あまあまの館

あまあまの館


 差


なんで大佐ってこんなにでかいんだ。
オレは前を歩く大佐を見てだんだんイライラしてきた。
狭いうえにこんでいるせいか、まったく前が見えない。
「大佐ー!!」
少し開けた所に出るとオレは声をはりあげた。
「どうした?鋼の?」
驚いたようにオレの顔を見る。
「オレが前を歩く!!」
そう言いきって前に出ると、後ろで声をだして笑っている。
「なんだよ!」
「いやいや・・君はまだ成長期なんだからこれから伸びるさ」
笑いながら言う大佐に、腹が立って先へと進む。
なんだよ、少しばかりオレより背が高いからって!!
「牛乳を飲めば伸びるのじゃないかい?」
「きらいなんだよ!それに飲んで伸びるなんて、確証があるのかよ!」
オレはあの味を思い出して首を振った。
「そんなことを言ってるから、伸びるものも伸びないのだよ、鋼の」
「うるさーーい!!よけいなお世話だ!オレは飲まないぞー!!」
後ろを向いて叫んだ時、人の波に押されて大佐とぶつかってしまう。
「あ・・・大佐わりぃ」
「かまわんよ」
いつのまにやらまた混雑した場所に出てしまったようだ。
「すごいな・・・これは先に進めるかな・・・?」
オレが通れずに困っていると大佐はオレの手を掴んでにっこりとほほえんだ。
「大佐??ちょっちょと手離せよ!!」
大佐は無視してさっさか道を進んでいく。
あれ?
そういえばこんなに込んでるのに、オレは人にぶつかることなく歩いてる。
大佐を見ると、オレが人にぶつからないように、はぐれてしまわないようにと
気をつかって歩いているのがわかる。
そっか・・・さっきもこうやって歩いてくれてたんだ。
少し進むとようやっと道が広くなる。
「大丈夫だったかい?鋼の」
黙るオレに少し心配そうに顔をのぞきこむ大佐にオレはプイッと顔をそむける。
こんなところにも、こんなに差があることを思い知らされる。
大佐は大人でオレはやっぱり子供なんだ。
「鋼の・・・」
突然ぎゅうっと大佐に抱きしめられる。
驚いてじたばたあばれるが離してくれそうもない。
「君はいまのままでいいのだよ、無理することはない」
なんで考えてることがわかったんだ。
そんな顔したのか大佐はにっこり笑うと
「君のことはおみとうしだよ」
そういうとそっとおでこに口付けた。
大佐から離れると、今度は恥ずかしさから、目を合わせられなかった。
そんな様子をみながら大佐はほほえんだ。
オレだっていつか・・・必ずこの差をうめてやるからな!!
そう決意したのが分かったのか大佐は声をだして笑った。
「君は本当見ていてあきないな・・・」
「バカにしてんのか?」
「ほめてるんだおよ」
大佐はさらに笑うとオレの手をとり歩きだした。
オレは今度は抵抗せずにそのまま歩き出す。
少し素直になってみようと心の中で思った。
きっと大佐はそれを知ったらまた声をだして笑うだろうな。
ゆっくりと大佐の横を歩く。
恥ずかしくて顔はやっぱり上げられない。
だがはっきりと、大佐がまた笑ってることがわかる。
チェ!これも”お見通し”かよ。











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