次はそのままマリンにとどまりTAKING BACK SUNDAY。今秋のTASTE OF CHAOSにもヘッドラインとしての参戦が決定している、エモ界のトップ。個人的にはほとんど馴染みのないバンドで、それだけに期待をしていた。結論としては、弱かった。曲のつかみ所がなさ過ぎる。vo.のナルシスティックな踊りとマイクブンブン振り回すパフォーマンスはさておいて、印象に残る曲がほとんどないのにはまいった。演奏も特に可もなく不可もなくといった感じ。TASTE OF CHAOSも行く予定にしていたが、これで悩み始めちゃったよ。
さてさてやってきました本日の目玉のひとつAVENGED SEVENFOLD。まさに待望のという言葉がふさわしい初来日だ。今年のメタル界に旋風を巻き起こしている彼ら、日本でもようやく情報が追いついてきて、だんだんと彼らの姿が見えてきた。しかしより深く知るためにはやはりライヴを体験するしかない。ということで血気盛んなメタル野郎が押し寄せてきたのでボクはそれよりやや後ろ目に陣取った。SEが鳴り、メンバーが登場。昼間という時間からか、それともバラバラと出てきたからか、思ったよりのインパクトはなかった。フツーの兄ちゃんという感じだ。そしてBeast And The Harlotsでライヴスタート。よくあることとは言え、最初の方は非常に音が悪い。こんなもんかよ。とも思い始めていたが、サウンドは曲を追う毎に良くなっていった。そして中盤。vo.が
お次はDEFTONES。これも期待値が高いバンドだ。今あるヘヴィロックの創始者といってもいいバンド。ヴェテランの味を見せてくれると思っていた。しかし。。。出て来たのはコロコロちゃん。。。そうChinoは太ってしまった。いきなりのMy Own Summer (Shove It)も、イマイチ迫力がない。彼らのライヴを観るのは初めてだったが、イメージ的にエッジをガツガツ立てて進んでくもんだと思ってた。でも今回観た限りでは、もっとスペーシーな感じ。フワフワ揺れてたら終わっちゃいました。Chinoは観客席に飛び込んで行ったりして、一生懸命動いてたけど、どうも音とのギャップが気になってしまい、何とも消化不良でした。こういうバンドだっていわれてしまえば、それほど入れ込んでいなかった自分としては返す言葉がないんですが、なんか、もうちょっと、欲しかったな。
開始予定時刻を20分くらい過ぎて、昼間の荒天がウソのようにスッキリと晴れ上がった夕空にEcstasy of Goldのテーマソングが響く。いよいよ彼らの登場だ。前回観た3年前は当日券だったため豆粒のようだった彼らを、今回ははっきりと捉えられる位置にいる。サマソニのステージに彼らが立つということが未だに信じられない。 そしてテーマソングも終盤にかかり、メンバーがそのステージに現れた。一発目はCreeping Deathだ。ノリは若いがみんな曲を良く知っているコトに驚く。絶妙のタイミングでHey!Hey!!の声が上がり、当然ながらDie!!!は大合唱だ。次のFuelは唯一やったブラックアルバム以後の曲だったが、この曲も良く浸透している。メンバー全員調子はよさそうだ。Jamesは若干歌が辛そうな時があったが、全体的に表情が穏やかだ。特にMCの時に、日本ということを意識してか、ゆっくりと丁寧にしゃべりかける姿が印象的だった。丸くなったとは言いたくない。数々の困難を克服して人間的に更に成長した姿であるのだと思っている。そして曲はWherever I May RoamからThe God That Failedへ。いずれもブラックアルバムの曲だ。彼らにとってこのアルバムはいつになっても重要なアルバムであるのだろう。ボクの記憶では2曲とも前回はやっていなかった曲なので貴重だった(あとで大阪ではThe Unforgivenをやったことを知り溜息をついたが)。ちょいちょいKirkのソロが入り、Fade To Blackをやったあと、いよいよその瞬間はやってきた。。。
メンバーが下がり、両スクリーンにテロップが映し出される。このMaster Of Puppetsアルバム発表から今年が20周年であること、このアルバムはファンにとって非常に重要であるとみなされていること、そしてそれをバンドも理解していること。そして、、、
