小説喫茶・メル

小説喫茶・メル




最上階、ミハエルとシグマがいた場所は激しい煙に包まれていた。

そしてそこより

「・・・・・・大した奴だ……」

倒れているミハエルと、よれよれで立っているシグマが現れた。

「ミハエル・・・おまえなら・・・・・・俺に代わってカオスを止め……」

そこまで言い、シグマは力無くその場に倒れた。





奥の部屋では

「安心しなよ、すぐに楽になるから」

メル?が、地面に倒れ蹲って泣いている少女の頭に、先程のクナイを突き付けた。

すぐさま握っている腕を引き、刺そうとした時

「!?」

ガシっと誰かにその腕を掴まれた。

掴んだ者の方を向き、静かに口を開く。

「・・・何のつもり?アルセウス」

ヘスティアの元にいた彼が、彼女の腕を掴んでいたのだ。

ゆっくりと握っている手を放し、彼女の顔を見る。

「カオスが呼んでいる、すぐに戻るようにと」

「・・・ちっ」

アルセウスの言葉に舌打ちするメル?。

クナイを地面に投げ刺し、立ち上がった。

「カオスの命とあっちゃ仕方ないか・・・・・・じゃあね、どこかの誰かさん……」

そう言い、アルセウスと同じ、黒い羽根を背中より生やし飛び上がる。

二人はそのまま屋根を突き破り、外へと出た。

残された少女、メルの元に

「・・・・・・」

一人の女性が駆け寄った。

そこに

「メル!?」

マルシアを先頭に、レイミ、不知火、ヘスティアと部屋に入ってきた。

不知火はミハエルを担いでいる。

そんな彼等を見た女性は

「大丈夫、メルさんと神楽さんは無事です」

少し微笑んでそう言った。

「・・・・・・貴様何者だ?」

だが警戒しているマルシアは、腰にあるクライシスに手をかけつつ尋ねる。

しかし不知火とヘスティアは、少し呆然となっていた。

「・・・まっ・・・まさかおまえ……」

不知火は考えていることを確かめるべく、口を開いた。

「・・・お二人ならわかってくれると思っていました」

女性はまた微笑み、優しい口調で話す。

「そうです、アリアですよ」

「!?」

考えていたこととは言え、二人は驚きを隠せなかった。

以前出会ったアリアは、12歳そこらの可愛い少女である。

だが今目の前にいる女性は、マルシアやヘスティアのように気品ある美しい姿だった。

しかし長い橙の髪、白いローブ、何より彼女の優しい笑顔が、アリアそのものだった。

「・・・・・・アリア、まさかおまえも・・・?」

今度はヘスティアが考えていたことを口に出す。

「はい・・・私も、黒・・・いえ、ヘスティアさんと同じです」

彼女のその言葉を聞き

「・・・どういうことですか姉上?」

マルシアは思わず尋ねた。

それに答える為、ヘスティアは自分がアルセウスより聞かされたことをすべて話した。





「・・・なるほど・・・そういうことだったのか」

姉からの話を聞き、マルシアとレイミは唖然となっていた。

そんな中不知火が

「何にせよ、一旦ここから出た方が良さそうや」

ベットで寝ている神楽を見つめながら言った。

「・・・・・・そうだな、ミハエルは重傷な上にメルも何故かまずい状態だ」

マルシアは不知火からミハエルを受け取り、背中に背負う。

そしてメルをレイミに任し、神楽は不知火が背負った。

「良い機会だ、姉上のこともある、一度アラスタへ戻るぞ」

「・・・そやな、三人がこんな状態じゃカオス達に狙われる可能性も高いわ」

「アリアさん、よろしいですか?」

自分より大人な彼女に、軽卒に尋ねるレイミ。

そんな彼女が可愛らしく思ったアリアは

「えぇ、私も貴方達の世界に興味があります」

微笑んでそう言った。

全員承諾したのを確認すると、マルシアは胸元より黄金の鍵を取り出した。





どこかの建物の内部

その地下だろうか、その暗いフロアに、いくつかの人の姿があった。

「みんな、突然すまないね」

そこの奥、祭壇のような所より、バトルカンパニーの社長、カオスが現れた。

「おや?ヤイバの姿が見えないが?」

「ヤイバさんのことだから、また勝手に動いてるんじゃないの?」

カオスの問い掛けに、メル?が両手を後ろで組んで気だるそうに言った。

その隣でアルセウスが

「シグマの姿も見えないけど?」

周りを見渡しカオスに尋ねる。

するとカオスは少し表情を強張らせた。

「彼は、ミハエル君に倒されたよ」

その発言にアルセウスは驚き、メル?は

「さ~すが僕のミハエル♪」

ニッコリ微笑んで両手を頬へ添えた。

カオスはそれを見て微笑し、続ける。

「みんな、もう間もなく時は満ちる、ガイアのエネルギーも十分になった」

不敵に笑うのに、メル?も釣られて笑う。

「そろそろ・・・・・・仕上げといこうか」

カオスが笑い、メル?が微笑み、アルセウスが腕を組んで苦笑する中

「・・・・・・」

ただ一人、黒いスーツを身に包んだ女性だけが、真剣な表情で黙っていた。

そのどこか美しく妙な雰囲気のある姿は、カオスの面影もあった。
















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