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2010/09/13
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カテゴリ: BOOK REVIEW
brother
兄弟/余華

文化大革命、毛沢東、人工処女膜、巨乳男、宇宙旅行・・。悪趣味。純愛。家族愛。何でもアリ。怒涛のドタバタ中華絵巻。

冒頭シーンは「肥溜め」。それ自体強烈な個性(悪臭?)を放ち、普通の小説じゃない予感。兄弟の「弟」で主人公の一人、李光頭の父親が肥溜めで溺死という因果からこの尋常じゃないストーリーは始まってる。上巻の「文革篇」では、歴史のうねりに翻弄される幼い兄弟。泣きどころてんこ盛りで、号泣がお約束なのかもしれないが、全体的にテンポが漫画っぽく、カンフー映画を見てるようであまり泣けない。パワフル中国の底力?それより何より文化大革命で迫害を受ける地主や資産家たちが悲惨。大衆総出でリンチする、集団の狂気。それだけ価値観も何もかもを崩壊させたのが文革だったのでしょうか。

下巻「開放経済篇」になるとガラリとトーンが変わり、高度成長まっしぐら。人民服を着て自転車に乗り、つつましく生活してた人々が、「金」「セックス」に暴走。欲望に目がくらんだ大衆はこれまたカオス。狂気のワンダーランド。そんな中、主人公である「兄弟」。実際は再婚した親の連れ子同士、血のつながりはないのだけど、その絆は水よりも濃い。悲しいほど純粋で美男の宋鋼と、下品で粗野で超俗物の李光頭(肥溜め溺死男の息子)。三蔵法師と猪八戒と例えられるほど、対照的な二人(この例えがいかにも中国!)。彼らの運命は、中国の歴史の大変動にさらされながら、残酷でスキャンダラスでどこかコミカル。

冷蔵庫で冷やした飲み物。キャンディー。そんなものを初めて口にした少年時代から、経済成長を遂げた中国で、実業家としてアルマーニのスーツで白ベンツ・黒BMWを乗り回す人生。こういう人が存在する中国。もう誰にも止められない。中国ってやっぱりすごい・・。

本の中にしばしば登場する肉まんが、たまらなくおいしそうやった。鶏ミンチで作ってみようかな。





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Last updated  2010/09/13 09:07:07 AM
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