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らむくりーむ @ >まみっぺ 笑ってくれて嬉しい♪アクションヒーローは…
2012/11/15
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カテゴリ: BOOK REVIEW



ろうあの少年が老婆を強盗殺害。取り扱った事件の関係者に、偶然にも接近していく判事付調査官ラムジー。職権はく奪の危険を顧みず深みにはまって行く彼女がつかんだ真相とは?その裏に隠された政治絡みの陰謀とは?

タイトルが「十歳の囚人」で、カバーも黒人の男の子が飾ってるわりには、当人はあまり登場しない。反対に主人公の白人女性がライフル振り回す姿がやたら印象に残る作品。このキャラクターがひとくせもふたくせもある。ロースクール出たての26歳(実際はその倍ぐらい老熟してる)女性、大柄(ていうかおデブ?)。アル中一歩手前で、不幸な家庭に育ち、貧乏白人(←自分で言ってる)銃フェチときたもんだ。何でもアリって感じ?。

興味深いのが、彼女の目線で語られる黒人社会。念願のマイホームを手に入れたと思ったら、そこは黒人だけが住む地域。その時のうろたえぶりがリアル。あぁ、やっぱりそういうもんなんや。そこをリベラルになじもうとするものの、顔をのぞかせる自分の中の「差別と偏見」。その彼女が育った環境というのが、おじさんはKKKだったという超閉鎖的な白人社会で、やはりアメリカといえど田舎のほうはまだまだ時代錯誤なんだろうな。主人公もうわべだけは取り繕っても壁を作っていく。業務上、事件関係者と接触するのはタブーのため、相手を突き放そうとするものの、最終的に引き込まれてしまうジレンマ。

登場する黒人がステレオタイプで、信心深く、何でもかんでも神にすがるあたり、ジャマイカ人と重なる。貧困、無教養と宗教って共通項だと思いませんか?なすすべがない時に神頼みって、わからないでもないが、常時「なすすべがない」っていう状況を作り出してるのは一体誰?

後半、ラムジーが銃を手にしてから急に面白くなった。ハンドル握ると性格かわる人っていますよね。「セックスよりいい」と豪語するあたり思考レベルがまるで全米ライフル協会のそれだが、こういう人たちがアメリカの銃社会を作ってるんだろうな。マイケル・ムーアの映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」を思い出した。

痛快だったのが、故郷の教会へ黒人の友達を連れて行ったシーン。教会といえど閉鎖的で排他的なのは変わらず。地元白人たちの冷たい視線を受ける。「博愛主義のキリスト教がこれ」と心の中で悪態をつく主人公。

銃フェチの彼女、その腕前のおかげで、危機一髪、窮地を逃れるのだが、自分を襲った相手を掌中に収め、吟味するシーンが最高。生かすも殺すも自分次第という甘美な感触を味わいながら、家畜を殺したシーンをフラッシュバックさせるあたり、「うまい!」の一言。

地味な作品で、もう絶版らしい。登場人物の魅力に欠け、ラストもあまり好きとは言えないが、色々考えさせられました。





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Last updated  2012/11/15 11:34:07 PM
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