小説喫茶・メル

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アラスタ王国・城

アラスタ城は意外と広く、何度か壊されたこともあるので、その度に改築し広くなっていっているのだ。

そこの庭にて

「・・・・・・」

王妃レナスが、愛刀セイレーンを構え、目を閉じ静かに立っていた。

周りの花や木が彼女の闘気により震えている。

その内の一枚の葉が目の前をヒラヒラと落ちていく。

それがレナスの目の高さより下にいくと

「はっ!!」

目をカッと開き、刀を縦一閃振り上げた。

すると一枚の葉は音もなくパッと真っ二つになった。

「久々に剣の修行か?」

「お兄ちゃん」

闘気を解いたレナスの元に、兄であるハルがやってきた。

人間で言うと35になる彼は、さすがに顔つきが少し変わっている。

もうすっかり大人である。

「たまにやっておかないと、腕が鈍っちゃうからね」

刀を鞘に収めながら話すその表情は、清々しいものだった。

「そうだな、っとそういえば」

何かを思い出したようにレナスの方を向く。

「マルシアに、うちの流派の技全部教え終わったのか?」

ハルとレナスの使う剣術、それらすべては元よりシルファー家に受け継がれているものだった。

どの武道にも必ずではないが流派がある。

ロイドの我流もやがてはクレスのアルベイン流となったのもその例だ。

「えぇ、さすがに私とお兄ちゃんの奥義は教えてないけどね」

「それ以外全部か・・・やっぱりあいつも、おまえに似て剣の才があったんだな」

今やマルシアは剣術、衣術、魔術を使える凄腕の悪魔となった。

年齢も20とまだまだいける年である。

「後はあの子が、自分の奥義を修得出来たら、ほぼ完璧じゃない?」

自分の娘を完璧と言うのに少し気がひけたハルだったが、素直に認めざるをえなかった。

彼女の実力は、自分の息子達より上だと。






タワーの前で大勢の兵と戦闘を繰り広げているマルシアとレイミ。

「飛翔斬!」

悪魔の黒い羽根を利用し、地面より急上昇しながら一体の兵を切り裂いた。

兵は体より血吹雪を吹き出し倒れる。

「くそっ!なんて速い奴だ!!」

まだかなりの数の兵だが、そのほとんどがマルシアの動きに翻弄され、戦いが始まってから一撃も浴びせられていない。

その間彼女はスタッと地面に降りた。

「動きが止まった!今だ!!」

降りたマルシア目掛けて兵達は一斉に手に持っているライフルを構え、発射する。

無数の銃弾が真っ直ぐと迫ってきた。

キンキンキンキンと、弾かれたような音が鳴った。

「何!?」

一斉に驚く兵達。

彼等の銃弾はすべて

「シレ-ヌはあらゆる攻撃を防ぐ衣、おまえ達の攻撃は私に届かぬぞ」

マルシアの以前武器だったもの、セイレーンの刀身より作られたシレ-ヌに防がれていた。

攻撃用のクライシス、防御用のシレ-ヌ、攻守一体の装備を得た彼女を、この程度の兵達が倒せるはずがなかった。

「もう諦めたらどうですか?あなた達じゃマルシアさんには敵いませんよ?」

マルシアの後ろで唄も歌わずいるレイミ。

彼女は先程からマルシアの戦いをずっと見ていたのだ。

そんな彼女の背後に

「覚悟ーーーーー!!!!」

一人の兵が鉄の剣を振り下ろした。

「レイミ!!」

慌てて間に入ろうとするマルシア。

レイミには唄以外の戦う術がない、それを知っているので尚更だ。

それを心配している彼女の前で

ドーンと爆発が起こった。

「はっ?」

当然訳がわからない。

爆発から起こった煙が徐々に晴れていく。

するとそこには

「爆発強・・・・・・ナルクさん威力強過ぎですよこれ~・・・」

少し大きめのおもちゃのような銃を持ったレイミが座りこんでいた。

彼女を襲おうとした兵は、黒焦げになり倒れている。

「レッ・・・レイミ・・・なんだその銃は?」

「あっこれですか?ナルクさんが、戦う術を持っていない私のために作ってくれた【特製マグナム】です」

にっこりと笑い言うその姿は、とても愛らしく幼く見えた。

爆風のせいか、髪が少し乱れている。

「おいおまえ達!まだ俺達がいることを忘れるな!!」

残っている複数の兵達が、またライフルを構えた。

「レイミ、下がっていろ」

「はい?」

「一気に決める」

マルシアはそう言うと、クライシスを片手に持ち、一気に兵達との間合いを詰めた。

「なっ!?」

あまりの速さに驚く兵達だが、反応が既に遅かった。

ザシュザシュザシュと次々に兵達が切り倒されていく。

桃色の光を纏った剣で。

「ばっ・・・化け物か・・・」

最後の一人が、クライシスによる一閃で倒れた。

真・桜乱舞、母上直伝の技、おまえ達には見切れまい」

倒れている兵達の中心に現れたマルシアは、ゆっくりとクライシスをしまった。















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