冷凍庫物語。

冷凍庫物語。

04.廃墟



04,廃虚
赤い物の正体は薔薇だった。
そしてその薔薇の向こうに僕の目指していた城があった。
その城はさっきみたより古く感じる。
あちこちが崩れていて、蔓などが所々にくっついていて、城というより廃虚に近か
った。
僕は目の前に広がる、迷路のような薔薇園を抜け廃虚のような城に近づいた。
一歩、また一歩と歩くたびに心泊数が上がっていく気がした。
こんな大きな建物を見るのは、東京○ィズニーランドのシンデレラ城以来だ。
てっぺんまで見ようとすると、首が痛くなるので止めた。
兎に角、前を見てずんずん歩いた。
すると、黒っぽい重々しい扉があった。何年も開けられることがなかったらしく、蔓
があちこちに垂れ下がり、深緑色の苔が至る所に目立つ。
少し、否、かなり怖かったが僕はその扉を開けるために取っ手に手をかけた。中から
何が出てきてもいいように身構えつつ。
そして、何年間も開けられる事の無かった扉がギシギシと音を立て 開いた。 
手を見ると赤茶っぽく変色していた。匂いを嗅ぐと鉄臭かった。
気を改め、中を覗くと予想外に明るく、内部がよく見えた。
窓の多い作りらしく、月明かりが窓から差し込んでいて明るい。
建物内部がよく見えたが、ほこりを被っていて真っ白かった。
中央には大階段。天井には高級すぎるシャンデリア。そして、ダンスホール。
ふと僕の目を引くものがあった。それをよく見る為に僕はそれに近寄った。
それは少女の肖像画だった。
少女と言うには大人すぎ、大人と言うには幼すぎるような美しい絵が描かれていた。
髪は白色に近い金で、少しウェーブが掛っている。
そして、外人特有の高い鼻に深い深い海のような青い瞳。
僕はしばらく見いってしまった。



プラウザのバックでお戻り下さい。


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: