NOVELS ROOM

無尽の鎖 第7話

無尽の鎖 第7話「過去14年間 ―The past―」
作者 倉麻るみ子(PN&HN)

―2008年 11月28日―
―スウェーデンの都市ニバヤ―
ここはニバヤの中央病院。
一人の男性が、手術室の近くのイスに座り、心配そうに俯いていた。
手を組んで、祈っているようにも見える。
そう、手術室では出産が行われているのだ。
だから、こうして無事に生まれてくるのを、心配そうに待っている。

そして、手術室から産声が聞こえてきた。
とっても元気がある声で、病院に響き渡った。

男性は、手術室に走った。
だが、手術室から出てきた看護士は、少し悲しそうにこう言った。

看護士「元気な男の子は生まれました。ですが、奥様は・・・、」

そこまで言って、看護士は何も言わなかった。
そう、彼女は少し身体が弱いせいか、子供を生んだ直後に息を引き取ってしまった。
彼は部屋に入り、もう目を開ける事のない彼女を見つめていた。
そして、涙を流した。

彼はその後、亡き妻に誓った。必ずいい子に育てると。誰でも仲良くできるように、育てると。

そして、彼はその子供の名前を「ラルド」と名付けた。理由は取っても安易。
目の色ともに髪の毛の色がエメラルドグリーンだったからだ。
「もっと真剣に考えろ」って話なのだが、彼なりに真剣に考えて出した答えだった。

ラルドと名付けられた子供は、生まれた時から女顔をしていた。
それが原因で、ラルドはワンピースなどのスカート系の服を着るようになってしまった。
実はほとんど、父親が無理やり着せている。

そんなある日、ラルドがちょうど4歳になった時の事。
ラルドに異変が起こった。

突然苦しみだし、叫び声をあげ、そのまま気絶してしまった。
そして、ラルドの身体が光だし、家の中の物を吹き飛ばした。
父親は気絶したラルドを抱き締めていたのですが、その光とともに彼も吹き飛ばされてしまった。

光が消え、ラルドは目を覚ました。
辺りを見回したが、何があったのか自分にも分からなかった。
ただ分かる事は、家の中が目茶苦茶で、近くに父親が倒れている事だけ。

ラルドは父親を起こし、何があったのかを聞いた。
しかし、父親は何でもないとだけしか答えなかった。

父親とラルドは家の中を片付け、そして、父親の部屋へと向かった。

父親は、ラルドにこう言った。「お前はこれから外に出ては行けない」と。

ラルドは、それが何故かを父親に質問した。
父親はこう言う。

父親「ラルドには、不思議な能力が備わった。それをまず外で使って皆に見せて見ろ。
まずは驚かれるだろう。だがな、大人は冷たい目でお前を見て来るんだぞ。
そして、大人は自分の子供に近付くなと教え込むんだ。すると、どうなると思う?
お前は一人になってしまう。だが、どうしても外に行きたいのなら、絶対に力を使うな。
さっきも言ったように取り返しが付かなくなるぞ。分かったな?」

と・・・。
ラルドは、コクリと頷いた。絶対に約束は守るといったように。

同じ年のある日、ラルドは「力は使わないから、外に遊びに行きたい」と言い出した。
もちろん父親は、約束を守るんだぞとラルドに言い聞かせる。
「分かっている」という言葉を残して、外に飛び出して行った。

ある公園で、砂場に来たラルドは仲間に入れて欲しいと声を掛けた。
もちろん、服装と顔からして女の子と間違えられたため、「女はだめぇ!」と言われてしまった。
ラルドはすぐに誤解を解こうとしたが、そのグループはからかいをやめなかった。

全く、幼稚なこった。

仕方なくブランコに座っていると、赤髪でショートカットの少年と思われる子が、ラルドに近付いてきた。
服装はイメージカラーが赤色で、セーラー服に似たような服のしたに少し灰色に近い黒い長ズボンを履いていた。

そして、その少年はラルドに話しかけた。

赤髪の少年「どうしたの?一人寂しくブランコに乗っちゃってさ。」
ラルド「・・・。」
赤髪の少年「あ、女の子と間違えられたんでしょ?」
ラルド「・・・。」
赤髪の少年「フフッ・・・、図星だね。ボクも君と同じだよ。」
ラルド「・・・何だよ、君は・・・?」
赤髪の少年(ウラン)「ボク?ボクはウラン。君は?」
ラルド「・・・ラルド・・・。」
ウラン「へぇ~・・・言い名前じゃん。」
ラルド「・・・。」

