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作者:倉麻るみ子 (第5話からの続き・・・) ラルドとウランはイスに座り、カインがオムライスを三人分持ってやってくる。 二人分は両手に、後一つは頭に乗せている。何て安定力がある人だ。 カイン「はい、俺特性オムライス!どうぞ召し上がれw」 カインが、オムライスをテーブルに乗せそういった。 ウランは、目を輝かせながらオムライスを見つめる。 何せ、美味しそうなにおいもするし、出来立てと言うように湯気が立っている。 おまけに卵は半熟で、かけてあるのはデミグラスソース。 目を背けるものは誰も居ないだろう。 ウラン「た、食べて良いの?」 カイン「当ったり前だろ?何の為に三人分作ったんだよ。」 ウラン「それじゃ、いっただきまぁすw」 ウランは、オムライスを一口食べてみる。 ウラン「ぅ・・・美味ぁいwww」 ウランはよりいっそう目を輝かせてそういった。 ウラン「この卵の固まり方といい、ソースといい、香りといい、全て完璧だよw こんな美味しいもの初めて食べたよ~ww」 ラルド「たかがオムライスだろう・・・? そんな事で騒ぐな・・・。」 カイン「だったら、お前も早く食べてみろよ。」 ラルドは、オムライスを一口食べる。 ラルド「・・・。」 無言だった。それから、一口ずつ口に運んでいった。その仕草が何気に可愛いw それほど、オムライスが美味しかったのだろう。 カイン「気に入ってもらえて嬉しいよw」 そういい、カインもオムライスを食べる。 すると、ラルドとウランが同時におかわりを求めた。 もちろん言い方は違うが・・・ ラルドの場合は小さな声で「おかわり・・・」と呟き、ウランは「おかわりぃww」と、まるで小さな子どものように元気に言った。 やはりカインは、「ホントにこいつら14なのかよ?」と疑問に思った。 とにかく、2人におかわりを渡す。 二杯目を食べ終わって、二人はそろって「ごちそうさま」をいった。 やはりこれも、さっきと同じ感じで言った。 ウラン「さて、さっきの続きだよ。」 ラルド「待て、ここで戦うのは危険だ。カインもいるし、この家も吹っ飛ぶ・・・。」 ウラン「そんなの関係ないね。」 ラルド「そんな事いうと、もうあのオムライス食べられなくなるぞ。」 ウラン「う゛・・・判ったよ・・・、もっと違うところでやろう・・・。」 ラルドは「やはり、食べ物にはかなわぬか」などと思ってみた。 カイン「なぁ、戦うって、何でなんだよ?」 ラルド「さぁな、そう言う事になった。 で、私が負けたら、世界を破滅へ導かせねばならない。 逆には私が勝てば、勝手にしていいとの事だ。」 カイン「じ、じゃ、この戦いで世界の事が決まっちゃうのかよ!?」 ラルド「そう言う事だ。」 ラルド、ウランはカインの家から飛びだし、広い場所へと移動した。 カインもついていった。 ウラン「さぁ、始めるよ・・・。」 ウランはそういい、トゲつきの蔓の鞭を出す。そして、ラルドに突っ込んできた。 ラルドには、何も武器がないため衝撃波を飛ばすしかなかった。 その衝撃波は、軽々とウランによけられてしまった。 ウランは鞭をラルドに向けて叩きつけるが、ラルドも負けじと避ける。 ウラン「避けてばかりじゃ、キリつかないだろ!?」 ラルド「お前のほうこそ・・・。」 戦っている二人を、影で見つめるカイン。 もちろんラルドを応援しながら、である。 ウラン「あ~ぁ、可哀相だね~。記憶がなくなっているなんて~、武器も使えないんだからねぇ~。」 ラルド「何!?」 戦いながら、会話をする二人。 ウラン「思い出さなきゃ、武器は使えないのかい?」 ラルド「私も武器を持っていたと言う事なのか!?」 ウラン「どうだかね~、・・・それぇ!!」 ラルド「うわっ!」 ウラン「・・・全く、ちょこまかと動くやつだな・・・。」 ラルド「ぉ、お前こそ・・・、」 ウラン「だったら・・・」 ウランは鞭を鋭い剣のような物に変えた。 ラルド「何をするかと思ったら、攻撃範囲を自分から縮めただけじゃないか・・・。」 ウラン「それはどうかな?・・・いっけぇ――――――――――!!!」 ウランは、その剣のような物を振るう。 すると、孫悟空のにょいぼうのように伸びたのだ。スピードは、案外速いと思われる。 ラルドは、さっと避ける。 ウラン「甘いよ!」 その伸びた剣は、今度はラルドの後ろから迫ってきた。 間一髪で避けたつもりだが、横っ腹に、少し傷がつく。 そして服に、多少の血がにじみ出た。 ラルド「・・くっ・・・!」 ウラン「これは、追尾機能がついているのさ。 