あまあまの館

あまあまの館





「鋼の!!好きと言ってくれないか!!」
「はっ?!」
突然、宿の自分の部屋にあらわれたかと思ったら今度は大佐はわけのわからない
ことを言い出した。
オレはまさしく口の塞がらない状態で大佐をみつめる。
「いや、鋼のこれには深いわけがあってだね、聞いてくれ!!」
オレの横に座ると真剣な顔で話し出した。
なにか言う前に大佐はペラペラと話し出した。
「鋼の今日私は中尉たちと私と君がいかに愛し合っているか、話したのだが」
「ちょっと待てなんについて話したって?あたりまえみたいに変なこと言うな!!」
オレが立ち上がって怒鳴ると大佐は、まあまあとオレをなだめる。
「話しは最後まで聞きなさい、それで私はいかに私と君が愛し合っているのかを話したのだがね」
たらたらと話す大佐を無視してオレは本を読み始めた。
永遠と続くばかな話にオレは内心のムカムカをおさえた。
どうせなにを言ってもやめはしない。
オレはわざと声をだして本を読んだ。
「鋼の聞いているのか?!」
聞いているわけがない。
「・・・で?結局なんなんだよ」
一向に話しが進まないのでしかたがなく、話しを進める。
「ハボックが私の一方的ではないかと、信じてくれないのだ!!鋼のみんなの前で私達が恋人同士だと証明してくれ!」
冗談じゃない。
「ハボック少尉が正しい」
オレは即答した。
「わかった・・鋼のではこうしよう」
なにがわかったのかは知らないが、大佐は目を輝かせて言った。
「牛乳と私どっちが好きだね?」
これにはオレもがくっときた。
飲み物を飲んでいたらまちがいなく吹き出していただろう。
「何言ってんだよ」
「大事なことなんだ鋼の!!」
「アホか!!あんたは!なんで飲み物と量りにかけてんだよ!!」
さすがの大佐もうーむと唸ると、なにやら考えだして
「ではどうしたら、好きとみんなの前で言ってくれるかな」
そんなこと言えるか!!
ただでさえそういうことを言うのは苦手なのに、人前なんて冗談じゃない。
「鋼の?」
「オレは嫌だぜ!!絶対に言わない」
きっぱり言いきると大佐は落ちこんでうつむくが、オレは知らんぷり。
嫌なものは嫌だ。
なんだだいたいそんなこと証明しないといけないんだ?人に知られる必要なんてないだろう。
「じゃあせめて・・・私のことを名前で呼んでくれ!!」
「は?」
「恋人同士なんだそれくらい、いいだろう」
うーん
オレはしばらく考える。
「でもさ・・やっぱり軍内で呼び捨ては、まずいだろ?一応上官だし」
オレは素朴な疑問をなげかける。
大佐は少し考えると
「じゃあ・・・2人きりの時だけでいいから」
とがっかりしたように言った。
「たく・・・しょうがないな、わかったよ」
「本当かい?約束できるね?」
「ああ」
「じゃあさっそく呼んでくれ!」
「へ?」
まさか、そうくると思ってなかったオレは目を丸くする。
嬉しそうに待つ大佐にとても嫌とは言えない。
ううー。
こういう状態だと・・・たいしたことじゃなくても言いにくい。
「・・・ロイ」
小声でボソッと照れ隠しにいうと、大佐は聞こえないとわざと言った。
聞こえてるくせに。
オレは顔を赤くしてうつむくと、さっきよりは大きい声で「ロイ」と呼んだ。
「鋼のもう少し大きい声で、呼んでくれないか?」
「わかったよ!!“ロイ”これでいいだろう!!満足か!!」
オレはプチンときて怒鳴る。
大佐は満足そうに笑う。
「エド、これからは2人きりの時は名前で呼び合えるね・・嬉しいよ」
そっと大佐に口付けされる。
オレは顔を赤くしたままうつむいた。
ん・・・?あれ、まてよ?
「なあ、みんなにオレたちのこと証明したかったんだろ?だったら2人きりの時だったら意味ないんじゃないのか?」
大佐は見るからにギクリとした顔をして目線をそらす。
まさか・・・?
「あんた・・まさか」
疑いの眼差しでみると大佐は
「さて、そろそろ仕事の時間だ帰らなければ」
「仕事ってあんたこんな時間に」
見るからにあせっているのがわかる。
やられたと確信した時はすでに大佐は立ち上がっていた。
「ではエド!これからは2人きりの時は名前で呼び合おう!!」
早口でさかさかと扉の方へと行く。
「・・はかったな」
「では、また明日!」
俺の声を無視して大佐はさっさと行ってしまった。
・・・しばらくして、いまごろ大佐は上機嫌で口笛でもふいているだろう。
「完全に・・・はかられたーーーー!!
オレのくやしげな声が部屋の中に響くだけだった。



おわる

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