赤髪の少年―ウランは、ラルドに話しかけ続けるものの、ラルドはほとんど黙っていた。
そして、こう切り出した。

ウラン「一緒に遊ぼ♪」

もちろん、ラルドは嬉しい気持ちだった。
しゃべり方は、同じ年とは思えないほど達者だった。
それでも遊べる相手ができて嬉しかった。

それから2人は、いつも一緒に遊ぶようになった。
助け合ったり、喧嘩したり、それでも二人は一緒にいた。
ラルドがたまにいじめられても、ウランが必ず助けてくれた。

ウランは、ラルドの初めての友達だった。


しかし、ある日、ウランとラルドは、いつものように遊んでいると、その公園にいるいつもラルドをからかうグループが二人に近付いてきた。

少年1「おい、お前らいつもここで遊んでいるけど、ここはオレ達の陣地なんだぞ。」
ウラン「知らないよ。公園はみんなの物だよ。
だから、ボクらが遊んでも問題は無いはずだよ。だよね、ラルド?」
ラルド「・・・ぅ、うん・・・。」
少年2「へっ!やっぱラルドは弱虫だな!いつもウランの後ろにいるんだもんな!」
少年3「弱虫弱虫~。」
ラルド「・・・。」
ウラン「挑発に乗っちゃダメだよ・・相手の思う壺だ・・・。」
ラルド「・・ぅん・・」

ラルドはそれでも、ウランの後ろにいました。

少年2「お前、生意気言ってんなよな。」
少年3「そうだそうだ~。」

黙れ、少年3。

ウラン「生意気なのはそっちなんじゃないの?いつも公園をみんなから奪って、餓鬼大将じゃあるまいし・・・。」
少年1「この野郎・・もう許さねぇ!お前達、やるぞ!」
少年2&3「おぅ!」

その三人組は、襲いかかってきました。
ラルドは、ウランの後ろでビクビクしながら隠れていました。

ウラン「大丈夫・・・、ラルドはボクが守るから・・・。」

ウランはそう言って、三人に突っ込んで行った。
しかし、・・・残念ながら、ウランはラルドを守れるほど強くなく、太刀打ちできなかった。
これでは駆逐艦1隻で戦艦3隻に挑むようなもので、無謀としか言いようが無い。
このガキどもも、手を出さなければいいものを、ウランを蹴るや殴るやの暴行を行う。
しかし、集団暴行しかできないのは、アホちゃうか?

少年1「何だよ!?そんなので守っているつもりかよ!?」
少年2「弱すぎるぜ~。」
少年3「弱い弱い~。」

だから、黙れ。腰巾着の少年3。

ウラン「・・・っ・・」
少年1「相手になんねぇけど、もっといたぶろうぜ~。」
少年2&3「賛成~」

3人は、ウランにさらに襲撃をかける。
ウランはもう、うずくまっているしか他ない。
なのに、まだこの3人はウランをボコる。

ラルド「・・・やめて・・・。」

ラルドはそう言った。
しかし、3人は馬耳東風。
まるで耳を貸さずに、まだ暴行を続ける。

ラルド「・・・やめてよ・・・、」

もう、ウランは気絶寸前。
なのに、まだ攻撃を加える3人。

ラルド「・・やめろおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

ラルドの身体が強く光だし、その三人組を吹き飛ばしました。もちろん、周りの物も。
ウランはその場に残っていました。
光が消えると、ラルドはその場に倒れてしまいました。

ウラン「・・・ラル・・ド・・?」

ウランは、半開きの目でラルドを見つめました。
起きる気配がありません。気絶してしまったようです。
そして、ウランもその場で気絶してしまいました。
異変を感じた父親は、すぐに公園に向かい、倒れているラルドとウランを見つけ、家に連れて帰りました。
周りにいた人達に、軽蔑眼で見つめられながら。

だが、そんなのはおかしい。
あの3人が悪いのに、何故、ラルドが責められなくてはならないのか?
それはその時の状況を大人は誰一人見ていなかったからである・・・。
・・・この場に介入が一切許されない作者2人を除いては。
もしも、誰か大人が彼らの間に割って入れば、こうはならなかったかもしれない。

