趣味暴走爆発の間

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堕天使:壱四



堕天使:壱四




疲れた・・・もぅ、疲れた・・・。
肉体的にも・・・精神的にも・・・。
いっそ・・・この眠りから覚めることなく、消えることができたらいいのに・・・。
それなら・・・呪いから解放されるのに・・・。

エキルはいまだに、部屋で寝ていた。
かれこれ、1時間以上寝ているだろう。時刻は、午後9時。
リビングでは、椋と星ニが何やら深刻に話していた。

「エルちゃん・・・いつ記憶戻っちゃうんだろ。。。」
「さぁな・・・。それは、俺らには分かんねぇだろ。」
「何で・・・離れていっちゃう子を、好きになっちゃったのかな。」
「・・・・・仕方ねぇんじゃね?一緒に住んでんだし。確かに、可愛いし。」
「まぁ・・・そうだね。本当に、可愛いよね。
 小柄でさ・・・髪が綺麗で・・・顔も整ってて・・・。思わず、守りたくなっちゃうよ。」
「・・・お前をオトしたんだから、相当なもんだよな。」
「本当にね・・・。ははっ、参ったな・・・この想いは実ることはないんだ。」
「・・・・・・お前・・・観察能力、鈍ってねぇか?」
「へ・・・観察って・・・何のさ?」
「いや・・・やっぱ、いいわ。(明らかに、エルはお前が好きだろ。)」
「そう?そういや・・・エルちゃんが部屋に戻ってから、1時間たつね。
 何してるんだろ・・・。やけに、静かだし・・・。ちょっと、見てくるよ。」
「お・・・おぅ、行ってこいよ・・・。(相当、ヤられてるな。。。)」

そう言って、椋は立ち上がりリビングを出て行った。


突然、自分の前に舞い降りてきた可愛い、天使のような少女・エル。
家の中に、いきなり倒れていた時は正直、驚いた。
けれど、抱き上げて顔を見て瞬間・・・自分の中で何かが動いた。
小柄な体格、漆黒の黒髪、白い肌、淡いピンクの唇、長いまつげ、目覚めた時の綺麗な瞳・・・
少女の全てに、心を奪われた。夢中になった。
記憶喪失ということらしく、記憶が戻るまで僕の家に住む事になった。
それを提案したのは・・・紛れも無い、僕。
少しでも一緒に過ごしたくて・・・同じ空間にいたくて・・・
記憶喪失をいいことに、住むことを進めた。
彼女が同意してくれた時は、心底、嬉しかった。
でも、彼女が時折見せる、悲しそうな顔、苦しそうな顔・・・泣きそうな顔・・・
彼女が作るそれらの表情の原因は、分からなかった。
けれども、できることなら・・・僕が守りたいと思った。
けれど、そんな願いは叶わない。
なぜなら・・・彼女は記憶喪失・・・記憶が戻れば・・・自分の世界に帰る。
ずっと一緒には、いられないのだ。
まるで、お伽話のようなこの恋。
伝える事もできない・・・伝えたら・・・彼女を縛ってしまう気がするから。
実らないこの恋・・・どうしようもないこの恋・・・。

そうこう考えている内に、エキルの部屋の前に着いた。

---コンコン・・・

「エルちゃん・・・?入るよ。」

ガチャリと開けた、扉の向こうには・・・信じられない姿があった。。。

「エ・・・エルちゃ・・・ん・・・?」

そう、そこには・・・
白く美しい翼の生えた、天使がスースーと寝息をたてていたのだ。
椋は驚きのあまり、声も出ない。

寝顔は・・・容姿は・・・間違いなく・・・エルちゃん。
しかし・・・この翼は・・・?
この美しい翼は・・・・・・・一体・・・・・・。

突然のことに、目を大きく見開きその場に立ち尽くしていると、
パチッと綺麗な瞳を見せ、エキルは目覚めた。

「ふぁ・・・ん・・・椋?どうしたの・・・?」
「エ・・・エルちゃん・・・その・・・背中は・・・・・・」
「ん・・・背中・・・?背中がどうし・・・!!!!!!」

エキルは自分の背中を見て驚いた。
自分の背中には、白い翼があったのだから。

な・・・な・・・!?そんなっ・・・・・。
疲れて眠っちゃったから・・・気が、緩んでいたから・・・・・!?
つ・・・翼が・・・!!
ど・・・どうしよ・・・・椋に・・・椋・・・に・・・見られ・・・た・・・。
こんな時は・・・どうすんだっけ・・・・・
確かクニミが・・・・・

『もし、バレるようなことがあったら・・・その人間の中の自分の記憶を消せ』

・・・とか言ってた・・・っけ・・・。

「エルちゃん・・・君は・・・君は一体・・・」

椋の言葉を聞き、エキルは我にかえった。
そして、椋の中の自分の記憶を消すべく、椋に手を向けた。

「我を知りし・・・他の者・・・今・・・我の記憶を・・・自身から消し・・・」

・・・椋から私を消す!?
好きな人に・・・忘れられる・・・!?
嫌だ・・・そんなの・・・椋に忘れられるくらいなら・・・消えた方が・・・
そうだ・・・目の前から姿を消せばいいん・・・だ・・・
そうすれば・・・きっと・・・大丈夫・・・・・・

そう思ったエキルは、部屋の窓を開けた。
そして、椋を振り返り・・・一言・・・

「・・・ありがとう。」

エキルは窓から飛び降り、翼を羽ばたかせ地面に着地し、
翼を消して、暗闇の中へ走り去っていってしまった。

「待って、エルちゃん・・エルちゃんっ・・・エルッッ・・・・・!!」

椋の声だけが、空しく響いていた。





         堕天使:壱四     ~fin~






      ◎あとがき◎
        今回は、少し長めになりました★☆
        ついに、バレちゃいました・・・エキルのミス!!!(笑)
        2人は両想いなんですけどねぇ~ウフフvv






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