THE GOLDEN GATE

THE GOLDEN GATE

LSH2001 ネタバレ注意!



2001年9月7日 大阪厚生年金会館

「HIRO in LITTLE SHOP OF HORRORS」

2001年9月7日、大阪厚生年金会館にて千秋楽である。
この作品は99年の前回、西川貴教氏が主演した時にも見に行ったので、今回も楽しみにしていた。
おもしろい作品である、と言うのもあるが、なんてったって主役のシーモアを貴水博之氏が演じるのだ。
…何か大いなる力が働いているんじゃないか、と思ったのは私だけではあるまい。(笑)



このミュージカルの筋はこんな感じである。

ニューヨークのダウンタウン、スキッド・ロウにある「ムシュニック花店」に勤めるうだつの上がらない男、シーモア(貴水博之)は
ある日奇妙な植物を手に入れる。
どの植物図鑑にも載っていないその花に、彼は憧れの人である同僚の女性、オードリー(久宝留理子)の名をとって「オードリー2」と名付けた。
(ちなみにこの時点でオードリーには歯医者の彼氏、オリン(岡幸二郎)がいる)
ある日閉店の危機に追い込まれたムシュニック花店。
「もう明日から来なくていいぞ」と店主のムシュニック(Bro.TOM)に言われた従業員二人は、
起死回生の道具としてオードリー2を店の売り物にして行く事を提案。
そんなもので状況が変わるか、といぶかしむムシュニックだったが、どう言う訳かこの花が有名になり店は急に繁昌し出す。
シーモアも有名人になり、このお陰でムシュニック氏から養子縁組をしてくれと頼まれる(と言うかアレは脅迫だ…笑)羽目に。
ところがこの花、実は言葉を喋り、人を喰ってしまうとんでもない花だったのである。
シーモアをそそのかし、彼の成功を約束する代わりに人を次々と喰っていくオードリー2。
サディストだった歯医者のオリン、
そのオリンをシーモアが殺害したのではないかと疑ったムシュニック、
そして最愛の人オードリーまでもが花に襲われて死んでしまった。
(しかも事情を知った彼女は「私が死んだら花に食べさせて」といってお亡くなりになる)
シーモアは遂に花を倒す事を決意する。
しかし鉄砲の弾も猫いらず(鼠駆除剤)も効かない。
外は頑丈でも中から攻撃したら効くかもしれないと、鉈を手に花の中へ飛び込んで行くシーモアだったが…。
ラスト、世界中に花が増殖して人を襲っている事が告げられ、舞台は終幕する。

…なんだかこういう書き方をするととても深刻な話のように思えてきた。(笑)
でも、これはあくまでコメディなのだ。
素敵な歌がたくさん出てくるミュージカルなのである。
雨の中大阪まで出かけていった訳だが、今回もやはり見ていて楽しかった。
…ホラーなくせにコメディで、素敵な歌の宝庫で、
(劇中でコーラスを担当する「ガールズ」が素敵だった…)
主役よりも「サディストの歯医者」の方がある意味カッコよくて(大笑)
さらにラストがハッピーエンドじゃないのにどうしてこんなに面白いんだろう、ってぐらいだ。(笑)

ちなみに私が特に楽しみにしていたのが主役が珍しくかっこいい歌(笑)「突然シーモアが!」(SUDDENLY SEYMOUR)だった。
この曲はシーモアの諭すような調子の低音から始まる曲で、徐々にオードリーの高音が入ってきて、
二人の声が混じりあって響いていく素敵な曲である。
間違いなくこのミュージカルの見せ場の一つだろう。

一般的に知られているように、確かにヒロの高音域の声は「クリスタルボイス」である。
多分世間の人のヒロの印象は「ハイトーンのボーカリスト」だろう。
…しかし低音域の声も素敵なのだ。この人は。
まあ歌う事を生業としている人だから魅力的な音色の声であって当たり前なのだが(笑)イイ声をしているのだ。実に。
それが満喫出来るのだからファンにとってこれほど嬉しい事はない。

他に気がついた所をあげると、今回のキャスティングは普通に(笑)身長差があるので、前回のようにシーモアがこの曲のラストで座り込む時、
「さり気なく」一段高い所に上がらなくてもよかったのが笑えてしまった。
(前回のシーモアさんはねぇ…そこにいるだけで情けない空気を醸し出していたからね…。背が低かったし顔可愛いしで。
もちろん歌うと凄いんだけど、歯医者のオリンとのシーンでは「おいおいヒロインが二人いないか?(笑)」とか思ってしまった…)

あと思ったのが、ヒロインのオードリーは「高い声で可愛らしく喋る女の子」という人物設定なのだな、と言う事で。
前回も今回もオードリー役の役者さんは頭のてっぺんから出ているような声で台詞を喋っておられたし、
仕種やなんかもとても可愛らしかったからそう思ったのだが。
(ラジオの特番で聞いた久宝留理子さんの地声が、確かに可愛い響きだけれどそんなに高くなかった事からの考察)



