「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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daybreak and twilight
九章「十字架を手に」
十字架を手に
雷「なんかの間違いみたいだな」
ルカ「・・・なんかそれはそれでむかつくぞ?雷」
自分でも思うほどなのに雷王牙に言われてルカはふてくされる。
“能力”を知っているものならルカを見ると誰もが思うことかもしれない。
“能力”は自分を意味するもの。淵と言えば、暗い者をイメージするはずだ。
ルカは正反対と言っていいほど明るく天真爛漫なため、疑いの目を持つのも仕方が無い。
暗闇。
さすが森の中と言ったところか、夜の月を木が遮り辺りは真っ暗闇だった。
わずかな光は、炎だけ。
静かな音に紛れる紅の炎に焼かれる薪の音がよけいに周りを静かにする。
飛鳥「・・・うるさくするなよ」
御影「へ?」
飛鳥「うるさくするなと言っている」
御影「オレは静かだ!!」
その怒鳴りに「うるさいぞー」と言う声が遠くから何回も響く。
御影「くぅう・・・お前のせいだぞ!!」
隣にいる無口少年に小声で言う。
だが、無視。
御影「お~い?お~い」
さっきと同じ音量で喋りかけてみる。
だが、また無視。
御影「ば~か・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・聞こえてない?」
御影「お前のせいだぞ!!!!」
大声でチャレンジ。
御影「・・・あ」
********************
ルカ「なんかあいつら・・・似てんな」
雷「誰に?」
白「僕達に・・・か?」
遠くにいる賑やかな飛鳥達を前に三人は喋りだす。
ルカ「おう・・・何か・・・似てる」
雷「そうか?俺は全くの別人だと思うけど」
ルカの言葉に、雷は心底嫌な風に言う。
白「・・・、・・・!!」
ルカ「っつ!!」
雷「ぐぁ!!何だ!」
少しの沈黙の後、大きい殺気の威圧感が三人を襲う。
ルカ「っだ・・・誰だ!?」
*******************
異変に気付いた飛鳥、御影、佐奈、神楽はロウの元へ。
飛鳥「・・・誰か・・・来る?」
岩石が落ちる音があちこちに広がり、地は揺れる。
ロウ「ああ・・・まさか“死神”か!?」
村人「ロウさん!“死神”のウィリアです!!」
御影「うぃ・・・りあ?」
佐奈「話は後!!行くよ!」
*************************
「さぁ~・・・今回は派手に殺っちゃおっかな~」
ルカ「っ・・・!お前・・・その“翼”・・・」
ルカ、雷、白、蓬莱がいち早く駆けつけ、その翼を見て言う。
黒い翼。
ウィリア・リュッシュベルは、顔の右側が竜の顔だった。
黒い翼は酷く欠けて、飛べないほど。
この者が、“死神”の一人。
ウィリア「あ~ら・・・何その顔・・・」
雷「っつ・・・!テメェ・・・ここから去れ」
驚いた自分の顔を見て不愉快な顔で言ったウィリアの言葉で正気に戻り、雷は言う。
ウィリア「いやよ・・・せっかく此処まで来たんだもの」
蓬莱「雷・・・戦うしかなかろう」
雷「っち・・・そうみたいだな」
四人は武器を構える。
笑顔になったウィリアが、手を前に差し出す。
そして見る見る内にその手は“怪物の手”になった。
ウィリア「ふふ・・・驚いたぁ?」
言葉を口にした後、豹のような速さでこちらに向かってくる。
白「僕の力は・・・守りの力・・・」
どんなに速くても、ここまで来るには多少の時間がかかる。
それを推測した白は詠唱を始める。
白「白く儚き“羽”・・・その刹那、我に力を・・・」
どこからか降ってきた雪は重なり、壁のようになっていた。
ウィリア「フン・・・小癪な!!」
ウィリアがその壁を貫く。すると雪はウィリアのその腕についた。そして、結集。
ウィリア「・・・っつ・・・」
白「ごめん・・・『散雪』」
その雪は雪は砕け、ウィリアに襲い掛かる。
ウィリア「っっうああ!」
雷「っち・・・女を傷つけんのは・・・気がのんねぇな・・・だがな・・・やるしかねぇ・・・」
雷が持っていた斧を上にかざす。
雷「多分・・・こうでいいんだよな・・・・・・雷竜・・・ちっと力貸してくれや・・・」
そして雷の頭上から雷をまとった竜が現れる。
雷竜「呼んだか新たなる主人・・・」
ウィリア「・・・!それ・・・その竜・・・!」
雷「おいおい硬直するようなトコじゃねぇんじゃねぇ?
