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無尽の鎖 第9話

無尽の鎖 第9話「念の力 前編 ―Awaking of the power―」
作者:J・ラコタ(PN&HN)

ラルド「こっちだ。」
カイン「ここって、お前が封印されていたっていう遺跡があった森じゃぁ・・・、」
ラルド「そうだ。でも、感じる。」

ラルドとウランは森の奥に顔を向ける。


ラルドたちは森の中を進む。

ウラン「薄暗い森だなぁ・・・。」
ミラル「カイン、本当に大丈夫なの?」
カイン「心配ないさ。俺だって抜けられたんだ。」
ラルド「・・・マグレだろ?」
カイン「・・・(--;」

今の言葉はちょっとカインには重たい一言だった。

???1「いいか?」
???2「えぇ。」

ラルド「(何か気配を感じる・・・。)」←小声
ウラン「(・・・彼らもボク達に気付いている。気をつけないと・・・。)」←小声

???1「・・・今だ。」
???2「はい・・・!」

カイン「・・・何もいないなぁ・・・。思い違いじゃないのか?」
ラルド「・・・カイン、危ないぞ!」
カイン「え?」

上からガサガサという音がした。
次の瞬間、ラルドがカインをどうにかタックルしてその場所から退けた。

そして、上からラルドたちのもとに現れたのは、カインたちと同じぐらいの年の、女顔の少年と、ラルドたちよりも年下の少女だった。

???1「お前達、何者だ!」
カイン「いてて・・・、それを言うなら、こっちも同じ質問を返す。」
ファラス(=???1)「・・・ということは、そこの2人も俺たちと同じく念の力の持ち主か?」

ファラスは剣を構え、少女も同じく剣を構える。

ミラル「う、うぅぅぅ・・・・、」
カイン「ミラル、大丈夫か!?」
ミラル「・・・大丈夫、ただの・・・はっ!!?」

「勿体無いねぇ・・・。」
「お、お断りだ・・・。」
「仲間になれ。」
「うわぁぁぁぁぁっ!」

ミラル「うぅぅ・・・、」
カイン「ミラル、ミラルッ、おい、しっかりしろ!」
ファラス「・・・。」
???2「・・・ファラスさん。どうやら、彼らはプラノズの手下ではなさそうです。」
ファラス「セラ・・・。だが、そうとは思えない。」
ウラン「でも本当のことだよ。」
ファラス「ウランと言ったな・・・。お前の言うことを信じろというのか?それは出来ない。お前達はプラノズの手下だったはずだ。」

ファラスは刃先をウランに向ける。

ファラス「そして、俺が生きているということを知って送り込まれた刺客ではないとは言い切れない。」
カイン「ミラル、おい!」
ミラル「うぅぅぅ・・・、」

ミラルは起き上がった。

ミラル「・・・何なのよ、今のイメージ・・・。」
ファラス「・・・。」

ファラスはウランの顔の目の前に剣を振り下ろし、刃先がウランの目の前に。

ファラス「・・・話は本当のようだが、俺はまだお前たちを信用した訳ではない。セラ。行くぞ。」
セラ(=???2)「はい、」

ファラスは持っていた剣を下に降ろした。
すると、ファラスが手を離した途端に、普通の木の枝になってしまった。

カイン「!」
ファラス「・・・付いて来い。」

森の中を数十分歩いた。
すると、小さな小屋が見えてきた。


―ファラスの小屋―
ミラルの事をセラが看病している。

ファラス「・・・それで、お前らは、本当にプラノズの手下ではないのだな?」
カイン「あぁ。だけど、それ以前に、プラノズって誰だよ?」
ファラス「・・・その目、ウソは言っていないな。わかった、信じよう。だが、マズイ事態に発展したな・・・。」
3人「?」
ファラス「君たちの連れの少女だが・・・、・・・彼女も、君らで言う、「特別な力」が覚醒してしまったようだ。」
カイン「どうして、ミラルが!?あいつは生まれたときから普通のはずだ。」
ラルド「どういうことだ?」
ファラス「・・・原因は分からない。だが、彼女の意識がいきなり、私の中に飛び込んできたのが感じた。・・・彼女の持つ能力は「イメージトランス」。
つまり、簡単に言うならば、相手の心を読むことが出来てしまう能力だ。」
カイン「何だって!?」
ラルド「だが、妙だな・・・。ミラルは普通の人間のはずだ。あんな能力があるのなら・・・。」
ウラン「・・・もっと早くにボクらが気付いていたはず。プラノズが見つけていなく幸いだったけど・・・。」
ファラス「・・・何となくではあるが、原因が分かってきた。俺のように念力を持つ奴と長時間過ごすと、どうやら、念の力が伝染するらしい。
だが、能力はまるで違う。」
カイン「・・・元に戻す方法は無いのか?」
ファラス「無理だ。」
カイン「じゃぁ、俺はどうすればいいんだ!あのままミラルがただ苦しむのを見ているしかないのか!?」

