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・・・今は秋!ではなくて堀辰雄の小説。昔はこんなストーリーの小説とか映画とか多かったような気がする。不健康で薄幸な美少女と文筆家の恋物語。舞台は八ケ岳高原のサナトリウム(結核療養所)だが、時代が時代だけに、今の清里高原辺りとは全く似ても似つかぬことだろう。
若いときに読んだら感激したかも知れないが、こういう不健康な娘だったら多分始めから遠慮してしまうだろう。恋愛だけで生きられるならこんなのもアリかも知れないが女房は多少不細工でも健康が一番。この頃は結核も不治の病ではないし、よほど栄養状態が悪くなければ結核の感染も少ない。結核菌自体は太陽に3時間も充てれば死んでしまうと言う。時代の産物といえる作品だ。
結構引き込まれて、リルケを奉る人間は好きな人と離れて暮らすことでその愛情を余計高めるとも書いてあったが、どうも私はその手の人種ではない。一緒に暮らすことが基本だと思う現実主義者。
八ケ岳は学生時代にいったきり。また行ってみたい。
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