その事件から3日が過ぎ、ようやく、ラルドは目を覚ました。

ラルド「・・・ぅうん・・・、」
父親「よかった・・・、目が覚めて・・・。」
ウラン「3日も寝ていたから、もう起きないかと思っていたよ・・・。」
ラルド「・・・父さん・・・ウラン・・くん・・・っ!」

ラルドは、突然ガバッと起き、涙を流した。

ラルド「ごめんなさい・・・何があったか覚えてないけど・・僕・・僕・・・ぅぅ・・・。」

父親は、ラルドの頭を優しくなでた。

父親「仕方ないよ。まだ力をうまく制御出来なかったんだからな・・・。」
ラルド「・・でも・・・僕のせいで・・・父さんも外に出られなくなった・・・。」

父親はそれを聞いて、ラルドを抱き締めた。

父親「父さんはお前と一緒にいられるのが、一番嬉しい。その時間が増えて、嬉しさは倍増だ・・・。」
ラルド「父さん・・・。」
ウラン「いいですね。親子愛って。」

ウランは、二人を羨ましそうに見て、寂しそうにそう言った。

ウラン「ボクには、帰る所もないし、親もいない。」
ラルド「え?」
父親「な、何を言い出すんだい?」

ウランはこう言った。
ウランが生まれた直後、突然身体が光だし、光が消えた時には、ウランの周りに誰もいなかったという。
ウランの父親は、ウランを養護施設に預け、その場から逃げるようにしてその場を立ち去り、「ウラン」と言う名前は、その施設の人が、当て付けしたらしい。
それから、彼を引き取ってくれる人は誰もおらずに、ウランはいつも1人でいた。
そして、3歳になった時、その施設から逃げ出した。
自分に力があると自覚したのは、2歳ぐらいからで、その力のせいで、ウランは仲間外れにされたのである。
だからウランは、施設から逃げ出し、それからというもの、ウランは少しずつ力を使いながら、何とか生きてきた。
莫大な力を開放すると、また一人になり兼ねないから。

そして、公園に隠れて住み着き、ラルドに出会った・・・と言う訳だ。

父親「そんな悲しい過去を持っていたなんて・・・すまないな・・・。」
ウラン「いえ、いいんです。こうしてラルドと出会えて、ボクはとても嬉しいです。」
父親「よかったら、ここで住まないか?」
ウラン「え・・・?」
ラルド「・・・そうして欲しいな・・・。いつでもウランくんのそばにいられる。」
ウラン「ラルド・・・。」
父親「どうだい?」
ウラン「じゃ、お言葉に甘えて・・・。」
ラルド「やったぁ♪」

そうして、ウランはラルドの家に住む事になった。

父親「そう言えば、君の名字は?」
ウラン「ブラスト、ウラン・ブラストです。」
ラルド「うわぁ・・・、初めて名字聞いた・・・。」
ウラン「ラルドは?」
ラルド「ジェイク、ラルド・ジェイクだよ。
父さんの名前は、ファスト・ジェイク。長男だったから、その名前になったんだって。」
ウラン「え、だったら『ファースト』じゃないの?」
父親(ファスト)「ゴロが変だから、『ファスト』になったんだよ」

父親―ファストは、人差し指で顔を掻きながらそう言った。

こんな幸せなのか不幸なのか微妙な時代が過ぎた。

―2019年―
7年が経ち、ラルドとウランは、11歳になったある日・・・。
土砂崩れがおきた。

ファストはその土砂災害に巻き込まれて死んでしまったのである。

家に2人取り残されてしまったラルドたちは悲しみに暮れた。
その時に、2人を呼ぶ声が聞こえてきた。
2人はそろって「誰だ!?」と声が聞こえる方に呼び掛ける。

謎の声(プラノズ)「これは失礼。私の名はプラノズ・スター。君達と同じ、力ある者だ。」
ラルド「そんなお前が、私たちに何の用だ?」
プラノズ「君達を私の隠れ家へ招待しに来たさ。」
ウラン「はぁ?何するためだよ?」
プラノズ「それは来てみれば解る。」
ウラン「・・・どうする?」
ラルド「怪しい者にはついてはいかん。」
ウラン「だよねぇ~。」
プラノズ「ならば無理やり連れて行くまで・・・。」