それぞれのイメージ映像をバックに、曲順通り、完璧な演奏を続けていく彼らはまさしくメタルの王者と呼ぶに相応しい貫禄だ。2006年というこの時代に、奇しくもメタルという音楽が盛り上がりを見せているこの時代に、メタル界の名盤と呼ばれるこのアルバムの曲を演奏していく。温故知新と表現するにはあまりに壮絶な過去と現在の融合だ。 Batteryが終わった後はもう次に何が来るのか知っている。Master Of Puppetsだ。無数の手がMaster!Master!!と叫びながら突き上げられる。冷静にこの状況を見たらこれは宗教としかいいようがない。数万の人間が“ご主人様!!”と絶叫しているのだ。メイドカフェの客も裸足で逃げ出す迫力だ。 そしてボクの中でのウルウルシーンはいきなりやってきた。2コーラス後の曲が変調する場面の美しいソロパートだ。こんなに素晴らしい機会を提供してくれたMETALLICAに感謝の気持ちがこみ上げて、ついでにウルっと来てしまった。おっさん涙もろくてあかんわ。 そしてThe Thing That Should Not BeからWelcome Home (Sanitarium)へ。この2曲はライヴでもわりと演奏されている曲だが、アルバムの流れにのると興奮度もまた別格だ。特に前者はかなりヘヴィにキまっていて前半のベストパートだった。 さあいよいよここからが今回のヤマ場。Jamesの“次の曲は何だ?”の問いには"Disposable Heroes!!"。"Back To The Front!!"の声が夜空に響く。そしてLeaper Messiahでは"Bow To Leaper Messiah!!"のシャウトをかまし、いよいよ曲は最大の見せ場"Orion"へ。夜明けの映像をバックに一音一音を感情込めて紡ぎ出していく。ここはRobertの見せ場でもあった。泣きそうな顔をしながらベースを弾く奏法は、Cliffに対する尊敬の念がひしひしと感じられた。 ついに全曲演奏もラスト。壮絶なラストを飾るべくDamage Inc.のイントロがテープで流れ始めた。この曲は何度聴いても凄まじい。リフ、リフ、リフの洪水だ。めまぐるしく変わる展開に豪快なシンガロングパート。超速ソロから全楽器一体となってのエンディング。もはや敵はいない。Cliff R.I.P.の映像と共に、この全曲演奏は幕を閉じた。早くも伝説を体験したとの実感が沸々とわき上がってくる。ボクはきっと、きっと凄いものを観たに違いない。
彼らが凄いのは、これが終わった時点でまだ2時間経っていないということ。つまり彼らのライヴはまだまだ続くのだ。再びブラックアルバムに戻りSad But Trueが炸裂。このアルバムよりスローでヘヴィなヴァージョンは極悪だ。そのあとはJamesの弾き語りによるNothing Else Matters。この辺まで来るともうお腹いっぱいすぎて仕方ないが、まだあの曲をやっていない。One。この曲はパイロ効果が存分に発揮される曲だ。残念ながらここではパイロを使うことが出来ない。それでも後半の畳みかけるようなリフパートは何度聴いても飽きない。そして最後はEnter Sandman。バンド的には外せない曲だろうが、個人的には大分飽きてきた曲だ。それでも皆で"Exit Light!! Enter Night!!"。 この時点で2時間を超えたところ。まだまだバンドには力が残っている。そして彼らはアンコールに応え、それを最大のサプライズという形で示してくれた。世界初披露の新曲だ。曲自体はMaster Of Puppetsを聴いてしまったボクにはハッキリ言って物足りなかった。ただ、今もなお進化し続けようとしている彼らの姿勢には賛辞を送りたい。最後はSeek And Destroyで大合唱。この曲も個人的にはありがたみ はないが、シンガロングにはもってこいだ。そして見事に大団円となった。
で汗かきながら更に暑さが予想されるマリンへ。今回個人的な超待望であるFALL OUT BOYを観るためだ。傑作Under The Cork Treeをひっさげてのライヴだ。自然と前へ前へ。で、前に行って気が付いたんだけど、ある程度前に行くとステージの影になって直射日光は当たらないんだよね。まぁ別の意味でもっと大変だけど。 そしてBON JOVIのLivin' On A Prayerがかかりメンバー登場。
やた~!!!!
