小説喫茶・メル

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13







「こりゃまたえらくでかいのが出てきたな」

剣を鞘から抜き、鞘を投げ捨てる。

肩にかつぎ構えたのを見て、アスベルも腰にかけている剣に手を。

「ユーリさん、アスベルさん、ちょっと待ってください」

臨戦状態の二人に言い、一歩前に出るアルフィーネ。

「こいつがもし前回と同じここの主ならば、アクアの中のワルキューレの力で大丈夫なはずです」

「でっでもよアル、あの時は俺も何が何だかわからなくて…」

困惑する彼を見、アルフィーネは背後へとまわる。

「???」

「いいから行け」

そしてアクアの背中をドンと押した。

「ちょっ!おまっ!!うわぁあああああ!!!」

巨体の前に倒れこみ、見上げてみると

「いっ!?」

大きな手を振り上げ、アクアに向けて振り下ろそうとしていた。

「お兄ちゃん!!」

「アクア!!」

フレアとコノハが慌てて駆け寄る。

その瞬間、森の主の時と同じように、眩い光がアクアより発せられた。

光は巨体の全体を包んでく。

しばらくして収まっていき、皆がゆっくりと目を開けていくと

「・・・やはり同じか」

洞窟の主と思われる巨体から、黒い禍々しい光が消え去っていった。






落ち着いたところで、アクアが起き上がり、アルフィーネの方を向く。

「アル!!いきなり何すんだよ!?」

「そうだよ!!もうちょっとでお兄ちゃん、ぺしゃんこにされるとこだったんだよ!?」

二人の怒鳴りを聞いても、冷静な様子で返す。

「アクアが危険に陥れば、必ずワルキューレは出てくると思ったんだ」

「もし力が出なかったらどうするつもりだったの!?」

「僕がシルフで吹き飛ばしていたさ」

あっさりと言われ、フレアはおでこを手で押さえ「あぁ~そう…」と頭を下げた。

そんな中

「・・・おい・・・・・・あれ…」

一人違う方向を見ていたルイが、先程までアクアが倒れていたところを指差す。

そこには

「・・・えっ!?」

小さな、子供が白い布切れ一枚で倒れていた。

真っ先にその姿に驚いたアクアが駆け寄り、そっと抱き起こす。

彼に続き、フレア達もその姿を見て驚く。

「ワル・・・キューレ…?」

体の大きさこそ小さいものの、顔や髪が彼女そっくりだった。

「えぇっ!?なんで!?ワルキューレって、アクアの中に力だけ残ってたんじゃないの!?」

コノハが大声でそう言い、フレアやルイ、アルフィーネまでも呆然としている。

「アスベル、もしかして…」

「あぁ・・・たぶんこの子も、ソフィと似ているのかも知れないな…」

「どういうことだよ?」

ユーリに聞かれたので、説明するよう話始める。

「以前、俺とシェリアがラントの裏山で敵に追い詰められた時、ソフィが突然現れたんだ」

「後でわかったことなんだけど、ソフィは私とアスベルとヒューバートの3人に、自分の命を分散させて、

私達を守ってくれていたみたいなの」

「ってことは、ワルキューレも同じように、アクアの中に命を宿していたってことなのか?」

「確証はないけど、そういう感じだと思う」

アスベル達の話を聞き、アクア達は再びワルキューレ?の方を見た。

「じゃあこの子、ホントにワルキューレなんだ」

コノハは言いながら、ほっぺをつんつんと触る。

それをシェリアに注意された。

「・・・・・・」

複雑な想いのアクア。

そんな彼に答えるように

「・・・んっ・・・ふにゅ~」

ワルキューレが目を覚ました。

ゆっくりと顔を動かし、周りを見渡す。

「あっ起きたよ!」

「コノハ、静かに」

一周し、眠そうな表情でアクアの方を見ると

「・・・あくあ!!あくあぁ~!!」

そう叫び、両手を肩にまわし抱きついてきた。

「わわっ!!ちょっ!ワルキューレ、ホントにワルキューレなのか!?」

少し離れるよう彼女の肩をつかみ見つめる。

「あっくあ!あっくぁ!!」

しかし彼女は名前を笑顔で呼ぶだけ。

それに疑問を感じたフレアは

「・・・ワルキューレ、私はわかる?」

彼女の視界に入り、自分の顔を指差す。

するとワルキューレはフレアをじっと見つめ

「ふれあ!・・・・・・このはぁ!!」

フレアと叫び、そのまま近くにいたコノハの方も見、そう叫んだ。

だがアスベルや他の人を見ても、首を傾げるだけですぐにアクアに抱きつく。

「・・・もしかして以前会ったアクア達のことは覚えていて、それ以外の言葉は覚えてない・・・とか?」

「そのようですね・・・僕の事は知らないようですし、言葉も名前だけだ」

一同は様々な疑問や想いを感じている中

「あっくぅあぁあ!!!」

ワルキューレだけ笑顔で、まるで子犬のようにアクアに頬を擦り付けていた。








突然現れたワルキューレ。本当にあのワルキューレなのか?
次回【動き出したロムルス】






スキット:【嫉妬】

ワルキューレ「あくぁあ♪」

コノハ「ホントに懐かれてるねぇ~アクア」

アクア「うっう~ん…」

フレア「ワルちゃ~ん、おいで~」

コノハ「ワルちゃん!?」

フレア「だってあの時より随分子供じゃない?どう見ても10歳以下だよこの子」

ワルキューレ「わるぅ!!」

コノハ「わっ!しゃべった!!ってわるぅ!?」

アルフィーネ「もはやワルキューレ語だな」

フレア「おぉ~よしよし・・・・・・可愛いぃいいい♪」

コノハ「妹がいたらこんな感じなのかなぁ?」

ルイ「・・・・・・じぃ~・・・・・・」

フレア「ワルちゃん、帰ったら一緒にお風呂入ろうね~」

ルイ「何!?」

コノハ「ルイ・・・見苦しいよw」

















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