・・佇んでいるのが見える。

アイラ「あれは・・・?」

アイラは慎重に近づいていく・・・。
近づくにつれて人影は二つだったのに気づく。
そばに来るまで分からなかったのは、もう一つの人影が倒れていたからだ。
佇んでいる人影がだんだんはっきりしてきた。
人影も近づくこちらに気づいたようだ。
振り返るその姿は・・・。

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