さて、ここで前回と演出などを比較してみよう。
台本と歌詞、舞台のセットは前回と同じ物を使っていた。
かの松本隆氏がお書きになった台本と歌詞である。
前回公演のパンフレットによれば、氏は「歌としてより完成したものを目指した」
ということで、
そう言われれば確かに普通の「歌」として聞いて違和感のないものだったと思う。
英語などいわゆる西洋のクラシック音楽で使われてきた言語だと台詞から歌への移行が比較的スムーズにできるのだが、
(「台詞を喋るように歌う」唱法がオペラにあったりするし)
現代の日本語はその構造上からか、違和感のない移行が難しいようだ。
だから日本語のミュージカルが嫌いだ、と言う方がいらっしゃるんだろう。
(ちなみに古代の日本語は今よりも音数が多かったらしいし、貴賎老少問わず「歌」を詠える文化から、
もしかすると喋り言葉と歌(音楽)は案外近い所にあったのかも…?閑話休題)

そう、件のパンフレットの事だが、
「事もあろうに」と言うべきか「いやありがちじゃん」と言うべきか(笑)
ヒロの経歴の所にあったかつての相方、大ちゃんの名前の表記が間違っていた。
「浅倉大介」と言う名前は「朝倉大介」「浅倉大輔」などよく間違った表記がなされるのだが、
御多分にもれず今回も「朝倉大介」と書かれていたのである。(笑)
パンフレットを刷ってしまってから間違いが発覚したらしく「訂正とお詫び」が挟んであったが、
大ちゃんの名前が妙に目立った形になっているのが笑えた。(笑)

また、衣装はいわゆる「アメリカンテイスト」の物だった。
前回はシーモアを演じたタカノリさんが衣装をデザインしたので黒を主体とした未来的な印象の物だったが、
多分これが元の設定に戻った形なのだろう。
(まあ前回も違和感はなかったが…と言うより「そういうもんだ」と思って見てたな…(笑)
シーモアについて言えば、一幕目が赤いチェックのシャツにグレーのTシャツ、膝に穴の開いたジーンズにスニーカーだったが、
二幕目は青いチェックのシャツに濃紺のチノパン(?)だった。

さて、最も大きな違いは音である。
前回は音響監督を浅倉大介氏が務めたので、編曲は全て彼が手掛ける形だった。
だからセットの下手側上部の楽器ブースにはシンセサイザーやシーケンサ-が置いてあって、
それを操作するマニュピュレーターさんが詰めておられた…と記憶している。
しかし今回は生のバンド演奏だった。(これも原形に戻ったんだろうか??)
前回の、それこそ会場内での音の鳴り方にまで気を配って作られた大ちゃんのバージョンもよかったが、
舞台上の熱気とバンドマンの熱気が直に伝わってくるこちらのバージョンもなかなかステキだった。
特にギターの方が一歩前に出てソロを気持ち良さそうに演奏していた曲では、曲が終わったあとに思わず彼に向かって拍手してしまった程である。
(ライブ感覚だったな…アレは…笑)


次は演出面での違い。
まず、前回は幕前にあったBro.TOMさんの「前説」(笑)がなかった。
前回の公演では始まる前、ムシュニック役のTOMさんが登場して舞台を見る上での注意を述べ、
また「ダウンタウン(スキッド・ロウ)」と言う曲で、観客もちょっとしたフリ(笑)をして舞台に参加してほしい旨を言いつつ観客をいじる(笑)
…と言うのが行われていたのである。
当時TOMさんが出演されていたフジテレビ系列の「LOVE LOVE あいしてる」という番組で前説を担当していた事から、
このちょっとしたイベント(笑)をやっていたんだろう。
今回もあったら面白いのになぁと密かに期待していたのだが、番組が終了してしまって
「LOVE LOVE あいしてるで前説をやっている」という前フリが使えなくなってしまったせいか(笑)
今回は東京、大阪公演共に行われなかったようだ。残念である。(笑)
…その代わりなのかなんなのか、冒頭の「ムシュニック花店」のシーンで「最終日にしか来ない客!」とムシュニック氏は毒づいておられた。(笑)

「突然シーモアが!」の部分は1で書いた通りである。
シーモアとオードリーの身長差が普通にあるキャスティングなので(笑)シーモアがさり気なく一段高い所に登る事もなく
曲の終わりで二人が同じ段に腰を降ろして寄り添う形になった。
ちなみに前回はその後二人がキスしていたのだが、(注:角度でした…笑)
今回は私の席からは寄り添うだけのように見えた。
…あれはどうなっていたんだろうか??(いや何だか気になって…笑)
何せ今回2階席の最前列で、「何だか業界関係者ちっく??(馬鹿)」とか思いながら眼下を見下ろしていたので、なんとも言えないのである。
ただ、そのあとの「従業員二人のラブシーンを目撃した」ムシュニックさんの台詞の中に「キス」という単語が出てくる事から、
台本ではあそこで二人がキスをする事になっているのではないだろうか。
(ちなみに前回公演の時、物陰から出てきたムシュニック氏がいきなり「ドクターペッパー」を飲み始めて、
なかなか切っ掛けになる台詞「そうか、そういうことだったのか」を言わなかったので、
「普通キスしててこれだけ長い時間何も動きがないのはおかしいだろ」ぐらいの時間を従業員二人は固まる羽目になっていた。
客席からは忍び笑いが漏れてたな…(笑)