プラノズと名乗ったその声がそう言ったとき、2人は光に包まれ、その光が消えていき2人も消えてしまったのである。

残されたのは、誰もいない一軒家だけだった。


ラルド「ここは・・・?」
プラノズ「ようこそ私の隠れ家へ。」

声のする方に、二人は振り向いた。
そこには、一人の少年と、ラルド達と同じぐらいかと思われる子供たちが7人いた。
プラノズは言った。

プラノズ「ここにいる7人の子供たちは、皆、特殊な力を持っている。つまり、君達と同じだ。そして、君達と大体同じ差別をされてきている。」

そして、プラノズはその子供たちに自己紹介をするように言った。
・・・が、設定に洗いざらい書かれているので、省く。

プラノズ「・・・ユリウスはどこだ?」
ブラウン「ユリウスなら、あそこにいます。プラノズ様。」

ブラウンは遠くの方を指差した。
すると、天井の方にある鉄の筒に、少年がいる。
顔はライディスと似ていて、同じく左の目のしたに紋章のような物がある。
彼こそがユリウスだ。

ユリウスは、その場所から飛び下り、獣化する。
そして自分の爪をラルド目掛けて突き出した。
そして、その爪は首のギリギリの場所で止まった。
・・・ラルドは、一歩も引かなかった。

ユリウス「ふ~ん・・・なかなかやる奴だな。・・・さすがプラノズ様が選んだだけあるぜ。」
ラルド「・・・。」
プラノズ「いやいや、すまないね。突然こんな事になって。」
ラルド「別に気にしていない。」
プラノズ「全く、ユリウスは、さっきまでいたのにどうして高い所に移動するんだ?」
ユリウス「プラノズ様、俺の性格判っているでしょ?」
プラノズ「・・・。」

プラノズは肩を落として、溜め息を付きました。

ラルド「で、お前達はこのメンバーを集めて、どうしようっていうんだ?」
プラノズ「世界を変えるのだ。」

出た!爆弾発言。

ラルド「!!」
ウラン「な、何だって・・!?」
プラノズ「君達二人がそろえば事は済む・・・。」
ブラウン「でも、まずは特訓しなくちゃな。」
イディン「僕らはこんな非常識な世界を、」
シルビィー「壊さなくちゃいけないからねぇ~。」
ライディス「能力あるだけで人を差別するなんて、」
ユリウス「俺たちには耐えられないのさ。」
ユーリィ「あなた達もそうでしょ?」
リリス「・・・。」

ラルドとウランに、あの日の事がよみがえってきました。
この姿だけで、周りにからかわれ、そしてあんな事に・・・。

ユーリィ「どう?」
ウラン「面白そう・・いいよ・・やってやろうじゃん。」
ラルド「ウラン、お前・・!」

ウラン「よく考えて見なよ。確かにラルドのお父さんみたいな人はいるかもしれないよ。
でもさ、圧倒的に多いんだよ、ボクらを差別する人がさ。」
ラルド「・・・。」

言っておくが、作者達は例外を適用。

ウラン「ね?」
ラルド「・・・判った。」
ユーリィ「決まりね。」

二人はとりあえず自己紹介をしました。どんな能力を使えるのかも話しました。

プラノズ「ん~ウランはすぐに強くなりそうだ。・・・でも、ラルド。
君は時間が掛かる。それでも君にはメリットがある。
時間は掛かるが、ここにいるメンバーより数倍は強くなるよ。」
ライディス「プラノズ様、僕よりも・・・ですか?」
プラノズ「そうだ。君の暴走より遥に強くなる。逆に君の暴走を止めてくれるかも知れないな。」

そして、二人の特訓が始まった。
プラノズの言葉通り、ウランは新たな能力を身に着けた。
ウランの能力は、自然の物を操る事。武器となる物は、蔓の鞭。これで操る。
そして、その鞭を剣のように変形させる事も出来、剣に変形させた鞭をのばし誘導させる事も出来る。

ウラン「へぇ~・・・、すっごぉい・・・。」

一方、ラルドは・・・、

ラルド「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・、」
ユーリィ「それではダメです。あなたはまだ力を制御出来ていません。」