だから、避けてもまた襲い掛かってくるのさ! あ、そうそう、ボクに近づいて間一髪で避けてもボクには当たらないから、そのところヨロシク♪」 そして、もう一度剣を振るう。その剣が、ラルドを襲う。 少しの傷と、あのときの傷が痛むせいか、動く事ができないラルド。 ラルド「・・っち、万事休すか・・・。」 そう呟いた途端・・・、 カイン「ラルド!!」 影で見ていたカインが、ラルドの目の前に飛び出した。 そして・・・、すぐに対応しきれなかった剣は、迷うことなくカインに突き刺さり、貫く。 剣はそこで、止まった。 カイン「ぐ・・・、がはぁ・・・。」 ラルド「・・・・・カイン・・!!」 カイン「だ・・・大丈夫・・・か・・・?」 ラルド「馬鹿者!何やっているんだ貴様は!?」 カイン「そん・・な・・の・・・・お前・・を助けた・・ん・・だよ・・・。」 ラルド「大馬鹿者!!生身の人間が、この戦いに割り込むな!!」 ウラン「そうだよ・・・、ラルドの言う通りさ。・・・下手に飛び出すと、大怪我するって判っていただろ!?」 カイン「・・・あぁ・・・。」 ラルド「だったら何故!?」 カイン「お前は・・・・俺・・の・・弟・・の・・・・よ・うな・・・奴だから・・・これ以上・・・傷ついて・・・・欲しく・・・なかっ・・た・・・。」 ラルド「・・・!」 カイン「だから・・・お前を・・・守った・・・ん・だ・・ぜ・・・ぐふぅ・・がはっ・・・。」 ラルド「カイン!!」 ラルドは、立ったままの状態のカインに近付く。 ウランは、カインから剣をズボッと抜く。 そして、カインは倒れる。 それを今度はラルドが支えるが、小さな身体では支えきれず、一緒に倒れてしまう。 ラルド「・・・あの時助けてもらったんだ・・・、今度は私が、カインを助ける番だ・・・!」 そう言ってラルドは、カインに両手を翳し、目を閉じた。 ラルドの手から、金色の光があふれ、カインに降り注ぐ。 それを、ウランは静かに見つめていた。 カインの傷は瞬く間に消えていった。 ラルドは、全部の力を降り注いだのか、カインの傷がなくなったと同時に、その場に倒れ込んでしまった。 ウラン「・・・ボクの負けだよ・・・、ラルド。君はすばらしい奴だよ。君が覚醒してしまえば、ボクなんて相手にならない・・・。」 そう言って、カイン達に近付いた。 傷の癒えたカインが目を覚ます。 ウラン「ごねんね。ラルドが倒れているから、君がボクをすきにして良いよ。」 カイン「・・・・なぁ、俺の家に住んでくれないか?」 ウラン「いいよ・・・、君がボクに命令した事だ。断るわけにもいかないよ。」 カイン「よかった・・・これからは、ヨロシクな。」 ウラン「うん。」 ここは、カインの寝室。ラルドはそこで眠っていた。 そして、ようやく目を覚ます。 目の前には、カインとウランがいた。 ラルド「・・・私の負けだ・・・。お前の指示に従う・・・。」 ウラン「いんや、君はボクに勝った。だからボクはここにいるし、このカインって奴もここにいる。」 ラルド「・・・。」 ウランは、「そうそう、言っておかなくちゃいけないことがあるんだ」といい、その事を話し始めた。 ラルド、ウランの他にも、後七人仲間がいて、皆それぞれ、特殊な能力を持っているという事。 世界を破滅に導こうとする主催者、いわゆる首領がいるという事・・・。 そして、この計画をとめるには、まずその仲間達を見つけ、戦い、こちら側にし、首領を倒さなければならない。そうすれば、昔のような事にはならない。 だが、どこか別の場所では、その首領と対立する子供もいて、その子供もラルドたちと同じように、特殊な能力を持っているという事。 カイン「つまり、旅に出ちゃうって事なのか? そんなの話が違うぜ?俺の家にいてくれるって言ったじゃないかよ!」 ウラン「大丈夫。ボクにはワープホールを作る能力がある。それを使えば、いつだってここに戻って来られる。」 ラルド「そうか、だったら楽に仲間が集められるな。」 ウラン「そう言う事。」 カイン「で、でも、今からはダメだぜ!?そんな覚悟まだ出来てないからさ・・・。」 ラルド「・・・フ・・・弱虫だな・・・カイン。・・・それでも17か?」 カイン「ば、馬鹿野郎!弱虫なんかじゃねぇよ!!」 ラルド「じゃ、今から行くか。」 カイン「ま、待てよ!」 ウラン「やっぱり弱虫じゃん♪」 カイン「う・・・。」 ラルド「一応、明日は一日休む。自分の力を使い果たしたからな。数時間じゃ元には戻らないんだ。」 カイン「良かった・・・。」 ウラン「それに、いろいろと準備が必要だからね♪」 カイン「そ、そうだよな。」 そして、3人はとりあえず暇なので、3人でミラルの家にいった。 そこで、ウランがミラルの犠牲になったというのは言うまでもなかった・・・。 第7話へ続く |