さて、演出でもっとも大きな変化があったのはラストの曲「フィナーレ」のあたりである。
前回はシーモアが、ピストルの弾も「猫いらず」も効かないオードリー2を倒すべく
鉈を持って花の中へ飛び込んだ後、しばらくむぐむぐやっていた花が
「ぺっ」と鉈だけを吐き出して、シーモアも食べられてしまったことを観客に示していたのだが、今回はその「ぺっ」がなかった。
(前回この鉈の「カランコロンカラーン」という音が妙にリアルだったな…)
で、「フィナーレ」の時、ステージ前方により大きくなった花が出てくる。
この花の体に穴が開いていて、前回は「ガールズ」以外のキャストがそこから顔を出して歌うようになっていた。
今回はどうなっていたのかというと、この穴から顔を出したのは上手からオリン、下手からムシュニックの二人だけ。
主役二人はどうなったのかというと、オードリーはステージセンターより少し上手寄りの花の背後からツルに絡まった状態で吊り上げられて登場し、
シーモアは花本体の後ろから、その背に飛び乗る形で飛び出して、鉈を振りかざしつつ歌う、という形だった。(やはり体にツルが絡んでいる)
前回よりはドラマティックな、見せる演出である。
しかしシーモアがどうなったのかが語られないままなので、終幕後観客の中から
「シーモアは結局どうなったんだ?」「生きてるの?死んでるの?」という声が上がっていた。
…確かにちょっとあれはわかり難かったかも知れないなぁ。
前回の「全員花から顔出しで歌う」よりはドラマティックだったけど、喰い足りない(オードリー2か…笑)気分の方もいただろう。
ストーリーを知っている私もちょっと物足りなかったし。

そう、その前に、花に襲われて死んでしまったオードリーを、彼女の望み通りに花に食べさせるシーンがある。
シーモアはオードリーを横抱きにして…いわゆる「お姫様抱っこ」で花のところまで運び、
大きく口を開けた花に食べさせるのだが、流石に今回の貴水シーモアはふらついていなかった。
前回の西川シーモアは自分とほぼ同じ背丈の人を運ぶとあって、少々大変そうだったが。(爆)

さて、割れんばかりの拍手の中、アンコールは2回行われた。
2回目が終わってここでいったん客電(客席の灯り)がついたが、なおも鳴り止まない拍手にキャストの方々は再度舞台に登場してくださった。
これぞ本当の「アンコール」である。(笑)
2度目のアンコールの時にはなんとヒロ、いつもライブのラストで放つ言葉
「愛してるよ!」を言ってくれた。
しかも「客席に向かってひざまづいて、両手を広げた」いつもの形で。
歓喜するHIROファン&私。(笑)
こちらこそありがとう!って感じだった。
ああ、そう言えば久宝瑠理子さんの名前を連呼される男性が一階席の真ん中あたりにいらっしゃったが…ファンの方なんだろうか??
妙に気になって仕方なかった。何せ必死で叫んでらしたから。(笑)
すべての終了は21時07分。

しかしあれだけアドリブを飛ばし、一幕目の終わりが8時だったのにも関わらずこの尺に入ってしまうのは凄いな、と思った。
長い舞台をやっていると時にアドリブを飛ばしすぎて時間が延びることがあるのだが、流石プロ、といったところか。
ただ惜しいのは、台詞が回りすぎて聞き取りにくいところが多々あったことだ。
発音がはっきりしてなかったシーンが多かったような気がする。
まあ見ていた席が2階だったこともあるのかもしれないし、台詞が体に入ると早口になりやすい、
ということもあるのかもしれないが、ちょっと勿体無いな、と思う。

でも…その辺を差し引いてもやっぱりこの舞台は面白かった。
東京公演行きたかったなあ…行けなかったけど(汗)
舞台は日々進化していくものだから、東京公演の最初の感じと千秋楽ではえらい印象が変わっていたんじゃないだろうか??
その変化を楽しむのも舞台の醍醐味だから、惜しいことをしたもんだと思う。
でも、楽日だけでも行けてよかった。ヒロが演じるシーモアを見られて、何より久しぶりに彼の歌が聞けて、嬉しかった。
(生きてる彼を見られるだけでも有難い…はは)

☆ヒロに贈られていたお花
ソニーミュージックエンターテイメント(レコード会社)
GuanBarl(所属事務所)
TUBE
春畑道哉さん
乃木涼介さん
清水エスパルス 森岡隆三選手
(彼のご友人がヒロのスタイリストだそうな)

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