やはり、プラノズが言った通り、時間が掛かるようだ。


―2021年―
特訓を始めて、2年が経ち、ようやく、ラルドに新たな能力が備わった。
ラルドの能力は、鎖を操る事。まるで尽きる事がないような鎖を見にまとっている。
それで防御、攻撃も可能。そして、衝撃派を出す事も出来る。
それも、建物3つ分吹き飛ばすぐらいの。

ラルドにはいつも、あの「無尽の鎖」と呼ばれる鎖を見にまとい、不思議なオーラも見にまとっていた。

プラノズ「流石だ。我が予想した通りだ。2年も掛かったが、よくここまで成長したな。」
ラルド「いえ。」

ラルドはそう返事をしただけだった。

ライディス「プラノズ様、大変です!」
プラノズ「どうした?」
ライディス「リリスが、逃げました!」
ユリウス「チッ、追うぞ!」
プラノズ「待て。・・・放っておけ。」
ユリウス「プラノズ様、今、何と?」
プラノズ「リリスの力は程が知れている。大した戦力にはならないだろう。」
ユリウス「ならば・・・、」
プラノズ「いいや、・・・行かせてやれ。」
ユリウス「何故ですか?」
プラノズ「彼女は大した脅威にはならない。放っておくのが一番いいだろう。」
ユリウス「・・・分かりました。」
プラノズ「さぁ、準備は整った。後はこのヨーロッパ中に散らばって、合図を待つんだ。」

その真夜中、プラノズの隠れ家から徐々に姿を消していく子供たち。
だが、その場に残ったのは、プラノズ、ラルド、ウラン。そして、ユーリィの4人だけだった。

プラノズ「ラルド、ウラン。君らには、ある物を壊してもらう。」
ラルド&ウラン「?」
ユーリィ「ドナウ川。この川の上流にあるダムを破壊するの。ここを破壊すれば、下流に一挙に水が溢れ出し、村や町を襲う。」
プラノズ「やれるか?」
ウラン「楽勝~。」
ラルド「どうにか・・・。」
プラノズ「じゃぁ・・・、暴れて来い!」

ラルドとウランはそのドナウ川の上流へと向かった。
ウランのワープホールを開く能力を利用して・・・。


―ドナウ川上流―
そこはヨーロッパに流れる川の1つであるドナウ川。
そのドナウ川の上流のダムに2人は来た。

ウラン「やろう、ラルド。」
ラルド「でも・・・、」
ウラン「何しているのさ~。」

早速、ウランはダムを攻撃し始めた。
しかし・・・・、

ラルド「ウラン、どいていて。」
ウラン「うんっ、」

ラルドは手に力を込めた。
そして、手のひらに光の玉が出来ていく。
徐々にその光の玉は大きくなり、ついに、ラルドはその光の玉でダムの半分を光で包み込んだ。
そして、一瞬、辺りが光に包まれたと思ったら、次の瞬間、轟音と共にダムの半分が吹き飛んだ。
その崩壊した場所から水が噴出し、その大量の水はドナウ川を下っていく。
このまま行けば、その下流にある村や町は水で飲み込まれてしまうだろう。

ウラン「やったね、ラルド。プラノズのところへ戻ろう。」
ラルド「う、うん・・・。」

だが、そこにある青年が2人に突っ込んだ。

青年「おっと、逃がさないぞ!」
ウラン「えっ、う、うわぁっ、」
ラルド「な、何をするっ!?う、うぅぅぅ・・・。」

青年は、2人を引き離し、ウランとラルドを眠らせた。
そして、その2人を担いで、共に森の奥深くに飛び、ラルドは森の奥の遺跡で鎖に繋がれて封印された。一方、ウランは樹海の大木に植物のつるで封印された。

青年は、封印したラルドたちを封印した森から飛び去り、しばらく森を見つめていた。
そして、こう呟いた。

青年「・・・プラノズの野望を阻止しなければ、我々に未来は無い。・・・だが、来た年代を間違えたようだ。汚染が広まってなければいいが・・・。」

青年は体を光に包まれ、何と鳥に変身した。そして、その森から飛び去っていった。

その森の奥にある遺跡の中は静まり返り、1年後、つまり、2022年。
ラルドはカインによって封印が解かれることになる。


第8話に続く
※この話はフィクションです。実際の、国名、団体、都市などには関係ありません。



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: