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「風立ちぬ」というアニメの評判をあちこちで聞くが、まだ見に行けないでいる。堀辰雄の小説は読んだことがあるが、堀越二郎氏のものは読んだことがない。高校の国語の先生が堀辰雄のファンで、「ぜひ読んでみろ」と言われて読んだはず。
堀越二郎氏は三菱のエンジニアだから書き物が得意だったかどうかは分からない。実際に彼が自分の仕事について記したのは3冊ばかりらしい。本屋に行くのも面倒だし、例によって先延ばしにしていたが、amazonの中にkindleの本として買えることを知り、買ってみた。
amazonで買い物手続きをするとすぐにicloudに送られ、ipadでもiphoneででも読むことが出来る。やっぱりiphoneは読むには少し画面が小さく、ipadのほうが快適だと思う。
内容はいかにもエンジニアの文章で、私自身とは分野は違うけれども利害反する問題をどう解決するかに知恵を使う物語だ。飛行機というのは三次元の運動を自由にできる乗り物で知らないものが見ていても面白く、あこがれを感じる。ラジコンなどはそういう運動性が乗員のこととは関係なくできるからなお面白い。宮崎駿のアニメはさしずめラジコンの世界に近い。
この開発の仕事は激務で、堀越氏は体を壊し、軽井沢で静養する。ここがどうも堀辰雄との交点(実際はどうだったか知らないが、舞台は一致する)らしい。アニメのコンテには逆ガル翼の機体が描いてあったりして、これは後に堀越氏が手がける烈風かとも思うが、ファンタジーあふれる今までの作品とは少し違うのだろう。見には行きたいが何年か後にテレビ放送を見ることになるのかも。
私にとってはその確率のほうが高い。
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