カインはファラスの胸倉を掴んだ。

ファラス「・・・俺を殴っても、何の解決にもならない。」
ウラン「そうだよ~!!(汗」
ラルド「落ち着け、カイン!!」

ウランとラルドが止めに入る。
だが、カインはファラスの胸倉から手を離す。
そして、テーブルに強く頭を打ち付けた。

ラルド「カイン・・・。」
カイン「畜生っ!俺は何も出来ないのか!?」
ファラス「・・・大丈夫だ。ある方法で制御をする力をつければいい。」
カイン「・・・何だ、そのある方法って!?」

大きな音を立てて水が落ちてゆく。
ここはファラスがよく修行で使う滝だが、横幅はせいぜい3mである。

ウラン「滝?」
ファラス「滝に打たせて精神を集中させる。」
カイン「・・・そんなことでうまくいくのかよ?」
ファラス「いいか、念というのは、精神的にコントロールできる物だ。」
カイン「あぁ。だけど、こんなもの効果なんてあるのかよ?」

カインは指先を滝に向けた。
すると、そこに氷の柱が出現した。・・・と思ったら、流されていった。

その様子を、カインを含む全員が見ていた。

カイン「い、今の力は・・・?」
ファラス「水分を自由自在に操る力だ。ちょうどいい。試してみろ。」
カイン「お、俺が?」
ファラス「念の力を自由に操れなければ、さらに自分の首を絞めることになる。」
カイン「・・・分かったよ。」

こうして、カインはフンドシ一丁でこの滝に挑戦することになったが・・・。

カイン「うぎゃぁぁぁっ、冷たーいっ!」

カインは滝に打たれている。
だが、この滝の水の落下速はすさまじい。

ファラス「いいか、カイン?何も考えるな。寒いということを忘れろ。」
念の力を持っているということは、何も考えずに、この滝で集中していることぐらい楽なはずだ。頑張れ!」
カイン「そんな事言われても・・・。」
ウラン「カインーッ、君なら出来るはずだよ!!」
ラルド「・・・。」

カインが滝から出てきた。

カイン「ダメだ・・・。こんなもので精神を集中できるわけが無いぜ・・・。」

カインは川から上がろうとする。
しかし、目の前にラルドが立ちふさがり・・・、

ドガッ、

カイン「!?」

ラルドはカインを蹴飛ばした。
カインは川に真っ逆さまに落ちる。

ウラン「お、おい、ラルド・・・。」

カインは水面に顔を出した。

カイン「プハァッ、いきなり何するんだよ、ラルド!」
ラルド「このうつけ者(バカ者)!」
カイン「な、何だよ、いきなり・・・、」
ラルド「ミラルがこの滝で精神を集中できるかどうかを試しているのはお前だろ!
冷たいのが何だ!歯を食いしばって頑張れ!
・・・私もいっしょに行く。それなら、文句は無いだろ?」

ラルドは服を脱ぎ始めた。

カイン「・・・。」

カインとラルドは滝に打たれる。

ファラス「いいか?」
ラルド「あぁ。」
カイン「・・・。」
ファラス「雑念を払うんだ。」
カイン「・・・。」
ラルド「・・・。」

カインとラルドは目を閉じた。
そして、雑念を払おうとしている。

ファラス「よし、その調子だ。自分の心臓の鼓動に耳を集中させろ。」

二人の耳には滝の音が聞こえているが、徐々に弱まっていく。
そして、その代わりに無音の状態が始まり、心臓の鼓動が聞こえ始める。



―4時間後―
カインとラルドは滝から出てきた。

ウラン「どうだった?」
カイン「・・・不思議な感覚だった。」
ファラス「やはり、集中力を高めるためには、このような訓練が必要だとわかっただろう?」

カインは目をつぶって手のひらを川に向けた。
すると、川が凍りついた。

カインは目を開けた。
だが、また目をつぶる。
そして、手のひらを川に向けると、今度は川が元通りになった。

カイン「あぁ。力が制御できるようになった。早速、ミラルを連れてこよう。」
ファラス「今すぐはやめたほうがいい。」
カイン「どうしてだ?」
ファラス「この森は夜になると狼が出るからだ。」

その彼らの様子を木の上から見ている人物が2人いた。

???1「・・・ついに見つけた。やっぱり、ファラスは生きていたよ。兄さん。」
???2「ライディス。この事をプラノズに報告しよう。」
ライディス(=???1)「はい。兄さん。」

だが、ファラスはその気配に気付いている。
小さな木の葉を手に取ると、彼ら2人に見えないように、形を小さなナイフに変形させた。
そして、

ファラス「そこだ!」

ファラスはそのナイフをその木の上にいる2人の方に投げた。

???2「マズイ・・・。」

2人は逃げようとした。

ブスッ、

ライディス「うわぁぁ、」

しかし、ナイフはライディスの肩を貫通し、そのまま地面にお尻から落ちて、気を失った。

???2「ライディス!」

だが、ナイフがもう1本飛んできて、その少年の顔を掠める。

???2「ちっ・・・、」

もう一方の少年は木の上を渡って逃げていく。

???2「(すまない・・・。・・・待っていろ、ライディス。必ず助けるからな・・・。)」

頬から血を流しながら、その少年は木から木へと渡って行った。

ラルドたちの目の前にある木の下にいたのは、狼の耳が頭から生え、顔に入れ墨のある少年だった。



第10話へ続く




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