相応しい世界へ飛び立つための_


僕にはこの世界で生きることが最も残酷なことなのです

この世界には不釣合いな僕は 未来永劫この不安から解放されることはない
もっと早く気付いていたはずなのに 僕は実行に移すことが出来ませんでした


貴方の声が今ではもう遠い
貴方の声は二度と僕には届かない
僕の足元から伸びる影は 次第に
僕を飲み込むように 闇を広げ僕を飲み込む


僕に釣合う世界がどこかにあるはずなのです
神様は僕を間違えてこの世界に堕としてしまったのです
僕は天使でも人間でもなく
ましてや聖者や悪魔でもなく
恐らく                     神様が見放した堕天使なのだろう


僕の声は誰にも届かない
僕の声は二度と貴方には届かない
僕の足元から崩れ始めた世界は まるで
僕に新しい世界に飛び立てと警告しているようでした


僕は飛ぶ
僕は堕ちる
僕は飛べるはずなんだ
                         _この傷だらけの世界から_

そして 僕が誰にも見えない羽を持っている意味は
この残酷な世界から
もっと僕に釣合う世界に飛び立つための羽なのです



「次第に残酷な世界は僕を狂わせ始めました」



飛べると信じて飛んだこの青い空の向こう側には
綺麗な世界など広がっては居なかった
飛べると信じて飛んだ僕は 不思議なことに
                             ・・・堕ちていくだけだった_

地面に広がる美的絵画的冒涜「赤い海」
僕は最後の僕を見届けて_


僕の生きるべき世界へ
飛び立つことを赦されました

不具合ばかりのこの身体も
もう                                        さようなら

僕は新しい世界へ飛び立ちます
其処はこの世界よりきっと綺麗なはずだから
其処はこの世界よりずっと僕には暖かい場所だから


信じて飛び立った空には
希望など何処にもなかった
貴方の声は僕には届かない
貴方の声は僕のためのものではない
貴方の声はいつの間にか_


・・・ほら見てみてよ
其処で手招きをしている アレは
死神でも神様でもなく        _僕自身だった_


僕は聖者でもなく 堕ちていくだけ

僕に相応しい世界が もうすぐ
僕を救うはずだから

僕は飛び立つのです
羽

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