趣味暴走爆発の間

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呼べない名前[不二リョ;悲]


注意!!
この話は、死ネタでございますんで・・・
苦手な方は、読まないで下さい!!
後で責任を問われても・・・一切、受け付けませんので。
宜しくお願いいたします。(深々)
























俺の名前。 貴方の名前。

今ではもう、呼べない名前。





呼べない名前   前編。




その日、リョーマとその恋人である不二はいつものように一緒に帰っていた。

「そういえば・・・この前に拾ったネコ、元気っスか?」
「あぁ、毎日毎日元気よく走り回っているよ。」
「そうっスか・・・良かった。また、見に行ってもいいっスよね?」
「クスクス・・・何言ってんの?恋人の君が来なくて、誰が来るのさ?」

不二はニッコリと優しい笑みをリョーマに向けた。
リョーマは、その綺麗すぎる不二に赤くなり俯いた。

最近、不二は小さなネコを1匹飼い始めた。
そのネコは、元はリョーマが拾ってきたものだった。
「さすがにカルピンと2匹はキツイから。」
悲しそうに言うリョーマを放っておくことができず、不二が引き取ったのだ。

「じゃぁね、越前。また明日。」
「うぃっス。不二先輩、また明日。」

別れの言葉を言ったものの、不二はリョーマを見つめたまま固まっている。

「・・・どうしたんスか、不二先輩??」
「あのさ、もう付き合って1ヶ月は経つんだから・・・そろそろ名前で呼び合わない?」

不二周助、別名魔王。
意外とシャイ(笑)で、未だに名前を呼んでなかったらしい・・・・・。

「な、名前!?」
「そう、ダメかな??」
「・・・別に、いいっスけど///」
「本当にvありがとう、じゃぁねリョーマ!!」
「えっ、うっ・・・リョっ・・・!不二せんぱ・・・・あっ!!」
「クス、動揺する君も可愛いなぁv周助でよろしくね。まぁ、明日からに期待しようかな?」
「・・・うぃっス///」

そう言って、リョーマと不二は別れたのだった。













その日の夜、リョーマは何度も不二にメールを送ろうとした。

―――TO.周助(既に、アドレス帳には名前だったらしい)
―――件名. 周助へ。
―――本文. 名前・・・呼んでみた。じゃぁ、また明日!!

しかし、リョーマには名前というのがまだ恥ずかしく、結局送らぬままベッドに寝転んだ。

PM11:45
深夜に近いというのに、イキナリ電話が鳴った。
家族の誰かが出たのだろう、暫くして呼び鈴が消えた。
すると、父親である南次郎が勢いよくドアを開けてきた。

「・・・んだよ、親父。入るときからいノックしろって。」
「不二が・・・不二が、死んだ・・・。」
「は、何言ってんの!?そんな冗談やめなよ。」
「と・・・とにかくリョーマ。・・・電話に出ろ。」

父親のいつもと違う様子に、さすがのリョーマも動揺を見せた。

「もし・・・もし??」
「あ・・・リョーマ君?私・・・周助の姉の、由美・・・子だけ・・・ど・・・」
「由美子さんっスよね?分かりますけど・・・どうしたんですか?」
「周・・・周助がっ・・・周助がっ・・・・・」
「・・・由美子さん?」
「周助が・・・し、死んだ・・・の・・・・・」
「え・・・・・・・!?」






南次郎に車を出してもらい、リョーマは不二の家に向かった。
着いたと同時に、中からは不二の弟である裕太が出てきた。
いつも、あんなに勝気な目をしている裕太が、今回は・・・涙目だった。

裕太に促されて入った部屋には、不二の両親、先ほど電話で話した姉の由美子、そして、手塚を始めとする青学テニス部レギュラー陣がいた。
その真ん中にいた人物、それは目を瞑った不二だった。
レギュラー陣が、リョーマに気付き声をかけようとするが、リョーマは黙ったまま眠る不二の傍に座った。
リョーマはそっと、頬を触ってみた。
段々と冷たくなりつつある頬には、まだかすかに不二の体温が残っていた。
静かに、しかし大きな涙がリョーマの頬を伝った。
静まり返った空気の中、不二の姉、由美子が口を開いた。

「あの、ね・・・リョーマ君・・・。周助、ネコを・・・探し・・・にいっ・・・たの。
 前に、貴方が・・・拾っ・・・たあの、子・・・。あの・・・ネコが、いな・・・くなっちゃって・・・ね。
 私・・・が、ドアを・・・少、しの間・・・開けっ・・・放、しにし・・・ちゃって・・・。」

由美子の目から、涙が溢れる。

「周助・・・探し・・・に、行っ・・・て・・・。
 あの・・・子、本当に・・・可愛が・・・ってた、か・・・ら・・・っ、でも・・っ・・・」

由美子の話によると、不二はリョーマから預かったネコを探しに夜の9時だというのに外に出て行ったのだ。
家族は、
「夜なんだから、明日にすれば?」「もしものことがあったら、リョーマ君が悲しむわよ?」
と止めたらしいのだが、不二は、
「でも、ネコがいないままでもリョーマは悲しむよ?」
と笑顔で出て行ったのだ。
それが、不二の最後の笑顔となった。

余りにも帰りが遅いので、家族は総出で不二を探しに行った。
すつろ、そこには・・・腹から血を流した不二が倒れていた。
ネコを見つけたのはいいが、ネコは酔っ払いにイジメられていた。
不二は、大切なネコを守るべく酔っ払いを突き飛ばしたが・・・その酔っ払いは逆上し、持っていたナイフで不二の腹を刺したのだ。
家族が駆けつけた時には、不二の呼吸は既に弱々しくなっていた。

「みん・・・なっ・・・
 ネコ・・・リョー・・・マが、くれ・・・た、大切っ・・・な子だか・・・ら・・・ちゃん・・・と、育て・・・てね・・・。
 それ・・・・・とっ、リョ・・・っマに・・・ごめ・・・っん・・・て・・・・・。」

それが、不二の最期の言葉だった。
不二の横では、ネコが悲しそうに鳴いていた。

「ごめ・・・っんね・・・リョ・・・マく・・・っん・・・ごめ・・・・っ・・・」
「由美子・・・隣で少し休みましょう・・・。」

不二の母親がそう言って、不二の家族は部屋から出て行った。

「俺たちも・・・出よう。」

手塚の声と共に、レギュラー陣も出て行った。
部屋には、不二とリョーマだけが残った。



不二を刺した男が許せないのは確かだ。
今すぐにでも、その男を殺してやりたい。
しかし、何よりも悲しいのは・・・・・
自分の恋人・・・自分の愛する不二が、冷たい地面の上で長い時間苦しみ、そして・・・息絶えたということだ。

リョーマはもう一度、不二の頬を触った。
そこには、不二の体温はほとんど残っていなかった。

「う・・・・・・・あぁ・・・・・・・ぁぁぁっ・・・・・ああああぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁ―――――っっ!!」

リョーマの叫び声は、むなしく夜の闇に響くだけだった。






                 前編:FIN





長いので、2つに分けます。
続ききは、後編でvv





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