アシュウィニが3回くらい狩ったことのある200歳くらいのフランス系ヴァンパイアの家を、とある事件をうけて訪問しているようです。
アシュウィニのボディガードを買って出たジャンヴィエールは、彼女と大天使ナザラスカの元に向かいます。今回の仕事の依頼主であるナザラスカの本拠地はアトランタの古風な大邸宅。年取った老女に導かれた居間で大天使は待ち構えていました。ナザラスカは黒い肌に琥珀の鋭い眼差し、燃えさかる太陽のかけらのような羽を持っています。
ジャンヴィエールはフランス語を会話に時折混じらせケイジャン(南部人)のようです。ナザラスカに宮廷に戻らないか、と誘いを受けますがやんわり断っています。
ナザラスカに受ける仕事の内容を聞くと、アシュウィニはギルドに確認しないと、とサラに電話をします。本当にこの仕事を請けてしまっていたので、サラはサポートのため他のギルドハンターを2人送ると話していました。
アシュウィニの瞳を覗き込むと影があり、ジャンヴィエールは過去になにがあったのか、何を隠しているのかと問いますが、逆にアシュウィニはあなたの瞳にも影があるわと返します。200年以上生きていればいろいろなことがあると言い、自分の過去については寡黙なジャンヴィエールですが、アシュウィニの秘密を明かせてみせると決意したようです。
シャワーを浴びて居室に戻るとそこに大天使の姿が。大天使は今回の仕事の依頼をした理由のひとつは、天使を血まみれにした実績があるからだ、と話します。空を一緒に飛ぼう、来るのだと言われ、思わず拒絶するアシュウィニ。自分の姿に嫌悪感があるのかと険悪な雰囲気がただようと、あなたにはいろいろなもの(幽霊etc)が見える、見えすぎて怖い。どうやらアシュウィニは見たくないものまで見てしまう能力、人(+天使、ヴァンパイア)に好かれすぎてしまうところがあるようです。
アシュウィニは19歳までは普通の生活を送ろうと努力していたようですが、精神病院に入れられ、出るチャンスがあったときに「普通人」を装う会話をしたときに、これが普通人を装う最後と決めたようです。
今回のターゲットとしているモニークを庇っている(?)キャランというフォックスキス団のリーダーと二人はバーで接触します。ジャンヴィエールはキャランとは旧知の仲のよう。その晩宿泊先に戻ってアシュウィニが部屋からさまよいでると、モニークが別の部屋にいました。絶世のヴァンパイア美女で、キャランといわくありげな感じなのを見かけます。
ジャンヴィエールがヴァンパイアになったのは、ヴァンパイア女性に熱い恋をしたから。その後その恋はさめ、毒の大天使ネハのもとに彼は贈られて恐ろしくも甘美な体験もしたようです。まだ気持ちは残っているのかと聞くアシュウィニに、彼女と恋に落ちたのは今の自分ではないから、と。いうようなことを言っていました。ジャンヴィエールとアシュウィニは火事騒ぎを起こしてモニークを連れ帰ることに。敷地内の車庫からハマーを強奪し、カーチェイスの末逃げ切ります。大天使ナザラスカとの契約を破ったためにギルドハンターのアシュウィニが連れ戻しにきたとわかると、モニークは震え上がります。
帰る途中で怪我を負うジャンヴィエール。血が必要な状態になってしまい、アシュウィニは自分が提供しようかと言います。「自分のことを信頼してくれるのか」と聞かれて「あなたが万全の状態でいてくれないと困るから」というようなことを返してしまって、ジャンヴィエールはどこかへいってしまいます。
無事連れ帰り、仕事は終わったので戻りますというアシュウィニに、ナザラスカはとどまるように命令します。その後 ジャンヴィエールとアシュウィニ、新旧のナザラスカのボディガード、しおらしくなったモニーク、モニークの兄(弟?)がそろって晩餐会となります。モニークへの罰の予感、不穏な気配がひたひたと押し寄せてきています。
契約を破ったヴァンパイアが大天使にどんな罰を与えられるのか、ものすごい流血の惨事になるのではと予想して読みながらひやひやしましたが、実際には250年間は子どもを作ってはならない(=つまり自分の子どもを持てない)、ナザラスカ本人の恋人となるなど血は流れないものの、本人たちにとっては血も涙もないような処断となったようです。