小説喫茶・メル

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10









ブリュンヒルドは倒れており、ピクリとも動かない。

終わったと思い、武器をしまおうとした時

「なんだ!?」

目の前で血の塊が浮き上がり、クネクネと不気味な動きをしている。

女神の表情も、苦しむように歪んでいた。

「ぐぬぬ・・・がぁああああああああ!!!」

「軍師!様子が変じゃないですか!?」

「やはりな…」

こうなることも予測していたのか、グラディウスは冷静に呟く。

「奴が体に取りこんでいるのは、この世界の人間の、戦いによって流れた血」

血が荒れ狂うように、女神の体の周りをぐるぐると回っていた。

「戦いの血は、憎しみや悲しみ、人にとって【負の感情】が強く込められているものだ」

「あぁああああああああ!!!!」

「いくら女神と言えど、そんなものを体内に大量に取り込めば、こうなることは目に見えていた」

彼の発言に、アクア達は呆然となる。

自らの行動によって起きた過ち。

子供ながら、それが哀れだという気持ちになった。

「ぐっ!!まだだぁああああああああ!!!!」

暴走した全身の血を、一点に集中させ、波動のように放つ。

慌てて身構える一同だが、アクアが一人前に出、光の剣で受け止めた。

「ブリュンヒルド!もうやめるんだ!!」

受け止めつつ、そう叫ぶが、女神は攻撃を続ける。

「くそっ・・・なんて力だ!?」

「アクア!!」

同じ女神の力を持つマリアが側に寄り、与える力を彼に集中する。

それにより、徐々にだが血の波動を押し返していった。

「ワルキュゥレェェェェ!!!マリアァアアアアアアアア!!!!」

「この!バカ女神ーーーーーーーーー!!!!」

叫び返し、アクアは波動を一気に押し返す。

彼の光と合わさったそれは、先程放った光の刃より遥かに大きく

「ぐっ・・・あぁああああああああああああ!!!!」

ブリュンヒルドを、飲み込んだ。

激しき光に包まれ、周りの血と共に消滅していく。

そして、女神ブリュンヒルドは、跡形も無く消え去った。






呆気ない決着。

皆それぞれ、複雑な気持ちのまま立ちすくんでいる。

グラディウスだけは、女神がいた場所をウロウロと歩き、何かを調べていた。

その時、彼等の後ろで、空間の穴のようなものが開き、そこから

「ッ・・・間に合わなかったか…」

「・・・やっぱり、来て正解だったみたいだね」

ロイド・アーヴィングと、ジーニアス・セイジが入ってきた。







一方外では

「魔物が・・・消えていく…」

メルの周りだけなく、下にもいる血の魔物達が、煙のように消えていく。

「アクアが・・・やったんだ!!」

歓喜のあまり、頬が緩み微笑むカノンノ。

周りの兵達も、戦いの終わりを察し、飛び跳ねるように喜んでいる。

しかしそんな中

「・・・・・・なんや・・・あれ?」

血の要塞方を見ていた不知火が、何かを発見した。

それは、要塞の背後で、そびえるように見えている

「終わったわけじゃ、ない・・・・のか?」

謎の、巨大な黒い影だった。







スキット:【謎の影】

コレット「ミハエル」

ミハエル「コレットさん!?どうしてここに?」

コレット「・・・あなたに一番に伝えた方が、良いと思って」

ミハエル「・・・・・・あの影のことですか?」

コレット「うん・・・あれはね…」

リフィル「コレット!?」

ミハエル「リフィルさん、無事でしたか!?」

リフィル「えっえぇ・・・でも、何故あなたが?」

コレット「・・・落ち着いて、聞いてくださいね…」

ミハエル「あっあぁ・・・」

リフィル「えぇ…」

コレット「あれは・・・・・・・・・・・・・・・・・」

二人「なっ!?」















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