ということでここからは音がどうとかメンバーがどうとかというレポは不可能な状態になりました。歌いまくりの暴れまくり。L側はそれほどファンがいなかったのかかなり浮いていた気がします。かんけーあるか~!うぇあいずゆあぼいとぅないあいの~!!昨日もいたウザ外人がまたいて暴れまくってましたが、かんけ~あるか~!さ~た~で~!! で、次の日声が潰れてビビリました。。。 翌日も単独行って分かったけど、演奏の粗さはケッコウあったと思う。でも今回のライヴではそんなことを気にしていられる心理状態じゃなかった。素晴らしい楽曲群を創った時点で、もう勝ちだった。 When These Open Arms Are Open Ended
LOSTPROPHETSは引いて観ようと一旦外に出ると、パンツの裾がビショビショ、プラス紙が溶けたものが白くなっていっぱい張り付いていた。キチャナイ。仕方ないのでスタンドまで上がって乾かしながら観戦することにした。Coolishってケッコウ旨いね。バンド登場。うぁ~ビジュアルこんなだったっけ~?1stの頃からは別人のようですね。売れるとこんなんなるんだな~。vo.はH.IM.のヴィレヴァロとかRitchie Kotzen系の彫りの深い美形でした。煽る煽るで、曲もいいしでスタンド揺れてましたねぇ。こんなに人気あるとはちょっと驚いた。Rooftops, Last Train Homeあたりでスタンドのボクもいてもたってもいられなくなり、パンツも多少は乾いたので下におりました。下に着いたら丁度Burn, Burn。みんな燃え尽きてました。
で、昨日のMETALLICA観ててもそうだけど、10代後半から20代前半が大半だと思われる客層は、音楽的にどの部分でかぶっているのかがヒジョーに興味ある。例えばLOSTPROPHETSが終わってダダダ~と帰っていく客はこの次のMY CHEMICAL ROMANCEには興味がないのか。とか。MCR観たあとはMUSE観るのか。とか。結局“音楽なんて個人の趣向だから”って結論になっちゃうんだけど、METALLICAにしても、LINKIN PARKにしても、“ヘッドラインだしぃ”的なノリで観るだけで何の発展もないと、日本人の耳レヴェルってのは上がってこないよなぁと思ったりした。なんて書いてる自分だって大物はとりあえず観たいし、マニアックに突き詰めて聴いてる訳じゃないから偉そうなことは言えないんだけどさ。どんどん吸収出来る若い世代には音楽を血肉に変えてもらって、本物を見極める目を養って欲しいと思うんだよね。
話がそれました。MY CHEMICAL ROMANCE。直前にPV撮影で事故を起こしたとの情報が入りやきもきさせたが、無事やって来てくれたことにまず感謝。2年前のサマソニで観た時は無意味にハチャメチャだったイメージがある。DVDで赤裸々にGeraldのドラッグ克服激を語られてしまっていただけに、今回のステージは期待していた。 出てきたメンバー。Geraldの髪。金髪。アルバムから今までゴシック的“黒”のイメージを散々打ち出していただけにコレは驚いた。ただ個人的には悪くなかったな。クリーンになったという心意気の現われだと受け取ったから。 そして曲はなんと彼らのキメ曲I'm Not Okayからスタート。コレもまた驚き。いきなりキタか~ってな感じだ。全体的には演奏も凄く安定していたし、何よりGeraldの一皮向けた表情が印象的だった。途中MCでは“前回のサマーソニック後に、クリーンになろうと決断したんだ”と感謝の意を。ひたすら“愛してますトーキョー”を連発していたのは若干興醒めしたけど、ストーリーをミュージカル仕立てに演じるなど、シアトリカルな演出はしっかりもっていることに一安心。で、2曲演奏された新曲がまた強力だった。めまぐるしく回る展開に、彼ら独特のワルツ節、そして激甘のメロディと、今回のアルバムをまた一回り強力にしたような楽曲だった。この路線で次のアルバムが発表されるとすれば、彼らは再び世界を虜にするだろう。