ルビーのきりん

ルビーのきりん

もう一人の誰かさん。



 今でも時々あることです。
 3人の子供を授かってから、時々子供の気配を感じてふっと顔を上げると、誰もいないことが続きました。
「ひょっとして4人目を授かるのかな?」
 なんてちょっとドキドキしていましたが、さすがに近年もうあり得ないな、と思うようになりました。

 それでも、時々その気配はやって来ます。

 子どもたちは隣の部屋で遊んでいるのに、一人だけの足音(音、というほどのはっきりしたものではなく、かすかな気配と言った方が良いかもしれません)が、洗濯物を畳んでいる私のそばへパタパタっとやって来て、じっと私の方を見ているような気がして、誰かなと思って見ると誰もいません。

 ひょっとして・・・。

 長男は、初めはエコーに胎嚢が2つくっきり写っていました。ふたごちゃんかな?とお医者さんに言われ、よく見た時には一つしか動いていませんでした。ちょうど出血して切迫流産で受診した時のことです。

 あなたはあなた?

 ダンナは双子だし、ダンナの双子の弟のところの女の子も双子。ダンナの従兄のところにも双子の男の子が。
 残念ながら生まれて来れなかったけれど、ひょっとしていつもそばにいてくれるのかな。
 思えば、私の中学時代の家庭科の時間に書いた将来設計には、何故か「子供を4人産む」と書いてあったっけ。
 実は、しっかり叶っていたのかも。

 もし双子の片割れとして生まれていたら、甘えん坊の長男と同じ顔、背格好をしていたんでしょうか。
 残念、とか哀しい、という気持ちは正直あまりありませんが、心の片隅にはずっと記憶として残り、感じていることだと思います。 

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