ホラー中毒者

ホラー中毒者

死を宣言された動物達のSOS

私が一緒に働いているNさんの娘さん(以下N娘さん)が動物病院で働いていらっしゃいます。
すでにお嫁にいっているN娘さんの家には、動物がたくさんいるそうです。
その子達は皆、動物病院で行き場を失った子、安楽死を言い渡された子達です。
しかし引き取られた子達は皆、N娘さんのおかげで今は幸せに暮らしています。



インコちゃんとの出会い
とあるペットショップの裏にあるゴミ箱から「ピーピー」「バサバサ」と音がします。通りがかったおばさんが不思議に思いゴミ箱を開けると、飛ぶこともままならない程弱ったインコが5羽捨てられていたそうです。おばさんは慌てて知り合いの病院に届け先生が治療をしてくれたのですが、5羽中4羽は残念ながら死んでしまいました。生き残った一羽は生命力が強かったようで奇跡的に一命を取りとめ、N娘さんが家に持ち帰り大事に育てたところ、今では生意気に指を噛んでくるそうです。

チワワちゃん1号との出会い
N娘さんの友人は、地元で有名な大手ペットショップの一階に構える動物病院に勤めています。近年チワワがとても流行になりました。その時代にペットショップでは不幸なチワワがいました。この世に生まれたその時から自由な意志を持つことを許されず、ただ一つの役割のためだけに誕生させられたチワワでした。彼女の役目はただ子供を産むことだけ。屋内から出る事も許されず外の世界を知らないまま、そのチワワは8回出産しました。年齢は7歳を迎えた時、ペットショップにとって「出産ができないチワワ」は用無しとなったのです。安楽死を言い渡されたチワワはN娘さんの病院に連れて来られました。N娘さんはあまりに可哀想な生い立ちを知り、チワワを引き取ったそうです。初めて見たそのチワワは某CMのチワワとは似ても似つかない程、強張った恐ろしい顔をしていたそうです。ロボットのように育てられてきたチワワは表情がないのです。オモチャを与えてもそれが何か理解できません、今まで見たこともない物ですから。しかし他の犬達と戯れ・・たくさんの愛情を注がれて、今ではとても愛らしい表情で幸せな老後を過ごしているそうです。

チワワちゃん2号との出会い
こちらも某ペットショップ病院の話から始まります。
友人の病院に食事もろくに与えられずに育った小さな小さなチワワが持ち込まれました。小さなチワワは生後4ヶ月にもなるのに、大きさは手の平に納まる、まるで子猫のようでした。栄養をほとんど摂取できていないため、ガリガリに痩せ小さく震えていました。某ペットショップ病院の先生はチワワを診察し、N娘さんの友人にこう告げました。「餌を与えられずに育ったからこの体では生きてはいけない。安楽死だ」と。友人はその結果がとても辛かったのでN娘さんに相談しました。N娘さんはもう一度自分の病院の先生に診て貰うことにしたのです。すると、診察結果は・・確かに栄養不足だが、治療していけば問題なく生きていけるとのこと。N娘さんは、小さなチワワを自宅で引き取ると先生に言いました。最初のうちは「食べる」ことに慣れていないのか、餌に少し口を付けるもののすぐに寝てしまいました。すると翌朝パタリと倒れてしまったのです。慌てて病院へ連れて行くとやはり栄養失調とのこと。無理にでもご飯を食べさせないといけないと言われたので、今では毎日餌付けの日々だそうです。小さな小さなチワワは今も小さいままだけど、とても暖かい家族に巡り会えました。

チワワちゃん3号との出会い
N娘さんの友人が勤務している病院と隣接しているペットショップで、可愛いチワワが一匹売れました。しかしそのチワワは翌日、原因不明の高熱を出し某ペットショップ病院に連れて来られました。可愛いチワワは先生の治療により、なんとか一命を取り留めました。しかし残念なことに・・可愛いチワワの視覚は闇に閉ざされてしまったのです。昨日出会ったばかりのご主人様の顔ももう見ることはできません。それを知った飼い主の口から出た言葉は「昨日高いお金を出して買ったのに、一日で目が見えないなんてどういうこと?!詐欺じゃない!返品してちょうだい!」そのペットショップで返品されるということは、安楽死を意味しています。「売り物にならなくなったチワワ」はN娘さんの病院に送られるのでした。とても可愛い大きな目を持つのに闇しか見えない可哀想なチワワ。N娘さんは、ただでさえ動物だらけの家に失明したチワワを連れ帰るなんて、母であるNさんに怒られるのは分かりきっていましたが、どうしてもチワワを殺してしまえませんでした。内緒で連れ帰ったチワワもなんとか壁にぶつからずにすくすくと育っているようです。
先日、目を放した隙に階段から転げ落ちてしまい慌てて病院に駆け込んだらしいです。普通なら内臓破裂で即死してもおかしくないのに、無傷だったそうです。なんと幸運なチワワでしょう。これからも、がんばって生きていってほしいです。




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