趣味暴走爆発の間

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堕天使:壱壱



堕天使:壱壱





「あ・・・風、吹いた。クニミ天使長かな?」

風は水鏡によって、作られる。。。
自分に与えられた部屋から窓の外を眺め、エキルは呟いた。
椋は今、バイトとかいう人間の仕事に行っている。

人間界に降り立って、1週間以上が過ぎた。
・・・が、天力はそう簡単に集まってくれない。
天力が少ない限り、抹殺する相手を殺ることもできない。



自分は、椋を殺らなければいけない。それが、任務なのだから。
でも・・・あんなに、自分を可愛がってくれる相手を殺ることなんてできるだろうか。
たとえ・・・天力が回復しても・・・。殺る力があったとしても・・・。
何故だろう、何故、死神たちは殺してくれなかったのだろう。
人間を殺すなんて、死神の仕事デショ?
なんで、失敗すんのさ・・・なんで、殺れなかったのさ。
アンタたち死神が、殺ってくれてたら・・・私に、椋の抹殺なんて仕事回ってこなかったのに。

エキルはイライラしていた。
何故・・・なぜ皆は殺ることができなかった。他の天使も・・・死神も・・・。
何故・・・なぜ私が殺らなければならない。殺りたくなんてないのに・・・。
【ノロワレタテンシ】ダカラ・・・?

エキルはハッとした。
人間界に来る前は、相手を殺ろうと心に誓った。そして、天界に帰ろうと。
なのに・・・なぜ、今はその感情がでてこない。
なぜ、殺ろうと思わない。何が、違う・・・ワタシノナカデ、ナニガカワッタ?
殺りたくない・・・殺りたくない・・・。
この思いばかりが・・・頭をよぎる。

あれこれ考え、悩む内にエキルの顔色は悪くなっていった。


「おぉ、エル・・・どうした。顔、青いぞ。」

リビングに行くと、星ニがこちらを見ながら言った。
最初は同居を反対していた星ニも、今ではエキルを可愛がっている。
まるで、自分の妹のように大事に大事に扱ってくれる。

「なんか、冷てぇもんでも食うか?」
「ん・・・いらないよ。ありがとう。」

エキルは星ニの座るソファに腰をかけ、一緒にテレビを見た。
テレビでは今、ニュースをやっている。

「お・・・また、自殺かよ。最近、多いなぁ。何で、人って死ぬんかねぇ。」

自殺・・・そういえば、クニミに聞いたことがある。
人間が自殺する時は・・・死神に追い詰められた時。。。
人間の【死】は、全て死神に左右される・・・と。
しかし、例外があり天使にも人間を殺す任務が回ってくることもある・・・と。

エキルは気分が悪くなった。
自分に回ってきたこの任務。人間の抹殺。
どうして、天使である自分が【殺】をしなければならないのか。
呪われた天使だから・・・そんな理由であるのなら、ひどくないか?
殺りたくない・・・殺りたくない・・・。
何故・・・何故、私に押し付ける・・・何故、私が殺らなくてはならない・・・。

エキルは、顔面蒼白になり静かに部屋に戻った。
階段を上ろうとして、気がついた。
足が・・・軽い。というか、体が軽い。
神経を研ぎ澄ませ、目を瞑る。自分の中の、天力を量る。
・・・天力が・・・既に、集まっている。。。
殺れるくらいの天力に、回復している。。。
・・・ということは・・・、今すぐにでも・・・椋を・・・殺れる。。。

殺りたくない・・・この思いに強く悩まされていたエキルは、気づいていなかったのだ。
知らぬ間に、自分に天力が集まっていたことに・・・。
天力が集まった・・・これは、椋を殺れることを指していた。

予期せぬ出来事に、エキルは混乱した。

「な・・・天力・・・回復してる。・・・殺れるって事!?
 で・・・でもね、さすがにスグには・・・ね。殺った後で、また倒れるかもだし。また、後日って事で。」

エキルは自分を落ち着かせることに、精一杯だった。
殺らなければならない・・・けれども、私にデキル?
優しい瞳、優しい声、優しい心の持ち主である、椋を殺れる?

エキルは自分で気づいていた。
椋を殺った後に、倒れる事などないこと。
もう、充分なほど天力は集まっている事。
しかし、行動できない。。。あるモノが、エキルの行動を止めている。

それは、何?
何が、私をトメテイル?ワカラナイ・・・・・ヤレナイ・・・。





      堕天使:壱壱    ~fin~






         ◎あとがき◎
           エキル、天力復活~~~★☆
           けれども、できないんですねぇ・・・。
           天界に帰れないじゃない、ねぇ、みなさん!!(何)
           今後は・・・どうなるんでしょう・・・(ぇ)





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