「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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12
グラディウスとエミルの介入により、緊迫したムードがさらに増す。
「軍師・・・エミルさん・・・」
這いつくばっていたアクアは、立ち上がり、やってきた二人の方を見る。
それにより少し安心感が生まれた。
現に大ピンチだったのだから。
エミルは彼の側に行き、静かに口を開く。
「ここは僕達に任せて、ワルキューレを連れて逃げるんだ」
確かに、自分は何も出来なかった。
だが男として悔しいのか、反発するように返す。
「待ってください!俺も・・・俺も残って!!」
「貴様がいても邪魔なだけだ、さっさと城へ帰れ」
言ったが、グラディウスにそう言われ、グッと唇を噛み締めた。
そんな彼に追撃を加えるかと思いきや、軍師は思いがけない言葉を発する。
「今貴様がやるべきことは、こいつらと戦うことではない」
「・・・・・・?」
「ワルキューレを、守ることだ」
意外な言葉。
しかし彼には、その言葉が重く圧し掛かり、決意する。
頭を下げ、すぐさまワルキューレの手を握った。
「行こう」
「あっ・・・うむ・・・」
現状況をあまり理解出来ていないが、彼に連れられるまま、謁見の間を立ち去る。
残され二人と三人。
ようやく本題と言ったように、ラファエルが話し始める。
「まさか、軍師である貴方自身がここへ来るとは」
そんな彼に、グラディウスは懐かしむように、微笑しながら返す。
「久しぶりだなラファエル、そしてシグルズ」
それに対してガブリエルが、何かを叫ぼうとするが、シグルズが前に出ることによって止められた。
彼はラファエルの方へ少し顔を向け、呟く。
「僕はワルキューレを追う、こいつらは任せたよ」
そう言い、グラディウスとエミルの間を抜けようとする。
当然させまいと、二人して立ち塞がるが、そこにラファエルとガブリエルが襲いかかった。
ラファエルの剣を避け、距離を空けるグラディウス。
ガブリエルの爪を剣で受け止め、弾くエミル。
その間に、シグルズはいつの間にか消えていた。
「すぐには追いさせませんよ、さすがの貴方でも、隊長である私からは簡単に逃げれません」
「・・・・・・」
珍しく、グラディウスの表情が曇る。
それ程余裕がないということなのだろうか。
一方ガブリエルとエミルも、互いを見、言い合う。
「てめえもあのガキどもの仲間か!?」
「そうだよ、アクア達が世話になったね」
そう言われ、戦闘興の彼は、すぐさまエミルへと迫った。
先程と同じように、爪を振り下ろす。
だがエミルは、動くことなくその場に佇んでいる。
爪が彼へと迫る寸前
「!?」
ガブリエルの足元が凍りつき、彼は動けなくなった。
氷のセンチュリオン、グラキエスの効果。
「悪いけど、手っ取り早く終わらせてもらうよ」
気がつくと、エミルの周りには、様々な属性が具現化していた。
森へ入り、ひたすら走り続けるアクアとワルキューレ。
ひとまず国境を越えれば安心だろうと、ただそこだけを目指して走った。
「はぁ・・・はぁ・・・」
さすがに疲れてきたのか、息が切れ始める二人。
少しペースを落とそうと、気を緩めた瞬間
「あぐっ!!」
ザクっと、ワルキューレの手を握っている方の腕に、ナイフが刺さった。
勢いで倒れそうになるが、踏み止まる。
そこに
「鬼ごっこは終わりだよ、子供達」
数本のナイフを手に構えている、シグルズが追いついた。
ワルキューレは、兄に追いつかれたことにより、再び恐怖に襲われるが、アクアは
「ぐっ・・・・はぁ・・・はぁ・・・・」
振り向かず、彼女を引っ張り走り続けた。
腕から血を流しているにも関わらず、彼女の手を離そうとしない。
それどころか、より強く握っているのが、ワルキューレには感じられた。
「アクア・・・・」
必死な彼の様子を見、複雑な気分だが、恐怖が少し和らぐ。
そんなアクアは、グラディウスの言葉を思い出していた。
そして自分に言い聞かせるように、呟く。
「絶対に離すもんか・・・ワルキューレは、俺が守る!」
こんな状況ながら、心打たれた自分を恥ずかしく思う。
だがやはり、頼りになると感じる。
しかし彼女の想いは
「目障りだよ」
「!?」
一瞬で崩れ去った。
「ッ・・・あぐっ・・・・」
アクアの背中に、数十本のナイフが突き刺さった。
彼はさすがに耐え切れず、その場に倒れこむ。
ワルキューレも手を繋いでいるので、一緒に倒れ膝をついた。
慌てて彼の背中を見てみると、背中より大量の血が流れている。
「アクア!?」
治療しようと、両手を添えようとしたが
「あっ・・・」
まだ手を握られていた。
倒れ込み、意識がもうろうとしているというのに、それでも手を離さなかった。
だが徐々に、その手に力が無くなっていくのがわかる。
そんな彼等の元に
「立派なボーイフレンドだねワルキューレ、兄として嬉しいよ」
再びナイフを構えた、シグルズがやってきた。
哀れむように二人を見下ろしている。
「力もないのに、よく守るなんて言えたものだよ」
彼のその言葉を聞き、ワルキューレは顔を伏せた。
何を思ったのか、力の無くなったアクアの手を静かに離し、そっと置いてあげる。
彼の頭を撫で、呟く。
「アクア、お主の勇気・・・わらわに分けてもらうぞ」
突如、彼女の周りに眩い光が発生した。
それに驚いたシグルズは、思わず飛び退く。
光は少しずつ小さくなり、彼女の周りだけとなり、そして
「これ以上好き勝手はさせない」
ワルキューレが、ゆっくりと顔上げる。
「アクアは・・・【私】が守る!!!」
まるで別人となったように、髪が光輝き、激しい闘気が発せられていた。
スキット:【だって・・・】
コノハ「うぅ~~~~~」
サリア「どうしたのコノハ?」
フレア「エミルさんにいきなり修行つけてもらなくて、むくれてるみたい」
サリア「何よそれ・・・」
フレア「コノハ、今日はゆっくり休みなさいってことなんだよ」
コノハ「うぅ~・・・だって・・・だって・・・・せっかく師匠と・・・組み手出来ると・・・・うわぁ~ん!!」
サリア「デートじゃなくて修行出来なくて、ここまで悲しんでる子初めて見たわ・・・」
【共鳴】
マリア「!?」
ジーク「どうしたマリア?」
マリア「いやえっと・・・今何か、体がびびっと来たような・・・」
ジーク「・・・治療のしすぎで疲れたかも知れない、今日はもう休むんだ」
マリア「うん・・・そうする・・・」
ジーク「お休みマリア」
マリア(・・・さっきの感じ、私が初めて力を使った時に似てた・・・一体何?)
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