・・・雷竜・・・あいつに裁きを!!」
雷竜は空を舞い、雷を召喚する。
無数の雷はウィリアを目掛けて攻撃を与える。
直撃を受けたウィリアは断末魔ののように叫ぶ。
ウィリア「ッチ・・・!!!さすがってトコね・・・でもさぁ・・・あたしも竜人なんだよね」
そういうと、雷竜の雷の時と同じように、両手を大地の方へとかざす。
ルカ「雷竜みたいな攻撃してくんのか!?」
蓬莱「おそらくは・・・よし集まれ」
理由も言わない蓬莱の所へ理由もなしに集まる。
すると蓬莱はウィリアに対抗するように手を前へ。
雷「お前・・・何を?」
蓬莱「攻撃は守ればいいだろう?」
いつも動かさない顔を無理に笑うように動かす。
ウィリア「大地よ!!」
蓬莱「天よどうか・・・」
大地が揺れる。そして、まるで予感していたかのようにルカ達の周りを覆うように付近の大地にヒビが入る。
それに余裕を持つように遅れてルカ達の上にリングのような光が。
蓬莱「悪いが・・・貴様の行動は分かりやすい」
リングは素早く球体になり、ルカ達を覆う。
そして森の天井へと動く。
ウィリア「・・・ふ~ん・・・でもさ・・・あたしの地の力はどんな高さにで も有効だし・・・なにしろ、ずっとそのままのつもり?」
ルカ「そこまで言うなら・・・届かないところまで送ってやる」
雷「は・・・?・・・まさかお前・・・」
ルカは浮き続ける球体の中でゆっくりだが、詠唱を始める。
球体の足場の所には弱弱しい魔方陣が薄く現れ、引き続き詠唱を始める。
ルカ「淵・・・よ・・底な・・・し・・の奈落・・・よ・・的に“悪夢” を・・・」
するとウィリアの足場にも魔方陣が。
ウィリア「っつ・・・!何よ・・・接着剤でも仕掛けてあるわけ?」
魔方陣は足と大地を縫いつけ、動けないようにする。
ルカ「淵・・・あーーー!!もうメンドイ!!おい“淵”を司る神!どーでも いいからこいつに悪夢をみせてやれ!!!」
途中から投げやりになったにも関わらず、魔方陣から手が出てくる。
黒い手。
細い手。
長い手。
なんと言っていいか、形容しにくい物体が出てくる。
ウィリア「う・・・!何よこれ!!」
その言葉にも答えず、手は竜人を奈落へ引きずり込もうとする。
「こんな所で死んでたまるか!」と言い、ウィリアは手を切る。
あっけなく切れてしまった。
そして、粉のように散ってゆく。
ルカ「っあぁ・・・無理かよ・・・」
雷「お、おい!ルカ!」
雷がさっきの手のように倒れこむルカを支える。
ウィリア「・・・何なのよあんた達・・・!」
蓬莱「・・・降りるぞ」
ゆっくりと降り始める。そしてリングのようなものを召喚し、それはウィリアの両手首を留める。
ウィリア「・・・」
雷「おい。なんか言えよ」
長い・・・かな?
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